和歌山県内で現在、交流サイト(SNS)型投資詐欺やロマンス詐欺の被害が急増している。11日に那智勝浦町の浜ノ宮会館で開かれたいきいきサロン浜ノ宮区では、新宮警察署の特殊詐欺被害防止アドバイザーが「管内でも詐欺の予兆となるアポ電が確認されており、相談も多い。注意を」と呼びかけた。
和歌山県警が公表している統計(4月末時点)によれば、今年に入ってから県内では「SNS型投資詐欺」で39件約4億2700万円の被害が発生。主としてSNSなどの非対面で投資を勧め、金銭をだまし取る手口だ。外国人や海外居住者を名乗ってSNSでやりとりし、恋愛感情や親近感を抱かせて金銭をだまし取る「SNS型ロマンス詐欺」も6件約5600万円の被害が出ている。
昨年県内で発生した特殊詐欺被害が全体で100件、約3億6000万円だったことと比較しても、詐欺の被害が拡大していることが分かる。
新宮警察署管内での認知こそないがアドバイザーの楠本研さん・脊古佳さんは「統計は氷山の一角」と注意喚起。具体的な詐欺の手口を紹介し「現在、被害に遭うきっかけの多くが、インスタグラム・フェイスブックの広告やLINE(ライン)のチャット勧誘。『アポ電』は家族構成や預貯金額を聞き出そうとする電話のことで、知らない人からお金の話が来たら、1人で考えずにまず相談を」と呼びかけた。
サロン参加者17人の中からは「朝、突然英語の国際電話がかかってきて切ったのだが、大丈夫だろうか」「知らないうちにクレジットカードの情報を抜き取られ、請求が来たことがある。クレジットカード会社の方が気付いてくれて被害はなかったが、まさか自分が巻き込まれるとは」などの声もあった。
他府県では、6月から始まる「定額減税」に乗じた還付金詐欺も発生している。不審に思うことがあれば▽新宮警察署(電話0735・21・0110)▽消費者ホットライン(188)▽ちょっと確認電話(警察本部、電話0120・508・878)―まで相談を。
(2024年6月15日付紙面より)