串本町串本にあるAコープ紀南VASEO店前で7日、認知症啓発活動「オレンジガーデニングプロジェクト」に係る街頭啓発が展開された。
同啓発のシンボルカラー・オレンジ色の花を咲かせるマリーゴールドの種や苗などを配る内容。この日は町地域包括支援センター、町住民課、町権利擁護サポートセンター「こうけんくしもと」、くしもと町立病院と新宮警察署から計10人が啓発員として参加し、種217袋と苗127株を渡して花が咲くまで育てるよう求めた。
町地域包括支援センターの濵麻衣子さんによると、苗の一部は本年度から独自活動として認知症啓発に取り組む町商工会女性部が育てているものを実費負担のみで引き継いで得たそう。新宮警察署は併せて特殊詐欺被害防止などの啓発物資も準備したという。
認知症啓発という背景を持つ種や苗を育てる過程を通して啓発の趣旨に対する理解と実践意識を高めてもらうのが配布の狙い。濵さんは「支援制度ももちろん大切ですが、認知症になっても安心して暮らしていくためには周りが正しい理解を持ちこれまでにあった偏見を持たないようにすることも大切。その状況が住みよいまちづくりにつながると思っています」と話し、さらに咲く花を見た住民もこの趣旨に触れて認知症に優しいまちづくりの裾野が身近に根強く広まる成果を今後に思い描いた。
種は1000袋準備していて、この日の啓発以外に同署串本分庁舎や同病院で自由に持ち帰ってもらう形でも配っているという。
(2024年6月11日付紙面より)
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