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地域住民らが小学校に避難=2日、那智勝浦町の市野々小学校
「つれもて率先避難を」
3区合同で土砂災害訓練
那智勝浦町

 梅雨入りを前にした2日、那智勝浦町の那智川流域にある市野々区、八反田区、井関区で3区合同の土砂災害防災訓練があった。市野々小学校を避難所として、防災情報の伝達や逃げ遅れた避難行動要支援者への対応訓練があり、住民・防災関係ら約70人が、全国で激甚・頻発化する災害への意識を新たにした。

 2011年の台風12号による紀伊半島水害で土石流が発生し、大きな被害があった那智川流域。14年より市野々区で、その後から3区合同で毎年訓練を行い、教訓をつないでいる。

 訓練は、梅雨前線による大雨警報の発令中、24時間雨量200㍉以上が予想され、線状降水帯が発生して災害発生の危険性が高まっている状況を想定。午前9時に警戒レベル3の「高齢者等避難」、9時30分にレベル4の「避難指示」が発令された。

 市野々小では、非常用持ち出し袋を背に家族で避難したり、赤いヘルメット姿の自主防災組織メンバーが足腰の弱った要支援者を送り届けたりする様子があった。体育館では、町が備蓄を進める段ボールベッドやパーティション、簡易トイレ、スポットエアコンなどを展示した。今年1月1日に発生した能登半島地震では、地震による土砂災害が発生したこともあり、地震体験車「ごりょう君」による地震体験もあった。

 新宮警察署の湯庭大悟警部は「みんな家にいるから大丈夫などと思わず、つれもて率先避難を」。瀧本雄之副町長は「より実践に近い訓練、そして長丁場の避難所生活をイメージしてもらえるよう訓練計画を練った。まずは重要なのは自助。早め早めの避難を」と講評した。

 参加した70代女性は、13年前の水害について「明け方に飼い犬がほえるので見に行くと溺れかけており、慌てて2階へ逃げ、翌朝周囲を見てびっくり。やっぱり水は恐ろしい」と振り返り「歩いて小学校まで避難するのは大変だが、自主防災組織の方々が1人暮らしの人を見回ってくれ、本当に良くしてくれている」と話していた。

(2024年6月6日付紙面より)


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合同で「アルファⅢ」のセッティングを進める桐蔭科学部とCGS部の部員ら=2日、串本町潮岬
学校 桐蔭科学部が潮岬で合宿
串本古座CGS部も見学
串本町
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串本古座高
 和歌山県立桐蔭中学校と同高校の両科学部(以下、桐蔭科学部)が2日、串本町潮岬にある望楼の芝で自作ロケットやモデルロケットの打ち上げに取り組んだ。県立串本古座高校CGS部もその様子を見学。一部体験もさせてもらって桐蔭科学部の活動に触れる機会を持った。

 桐蔭科学部が部内の希望者を対象にし例年6月第1土・日曜日に県立潮岬青少年の家を滞在拠点にして実施している合宿の一環。本年度は部員21人が参加し、缶サット甲子園などのコンテスト出場を目指す部員グループが模擬人工衛星の開発を進めつつ自作ロケットの打ち上げ試験をし、新入部員が先輩部員の指導を受けモデルロケットキット「アルファⅢ」の製作・打ち上げ体験に取り組むなどした。

 県立串本古座高校は本年度から宇宙探究コースを含む未来創造学科の生徒受け入れを開始。宇宙関係の取り組みがいっそう活発化する中、かねて桐蔭科学部と交流をしているCGS部は独自活動を深めるヒントを探るため、桐蔭科学部の来町に合わせて見学を申し入れ部員7人が同芝へ赴いて様子を見守った。

 桐蔭科学部は新入部員が制作した「アルファⅢ」をCGS部と共有する形で打ち上げ体験を提供。両部間でセッティング方法を共有して「アルファⅢ」を打ち上げ可能な状態にし、順番に打ち上げた。その後に自作ロケット打ち上げ試験を実施。桐蔭科学部の藤木郁久顧問が事務局長を務める県宇宙教育研究会のモデルロケット指導手順をなぞらえてドローン操縦体験も実施した。

 同芝では9月に缶サット甲子園と宇宙甲子園ロケット部門の各和歌山地方大会が2週末続きで順次実施予定。会場最至近となる県立串本古座高校もこの機会に出場を目指していて、CGS部の部員と共にその分野に強い藤島徹顧問や太田昇顧問も積極的に関わってヒントを模索した。

 桐蔭科学部の合宿目的は自作ロケットの開発進展と、新入部員の経験やその指導による部員の教育スキル向上の3点。CGS部が合流したことで3番目の目的も一段と緊張感を持って取り組めた、と今回の申し出に感謝していた。

(2024年6月6日付紙面より)

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機運高揚を目指し懸垂幕が設置された=3日、新宮市役所
地域 新宮市役所に懸垂幕
世界遺産登録20周年
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熊野速玉大社
新宮秋まつり
花火大会
 新宮市の商工観光課と観光協会、和歌山県観光振興課で組織する、新宮市観光地魅力アップ協議会(山本大輔会長=市観光協会事務局長)は3日、新宮市役所に「祝 紀伊山地の霊場と参詣道世界遺産登録20周年」と書かれた懸垂幕を設置した。関連事業を盛り上げるべく、機運高揚を狙う。

 新宮市では、世界遺産登録20周年のオープニングとして、7月7日(日)に丹鶴ホールで記念イベントを開催する。著名写真家によるトークショーや、語り部による「新宮参詣曼荼羅(まんだら)」の絵解き、地元中学校・高校による吹奏楽演奏を予定している。

 また熊野速玉大社では、3期間にわたって光の演出を計画。7月27日(土)には「くまのこどもサミット」も予定している。「新宮につながる熊野古道リレーウオーク」はすでに実施中。三山協議会の事業として東京でのシンポジウムも行うことになっている。都市圏での熊野新宮セミナーも計画している。

 他にも関連イベントとして▽徐福公園の楼門ライトアップ▽記念花火大会▽記念新宮秋まつり―などがある。

(2024年6月6日付紙面より)

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