和歌山県立桐蔭中学校と同高校の両科学部(以下、桐蔭科学部)が2日、串本町潮岬にある望楼の芝で自作ロケットやモデルロケットの打ち上げに取り組んだ。県立串本古座高校CGS部もその様子を見学。一部体験もさせてもらって桐蔭科学部の活動に触れる機会を持った。
桐蔭科学部が部内の希望者を対象にし例年6月第1土・日曜日に県立潮岬青少年の家を滞在拠点にして実施している合宿の一環。本年度は部員21人が参加し、缶サット甲子園などのコンテスト出場を目指す部員グループが模擬人工衛星の開発を進めつつ自作ロケットの打ち上げ試験をし、新入部員が先輩部員の指導を受けモデルロケットキット「アルファⅢ」の製作・打ち上げ体験に取り組むなどした。
県立串本古座高校は本年度から宇宙探究コースを含む未来創造学科の生徒受け入れを開始。宇宙関係の取り組みがいっそう活発化する中、かねて桐蔭科学部と交流をしているCGS部は独自活動を深めるヒントを探るため、桐蔭科学部の来町に合わせて見学を申し入れ部員7人が同芝へ赴いて様子を見守った。
桐蔭科学部は新入部員が制作した「アルファⅢ」をCGS部と共有する形で打ち上げ体験を提供。両部間でセッティング方法を共有して「アルファⅢ」を打ち上げ可能な状態にし、順番に打ち上げた。その後に自作ロケット打ち上げ試験を実施。桐蔭科学部の藤木郁久顧問が事務局長を務める県宇宙教育研究会のモデルロケット指導手順をなぞらえてドローン操縦体験も実施した。
同芝では9月に缶サット甲子園と宇宙甲子園ロケット部門の各和歌山地方大会が2週末続きで順次実施予定。会場最至近となる県立串本古座高校もこの機会に出場を目指していて、CGS部の部員と共にその分野に強い藤島徹顧問や太田昇顧問も積極的に関わってヒントを模索した。
桐蔭科学部の合宿目的は自作ロケットの開発進展と、新入部員の経験やその指導による部員の教育スキル向上の3点。CGS部が合流したことで3番目の目的も一段と緊張感を持って取り組めた、と今回の申し出に感謝していた。
(2024年6月6日付紙面より)
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