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企画展「鯨と人の営み展」第2期が始まった=11月29日、太地町立くじらの博物館
クジラと人の関わり知って
鯨研との企画展第2期
太地町立くじらの博物館

 一般財団法人日本鯨類研究所と太地町立くじらの博物館(稲森大樹館長)による企画展「鯨と人の営み展」第2期がこのほど、同館で始まった。クジラと人が営んできた歴史の一部を紹介するもので、両者が所蔵するクジラのひげや歯、骨などで作られる道具や工芸品を3期にわたり展示する催し。第2期は「鯨歯・骨・革・郷土玩具など」と題し、アクセサリーや工芸品の数々が並ぶ。来年2月18日(日)まで。入館料が必要。

 昔から日本人にとって身近な生物であったクジラとのつながりを周知することが目的。共催での企画展の計画が上がり、来年4月に鯨研の太地事務所設置も踏まえて、実施に至った。

 第1期「鯨ヒゲ」は今年8月から開始され、11月12日に終了した。第3期は、第1、第2期で評判が良かった展示品や学芸員が選んだ品々を展示する「ベスト・セレクション」を行う予定。

 展示では、マッコウクジラを主とした鯨類の歯や骨などを使用したアクセサリー、留め具である根付け、鯨船などの郷土玩具に加え、同館の4代前の館長の父に当たる彫金師・北市三郎氏の高い技術力が結集された印材やブローチなどのコレクションも並ぶ。

 また、ソフトテニスで使用するラケットのガットは以前、クジラの繊維の束を加工していたことが分かる資料や、現在も販売中の鯨油を用いたペット用サプリメントなども展示されている。

 中江環副館長は資料の寄贈や協力を得た町民らに感謝を述べ「加工に必要なマッコウクジラが現在は手に入りにくく、職人の高齢化もあって貴重な技術がなくなっていくことは不安」と吐露。

 展示については「伝統文化を後世に伝えていかなくてはならない。品々を見て技術の高さを感じてもらい、クジラと人の関わりを考えるきっかけにしてほしい。その関わりは過去のものではなく、現在も恩恵を受けていることを知っていただけたら」と語った。

 大阪府から訪れた40代女性は「クジラの歯などで作られていることに驚いた。すごい技術。クジラと人の関係が知れて良かった」と話していた。

(2023年12月1日付紙面より)


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表彰を受けた皆さん=11月28日、那智勝浦町天満の体育文化会館
学校 人権尊重の精神を表現
児童生徒の入賞作品表彰
那智勝浦町
 那智勝浦町人権・同和啓発作品表彰式が11月28日、同町の体育文化会館であった。人権尊重の精神を豊かに表現し、作文、詩、標語、ポスターの4部門で入賞した町内小中学校の児童生徒27人が表彰を受けた。

 町人権尊重推進委員会(楠本實会長)が、11月の人権・同和教育啓発推進月間事業の一つとして応募を呼びかけ、毎年実施している。今年は小学生から▽作文19点▽標語50点▽詩41点▽ポスター116点、中学生から▽作文20点▽標語33点▽詩35点▽ポスター3点―の応募があった。

 開会に当たり、楠本会長がたくさんの応募への感謝と入賞者への祝福を伝え「今後も人権・同和教育や啓発に、皆さんの協力をお願いします」とあいさつ。

 楠本会長による表彰状授与に続き、同委員会の山田貴也委員が「生活の中で気付いた人権問題を取り上げ、われわれ大人に問いかける内容が多かったと感じた。差別やいじめ、戦争の悲惨さと平和、ネット社会における誹謗(ひぼう)中傷、性的マイノリティーといったことが取り上げられており、どれも素晴らしい作品だった。これからも生活の中で人権に心を配り、自分の頭で考え、より豊かな社会をつくり上げていくことを願っている」と講評した。

 ポスター入賞作品は同委員会制作の人権啓発カレンダーやティッシュなどに使用しており、町内での街頭啓発や地元企業に配布、提供されている。

(2023年12月1日付紙面より)



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大門坂を行く平安衣装の一行=11月26日、那智勝浦町
地域 平安時代にタイムトリップ
世界遺産熊野那智詣ツアー
那智勝浦観光機構
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熊野那智大社
飛瀧神社
 一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は11月26日、那智勝浦町那智山などで「世界遺産熊野那智詣―平安時代にタイムトリップ―」を開催し、全国から32人が参加した。

 コロナ禍で中止が続いていた「あげいん熊野詣」をリニューアルしたイベント。「祈る」「歩く」「学ぶ」「食べる」をコンセプトに、同町の魅力を堪能できる周遊ツアーとして、来年の世界遺産登録20周年を前にしたプレイベントも兼ねて企画した。

 参加者たちは大門坂観光案内所に集合し、うち希望者の14人が平安衣装に衣替え。列になって大門坂を上っていると、外国人観光客らが「写真を撮ってもいいですか?」と声をかける場面もあった。

 熊野那智大社で正式参拝を済ませた後、那智山青岸渡寺へ。今年10月に落慶式を迎えたばかりの行者堂では特別護摩供もあった他、飛瀧(ひろう)神社で正式参拝、そばや菓子の振る舞い、熊野那智大社・青岸渡寺によるオリジナル扇子・扇まつり限定手ぬぐいの贈呈など盛りだくさんの内容だった。

 今後は毎年の恒例イベントとする他、内容を再構成して団体ツアーに提供するなどの構想もあるという。

(2023年12月1日付紙面より)

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専門講師の指導に沿って「アルファⅢ」を組み立てる参加者=11月25日、串本町潮岬
地域 潮岬でロケット発射体験
親子ら12組が現地参加し
JAF
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南紀熊野ジオパーク
 串本町潮岬で11月25日、日本自動車連盟(JAF)主催のイベント「自分で作るロケット発射体験」があり12組34人がモデルロケットキット「アルファⅢ」の製作と打ち上げを体験するなどした。

 このイベントは、専門講師による講義や体験を通して未来を考えるきっかけを託す目的で展開するプロジェクト「いま、私たちの未来を考える」の一環。南紀串本観光協会の協力を得て計画した内容を広報紙「JAF PLUS」2023年秋号〈関西版〉などで告知して参加を呼びかけ、当日は大阪、京都、奈良、和歌山の4府県から現地参加を得た。

 会場は本州最南端にある南紀熊野ジオパークセンターや望楼の芝。日本モデルロケット協会の指導講師ライセンスを持つ県宇宙教育研究会の藤木郁久事務局長と太田昇事務局次長を専門講師として迎え、参加者は町内からの打ち上げが目指されているロケットやその飛ぶ原理などについて教わった後、2人の指導に沿って「アルファⅢ」を組み立てた。難しい工程は観光協会の宇井晋介事務局長ら関係のスタッフが補助し、1時間強で完成。エンジンを組み込んで望楼の芝へ移動し、専門講師2人監督の下で計16機を一人ずつ順番に打ち上げた。

 この日の頭上は快晴で微風と絶好の条件。本物同様に真上へ打ち上げ、1機も失うことなく参加の記念として「アルファⅢ」を持ち帰る形で終了できた。同連盟和歌山支部の宿利聡推進課長によると、県内で同プロジェクトに結び付く企画を考える中で民間小型ロケット射場が話題になっていることに着目。この話題をJAF会員に意識してもらう足掛かりとして現地で実施が盛んなこの体験をイベント化したという。参加者は地元スタッフの補助を通して、本物の打ち上げ見学に役立つつながりも得ながら体験を締めくくった。

(2023年12月1日付紙面より)

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