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会場全体で「ハッピープライド」のかけ声を行った=12日、那智勝浦町のブルービーチ那智周辺
「多様性は可能性」
レインボーフェスタにぎわう
那智勝浦町

 レインボーフェスタ那智勝浦実行委員会は12日、那智勝浦町のブルービーチ那智(熊野体験博跡地)で「レインボーフェスタ那智勝浦2023」を開催した。今回で3回目となる多様性を分かち合う催しは、多くの来場者でにぎわった。

 レインボーフェスタは性的少数者やLGBTQについて理解を広めるとともに、一人一人が持つ「性の多様性」を祝福し、分かち合う場として、全国各地で実施されている。

 県内では和歌山市のみで開催されていたが、2021年に「LGBTQを通して多様性について考える」催しとして同町でも始まった。なお、同町では今年4月にパートナーシップ・ファミリーシップ制度が導入されている。

 会場では、豊富な飲食や雑貨のブースが並び、ゲームコーナーもにぎわった。ステージイベントでは、絵本の読み聞かせや手話うた、吹奏楽、ダンス、バンドや太鼓、楽器の演奏、ヨガが披露され会場を盛り上げた。

 旗にペイントするレインボーフラッグの作成が行われたほか、会場内のポイントでしおりにスタンプを押して「オリジナルレインボーしおり」を作るイベントもあった。

 自身のセクシュアリティーをゲイと公表しているアーティスト・KOTFEさんと、同実行委員会代表で自身がトランスジェンダー(性自認と身体的な性が一致していない当事者)の丸山都さんが多様性についてトークショーを行った。

 初の試みとして、多様性に関する作文を募集し会場に掲示。選ばれた作文は、メンバーが読み上げて紹介した。

 最後はメンバーや来場者全員で「ハッピープライド」のかけ声を行い、色とりどりの餅をまく「レインボー餅ほり」で締めくくられた。

 丸山さんは「多くの皆さまや町のご協力は心強い。僕たちはLGBTQのみならず、多様性に力を入れている。テーマは『多様性は可能性』。多様性を認め合うことで、多くの可能性につながると思う」と話していた。

(2023年11月15日付紙面より)


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陽光を受けてにわかに際立った田原川河口一帯の「海霧」=14日、串本町田原
地域 陽光受けにわかに際立つ
冬の風物詩「海霧」発生
串本町
 前日に増して冷え込む朝となった14日、串本町の東岸各所で冬の風物詩「海霧」が見られた。

 海面から霧が立ち上がる自然現象。河口一帯で河川からの流入量、放射冷却による強い冷え込み、風がない状況など、さまざまな要件が良好に重なった場合に発生する散発的光景でもある。

 荘厳さで定評のある田原川の河口一帯では、勢いこそ控えめだったが広く「海霧」が発生した。遠く沖合に雲海があったが、それを越えて太陽が昇り陽光が差し込むと「海霧」もその色彩を帯びてにわかに際立った。国道42号の歩道が見物場所として親しまれていて、現地にある案内板では12~3月が発生シーズンと紹介されている。

 この日は田原川以外に津荷川や古座川の河口一帯でも「海霧」が発生し、特に規模が大きい古座川の河口一帯は九龍島(くろしま)をゆうに囲む広がりで海面を覆っていた。

 気象庁観測、同日正午までの最低気温は沿岸部の潮岬で9・2度(午前3時51分)、山間部の西川で1・9度(同3時46分)だった。

(2023年11月15日付紙面より)

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子どもたちに大人気。「じゃばライダーショー」=12日、北山村のおくとろ公園
地域 自然の恵みに感謝
「じゃばらの里の収穫祭」盛況
北山村
 北山村青年会(小林賢司会長)、株式会社じゃばらいず北山主催の「じゃばらの里の収穫祭2023」が12日、同村下尾井のおくとろ公園で開催された。秋晴れの空の下、村内外から大勢の家族連れらが来場。趣向を凝らしたステージイベントやグルメ、買い物などを満喫した。

 北山村の特産品であるじゃばらの収穫を祝って開催する恒例のイベントで、同村が後援している。

 会場にはじゃばらを使った料理を提供する店舗などが並び、来場者らが長い列を作っていた。「北山村の猟師が作ったしし鍋」の無料配布にも開始時間前から長蛇の列。配布開始後約15分でなくなるなど盛況だった。

 ステージでは、毎年恒例の「飛び地でジャンプ 大縄跳び大会」「じゃばらジュース早飲み大会」があり、一般来場者らが参加。白熱した戦いを繰り広げた。ダンスステージもイベントににぎわいを添えた。

 じゃばらの木から生まれたヒーロー・じゃばライダーが「カフンアーク」と戦う「じゃばライダーショー」は子どもたちに大人気。また、今年は初めて、出店舗が参加する「じゃばらお料理コンテスト」も開催された。最後には豪華賞品が当たる大抽選会と餅まきもあり、会場は多くの来場者の笑顔であふれた。

 小林会長は「天候に恵まれ、また今日は日曜日ということもあり多くの方にご来場いただいた。飲食店にもたくさんの人が並んでくれている。盛大に開催することができて良かったです」と話していた。

(2023年11月15日付紙面より)

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災害時のペット同行避難について、図上訓練に取り組んだ=10日、那智勝浦町の消防・防災センター
防災 災害時のペット同行避難
課題解決に向け図上訓練
那智勝浦町
 環境省は10日、那智勝浦町の消防・防災センターで和歌山県初の災害時ペット同行避難訓練を実施した。町職員や県職員など30人が参加し、災害時に人とペットの避難を安全・円滑に行うための図上訓練に取り組んだ。

 環境省では2011年の東日本震災を契機に、災害時におけるペットの同行避難を推奨しており「人とペットの災害対策ガイドライン」などを作成。広域的な防災訓練にも力を入れている。

 同訓練は、ペットがいることを理由に避難しない飼い主や避難所でペットの受け入れが拒否された各事例を受け、同行避難における受け入れ環境の整備や体制確保、関係組織との連携や連絡体制の確認などを目的に実施。

 環境省自然環境局の大嶋達也さんが「ペットの防災対策は人命を守ることにもなる。現場ならではの課題も多いが、訓練を通じて、防災対策の向上につなげていただけたら」とあいさつした。

 獣医師で新潟県新発田食肉衛生検査センターの遠山潤所長が「災害時に自治体が行うペット関連の支援活動」と題し講話。ペットの同行避難や避難所対応など、事例を踏まえながら解説した。

 図上訓練は、時間経過で状況が変わる形で進められ「発災~3日後」「4日後~2週間」の2回実施。台風上陸に伴う大雨で、県南部を中心に深層崩壊などが多数発生している想定で行われた。

 県と町災害対策本部、各避難所の五つのグループに分かれた職員は、遠山所長や特定非営利活動法人ANICEの平井潤子さんらから、諸課題を記したカードが配布され、解決に向けて意見を出し合った。

 避難所グループからペットの管理・保護に関する要望や意見を受けた町災害対策本部が、県に協力を求めるなどした。各回、終了後に振り返りを行い、気付きや課題を共有。有識者からの講評もあった。

 町防災対策企画員の柴田通仁さんは「訓練は繰り返すことが重要。まず図上訓練で知識や対応を身に付けていただき、今後はステップアップして、実際にペットと共に訓練ができれば」と話していた。

(2023年11月15日付紙面より)

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