熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

久保満知子さんの動作をまねて踊る児童生徒ら=12日、新宮市立高田小学校・中学校
児童生徒が伝統継承
地域の踊りを運動会で
高田小・中学校

【この記事のキーワード】
高田小
御神楽
 地域の伝統を児童生徒が継承―。新宮市立高田小学校・中学校(山本健司校長)は12日、初の試みとして、新宮市高田出身の外部講師を招き、小中合同の運動会で披露する「高田踊り」の練習を行った。児童6人、生徒4人が参加、指導を受けて踊りを覚えた。

 「高田踊り」は地域に伝わる特有のもので、高田の盆踊りで踊られる。右手の扇子を表裏に翻しながら、足を運び回ったりして舞う。以前に習ったことがあるという児童生徒も数人いたが、5年前などで「うろ覚え」程度、初めてが大半だった。学校としても、ダンスや御神楽(みかぐら)に取り組んだことはあったが、高田踊りは初となる。

 現在は新宮市磐盾在住の久保満知子さんが講師を務めた。久保さんは「高田で生まれて育ちました。今のえぼし寮のところに学校があって、通っていました。高田踊りを覚えて、地域で踊ってもらえたら」と呼びかけた。

 久保さんは扇子を持って、児童生徒はうちわで代用して練習した。久保さんが「1、2、3」とカウントを数え、基本動作を指導。児童らは一つずつ、動作をまねて覚えた。慣れてきたところで、音楽に合わせて実践。児童らは、久保さんと何度も見比べて確認しながら、懸命に踊っていた。

 5年生の水口山君は「高田踊りを踊るのは初めて。楽しかったけど、回るところのタイミングがつかみづらくて難しかった。本番は緊張して失敗しそう。しっかり練習したい」と話した。

 今後は、もう一度久保さんを招いて練習を行い、運動会の本番に臨む予定でいる。

(2023年9月15日付紙面より)


別窓で見る
記事一覧

いろり館で開かれた和歌山県のタウンミーティングの様子=13日、古座川町月野瀬
地域 町民9人の思い受け止める
古座川町でミーティング
和歌山県
 和歌山県主催のタウンミーティング〈古座川町会場〉が13日にあり、岸本周平知事ら要職陣が活動の軸を担う町民9人とじかに話し合い思いを受け止めるなどした。

 このミーティングは、県民の声をじかに聴きその思いを生かした県政を共につくることを目的として実施。会場は各市町村単位で設けていて、新宮・東牟婁地方では今回が6市町村一巡の節目になるという。

 この日の会場は月野瀬にあるいろり館内とし、岸本知事と共に赤坂武彦・地域振興監、鳥羽真司・東牟婁振興局長、西前啓市町長が同席。町民9人はそれぞれに自身の活動を紹介し、関係する分野や目下の悩みに対する県の考えを確かめ要望を託すなどした。

 ジビエ振興、認知度を高めて誘客を図る観光振興、ユズ園の承継推進と産業振興、地域活性化に頑張る若者の政治参加をどう図るかなどの活動が話題となる中、町内の自然を形作る山林の保護や活用の考えを確かめる声もあった。

 移動販売の高齢廃業後の買い物難民対策や古座川の商業利用の難しさなど悩みの声もあり、買い物難民対策について赤坂地域振興監は小型無人機(ドローン)による運送の筋道があることを示唆。商業利用について岸本知事は国へ許可を求めていたら10年はかかる(法律改正が必要という意味)と即答し、鳥羽局長に町と事業者の3者で話し合って実現の筋道を探るようその場で指示した。

 9人の過半数はIターン者で▽来ればファンが増えるまち▽東京から2時間弱で来られる自然に富んだ「異世界」のまち―といった実感を赤坂地域振興監に託す場面もあり、定住関係で制度を超えて移住者の思いに応えてほしい(制度同等の補助支援を考えてほしい)という要望もあった。

 それらの声を受けて岸本知事は「皆さんの古座川愛には本当に震える。何より皆さんがいるから古座川は(この先)化けると思う。すごく勇気を頂いた」と感想を述べて9人の参加に感謝。鳥羽局長は「振興局からも具体的に話を伺いぜひ解決していきたい」と歩み寄り、赤坂地域振興監、西前町長も思いを寄せて締めくくった。

(2023年9月15日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

胸骨圧迫の練習をする保護者ら=11日、那智勝浦町福祉健康センター
地域 子どもの命を守るため
救命救急講習に親子9組
那智勝浦町
【この記事のキーワード】
消防本部
 那智勝浦町福祉健康センターで11日、町内で乳幼児を育てている保護者たちを対象とした救急救命講習会が開かれた。親子9組18人が参加し、町消防本部の救急救命士・清水浩さんらから、子どもに異変が起きたときの一次救命の行動を学んだ。

 同町地域子育て支援センター(森本幸美センター長)主催。保護者向けの救命講習は、コロナ禍を経て3年ぶり。

 清水さんは保護者に向け「乳幼児に関わる119番通報で一番多いのが熱性けいれん。いざお子さんの体調が悪化するとパニックになってしまうかもしれないが、まずはきちんと呼吸をしているか、呼吸の速度がどのくらいか、顔色はどうなのかをしっかり見て。例えば1分間に1、2回しか呼吸がなく、顔が青白くなっていればすぐに助けを求め、胸骨圧迫に移って」と呼びかけた。

 人形模型を使った胸骨圧迫の練習では、保護者から「こんなに深く胸を押すのは怖い」との声があったが「怖くても、押さなければ助からない。体の厚みの3分の1が沈むくらいしっかりと圧迫し、脳に酸素を届けることで未来の社会復帰率が変わる」と励ました。

 自動体外式除細動器(AED)の小児モードでの使用法や、異物を喉に詰まらせた場合の背部叩打法の講習もあった。

 西梛沙ちゃん(2)と参加した母親の裕子さんは「子どもの一番近くにいる母親として、命を守るための知識を身に付けたいと思って参加した。1回やったことがあるだけでも自信になる。最近は娘も活発に動くようになり、ちょっとした油断で頭を打ったり、けがをしたりする怖さがある」と話していた。

(2023年9月15日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

かけ声と太鼓に合わせて船をこぐ中学生=12日、那智勝浦町宇久井
祭礼 中学生らが御船練習開始
宇久井神社例大祭に向け
那智勝浦町
 「ヨーエンヤー」「エーランエー、エンヤサノサ」。かけ声と太鼓とともに中学生たちの船がこぎ出す。17日(日)に営まれる宇久井神社(宮司=男成洋三・熊野那智大社宮司)の大祭で神輿(みこし)海上渡御(とぎょ)を先導する御船の練習が12日、那智勝浦町の宇久井港で始まった。

 本宮で湊の蛭子(えびす)神社旧社地近くの港から、神輿をうつした渡御用神船を先導し、海上安全と大漁を祈願する重要な役割を担う。今年船に乗るのは町立宇久井中学校の1~3年生の男子生徒14人で、経験者として大学生の齋藤拳さんも加わる。

 港に集まった生徒たちは基本的な櫂(かい)のこぎ方やかけ声、櫂踊り・扇踊りの振り付けを教わった後、早速湾内へ。指導役の東信義さんや船頭の齋藤將彰さんらが「腕だけじゃなく、体全体を使って」「もっと声出して」とげきを飛ばした。

 世話役になっている里1区の役員らも練習を見守り「今日初めてにしてはなかなか上手」「頼もしいね」と感心。指導役の東さんは「明日からは御船のこぎ方の形を付けていく。4年間のブランクがあり全員初の御船だが、本番までには形になるはず」と語る。

 廣井優一君(中3)は「思っていたより慣れるのが大変で体力を使うが、楽しい」。清水漣君(同)は「小学生の頃からやりたかった。もっと速くこげるようになりたい」と笑顔で話していた。

 また、陸の渡御を担う神輿奉仕の代表世話人、中西敏雄さんも「4年ぶりの祭りの神輿奉納に喜びと期待が大きい。神様を持たせていただくという大変重要な役割を担っている。改めて地域の皆さんの健康と繁栄を祈りながら和気あいあいと楽しく担ぎます」と祭りに向けて意気込みを語っていた。

(2023年9月15日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • 行政 個人ボラ表彰も検討 紀宝町議会一般質問②
  • 文化 「熊谷守一の魅力伝えたい」 ギャラリーきのくに企画展 (串本町)
  • 地域 食品ロス削減を考える 福祉連絡会が研修 (紀宝町)
  • 【この記事のキーワード】
    連合会
  • 地域 道路脇にツユクサ 青と黄が色鮮やかに
くまスポ
  • 力合わせブロック全勝 県秋季ミニバスケットボール大会 (黒潮ミニバス)
ご購読・試読のお申し込み