8月に開催された「~障害のある人たちの心を歌う~第46回わたぼうし音楽祭」において、審査員会特別賞を受賞した太地町在住の野澤大輔さんが4日、那智勝浦町市屋の太地町地域福祉センター梛(なぎ)で受賞とCD発売を記念して初のソロライブ「野澤大輔ライブ THANKS TO YOU」を開催した。野澤さんは歌やステージパフォーマンスで会場を盛り上げ、来場者は拍手や声援を送った。
野澤さんは新宮市佐野の社会福祉法人いなほ福祉会ワークショップゆうの利用者で、フォークデュオ「ヤブシン」の藍田真一さんにギターを師事し、2013年に誕生したバンド「ハリケーン」でギターとボーカルを担当している。同音楽祭では全国から680点の作品が集まる中、初応募で同賞を受賞した。
今回のライブは梛を運営する有限会社山永サービスや特定非営利活動法人七彩会、有志らが主催したという。当初は8月に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期となっていた。
この日は藍田さんに加え、京都発のエモーショナル・インストバンド「colspan(コルスパン)」が演奏に参加した。プロの迫力ある演奏の下、野澤さんは受賞曲の「僕の一日」を含む数曲を披露。踊ったり、手を振ったりする来場者の姿も見られた。
また、ステージ上では受賞の際に太地町から贈呈された名前入りのギターストラップの紹介や、藍田さんと軽快なトークを繰り広げ、笑いを誘う場面もあった。
野澤さんの母・宮子さんの友人で、幼い頃から野澤さんを知る博多保子さんは「ここまでが大変だったと思う。プロの演奏でライブができたことは大輔君の自信につながったと思う」。
宮子さんは「小さい頃からの息子への思いが浮かび上がってきた。人は幾つになっても成長するのだと心から思った。今日は本当に良かったです」と思いを語った。
野澤さんは「最初はすごく緊張した。途中で感動して涙が出そうになりました。めっちゃ楽しかったです。また、新曲を作ってライブもやりたいです」と笑顔で話していた。
(2021年12月8日付紙面より)
もっと見る
折たたむ
別窓で見る