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雨の中、関係者らでテープカット=23日、那智勝浦町築地
新たな観光拠点誕生
勝浦漁港にぎわい市場オープン

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推進協会
 はえ縄漁による生マグロの水揚げ量が日本一の那智勝浦町の勝浦漁港に23日、マグロを中心に地元の特産品などを販売するコーナーなどを設けた「勝浦漁港にぎわい市場」がオープンした。同町の堀順一郎町長、指定管理者の一般社団法人「那智勝浦まぐろブランド推進協会」の理事・脇口光太郎さんらのあいさつ後、雨の中、関係者らがテープカットし、開館を祝った。

 同町が国の地方創生拠点整備交付金を受けて建設した。木造平屋建て。建築面積559・75平方㍍。床面積442・54平方㍍。本体工事費は1億3150万7000円。

 施設内にはマグロの解体が毎日見られるガラス張りのイベントコーナー、テナントコーナー、直売コーナーが設置されている。テナントコーナーには8店舗が入っており、マグロ料理やすし、海鮮丼などを販売。直売コーナーには地魚干物、野菜などが出品されている。海側に設けたウッドデッキで、購入したものを食べられるようになっている。マグロ運搬用の木製「トロ箱」を利用したいすも設置している。開館時間は午前8時~午後3時。火曜日定休。

 記念式典で堀町長は「那智勝浦町は世界遺産、生マグロ、温泉の町。水揚げされたばかりの新鮮なマグロを食べてもらって、その後は街中の観光、世界遺産の熊野古道などを訪れてほしい。そのための重要な観光拠点と考えている」と述べ、脇口さんは「10年ほどこの地でマグロの朝市を関係者の皆さんと力を合わせて開いてきた。今回、皆さんのおかげで立派な施設ができた。勝浦の水産業と観光業の振興のため、スタッフ一同力を合わせて頑張っていく」と意気込んだ。

(2018年6月24日付紙面より)



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高木顕明師顕彰碑前での勤行=23日、新宮市の南谷墓地
地域 高木顕明師しのぶ
非戦、平和を願い遠松忌
新宮市
 新宮市大橋通の淨泉寺(山口範之住職)で23日、真宗大谷派主催の「遠松忌法要」が営まれた。大勢の市民らが参列し、非戦・平和を唱え、差別と闘った同寺12代住職、高木顕明師(1864~1914年)の遺徳をしのんだ。

 「前(さき)を訪(とぶら)う 今、この時代に聞く非戦・平等の願い」をテーマに毎年営まれている法要は、1998(平成10)年に滋賀県大津市の本證寺で有志らが第1回を営み、翌年から新宮市で開かれている。今年21回目で、2000(平成12)年から同派が主催している。

 市民らは、市内の南谷墓地にある顕明師顕彰碑での勤行後、淨泉寺本堂で営まれた法要に参列。金藏寺の訓覇(くるべ)浩住職の法話「五濁の世に人として生きん」や交流会もあった。

 顕明師は新宮出身の医師・大石誠之助(1867~1911年)らとともに非戦、平和を唱えて活動していたが、明治天皇暗殺を企てたとして「大逆事件」(1910年)に連座し無期懲役となり、無念の中、14(大正3)年6月24日に秋田刑務所で自ら命を絶った。事件を受け、顕明師は同派から追放されたが、96(平成8)年に処分取り消しとなり、名誉が回復されている。

 山口住職(66)は「非戦や平和への願いはみんな同じです。最近は宗派を超えて参列していただいています」と話していた。

(2018年6月24日付紙面より)

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あいさつする大前崇会長=22日、新宮市福祉センター
地域 事業所間の連携第一に
介護保険事業者連絡協議会が総会
新宮市
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連絡協議会
 新宮市介護保険事業者連絡協議会(大前崇会長)は22日、市福祉センターで総会を開いた。昨年度の会計報告、事業報告、本年度の会計予算、事業計画が議題に挙がり全て承認された。一部役員の改定もあった。

 同協議会は、介護保険事業所が連携して情報を共有することで良質で安定した介護サービスの供給体制の確保、利用者の保健・医療・福祉の向上に寄与することを目的に昨年6月設立。現在66事業所が加入している。

 大前会長は「この一年、市の行政、医療、介護団体などと連携を図りながら活動してきた。活動を通して認知していただけたと感じている。会の目的でもある事業所間の連携を第一に考えながら地に足を着けて本年度も取り組んでいきたい」とあいさつした。

 総会後は全体研修もあった。新宮保健所の形部裕昭所長が「患者の意向を尊重した人生の最終段階における医療とケアのための在宅医療・救急医療連携の推進」を題目に講演した。形部所長は「多死社会を迎える中、人生の最期をどこで迎えるかという問題に取り組む必要がある」と述べた。

 アンケートでは「自宅で療養後、最後は医療機関に入院したい」「自宅で最後まで療養したい」の回答が70%近くを占めるが、実際は70%以上の人が病院で死亡していると紹介。「もしもの時に備え、人生の最終段階をどのように過ごしたいか、医療やケアの方針に希望について意思表示をしておく必要性が高まっている」とした。

 2006(平成18)年に富山県で起こった「人工呼吸器取り外し事件」を受け、尊厳死のルール化を求める議論が活発化。翌年に厚生労働省が「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」(現在「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」に改称)をとりまとめた。昨年の検討会では「話し合いのプロセスを重視する」ことに重きを置いた流れになっていると説明。

 今年改訂されたガイドラインでは「人生の最終段階における医療およびケアについては、医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、それに基づいて患者が医療従事者と話し合いを行い、患者本人による決定を基本として進めることが最も重要な原則」であり、和歌山県内でもすでに取り組みを進めている圏域があると紹介した。

 形部所長は「市保健医療圏内において、在宅医療・救急連携を進めるには情報の共有が鍵」と述べ「当所では今後ヒアリングやアンケート、ワーキンググループ、検討会などを行っていく。皆さんの協力が必要になってくる」と呼び掛けた。

(2018年6月24日付紙面より)

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