新宮市の三輪崎郷土芸能保存会(濱口仁史会長)は25日(土)東京都の日本青年館ホールで開催される「第66回全国民俗芸能大会」に出演する。21日には同市の三輪崎青年会館で本番に向けた最終調整に取り組んだ。濱口会長は「全国4団体に選ばれたのは光栄なこと。当地方の代表として恥ずかしくないように広めていきたい。東京近郊にいる当地方の出身者らに見に来てもらいたい」と意気込みを語った。
三輪崎の鯨踊は県の無形民俗文化財。くじらを捕る様子を踊りに仕立てており、クジラを網で囲む形を表した「殿中踊り」と、銛(もり)で突く様子を表した「綾踊り」からなる。三輪崎青年会や三輪崎
漁業組合青年部らが継承していたものを、1973年に発足した三輪崎郷土芸能保存会が獅子神楽と共に現在まで受け継いでいる。大会当日には会員32人が『鯨踊』や獅子神楽『神明の舞』『扇の舞』を披露する予定。
全国民俗芸能大会は1925年に初代日本青年館建設のこけら落としとして開催した「郷土舞踊と民謡の会」に始まり、各地の貴重な民俗芸能を公開し、重要性を多くの人に認識してもらおうと開催している。今年は7月に完成した3代目日本青年館ホールを初めて使用した記念大会で平成29年度文化庁補助事業。三輪崎の鯨踊りは61年前にも出演している。
出演団体は主催者の推薦で選ばれ、今年は三輪崎郷土芸能保存会の他、吹浦田楽保存会(山形県)、人形三番叟保存会(静岡県)、川名津神楽保存会(愛媛県)がそれぞれ披露する。詳細は日本青年館ホームページ(
http://www.nippon-seinenkan.or.jp/seinenkan/)。
(2017年11月23日付紙面より)