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草刈りに取り組む区民ら=10日、那智勝浦町那智山
観光客目線で環境美化を
那智山区民らが奮闘中
那智勝浦町

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熊野那智大社
 那智勝浦町の那智山区の区民らが現在、県道46号(那智山勝浦線)沿いの美化活動に奮闘している。「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年を迎える今年、「参拝者の目線で改めて環境の見直しを」と始まった。

 神仏習合の一大霊場として、古くから熊野詣での人々の目的地となってきた那智山。那智の滝や那智山両社寺など、世界遺産を構成する数多くの文化財を有し、現在でも町の主要観光地として年間を通じて国内外から多くの参拝者が訪れる。

 県道46号は勝浦方面から那智山へ向かうつづら折りの山道だが、沿道には外来種の大きなヨシススキが繁茂して車から見通しの悪い所や、脱輪の多発箇所、草刈りが行き届いていない斜面などがあった。

 これらの現状を受け、那智山区(髙木喜三区長)、那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)、熊野那智大社(男成洋三宮司)の三者で環境美化活動に取り組むこととし、土地所有者や県の協力も得ながら進めている。

 「素晴らしい文化財を与えていただいたのだから、保全をしていくのはわれわれの義務。参拝者目線で見たときに、反省すべき点は多くある」と話すのは那智山区の髙木区長。「数ある観光地の中から熊野の地を選んでいただいた方々には、きれいに整備した道を通って参拝し、心願成就をして、気持ちよく帰っていただきたい。観光に必要なのは水、道、見晴らしの三つ。特に那智川は、車窓から魂と心でみそぎをしてもらう役目がある」と思いを語る。

 区民らが順次沿道の草刈りを進めている他、バス停周辺には歩き疲れた参拝者らが休めるベンチなども設置したい考えだ。

(2024年5月12日付紙面より)


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ゴール前のスプリントを制し優勝したジョン・カーター選手(中央)=10日、古座川町
スポーツ カーター選手が第1ステージ優勝
ツール・ド・熊野
 国際自転車競技連合(UCI)の国際自転車ロードレース「第24回TOUR de KUMANO(ツール・ド・熊野)」の第1ステージが10日、古座川町が舞台の「古座川清流周回コース」で行われた。国内外16チーム94選手が激戦を繰り広げ、オーストラリアのジョン・カーター選手(キャッシュ・パー・クップ)が2時間55分05秒で優勝。2位に岡篤志選手(JCLチーム右京)、3位に山本大喜選手(同)が入った。

 コースは山岳ポイントの平井峠や国の天然記念物に指定されている「一枚岩」などを3周する全長126・7㌔。各チーム、スタート直後から先行を図る動きを見せたが、抜け出すまでには至らず緊迫したレースが続いた。

 展開がないまま約30人が集団となり、勝負はゴール前のスプリントへ。選手たちは全力を振り絞ってフィニッシュラインを通過。カーター選手が大接戦を制し、歓喜の声を上げた。

 地元のキナンレーシングチーム勢は、ドリュー・モレ選手の6位が最高位だった。

(2024年5月12日付紙面より)

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タウンミーティングに参加した皆さん=9日、新宮広域圏公設地方卸売市場
地域 地域住民が要望伝える
和歌山県知事と意見交換
福祉、観光、まちづくり
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神倉神社
災害
 和歌山県の岸本周平知事と地域住民が意見を交わす「タウンミーティング」が9日、新宮広域圏公設地方卸売市場であった。商工、観光、福祉、まちづくりなどのさまざまな団体から10人が参加。困り事や要望を伝え、支援や協力を求めた。

 知事が直接、県民の声を聞き県政に生かそうと、地域でさまざまな活動を行っている人々と意見交換を行う取り組み。これまでに県内の32カ所で実施している。岸本知事のほか、新宮市の田岡実千年市長、県地域振興部長、県東牟婁振興局長なども同席した。

 福祉関係の参加者は「熊野川町での高齢者の居場所づくりで『じじばば食堂』の案もある。子ども食堂には高齢者は行きづらい」と伝えた。岸本知事は「食堂の補助(要件)は3世代で交流と定義。子どもゼロでは困るが、名前は『じじばば食堂』でも(補助は)大丈夫」と応じた。

 地域奉仕団体は、子ども向けのスポーツ体験を学校体育館で行っていることを説明。「空調設備がないと夏は子どもが危ない」と検討を求めた。岸本知事は「災害関連で補助金が出るのでは」と助言。これを受けて田岡市長は「議論の最中だが、具体的にはなっていない」と明かした。

 観光関係者は、川舟下りの船頭の不足に言及。「外国人(の予約)が増えて日本人が乗れない状況が発生している」と訴えた。県地域振興部長は「船頭もいろんなところで募集したい」と話した。

 別の観光関係者は「ゴールデンウイークに神倉神社の駐車場がいっぱいで、観光客が止められない。旅行会社にも神倉神社へ行きたいが駐車場がないと言われる。大型の駐車場を」と求めた。田岡市長は「検討課題としたい」と答えた。

 イベント実行委の参加者は、テントやトラックを周辺自治体や企業からレンタルして実施していることを紹介し「物の協賛もうれしい」と語った。雨天時の実施場所についても「公設市場でやれたら」と打診した。田岡市長は「市でできる分(の支援)はやる。具体的な要望を」と応じた。

 福祉関連事業者は、子ども食堂の実施場所を相談。「近所の寺を借りてやっているが、寺も都合がある。広くて良い場所があれば」と述べた。田岡市長は「協力できるかと思う」と発言した。

(2024年5月12日付紙面より)

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総会で事業計画などを審議する出席者=10日、太地町公民館
地域 太地浦くじら祭に協力も
南紀くろしお商工会太地支部総会
 南紀くろしお商工会太地支部(坂下行平支部長)の本年度総会が10日、太地町公民館であった。約30人が出席し、地域振興事業や親睦などの事業計画を決め、重点事業を確認した。

 本年度は太地浦くじら祭、道の駅たいじ朝市、太地町くじら浜駅伝大会への協力や、講演会、映画鑑賞会、親睦ゴルフ大会、親睦ボウリング大会への協力などを計画した。

 重点事業に▽環境変化の時代に対応する伴走型支援の強化▽デジタル化・生産性向上のための支援強化▽事業承継・創業支援等の強化▽働き方改革等への支援強化▽中小企業・小規模事業者の防災・減災対策の支援―など7項目を掲げた。

 冒頭、坂下支部長が南紀くろしお商工会の森川起安会長の叙勲受章を紹介。「コロナ禍が落ち着き、太地も経済活動が本格的に活発化しようとしている。事業所の皆さまにも落ち着いた商売に力を入れてもらいたい。太地支部が一丸となって協力する」とあいさつした。

 森川会長は「地域を取り巻く環境は厳しいが、役に立つ商工会と評価を頂いている。新規入会の事業所もあり、商工会の大きな目標の一つである組織率向上に寄与している。太地支部は良い事業を展開してくれている。商工会として今後とも太地支部の協力を頂きながら、組織運営の充実と事業活動の活性化を進めたい」と述べた。

(2024年5月12日付紙面より)

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