熊野新聞記事アーカイブ
熊野新聞社 The Kumano Shimbun
〒647-0045 和歌山県新宮市井の沢3-6
営業部 TEL 0735-22-8080 FAX 0735-23-2246
記者室 TEL 0735-22-8325 FAX 0735-28-1125

講師の指導を受け手話を覚えた=9日、新宮市佐野のワークランドそら
指導受け習得を目指す
手話奉仕員の養成講座
新宮・東牟婁広域事業

 新宮・東牟婁市町村広域事業「手話奉仕員養成講座」の開講式が9日、新宮市佐野の社会福祉法人美熊野福祉会・ワークランドそらであった。25人が参加、手話の習得を目指し始めた。

 新宮・東牟婁の6市町村の合同事業として毎年行われている。手話の楽しさを知ってもらい、地域の聴覚障害者と日常会話ができる人を増やすことを目的としている。講座は来年2月27日までの全40回を予定しており、9月までを入門編、10月からを基礎編としている。

 開講式では講師より、手話上達のための心がけの説明があった。「講座に来る前に(手話の)動画を見てきて」「手話をする時は声を出さずに表現を」「講師の話や問いかけには、うなずきや首振りなどで必ず反応を」などと呼びかけた。「手話と日本語は違う言語です。分からなくても見ていて」と力を込めた。

 続いて、5人の講師が自己紹介。しゃべることができる講師も声を出さず、手話と空書で伝えた。参加者はその様子を、静かに注視していた。

 講座でよく使う手話の紹介もあった。講師は「ポイントは見ること。手を見て、指が伸びているか、ちょっと曲がっているかなど、指の形までよく見て」と語った。「始まる」「終わる」「注目」「分かる」などを、手話と口話で実演した。

 参加者は、講師の動きをまねて実践。体の前で手を動かし、基本の手話を覚えた。講師は「手だけでなく、表情も交えて意思を伝えて。『分からない』では分からないような表情で。『同じ』と同調する時は相手の方を向いて」などと強調。参加者は指導を受け、何度も繰り返し練習していた。

 市内から参加した中山明子さん(48)は「ずっと手話に興味があって、やっとその世界に触れられて楽しくうれしい。頭で考えながらやると難しいが、皆さんと一緒にそのままやれば大丈夫かな。でも数が増えてくるとパニックになるかも。2月にどうなっているか、自分でも楽しみ。せっかくなら少しでも多く覚えたい」と話した。

(2024年5月15日付紙面より)


別窓で見る
記事一覧

ウデナガクモヒトデにびっくり=12日、那智勝浦町の地玉の浜
地域 多種多様な磯の生き物
きのくに野外博物館イベント
那智勝浦町
【この記事のキーワード】
南紀熊野ジオパーク
 和歌山県立自然博物館のきのくに野外博物館イベント「磯の生物観察会」が12日、那智勝浦町宇久井の地玉(じごく)の浜で開催された。県内外から親子ら30人が参加し、潮間帯の岩場でエビやカニ、ウミウシなど無脊椎動物や小型の魚などを観察した。

 「地玉の浜」は吉野熊野国立公園の特別地域に指定されている宇久井半島にあり、太平洋に面した磯では多種多様な生き物が観察できる。南紀熊野ジオパークのジオサイトにも指定されている。

 危険な生き物や法律で取ってはいけない生き物についての説明を受けた後、参加者たちは早速磯へ。子どもたちは岩の裏側や海藻の中などから、エビやウミウシなどを次々に発見した。動きが速いトゲアシガニや30㌢以上の長い腕を持つウデナガクモヒトデ、色鮮やかなミノウミウシの仲間も見つかった。

 講師の楫善継さん(魚類担当学芸員)は、軟体生物、甲殻類、棘皮動物を分類しつつ「水中で浮遊して生活する生き物を『プランクトン』、魚など遊泳生活を送るのを『ネクトン』、海底に住むのは『ベントス』と呼ぶ」と説明。「いろいろな生き物がいてこの海が成り立っている。それぞれが生態系の中で役割を持っている」と話していた。

 みなべ町から参加した𠮷水颯汰君(10)は「岩の狭いところで、ヒトデやハゼを見つけた。腕が長いヒトデがすごいなと思った。魚が好き」と話していた。

(2024年5月15日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る

講話に耳を傾ける参加者たち=10日、那智勝浦町の体育文化会館
地域 仏教の智慧を活用しよう
丸山良徳師が文化講演会
那智勝浦町
 那智勝浦町の体育文化会館で10日、仏教文化講演会「仏教の智慧(ちえ)を活用しよう~幸福コミュニケーション術~」が開催された。宗教法人金剛寺執事長の丸山良徳師が講演し、約50人が普段の生活の中にある人間関係の悩みを解決し、幸せになるための実践について学んだ。

 新宮市の念法眞教新宮念法寺(田中芳恭住職)主催。豊かで幸せな人生を送るために仏教の智慧や考え方が役立つことを、身近な話題を通じて伝えるために毎年開いており、丸山師の講演は5回目。

 丸山師は、誰もが社会の中で生きている中で「〇〇さんとうまくやっていきたい」など、人間関係の悩みを抱えていることに言及。日本のアニメなどさまざまな物語は仏教の教えが下敷きになっているとし「仏教では相手に求める前に、自分を磨くことを教わる。普段の生活の中で、相手を変えようとするのは間違い。まずは自分が変わること。そうすれば、おのずと周りも変わってくる」と語った。

 「仏教の智慧には人生を豊かに、幸せに生きていくための答えが含まれている。それが『肯定力』」と述べ▽肯定的な言葉(言辞施)▽肯定的な行動(身施、眼施、和顔悦色施)▽肯定的な思考(心施)―の実践を説いた。

 具体的なトレーニングとして▽あいさつをする▽「ハイ」という返事をする▽褒める▽「ありがとう」を言う―の四つを紹介。あいさつについて▽相手の目を見てにっこり笑って▽明るいソの音で自分が先に言う―などの「正しい」実践を意識するよう呼びかけ「本当に毎日、正しくあいさつできていますか? 四つの共通項は笑顔。愛する人への贈り物ですから、まずは自分で行動を。信じて繰り返すことで、初めて『幸せ』という効果が分かる」と強調した。

 念法寺の田中住職は「今日のご縁を生かし、まずは自分が幸せになり、周りの人も幸せになるように実践し、家族にも伝えてほしい」と呼びかけていた。

 講演会の様子などはユーチューブ動画でも視聴できる。「仏教文化講演会」で検索する。

(2024年5月15日付紙面より)

もっと見る
折たたむ
別窓で見る
主な記事 *記事詳細は熊野新聞紙面をご覧下さい*
  • スポーツ 県少年剣道選手権で優勝 中学生女子・河田舞耶さん (串本少年剣道クラブ)
  • スポーツ 97組が36ホールで競うグラウンドゴルフ競技会「ペア大会」 (串本町)
  • 【この記事のキーワード】
    体験学習推進協議会
  • 地域 ツバメチドリなど発見 親子で春の野鳥観察楽しむ (御浜町)
  • 地域 手形足形でかばん作り 子育てサロン「ふれんZOO」 (紀宝町)
  • 地域 48人が大日越など巡る イベント「歩こう会」で (串本町教育委員会)
  • 【この記事のキーワード】
    熊野本宮大社
  • 地域 1人5千円分の商品券交付 今月下旬までに順次発送予定 (太地町)
  • 地域 8団体に国交大臣表彰など 花と緑の愛護の功績で (新宮・東牟婁)
  • 地域 「蘇り」の物語を熱演本宮大斎原で「小栗判官」 (劇団たなべ座)
  • 【この記事のキーワード】
    熊野本宮大社
  • 地域 無理ない運動で健康長寿を 新宮いきいき学校開始
  • 医療 がん相談窓口を開設 専門の看護師が応対 (紀宝町)
ご購読・試読のお申し込み