新宮市三輪崎の
三輪崎八幡神社例大祭での4年ぶりの奉納に向け、三輪崎郷土芸能保存会(濱口仁史会長、72人)の稽古が熱を帯びている。本殿大前ノ儀は15日(金)午前9時から。神輿(みこし)渡御は17日(日)午前11時からで、御旅所(三輪崎漁港前)での奉納行事は午後2時ごろから披露予定。
漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願う
例大祭は、三輪崎漁港付近にあった本宮に神様が年に1度里帰りする祭り。神輿渡御に伴い恵比寿(えびす)、大黒天、二十四孝(にじゅうしこう)の山車巡行、郷土芸能、舞踏などの奉納行事が繰り広げられる。新型コロナウイルス感染症の影響により、過去3年間は規模を縮小して執り行ってきたが、今年は4年ぶりに通常規模で斎行される。
本番が目前に迫った11日夜、三輪崎青年会館では祭りばやしが響く中、会員らが県無形民俗文化財の鯨踊りや獅子神楽の稽古に汗を流していた。
濱口会長は「4年ぶりの奉納なので不安だったが、初日から予想以上の会員が稽古に参加してくれて心強い。ようやくこの日を迎えられる、本当に楽しみにしている。稽古のペースも速く、それぞれが自分の役割を見つけ、練習や指導に打ち込んでくれている。本番はたくさんの子どもたちに参加してほしい。また、多くの方々に来ていただけると、会員たちもより一層力が入ると思う」と期待を込めた。
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伝統の継承願う 台楽保存会
17日に御旅所を中心に踊りを披露する台楽保存会(大石剛司会長)。8月26日から三輪崎会館で練習に励んでいる。当日は2、3歳から80歳までの30~40人が、1959(昭和34)年に同保存会が復活させた「台楽囃子(ばやし)」ほか「ハイヤが聞こえる港町」「このみ音頭」「三輪崎音頭」などから3、4曲ほどを披露する。6日夜の練習時には会員や地域の子どもたちが大勢集まり、西川友茂さんの指導を受けながら、大きな輪を作っていた。
大石会長は「4年ぶりの通常規模での斎行と踊りを奉納できることはうれしい。コロナ禍の3年間、保存会にもいろいろなことがあった。コロナ前は参加してくれていた子どもたちも今年は参加できなかったりと、この3年はとても大きいと思う。今年は子どもたちのことを最優先に考えて車移動とするなど暑さ対策などを講じる予定だが、また来年に向けて基盤をつくりたい。これまでの伝統を未来に継承していきたい」と話していた。
(2023年9月14日付紙面より)