深刻な人手不足に直面する中、仕事を探す人と、人材を求める事業所の気軽な出会いの場となるよう新宮市神倉のハローワーク新宮は「おしごと相談会」に力を入れている。島袋正弘所長は「まずは地元の企業を知ってほしい。直接話をすることで、求人票にはないことも分かる。普段着で気軽に参加してもらえたら」と呼びかけている。
地元にある事業所を一人でも多くの人に知ってもらおうと昨年5月から始めた取り組み。会社説明会として開催していたが、敷居が高そうなイメージを払拭しようと、4月から「おしごと相談会」に名前を変えた。会社の雰囲気や働く人の声など求人票だけでは見えてこないことを気軽に話せる場にしたいと考えている。
履歴書や事前予約不要で、普段着で参加できるのが特徴だとう。求職申し込みをしているかどうかも関係なく、事業所の担当者と希望の条件、職場の雰囲気などについてざっくばらんに話せる。
求人申し込みを受けている事業所に呼びかけ、ハローワーク新宮2階会議室を会場に1カ月当たり7~10回ほど開催。施設内の掲示板と、毎週発行している「週刊求人情報誌」、ハローワークインターネットサービス(※)で開催を知らせている。
保険代理店の株式会社ベストパートナー(新宮市緑ヶ丘)の相談会は15日に開かれ、担当社員が会社に関心がある人たちを迎えた。
昨年10月から相談会を活用した採用活動をしており、この日で6回目。会社見学や面接につながった例もあるという。植田隆治さんは「『地域で最も働きたい会社』になることを目指している。気軽な気持ちで、どんな会社なのかを知ってもらえたらうれしい」と話していた。
ハローワークの統括職業指導官・石丸尚之さんは「いろいろな働き方、いろいろな業界がある。話を聞いて、知って、考えてみる、きっかけづくりとして役立ててほしい」と話していた。
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※ハローワークインターネットサービス=同名でインターネット検索。トップページの「仕事をお探しの方へのサービスのご案内」から「イベントを探す」へ。和歌山県でエリア検索すれば、おしごと相談会の開催情報を見ることができる。
(2024年5月23日付紙面より)