新宮市の丹鶴ホールで8日、「春風亭昇太お城トーク&寄席」があった。テレビ番組「笑点」の大喜利司会で、城好きでも有名な昇太さんが、城郭ライターの萩原さちこさんと城の魅力について語り、落語で会場を大いに沸かせた。840人の来場者は地元文化を学び、笑いを堪能した。
新宮市文化協会設立50周年記念事業として開催。開演前には同協会の鈴木啓司会長があいさつし、田岡実千年市長が祝辞を述べた。
「お城トーク」では萩原さんと共に、姫路城など城についての知識と、新宮城の魅力を語った。
江戸幕府の一国一城令で廃城となるも、再び築城を許可された新宮城の歴史や、その痕跡がうかがえる石垣の解説、水の手曲輪(くるわ)という熊野川に面した船着き場は、ほかの城では見られない珍しい施設であり、そこから木炭を江戸に出荷、最盛期には江戸の消費量の約3割を賄っていたことなど、地元に残る城の意外な話を、来場者は感心した表情で聞き入った。
落語では、義理の父が和歌山出身という春風亭昇りんさんが、昔話で子どもを寝かそうとする父親が逆に寝かしつけられる「桃太郎」を話した。「最近母校の東海大学に復学して、年金もらいながら学割が使えるようになった」と、うそのような実話を冒頭で語った昇太さんは「客の意味不明な言動でパニックに陥るそば屋」という、独自の「時そば」を高座で披露、会場は爆笑の渦となった。
(2025年2月13日付紙面より)