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池上博基校長(左)に著書を手渡す黒川なおさん=19日、新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校
AI、「人に寄り添うツール」
近大出身・黒川なおさんが初の著書
新宮市

 新宮市出身のライター、黒川なお(旧姓・芝直子)さん(41)=神奈川県横浜市=による初の著書「ゼロからわかるITほんき入門+マンガ 生成AIのなかみ」(株式会社インプレス)が今月出版された。「AI(人工知能)ってなに?」と感じている人が無理なく理解できることを目指した実用書で、黒川さんは「AIの進化は止まらない。怖がらず、使いこなす方向へシフトして」と話している。

 黒川さんは市立千穂小学校を卒業し、近畿大学附属新宮高校・中学校へ進学。授業を通して生物学の面白さに触れ、近大生物理工学部、横浜国立大大学院で学んだ。

 2017年にフリーランスとして独立し、マネジメント、テクノロジー、教育、ライフスタイルと幅広く取材し、書籍や雑誌、ウェブマガジンなどで構成、執筆に携わっている。

 11日に出版された著書は第1~6章で構成し、AIの概念、AIにできること、AIが仕事や暮らしにどう関わっていくかなどを紹介。スマートフォンやインターネットと同じように、生活に欠かせないツールの一つとして使いこなしていくことを提案している。

 対話型AI「チャットGPT」などに「人並みに関心があった」ものの、IT分野に強いわけでなく、一度は断るつもりだったが「分からない人に向けて、分かりやすく書いてほしい」と打診され「それなら自分が書く意味があるかもしれない」と引き受けた。

 近大新宮には19日、黒川さんが訪れて献本した。教え子を迎えた池上博基校長は「多くの卒業生がさまざまな分野で活躍しているが、社会をより良くしていこうという思いを土台にしながら頑張っている姿を見られるのはうれしい」と伝えた。

 黒川さんは「マスメディアではネガティブな面が取り上げられがちだが、人の生活を良くするために生まれたもの。ざっくりとした仕組みを理解した上で、ポイントを押さえれば使いこなせる。人に寄り添ってくれるツール」と表現していた。

(2024年9月21日付紙面より)


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仲買人らが刺し身を試食=20日、太地町漁業協同組合市場
地域 初のニタリクジラ競りに
漁業協同組合市場で
太地町
 太地町漁業協同組合の市場で20日、初のニタリクジラの競りが行われた。試食会もあり、ベテランの仲買人らが「生のニタリクジラを目にするのは20~30年ぶりか。臭いイメージがあったが、くせもなく、甘くておいしい」「刺し身やユッケもいいが、ステーキで焼いてもやわらかくておいしいはず」と絶賛した。

 第七勝丸(太地町漁協)と共同で操業する第五十一純友丸(外房捕鯨)が16日に釧路沖約40㌔で捕獲したもの。体長11・4㍍、体重14㌧。

 漁協の貝良文専務理事(日本小型捕鯨協会長)は「基地式の小型捕鯨としては初の捕獲。ニタリクジラはミンククジラと比べて大きい種だが、今回体制が整った。少しだけくせはあるが、それがうま味でもある。初めて太地でも販売するため、ぜひ楽しんでほしい」と語る。

 市場では赤身72㌔が落札され、周辺地域のスーパーなどへ出荷された。午前中には早くも太地漁協スーパーに新鮮な鯨肉が並んでいた。

(2024年9月21日付紙面より)

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「和える場」の提案に臨む串本町チームの皆さん=19日、串本町役場本庁舎
地域 提案内容をまとめて発表
串本町役場で活動報告会
ことこらぼ×きのくに線
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日本能率協会
 地域外の企業社員と地域の行政職員や大学生による協働プロジェクト「ことこらぼ×きのくに線」の2024年度活動報告会が19日、串本町役場本庁舎を会場にして開かれた。

 このプロジェクトは、西日本旅客鉄道株式会社和歌山支社(富澤五月支社長)主催、日本能率協会マネジメントセンターと株式会社南紀白浜エアポートと国立大学法人和歌山大学が共催。JRきのくに線と沿線地域の共生をテーマにした越境学習プログラムとして前年度から年1期の頻度で開かれている。

 本年度は「地域に暮らし人々から必要とされ愛される2030年のきのくに線の姿を描き、そのために現在から取り組める小さな一歩の提案や実践」を小テーマ、沿線の串本町・那智勝浦町・太地町をフィールドに設定して参加者を募集。16人が町別3チームに分かれ7~9月に3回のフィールドワーク、その間に週1回程度の頻度でオンラインミーティングも重ねて提案内容をまとめて活動報告会に臨んだ。

 実施に当たり富澤支社長はこのプロジェクトの趣旨と提案実装の思いを掲げて報告に期待し「発表者の皆さまは思いを存分に伝えていただければ」とあいさつ。来賓の田嶋勝正・串本町長も「いかにきのくに線と地域をつないで持続可能な状態にするか」と視点を述べて期待した。

 各チームが掲げた一歩のキーワードは▽串本町チーム「和(あ)える場」▽那智勝浦町チーム「中辺路ぷらすONE」▽太地町チーム「コネクト旅」で、串本は地域振興の熱意を紡いで事業を興す場づくり、那智勝浦は注目度が高い中辺路と絡めた大辺路ツアーの実践、太地は地域課題の打破にもつながる学術研究誘客と三者三様のアプローチを提案し、富澤支社長、同大学の西川一弘教授、南紀白浜エアポートの岡田信一郎代表取締役社長らコメンテーターの講評を受けた。

 最後に同支社の芹川至史副支社長が総評し、これら一歩を進めるのは関わる人々の情熱だと発想を共有し本来の立場でも周囲に広げて生かすことを願って締めくくった。

 この報告は最終提案の位置付けで、提案先は同支社や3町など。翌20日の結果発表で、報告内容の評価とともに各提案先の意向も伝えられた。

(2024年9月21日付紙面より)

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