地域外の企業社員と地域の行政職員や大学生による協働プロジェクト「ことこらぼ×きのくに線」の2024年度活動報告会が19日、串本町役場本庁舎を会場にして開かれた。
このプロジェクトは、西日本旅客鉄道株式会社和歌山支社(富澤五月支社長)主催、日本能率協会マネジメントセンターと株式会社南紀白浜エアポートと国立大学法人和歌山大学が共催。JRきのくに線と沿線地域の共生をテーマにした越境学習プログラムとして前年度から年1期の頻度で開かれている。
本年度は「地域に暮らし人々から必要とされ愛される2030年のきのくに線の姿を描き、そのために現在から取り組める小さな一歩の提案や実践」を小テーマ、沿線の串本町・那智勝浦町・太地町をフィールドに設定して参加者を募集。16人が町別3チームに分かれ7~9月に3回のフィールドワーク、その間に週1回程度の頻度でオンラインミーティングも重ねて提案内容をまとめて活動報告会に臨んだ。
実施に当たり富澤支社長はこのプロジェクトの趣旨と提案実装の思いを掲げて報告に期待し「発表者の皆さまは思いを存分に伝えていただければ」とあいさつ。来賓の田嶋勝正・串本町長も「いかにきのくに線と地域をつないで持続可能な状態にするか」と視点を述べて期待した。
各チームが掲げた一歩のキーワードは▽串本町チーム「和(あ)える場」▽那智勝浦町チーム「中辺路ぷらすONE」▽太地町チーム「コネクト旅」で、串本は地域振興の熱意を紡いで事業を興す場づくり、那智勝浦は注目度が高い中辺路と絡めた大辺路ツアーの実践、太地は地域課題の打破にもつながる学術研究誘客と三者三様のアプローチを提案し、富澤支社長、同大学の西川一弘教授、南紀白浜エアポートの岡田信一郎代表取締役社長らコメンテーターの講評を受けた。
最後に同支社の芹川至史副支社長が総評し、これら一歩を進めるのは関わる人々の情熱だと発想を共有し本来の立場でも周囲に広げて生かすことを願って締めくくった。
この報告は最終提案の位置付けで、提案先は同支社や3町など。翌20日の結果発表で、報告内容の評価とともに各提案先の意向も伝えられた。
(2024年9月21日付紙面より)
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