首長らが模擬体験し利用呼びかけ (新宮税務署 )
新宮市役所で26日、同市の田岡実千年市長、那智勝浦町の堀順一郎町長、太地町の三軒一高町長、古座川町の西前啓市町長、串本町の田嶋勝正町長、北山村の藪本幸一参与(山口賢二村長代理)による「スマホ申告デモンストレーション」があった。首長らはスマートフォンを利用した確定申告の模擬体験に挑戦、その利便性をPRした。
新宮税務署、新宮納税協会、新宮納税貯蓄組合が主催。令和4年分の確定申告期に向け、より一層の国税電子申告・納税システム(e―Tax)の普及や、スマホを利用した確定申告書作成コーナーの便利さ、税務署に来署することなく、また申告期間中であれば24時間利用できるなど、多くの人にスマホ申告の良さを知ってもらう目的で開催に至った。
地域に影響力のある管内1市4町1村の首長が同時に集まり、スマホを利用した確定申告書を利用してもらうことでさらに市民に身近に感じてもらう狙いもある。
令和4年分からは▽青色申告決算書・収支内訳書がスマホで作成可能▽マイナンバーカードの読み取り回数が削減(過去にマイナンバーカードを使って確定申告しているなどの一定の条件を満たしている場合)―など、さらに利便性が向上。なお、スマホによる申告は3年で約12倍となっており、令和3年分では全国で154万人が自宅からスマホを使ってe―Taxで申告した。
この日、市役所会議室に集合した首長らは、各地域のゆるキャラやマイナンバー制度のマスコットキャラクター・マイナちゃんが見守る中、手順に沿ってマイナンバーカードを利用したスマホ申告に挑戦。税務署職員や納税協会員、税理士らからアドバイスを受けながら入力を進めた。
模擬体験を終え、田嶋町長は「われわれの年代では厳しいと感じたが、画面も大きくなるので入力ミスも少ないと感じた」、堀町長は「サクサクと動くし入力ミスや漏れを指摘してくれるのでありがたい」。
三軒町長、西前町長、藪本参与は「高齢者も多く税務署に行くのは大変。スマホを利用すれば出向く必要がなくなるので便利」とその利便性に触れ、田岡市長は「税務署に行く必要がないので新型コロナウイルス感染予防にもつながる。申告に必要となるマイナンバーカードを持っていると便利なことも多いので取得していない人はぜひ」と呼びかけていた。
河野武署長は「スマホを使うと24時間、土日でも、空いた時間に申告できる。質問に答えるだけで簡単に申告できるのでぜひ使ってほしい」と話している。
令和4年分の確定申告期間は2月16日(木)から3月15日(水)まで。スマホ申告は国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」にアクセスを。
(2023年1月28日付紙面より)
お弁当・お惣菜大賞2023 (新宮市のハイマート )
新宮市内でスーパーマーケット「ハイマート」(同市井の沢)、「Bハイマート」(同市下田)を展開する㈱ハイマート(神﨑竜司・代表取締役社長)の商品4品がこのたび、「お弁当・お惣菜(そうざい)大賞2023」の弁当部門と巻き寿司部門(定番商品部門)で優秀賞、惣菜部門と麺部門で入選した。
(一社)全国スーパーマーケット協会が主催する同大賞。全国のスーパーマーケットや専門店、コンビニエンスストアなどで実際に販売している数多くの弁当や惣菜、サラダ、パンなどの中から、食の専門家で構成された審査員により、特に優れた商品を選出し表彰するもので、今回で12回目を数える。
今回は、2021年10月1日から22年9月30日に販売された商品を対象に昨年7月から9月末にかけてエントリー期間を設け、作品を募集。▽弁当▽惣菜▽定番商品▽サラダ▽丼▽おにぎり―などの11部門に全国から1万4286件の応募があり、216件が入選以上に選出。同社は初エントリーにして、4部門で上位入賞を果たす快挙を遂げた。
地産地消、食品ロス削減、地元PRなど、食品販売を通して地域社会に貢献できる商品作りを展開する同社。小数精鋭の料理人を中心に構成されている惣菜部門では、確かなおいしさと新規性を伴う商品開発を行っている。
弁当部門で優秀賞に輝いた「熊野産あまごのオイル煮(コンフィ)きゅうりのサルサ弁当」(関根一正さん開発)は三重県熊野産の養殖アマゴを使用。低温で長時間かけて加熱し骨まで軟らかく調理をした。健康志向にもこだわり、米は古代米と十六穀米を使用している。
巻き寿司部門で同じく優秀賞に選ばれたのは「めはりさんま寿司」(栗須秀行さん開発)。当地方の郷土料理「さんまずし」と「めはりずし」を一度に味わえるようにと考案。サンマが乾くのを防ぐため、白板昆布を挟んで風味をアップさせた。
惣菜部門で入選した「紀州勝浦産まぐろのスペアリブ(醤油味)」(関根さん開発)は「通常廃棄されるマグロの腹骨とその周囲の身を、余すところなくおいしく提供を」との思いで未利用部位を活用し、ブランドマグロを比較的リーズナブルに提供。
麺部門入選の「紀州勝浦産まぐろの塩糀と南高梅のパスタ」(堀祐輔さん開発)は紀州の食材をフル活用。こだわりの調理法でふっくら仕上げたマグロの端材に南高梅の酸味、ごまと大葉の香りをプラスしたご当地パスタに仕上げた。
開発者の3人は、受賞の知らせを受け「社長も含めてみんなでびっくり」と笑顔。堀さんは「正直、今はまだ賞を頂いたという実感はないです」としながらも「地元の食材は絶対に使用しようと思って考案した。全国規模のコンテストなので、地元食材や地域のPR、ひいては地域活性化につながればうれしい」と喜びを語った。
神﨑代表取締役社長は「熟練の職人さんばかりなので、この強みを生かして絶対に挑戦したいと思っていた。料理人の皆さんや広報、スタッフ。チームで分担して挑戦できたのが一番大きかったと思います」。
「見栄えや形、食べやすさ、味付け。これからもお客さん目線で商品開発をしていければ」と話していた。
今回入賞した商品は「ハイマート」「Bハイマート」の両店舗で取り扱い中。仕入れや仕込みの状況にもよるが、少なくても4品中2品は店舗に並ぶという。金額は「熊野産あまごのオイル煮きゅうりのサルサ弁当」702円、「めはりさんま寿司」637円、「紀州勝浦産まぐろのスペアリブ」430円、「紀州勝浦産まぐろの塩糀と南高梅のパスタ」400円で全て税込み。営業時間は午前9時~午後7時(両店舗共通)。
(2023年1月28日付紙面より)
串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家で25日に夜空と宇宙を楽しむ観望会があり、子どもから大人まで23人が参加して星空に興味を持つ一助にした。
この観望会は、県青少年育成協会事業「リレー式次世代健全育成事業」の地域の育成力強化ワークショップとして串本町青少年育成町民会議と県立串本古座高校が主催。
2024年度の普通科宇宙探究コース〈仮称〉開設に向けた準備を進める同校がその特色を生かした地域貢献として企画し、同会議と連携して小中学生やその家族と一般に事前申し込みを呼びかけたという。
当日は同校の普通科改革コーディネーター・中田勝夫さんが講師を担当。序盤は予備知識の提供で、中田さんは星座早見盤の使い方やアプリケーションソフト「ステラナビゲーター」を用いて冬の主要な星座やこの日夜半に見ることができる惑星などを解説し、星座にまつわるお勧めの神話も1編紹介して興味を誘った。
中盤以降は中田さんの補助として生徒有志の大西杏果さん、岡地凛さん、前春菜さん(以上3年)、松原遥希さん、清野健太郎さん、浅利海斗さん(以上2年)、計6人も参加者の活動を支援。同家集いの広場で望遠鏡や双眼鏡を使い月や木星、アンドロメダ銀河などを観望し、予備知識として紹介された惑星や星座を星空の中から探し出しじかに確かめるなどした。愛好家の櫨木(はぜのき)芳髙さんも有田市から駆け付け、愛用する反射式望遠鏡や同校が準備した望遠鏡や双眼鏡を適切に設定するなど良好な観望環境づくりに協力した。
(2023年1月28日付紙面より)
岡村とうふと協定締結 (那智勝浦町 )
移動販売「岡村とうふ」を営む三重県松阪市の有限会社岡村(西口鐵也代表取締役)と那智勝浦町は26日、「地域における見守り活動に関する協定」を締結した。販売で地域を巡りながら高齢者などの見守り活動を行い、異変があれば町や警察、消防などに知らせるというもので、和歌山県の市町村では初となる。
岡村は三重県の全域、和歌山県、奈良県、愛知県、滋賀県の一部で、とうふやパン、買い取った地域特産品などの、車両による移動販売を行っている。見守り活動の協定は三重県ではすでに、全市町と締結しているという。那智勝浦町も岡村からの申し出を受け、締結に至った。
西口代表取締役は「(移動販売で)決まった場所にお伺いしているので、いつも来る人が出てこないなど、違いが分かりやすい。買ってもらえなくても地域に伺うことを基本とし、地域に密着させてもらっている。何かあったら、行政のお手伝いができるかと。今後も協力させていただければ」と話した。
堀順一郎町長は「本町の高齢化率は43%に達し、1人暮らしも多い。連絡がつかないからと行くと、亡くなっていることもある。異変を察知してもらえれば、安心安全なまちの実現につながるかと。犯罪抑止にも役立つと期待している。協定の締結に感謝を申し上げる」と述べた。
(2023年1月28日付紙面より)
文化財防火デーに訓練 (熊野速玉大社 )
文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」の26日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で防火訓練があった。神職や敬神婦人会らで成る同大社自衛消防隊、新宮消防本部、市消防団丹鶴分団、市職員、地域住民ら約60人が参加。訓練を通して連携体制を確認した。
文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。
新型コロナウイルス感染症の影響で従来規模の訓練は3年ぶりとなった。
第69回となった今回は、同大社双鶴殿西側雑木林から出火したとの想定の下、実施された。双鶴殿への延焼を防止するため、同大社自衛消防隊が放水銃で初期消火活動を行い、拝殿内の重要文化財などを搬出。双鶴殿西側の従業員駐車場では、消防本部と分団員による消火活動が展開された。
訓練後、整列した関係者たちを前に速水盛康教育長は「有事の際には常日頃からの訓練と経験が生きてくる。熊野速玉大社には世界遺産・熊野を代表する多くの文化財がある。私たちは、その文化財を保存・管理し未来につなげていく役割を背負っている。地域の皆さまと一緒に守っていくことが大きな力になると思っている」。
上野宮司は「厳寒の中、無事に訓練を行うことができた。数年前に近隣で火災が発生した際には、放水銃と森のおかげで延焼を防ぐことができた。皆さんと同じ意識の下で防火訓練を実施できたことが一番の収穫」と協力に感謝した。
堀切学署長は「有事の際は今日の訓練を思い出して落ち着いて行動を」と講評。「自身にとってもなじみ深い同大社で訓練できたことに感謝している。これからも大切な世界遺産を守ってほしい」と話した。
なお、同日には熊野那智大社でも防火訓練が予定されていたが、25日の寒波の影響で路面の凍結などが予想されることなどから訓練は中止となった。
(2023年1月27日付紙面より)
イル・ド・フランスで食育教室 (新宮市 )
新宮市のフランス料理店「イル・ド・フランス」で22日、NPO法人Go―Kuma―Kids(大西章夫理事)による食育教室が開かれた。近隣市町から児童6人が参加し、フランス料理を通じて地元産の野菜がおいしくなる秘密などを学んだ。
Go―Kuma―Kidsは昨年8月に設立された法人。「10年後を創造した、可能性のあるまちづくり。」を目標に、自然体験や地域企業での職場体験、英語イベントなどを開催している。
この日は料理人の倉本幹也さんが講師を務め、新宮市広角で収穫されたサツマイモを使ったスープ作りを実演。薄切りのタマネギとサツマイモをバターで炒めて15分ほど煮た後、ミキサーで攪拌(かくはん)。シノワと呼ばれるこし器でなめらかにし、牛乳と生クリーム、塩、砂糖で仕上げた。
フランス料理の歴史や包丁の切れ味の違い、料理行程の意味についても解説。地元産の野菜について「この地域に湧く温泉にはミネラルが豊富に含まれており、それが野菜をおいしくする」と語った。
サーモンのソテー、フランスパンと一緒にスープを味わった上中えみ里さん(太地小3)は「おみそ汁は普段から食べるけれど、こしたりして作るスープは初めてかも。ホウレンソウやカボチャで作ってもおいしそう」。
倉本さんは「子どもは地域の宝。地域には教科書以外で学ぶべきものがあり、民間で同じ志を持つ人が集まって、こうした活動を続けていくことが大切だと思う」と話していた。
Go―Kuma―Kidsはインスタグラム(go_kuma_kids)でイベント情報を発信している。
(2023年1月27日付紙面より)
自衛隊の協力で学ぶ (新翔高校 )
県立新翔高校(藤田勝範校長)で25日、自衛隊和歌山地方協力本部による「防災スクール」があった。1年生38人が参加、紀伊半島大水害について映像で学んだほか、ロープワーク、ライフハック(避難所などで役立つ技術)、救急法などを教わった。
対象の1年生の人数は97人だが、当日は寒波の影響で登校できない生徒も多かった。同スクールは、生徒の防災意識を高め、地域防災の担い手として社会貢献できる青少年の育成を目的としたもの。10人の自衛隊員が講師として訪れた。
開会に当たり、同本部新宮地域事務所長の住野具視所長があいさつ。那智勝浦町の出身で、1995年の阪神淡路大震災や、2011年の紀伊半島大水害の際に支援活動を行ったことを話した。「今日の講習で少しでも学んでいただけたら」と呼びかけた。
続いて、紀伊半島大水害の記録映像を上映。熊野川が氾濫し、各所で浸水が発生した様子や、救助活動を行った当事者による証言などが映し出された。生徒らは、身近な地域で起こった災害の様子を、食い入るように見つめていた。
この後、3班に分かれての講習を実施。いずれも自衛隊員が指導に当たった。ロープワークでは、生徒らが災害時に役立つ、いろいろなロープの結び方に挑戦。ライフハックでは、新聞紙を使った食器作りや、水だけで作れる非常食調理を行った。救急法では、簡単な止血法や、毛布と棒を使った担架の作り方を教わった。いずれも生徒らは、関心を持って取り組んでいた。
村井祐之介さん(16)は「大水害の時は断水して、給水車まで水をくみに行った記憶がある。身近な所でとんでもないことが起きていたのだなと驚いた。新聞紙を使った食器作りは、役立ちそうだと思った」と語った。
(2023年1月27日付紙面より)
太地小・北山小の5、6年生
今季一番の寒波にみまわれた25日の朝、太地町立太地小学校と北山村立北山小学校の5、6年生計24人が、太地町の姉妹都市である長野県白馬村へ出発した。
白馬村と太地町は1984年に姉妹都市提携を結び、翌年から両地域の子どもたちの交流がスタート。太地小学校の児童が冬の白馬村を、白馬北小学校児童が夏の太地町を訪れ、互いのふるさとで友情を育んできた。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、太地小児童の白馬村訪問は3年ぶり。太地町は現在、北山村との町村交流を進めている関係で、今年初めて北山小学校児童も訪問に参加する運びとなった。
太地小児童は黄色いスキーウエアに身を包み、太地漁港ふれあい広場(東の浜)へ集合。児童会役員の山下みつきさん(5年)、稲森杏樹さん(同)が見送りに来た保護者らへ「楽しい思い出をつくってきます。行ってきます」とあいさつした。北山小児童は、熊野市で合流して白馬村へ向かう。
旅程は2泊3日で、白馬岩岳マウンテンリゾートでの雪遊びや、白馬北小学校とのレク交流を予定している。
(2023年1月27日付紙面より)
那智勝浦町立の宇久井、那智、下里の3中学校の給食に、問題が生じている。調理員の不足により1月に2回、給食を提供できず生徒に「弁当持参」を求める事態に。募集は以前からかけているが人手不足で集まらず、18日現在で解消のめどは立っていない。
3校の給食は多くの保護者の要望を受け、2020年7月に始まった。3校それぞれで調理するのではなく、下里中で3校分を調理し、他の2校へと運ぶ「親子方式」が取られている。22年12月までは問題なく給食を提供できていたが、調理員の不足は以前から生じており、休日の関係で1月に、とうとう提供できない日が生じてしまった。
同町教育委員会によると、調理員の不足は定年も含む退職に伴うものだが、突然退職するわけではないので当然、それを見越した新規募集はかけていた。しかし応募はなく、つい最近になって、ようやく1人採用になったが、それでも不足の解消までは至らず、今も募集はかけ続けているという。
2月以降の給食の提供に関しては、3校ともに18日現在、検討中。同町教委は「一日も早く必要数の調理員を確保し、(登校日は)毎日提供できる体制を取っていきたい」と伝えている。
また、調理員の募集に関しても「興味がある方は、ぜひ連絡を」と呼びかけている。問い合わせは、那智勝浦町教育委員会学校教育課(電話0735・52・4686)まで。
(2023年1月22日付紙面より)
産廃車両の抜き打ち検査 (新宮市 )
和歌山、三重両県は20日、新宮市五新の新宮自動車整備工業協同組合で産業廃棄物運搬車両に対する抜き打ち検査を実施した。警察官が車両に停止を求め、県職員らが運転手たちに積載物の内容や排出先などを聴取し、軽油の抜き取り調査も行った。悪質な事案については雇用主に対し、指導・警告などを行う。
廃棄物処理法違反の罰則は、5年以下の懲役、1000万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金が科せられる。この検査は、産業廃棄物の不法投棄など不適正処理の未然防止と環境汚染の原因である不正軽油撲滅が狙い。
和歌山県による抜き打ち検査は2016年度から県内各地で開始され、両県での実施は今回で6回目。21年度はコロナ禍のため、中止となった。
県によると、19年度は新宮市で実施し11台を検査。法定書類を所持していないなどの違反が3件あった。20年度は三重県御浜町で6台を検査し、指摘事項はなかったという。
この日は、和歌山県環境生活部環境政策局循環型社会推進課廃棄物指導室や東牟婁振興局健康福祉部衛生環境課、和歌山県税事務所、三重県環境生活部廃棄物対策局廃棄物監視・指導課、新宮警察署から約20人が参加。
産業廃棄物積載車両が3(がれき類1、木くず2)台、その他空車6台の計9台を調査し、軽油の抜き取りも実施。結果、携帯書類や車両表示の不備などについて、3件の指導を行ったとした。
また、抜き取った軽油に混和の嫌疑があるものは販売先など、流通経路を調査し、原因が確認された際は、課税処分が行われる。
県環境生活部循環型社会推進課廃棄物指導室の秋月邦洋室長は「両県には優雅な自然環境がある。次世代の子どもたちに残すためにも活動を進めている。今後も不正行為の抑止のために、三重県や関係機関と連携して取り組んでいきたい」と話していた。
(2023年1月22日付紙面より)
豊かな里山づくり講座 (紀宝町 )
獣害研究家の「雅(まさ)ねえ」こと、井上雅央さんを招いての「豊かな里山づくり講座」が19、20日の2日間、紀宝町であった。2日とも約30人が参加し、初日は紀宝はぐくみの森で講演、2日目は阪松原地区で現地実習があり、参加者は「餌付けをやめる」といった発想の転換による獣害対策を学んだ。
みえ森と緑の県民税市町交付金事業を活用し、町立図書館が主催。獣害研究家の井上さんは、獣害対策で目覚ましい実績を挙げ、全国各地で講座を開いている。
講演では「獣害対策は分かれば簡単」と切り出し「動物は安心して食べられる場所に住みたいだけ。安心できる場所こそが餌付け。獣害に遭う田畑は餌付けに成功したことと一緒。対策は餌付けをやめるだけ」と伝えた。
柵は「気休め柵」と「効く柵」があるとし、見た目は同じだが効く柵は3重構造。柵の外側は見渡しを良くし、周辺は餌なしゾーンにする。動物から届く餌や隠れるスペースがない所に挟まれた柵のみが効果を発揮する。イノシシ目線でどう見えているかが重要と説明。「動物に食べられて腹が立っても立たなくても餌には変わりない。イノシシやシカが悪いのではなく、餌付けした自分が悪い。餌付けをやめるための環境づくりを」と発想の転換を求めた。
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2日目は、阪松原地区の協力を得て現地実習。田や畑で柔らかい緑の草、電気柵の隙間、入り口の開いた柵などの餌場を見つけ、全員で「えらいこっちゃ」と声を張った。
井上さんは「何が起きているか理解しないと失敗する。動物の立場に立って考えると分かってくる」と強調。▽毎日食べないと生きていけない▽体験を基に行動する▽その日の餌が見つかればいい▽安心できる場所に住みたいだけ―といった動物の習性を紹介し「田んぼや畑に現れるのは餌があって安心だから。動物に住もうと思わせた自分が悪い」とした。
「稲刈り後の田はごちそうの宝庫。柵の入り口が開いていると入りたい放題になる。『冬は入られてもいい』が間違い」と指摘し「稲刈り後も電気柵を撤去せず、24時間通電を」とアドバイス。
「10月に草刈りすると餌がなくなる2月にごちそうの草が生えてくる。9月10日ごろまでに刈ると冬枯れして餌ではなくなる」と解説。「田んぼや畑は皆さんの宝物。みんなで気付き、教え合おう」と呼びかけた。
(2023年1月22日付紙面より)
新宮・東牟婁地域のトップを切って21日、新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)で第58回卒業証書授与式が挙行された。3年にわたるコロナ禍で最も影響を受けた学年ともいわれる本年度の卒業生122人が、困難を乗り越えそれぞれの道へ新たなスタートを切った。
池上校長が各クラスの代表者に卒業証書を授与。式辞では思想家ルソーの言葉を引用し「卒業生の皆さんにとって、人としてより良く生きるための誕生の場、自分ならではの価値を創造した場が本校。自ら学習し、考え、困難を克服し、素晴らしい『第二の誕生』を迎えられたであろうことを確信している」と述べ「本校で学んだ誇りを胸に、これからの時代を力強く生き抜いて」と言葉を贈った。
卒業生を代表して小屋敷卓真さんが、入学直後の休校や近大新宮祭をはじめとする多くの行事の中止など、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた高校生活を振り返り「高校生活には密な場面がつきものなのに、いろいろな制限によって我慢を感じることも多くあったが、この3年間を過ごした私たちはより強く成長することができた。これからは、社会をつくり上げる一員となれるよう頑張っていきたい」と述べ、これまでの生活を支えた家族や教職員ら全ての人に感謝を伝えた。
(2023年1月22日付紙面より)