ニュースアーカイブ|ARCHIVES
アーカイブ検索で表示されるグレーのリンクのない記事については、熊野新聞紙面をご覧ください。
ご購読のお申し込み
過去2年分の熊野新聞は、
SHIMBUN ONLiNE
でご購読頂けます。
新聞オンライン(電子新聞)
カレンダー検索:41件の記事がありました
【検索ステータス】 
2023年01月27日
1 火災から国の宝を守れ
 文化財防火デーに訓練  (熊野速玉大社 )

 文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」の26日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で防火訓練があった。神職や敬神婦人会らで成る同大社自衛消防隊、新宮消防本部、市消防団丹鶴分団、市職員、地域住民ら約60人が参加。訓練を通して連携体制を確認した。

 文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。

 新型コロナウイルス感染症の影響で従来規模の訓練は3年ぶりとなった。

 第69回となった今回は、同大社双鶴殿西側雑木林から出火したとの想定の下、実施された。双鶴殿への延焼を防止するため、同大社自衛消防隊が放水銃で初期消火活動を行い、拝殿内の重要文化財などを搬出。双鶴殿西側の従業員駐車場では、消防本部と分団員による消火活動が展開された。

 訓練後、整列した関係者たちを前に速水盛康教育長は「有事の際には常日頃からの訓練と経験が生きてくる。熊野速玉大社には世界遺産・熊野を代表する多くの文化財がある。私たちは、その文化財を保存・管理し未来につなげていく役割を背負っている。地域の皆さまと一緒に守っていくことが大きな力になると思っている」。

 上野宮司は「厳寒の中、無事に訓練を行うことができた。数年前に近隣で火災が発生した際には、放水銃と森のおかげで延焼を防ぐことができた。皆さんと同じ意識の下で防火訓練を実施できたことが一番の収穫」と協力に感謝した。

 堀切学署長は「有事の際は今日の訓練を思い出して落ち着いて行動を」と講評。「自身にとってもなじみ深い同大社で訓練できたことに感謝している。これからも大切な世界遺産を守ってほしい」と話した。

 なお、同日には熊野那智大社でも防火訓練が予定されていたが、25日の寒波の影響で路面の凍結などが予想されることなどから訓練は中止となった。

(2023年1月27日付紙面より)

拝殿から重要文化財を搬出する敬神婦人会のメンバーら=26日、新宮市の熊野速玉大社
放水銃で初期消火に当たる神職
訓練に参加した皆さん
2023年01月27日
2 地元の野菜でスープ作り
 イル・ド・フランスで食育教室  (新宮市 )

 新宮市のフランス料理店「イル・ド・フランス」で22日、NPO法人Go―Kuma―Kids(大西章夫理事)による食育教室が開かれた。近隣市町から児童6人が参加し、フランス料理を通じて地元産の野菜がおいしくなる秘密などを学んだ。

 Go―Kuma―Kidsは昨年8月に設立された法人。「10年後を創造した、可能性のあるまちづくり。」を目標に、自然体験や地域企業での職場体験、英語イベントなどを開催している。

 この日は料理人の倉本幹也さんが講師を務め、新宮市広角で収穫されたサツマイモを使ったスープ作りを実演。薄切りのタマネギとサツマイモをバターで炒めて15分ほど煮た後、ミキサーで攪拌(かくはん)。シノワと呼ばれるこし器でなめらかにし、牛乳と生クリーム、塩、砂糖で仕上げた。

 フランス料理の歴史や包丁の切れ味の違い、料理行程の意味についても解説。地元産の野菜について「この地域に湧く温泉にはミネラルが豊富に含まれており、それが野菜をおいしくする」と語った。

 サーモンのソテー、フランスパンと一緒にスープを味わった上中えみ里さん(太地小3)は「おみそ汁は普段から食べるけれど、こしたりして作るスープは初めてかも。ホウレンソウやカボチャで作ってもおいしそう」。

 倉本さんは「子どもは地域の宝。地域には教科書以外で学ぶべきものがあり、民間で同じ志を持つ人が集まって、こうした活動を続けていくことが大切だと思う」と話していた。

 Go―Kuma―Kidsはインスタグラム(go_kuma_kids)でイベント情報を発信している。

(2023年1月27日付紙面より)

包丁でタマネギをスライス=22日、新宮市のイル・ド・フランス
初めてのフランス料理にドキドキ
2023年01月27日
3 災害時に役立つ技術
 自衛隊の協力で学ぶ  (新翔高校 )

 県立新翔高校(藤田勝範校長)で25日、自衛隊和歌山地方協力本部による「防災スクール」があった。1年生38人が参加、紀伊半島大水害について映像で学んだほか、ロープワーク、ライフハック(避難所などで役立つ技術)、救急法などを教わった。

 対象の1年生の人数は97人だが、当日は寒波の影響で登校できない生徒も多かった。同スクールは、生徒の防災意識を高め、地域防災の担い手として社会貢献できる青少年の育成を目的としたもの。10人の自衛隊員が講師として訪れた。

 開会に当たり、同本部新宮地域事務所長の住野具視所長があいさつ。那智勝浦町の出身で、1995年の阪神淡路大震災や、2011年の紀伊半島大水害の際に支援活動を行ったことを話した。「今日の講習で少しでも学んでいただけたら」と呼びかけた。

 続いて、紀伊半島大水害の記録映像を上映。熊野川が氾濫し、各所で浸水が発生した様子や、救助活動を行った当事者による証言などが映し出された。生徒らは、身近な地域で起こった災害の様子を、食い入るように見つめていた。

 この後、3班に分かれての講習を実施。いずれも自衛隊員が指導に当たった。ロープワークでは、生徒らが災害時に役立つ、いろいろなロープの結び方に挑戦。ライフハックでは、新聞紙を使った食器作りや、水だけで作れる非常食調理を行った。救急法では、簡単な止血法や、毛布と棒を使った担架の作り方を教わった。いずれも生徒らは、関心を持って取り組んでいた。

 村井祐之介さん(16)は「大水害の時は断水して、給水車まで水をくみに行った記憶がある。身近な所でとんでもないことが起きていたのだなと驚いた。新聞紙を使った食器作りは、役立ちそうだと思った」と語った。

(2023年1月27日付紙面より)

毛布を使った担架で搬送=25日、県立新翔高校
2023年01月27日
4 白馬村へ「行ってきます」
 太地小・北山小の5、6年生  

 今季一番の寒波にみまわれた25日の朝、太地町立太地小学校と北山村立北山小学校の5、6年生計24人が、太地町の姉妹都市である長野県白馬村へ出発した。

 白馬村と太地町は1984年に姉妹都市提携を結び、翌年から両地域の子どもたちの交流がスタート。太地小学校の児童が冬の白馬村を、白馬北小学校児童が夏の太地町を訪れ、互いのふるさとで友情を育んできた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、太地小児童の白馬村訪問は3年ぶり。太地町は現在、北山村との町村交流を進めている関係で、今年初めて北山小学校児童も訪問に参加する運びとなった。

 太地小児童は黄色いスキーウエアに身を包み、太地漁港ふれあい広場(東の浜)へ集合。児童会役員の山下みつきさん(5年)、稲森杏樹さん(同)が見送りに来た保護者らへ「楽しい思い出をつくってきます。行ってきます」とあいさつした。北山小児童は、熊野市で合流して白馬村へ向かう。

 旅程は2泊3日で、白馬岩岳マウンテンリゾートでの雪遊びや、白馬北小学校とのレク交流を予定している。

(2023年1月27日付紙面より)

出発式をする太地小5、6年生=25日、太地町の東の浜
2023年01月27日
5 「パンダはどこにいる?」  横田南嶺老師が初の絵本出版  
2023年01月27日
6 インフルエンザに注意  注意報基準値超える  (和歌山県 )
2023年01月27日
7 たばこの有害性を学ぶ  4年生対象の防煙教室  (神倉小学校 )
2023年01月27日
8 SDGs時代のヒット商品とは?  セミナー講師に三科公孝さん  (新宮市 )
2023年01月27日
9 那智山も白銀の世界  雪降る中も観光客が参拝  (那智勝浦町 )
2023年01月27日
10 念願の休憩所を作製  下里とも子ガーデン  (那智勝浦町 )
2023年01月27日
11 楽しみながらプログラミング  鵜殿小でクラブ活動  (紀宝町 )
2023年01月27日
12 リメ缶にサボテン寄せ植え  子育てサロンで楽しむ  (紀宝町 )
2023年01月27日
13 ウクライナ支援のために  熊野の想い届けよらい2023  (御浜町 )
2023年01月27日
14 プロの人形劇に親しむ  潮岬こども園の園児ら  (串本町 )
2023年01月27日
15 ガンピを材料にし紙すき  古座小6年生の和紙作り  (串本町 )
2023年01月27日
16 語り部ら迎え防災考える  自主防など対象に講演会  (串本町 )
2023年01月27日
17 お悔やみ情報
  
2023年01月22日
18 人手不足で給食に問題 3中学校、月2回なしに (那智勝浦町)

 那智勝浦町立の宇久井、那智、下里の3中学校の給食に、問題が生じている。調理員の不足により1月に2回、給食を提供できず生徒に「弁当持参」を求める事態に。募集は以前からかけているが人手不足で集まらず、18日現在で解消のめどは立っていない。

 3校の給食は多くの保護者の要望を受け、2020年7月に始まった。3校それぞれで調理するのではなく、下里中で3校分を調理し、他の2校へと運ぶ「親子方式」が取られている。22年12月までは問題なく給食を提供できていたが、調理員の不足は以前から生じており、休日の関係で1月に、とうとう提供できない日が生じてしまった。

 同町教育委員会によると、調理員の不足は定年も含む退職に伴うものだが、突然退職するわけではないので当然、それを見越した新規募集はかけていた。しかし応募はなく、つい最近になって、ようやく1人採用になったが、それでも不足の解消までは至らず、今も募集はかけ続けているという。

 2月以降の給食の提供に関しては、3校ともに18日現在、検討中。同町教委は「一日も早く必要数の調理員を確保し、(登校日は)毎日提供できる体制を取っていきたい」と伝えている。

 また、調理員の募集に関しても「興味がある方は、ぜひ連絡を」と呼びかけている。問い合わせは、那智勝浦町教育委員会学校教育課(電話0735・52・4686)まで。

(2023年1月22日付紙面より)

調理員の不足で給食提供に問題が生じている=18日、那智勝浦町立宇久井中学校
2023年01月22日
19 次世代に自然を残すために
 産廃車両の抜き打ち検査  (新宮市 )

 和歌山、三重両県は20日、新宮市五新の新宮自動車整備工業協同組合で産業廃棄物運搬車両に対する抜き打ち検査を実施した。警察官が車両に停止を求め、県職員らが運転手たちに積載物の内容や排出先などを聴取し、軽油の抜き取り調査も行った。悪質な事案については雇用主に対し、指導・警告などを行う。

 廃棄物処理法違反の罰則は、5年以下の懲役、1000万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金が科せられる。この検査は、産業廃棄物の不法投棄など不適正処理の未然防止と環境汚染の原因である不正軽油撲滅が狙い。

 和歌山県による抜き打ち検査は2016年度から県内各地で開始され、両県での実施は今回で6回目。21年度はコロナ禍のため、中止となった。

 県によると、19年度は新宮市で実施し11台を検査。法定書類を所持していないなどの違反が3件あった。20年度は三重県御浜町で6台を検査し、指摘事項はなかったという。

 この日は、和歌山県環境生活部環境政策局循環型社会推進課廃棄物指導室や東牟婁振興局健康福祉部衛生環境課、和歌山県税事務所、三重県環境生活部廃棄物対策局廃棄物監視・指導課、新宮警察署から約20人が参加。

 産業廃棄物積載車両が3(がれき類1、木くず2)台、その他空車6台の計9台を調査し、軽油の抜き取りも実施。結果、携帯書類や車両表示の不備などについて、3件の指導を行ったとした。

 また、抜き取った軽油に混和の嫌疑があるものは販売先など、流通経路を調査し、原因が確認された際は、課税処分が行われる。

 県環境生活部循環型社会推進課廃棄物指導室の秋月邦洋室長は「両県には優雅な自然環境がある。次世代の子どもたちに残すためにも活動を進めている。今後も不正行為の抑止のために、三重県や関係機関と連携して取り組んでいきたい」と話していた。

(2023年1月22日付紙面より)

産業廃棄物運搬車両を聴取する県職員ら=20日、新宮市五新の新宮自動車整備工業協同組合
積載物の確認も実施した
2023年01月22日
20 獣害対策=餌付けをやめること
 豊かな里山づくり講座  (紀宝町 )

 獣害研究家の「雅(まさ)ねえ」こと、井上雅央さんを招いての「豊かな里山づくり講座」が19、20日の2日間、紀宝町であった。2日とも約30人が参加し、初日は紀宝はぐくみの森で講演、2日目は阪松原地区で現地実習があり、参加者は「餌付けをやめる」といった発想の転換による獣害対策を学んだ。

 みえ森と緑の県民税市町交付金事業を活用し、町立図書館が主催。獣害研究家の井上さんは、獣害対策で目覚ましい実績を挙げ、全国各地で講座を開いている。

 講演では「獣害対策は分かれば簡単」と切り出し「動物は安心して食べられる場所に住みたいだけ。安心できる場所こそが餌付け。獣害に遭う田畑は餌付けに成功したことと一緒。対策は餌付けをやめるだけ」と伝えた。

 柵は「気休め柵」と「効く柵」があるとし、見た目は同じだが効く柵は3重構造。柵の外側は見渡しを良くし、周辺は餌なしゾーンにする。動物から届く餌や隠れるスペースがない所に挟まれた柵のみが効果を発揮する。イノシシ目線でどう見えているかが重要と説明。「動物に食べられて腹が立っても立たなくても餌には変わりない。イノシシやシカが悪いのではなく、餌付けした自分が悪い。餌付けをやめるための環境づくりを」と発想の転換を求めた。

  □     □

■〝えらいこっちゃ〟の場所は?



 2日目は、阪松原地区の協力を得て現地実習。田や畑で柔らかい緑の草、電気柵の隙間、入り口の開いた柵などの餌場を見つけ、全員で「えらいこっちゃ」と声を張った。

 井上さんは「何が起きているか理解しないと失敗する。動物の立場に立って考えると分かってくる」と強調。▽毎日食べないと生きていけない▽体験を基に行動する▽その日の餌が見つかればいい▽安心できる場所に住みたいだけ―といった動物の習性を紹介し「田んぼや畑に現れるのは餌があって安心だから。動物に住もうと思わせた自分が悪い」とした。

 「稲刈り後の田はごちそうの宝庫。柵の入り口が開いていると入りたい放題になる。『冬は入られてもいい』が間違い」と指摘し「稲刈り後も電気柵を撤去せず、24時間通電を」とアドバイス。

 「10月に草刈りすると餌がなくなる2月にごちそうの草が生えてくる。9月10日ごろまでに刈ると冬枯れして餌ではなくなる」と解説。「田んぼや畑は皆さんの宝物。みんなで気付き、教え合おう」と呼びかけた。

(2023年1月22日付紙面より)

井上雅央さんと共に餌付けにつながる場所を見つける
2023年01月22日
21 困難乗り越え新たな出発 卒業証書授与式を挙行 (近大新宮高)

 新宮・東牟婁地域のトップを切って21日、新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)で第58回卒業証書授与式が挙行された。3年にわたるコロナ禍で最も影響を受けた学年ともいわれる本年度の卒業生122人が、困難を乗り越えそれぞれの道へ新たなスタートを切った。

 池上校長が各クラスの代表者に卒業証書を授与。式辞では思想家ルソーの言葉を引用し「卒業生の皆さんにとって、人としてより良く生きるための誕生の場、自分ならではの価値を創造した場が本校。自ら学習し、考え、困難を克服し、素晴らしい『第二の誕生』を迎えられたであろうことを確信している」と述べ「本校で学んだ誇りを胸に、これからの時代を力強く生き抜いて」と言葉を贈った。

 卒業生を代表して小屋敷卓真さんが、入学直後の休校や近大新宮祭をはじめとする多くの行事の中止など、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた高校生活を振り返り「高校生活には密な場面がつきものなのに、いろいろな制限によって我慢を感じることも多くあったが、この3年間を過ごした私たちはより強く成長することができた。これからは、社会をつくり上げる一員となれるよう頑張っていきたい」と述べ、これまでの生活を支えた家族や教職員ら全ての人に感謝を伝えた。

(2023年1月22日付紙面より)

卒業生を代表して小屋敷卓真さんが答辞=21日、新宮市の近畿大学附属新宮高校
2023年01月22日
22 小さな実が無数に  新宮市でフユイチゴ  
2023年01月22日
23 薬物のいらない社会とは  下里中で小林仁さんが講話  (那智勝浦町 )
2023年01月22日
24 正月の遊びを満喫  丹鶴幼が「たこ揚げ大会」  (新宮市 )
2023年01月22日
25 「山のごちそう」味わう  給食に和歌山県産シカ肉  (宇久井小 )
2023年01月22日
26 地域福祉への尽力に感謝  管内の3人に表彰状を伝達  (東牟婁振興局 )
2023年01月22日
27 救急出動は過去最多に  第7、8波の影響受け  (熊野市消防管内 )
2023年01月22日
28 動き合わせてダンス練習  1、2年生が発表会に向けて  (矢渕中 )
2023年01月22日
29 広報誌朗読しCDに  しおり会に厚労大臣表彰を伝達  (御浜町 )
2023年01月22日
30 お悔やみ情報
  
2023年01月15日
31 終息や商売繁盛など祈願
 大泰寺で大般若祈祷会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町下和田の古刹(こさつ)、定光山大泰寺(西山十海住職)で13日、西山住職ほか、同町や太地町の8人の住職が出仕して「大般若祈祷会」を営んだ。新型コロナウイルス感染症対策を施した上で恒例の餅まきも実施。境内や本堂は多くの参拝者でにぎわった。

 法要ではマスク着用やアルコール消毒、換気など新型コロナウイルス対策を徹底した。住職らは全600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読を行い、厄払いや家内安全、商売繁盛などを祈願した。

 餅まきは3密防止のため、本堂と薬師堂、境内に設置した舞台の3カ所で実施。住職や関係者らによって、250㌔の餅とパン200個がまかれた。

 同寺大総代の尾屋公一さんは「コロナ禍にかかわらず、たくさんの方が集まっていただきありがたい。今日はコロナの終息と地域が明るくなることを願いました」。

 西山住職は「コロナの感染が各地で広がっていて、亡くなる方も増えている。しかし、少しずつだが、日常を取り戻してほしいという思いもあり、昨年に引き続き斎行させていただいた。今年こそはコロナが終息し、皆さまが平穏無事に幸せに生活できることを願い、祈とうさせていただきました」と語った。

 町内から訪れた70代男性は「年に1回の行事。多くの人が来られて、活気づいたので良かった。来年はコロナも収まって、もっと多くの人でにぎわってくれたらうれしい」と話していた。

 同寺は伝教大師により1200年前の平安初期に創建された桓武天皇勅願道場と伝わる。薬師堂は関南薬師の第一霊場として昔から近隣の人々の信仰を集めてきた。

 この日も開帳された本尊の薬師如来像(国重要文化財)は1156(保元元)年の作。その優美な姿に引かれ、例年の開帳の際は大阪や東京などからも参拝者が訪れている。

(2023年1月15日付紙面より)

大般若経典を転読し厄払いや商売繁盛などを祈願した=13日、那智勝浦町の定光山大泰寺
恒例の餅まきもにぎわった
2023年01月15日
32 架空請求詐欺が急増
 不審なSNSやはがきに注意を  (見守り隊が啓発 )

 三重県警によると、昨年(11月末現在)、県内で118件の特殊詐欺が発生した。被害額は約3億4180万円に上った。前年同期比で15件、約1億7500万円の増となった。

 このうち、50件が架空料金請求詐欺で、2億3370万円の被害と急増した。新型コロナウイルスの拡大が懸念されたことにより、自宅にいる機会が増えたことや、交流サイト(SNS)の利用時間が増加していることなども原因と考えられ、県内に限らず全国的に被害が増加している。

 架空料金請求詐欺は「未払いの料金がある」などと架空の事実を口実として、現金や電子マネーなどをだまし取る手口。紀宝警察署管内では、昨年5月と10月に電子マネーをだまし取られる被害があった。「はがきやSNSなどで未払い料金を請求されても心当たりがなければ相手に連絡しないように」と呼びかけている。

 紀宝町では、高齢者の特殊詐欺被害撲滅を目指し、毎月1回、高齢者地域見守り隊(伊藤俊介代表)が町内各所で啓発活動を展開。13日には鵜殿の主婦の店で今年最初の活動を行い、隊員6人が町民らにチラシを配布し、詐欺に遭わないよう求めた。

 チラシには特殊詐欺発生状況や具体的な手口、対策、相談窓口などを掲載した。不審電話などの相談は紀宝署(電話0735・33・0110)へ相談を。

(2023年1月15日付紙面より)

特殊詐欺被害撲滅を目指して啓発活動を展開=13日、紀宝町鵜殿
2023年01月15日
33 伊作の見た風景とは
 旧チャップマン邸、旧西村家住宅で企画展  (新宮市 )

 新宮市丹鶴の旧チャップマン邸と旧西村家住宅(西村伊作記念館)で、西村伊作生誕139(イサク)年記念企画展が始まった。入館無料。

 「生活を芸術として」という生涯を送った、新宮市名誉市民の西村伊作(1884~1963年)。今年は生誕139年の節目の年で、旧チャップマン邸では22日(日)まで「伊作のみた熊野新宮」(西村記念館・旧チャップマン邸の会主催)を、旧西村家住宅では29日(日)まで「西村伊作が描いた新宮」(市教育委員会主催)を開催している。

 旧チャップマン邸では「新日本の文化創出をリードした伊作は、彼を生み育てた熊野・新宮のどんな風景を見て育ったのか」をテーマに、明治や大正時代の豊富な資料・史料から解き明かす。

 展示資料の多くは熊野学研究委員会委員長の中瀬古友夫さんが提供。写真や地図を伊作による絵画とひも付けしながら、当時の熊野・新宮やゆかりの場所などを紹介している。

 伊作邸の2階にかけられていた地形図は、1911(明治44)年初版の5万分の1地形図の「新宮」や「那智」など11枚を正確に張り合わせ、掛け軸のように表装。県名が丁寧な明朝体で書き加えられ、海岸線と県境や市町村が縁取りされている。また、13(大正2)年に開通した新宮鉄道の予定線も開通した状態に書き直されており、中瀬古さんは「伊作が設計図の手法で記入したものと考えられる。鉄道開通後のふるさとに思いを巡らせていたのでは」と話している。

 旧西村家住宅では、伊作が描いた新宮の風景画11点を展示。多くが普段は見ることのできない作品となっており、伊作の目線を通して当時の新宮の風景を回顧できる内容となっている。

 開館時間は旧チャップマン邸は午前10時~午後4時。旧西村家住宅は午前9時~午後5時で、両館とも月曜日休館。

(2023年1月15日付紙面より)

当時の地図や写真などから、西村伊作の見た熊野・新宮を読み解く=旧チャップマン邸
伊作が残した、新宮の風景を捉えた作品を展示=旧西村家住宅
2023年01月15日
34 僧侶になるための儀式  光明宝院で得度入門式  (那智勝浦町 )
2023年01月15日
35 緊張した面持ちで臨む  前期入試に児童30人  (近大新宮中 )
2023年01月15日
36 お正月遊び楽しむ  「くろしおであそぼう!」  (新宮市 )
2023年01月15日
37 子どもたちの思い託す  赤い羽根共同募金に協力  (神倉小 )
2023年01月15日
38 Art in 和歌山  29日まで、石垣記念館  (太地町 )
2023年01月15日
39 3市町の各チームに寄贈  美し国三重市町対抗駅伝  (JA伊勢 )
2023年01月15日
40 児童生徒の読書活動を推進  「ものがたりライブ」、図書館が継続  (紀宝町 )
2023年01月15日
41 お悔やみ情報