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2022年06月26日
1 未利用材を電気と熱に
 木質バイオマスの発電所  (新宮市 )

 新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店の裏手で、新宮フォレストエナジーによる木質バイオマス発電所(川畑智昭所長)が稼働している。発電量は約3200世帯分となる約1680㌔㍗。その発電の具体的な方法や、地域が得られる恩恵について尋ねた。

 フォレストエナジーは、東京都に本社がある。新宮の発電所は、昨年の12月末から稼働。川畑所長(46)は新宮発電所の大きな特徴として「既存のボイラータービンではなく、ガス化による発電」を挙げる。「炭小屋で炭を作るとき、空気を絞り炭化させ、煙突からガスを出す。同様の原理でガス化し、そのガスでエンジンを燃焼させ、電気と熱を取り出す」という。

 このガス化が、地域林業への大きな貢献をもたらす。「ボイラータービン型の発電所は大型でないと採算がとれず、膨大な量の木が必要。集材に県境を越え、輸入にも頼ることになる。新宮発電所はガス化のおかげで、周囲50㌔ぐらいの地域の未利用材を100%使って、地産地消で発電できる」と明かす。新宮発電所の材はほとんどがスギという。

 具体的には、年間で約2万㌧を集材し、新宮発電所内で切削してチップに。これを乾燥させて、ガス化設備に送る。なお乾燥させるのに、発電で発生する熱を利用する。チップはガス化により、バイオ炭となる。熊野地方の農家が、農地用にこのバイオ炭を利用し始めている。他にもバイオ炭は固めると成形炭として利用できるほか、土壌改良材や浄水フィルター、アスファルト混入材などに使用できる。このバイオ炭は、年間で約1500㌧ができる。

 発生したガスは、ガスエンジンに送られる。エンジンの回転力を発電機に送って発電する。発電機は500㌔㍗のものが4台あり、合計で2000㌔㍗の発電能力があるが、電力会社の送電容量の関係で出力を抑えている。燃焼で発生する熱は約3800㌔㍗で、約90度の温水として取り出す。

 この温水はヨーロッパであれば、利用できるインフラが整っているが、日本にはなく、整備するにも高額。このため新宮フォレストエナジーでは、余剰熱を利用し乾燥チップ製造を行い、同チップの販売先として、今後周辺地域で導入が期待される超小型のガス化発電機「ボルター」向けなどに販売を予定している。ボルターのチップ使用量が年間で約500㌧(生チップベース)、約40㌔㍗(約60世帯分)の電気と約100㌔㍗の熱、年間で約10㌧のバイオ炭を産出する。使用するチップは新宮発電所から供給し、設備メンテナンスも受けられる。

 川畑所長は「山をきれいにがコンセプト、それに伴って川も海もきれいになる。林業の未利用材を有効利用し、電気や熱、バイオ炭を生み、それらを活用したサービスを地域に供給することを通じて地域活性化に貢献できれば」と思いを語った。

(2022年6月26日付紙面より)

ガスエンジンについて説明する川畑智昭所長=17日、新宮市佐野の新宮フォレストエナジー木質バイオマス発電所
発電に使用する木質チップ(新宮フォレストエナジー提供)
2022年06月26日
2 勝浦温泉の今昔を語る
 熊野カフェで意見交換  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町勝浦の「熊野カフェ」は18日、オープン10周年記念事業の一環として、勝浦観光に関する語りイベント「勝浦温泉の今昔(いまむかし)」を開催した。語り手を務めた「かつうら御苑」会長の中定俊さん(74)が、町の景気が良くにぎやかだった当時の思い出話やまちづくりについて語り、フリートークも行われた。

 過去に町観光協会長なども務め、町の活性化に尽力してきた中さん。幼い頃の思い出について、「小さい頃からお蛇浦(じゃうら)海岸や千畳敷でよく遊んだ。近くには旅館があり、有名な役者も来て、時代劇の撮影もよく行われていた」と説明した。

 昭和から平成の好景気だった当時を振り返り、「鳥羽・勝浦・白浜は新婚旅行のメッカ。多くの新婚旅行客を迎えた。人口も2万5000人ほどいた。マグロ船も多く、昼も夜もとにかく活気があった」。

 体育文化会館やゴルフ場、グリーンピア南紀なども建設され、今後のさらなる発展に期待していたと述べた。しかし、バブルが崩壊し、東京などの大都市は大変な事態に陥っていたとし、同町では3年ほど遅れて影響がやって来たと述べた。

 現在においては、コロナ禍が収束して多くの観光客が戻り、町が活気づいたとしても問題があるとし、「人口が当時から1万人ほど減少している。多くの観光客を受け入れ、サービスなどに対応できる人材がいない状態にある」と指摘した。

 そのほか、ふるさと納税の利活用や民間と行政の会話・協議の場づくりの重要性を訴えた。中さんは「観光客については民間が努力する部分。しかし、従業員などの雇用の問題は行政の力が必要になる」と語った。

 フリートークでは「観光でもうけることができれば、福祉にもお金が使える」「この町が潤うには観光振興しかない」「行政と民間が連携できずに役割分担ができていない」「町民と行政が交わるような基本構想が必要では」など、町の活性化や観光産業についての意見が出された。

 同店オーナーの畑中卓也さんは「この町の地理的ハンディを補うのはやっぱり人だと思う。参加された皆さんは心から町を良くしたいと思っている。今後もこのような機会を持ちたい」。

 中さんは「人口が減り続けるのは間違いない。常に行政や町、関係者らで対話し、意見を言い合える場が必要だと思う」と話した。

(2022年6月26日付紙面より)

イベントに参加した皆さん=18日、那智勝浦町の熊野カフェ
勝浦温泉の今と昔について語る中定俊さん
2022年06月26日
3 県内への移住6年連続増加
 紀宝町には31世帯50人が  

 昨年度、県外から三重県に移住した人が541人に上り、6年連続で前年を上回った。前年度から約5%増となり、集計を始めた2015年度から6年連続で前年を上回っており、7年間の累計で2460人となった。

 移住者数は15年度124人、16年度205人、17年度322人、18年度371人、19年度383人、20年度514人。昨年度の541人のうち市町の補助・助成制度、空き家バンクの利用が半数以上だった。

 熊野市、尾鷲市、紀北町、御浜町、紀宝町の東紀州地域には117人が移住し、全体の21・6%を占めた。

 このうち、紀宝町には31世帯50人が移住。東紀州地域全体の42・7%に上り、30~40代の子育て世代の転入が目立っているという。

 町では移住・定住を支援、推進する町有地分譲、空き家バンク制度をはじめ、生活体験を通して町への移住を検討してもらうお試し住宅制度などを展開。昨年度は移住後の新生活支援制度を新設するなど取り組みを進めてきた。

 本年度は、国・県の補助金、交付金を活用し、若者の定住促進、婚活支援、結婚新生活支援などを拡充する。大学などを卒業したUターン、Iターン、Jターン者の奨学金返還支援などを新たに創設するほか、移住者に移住定住支援員を委嘱し、生活体験を通して感じた町の魅力を発信してもらう。

 町の担当職員は「支援制度をより充実させ、積極的に移住、定住対策を推進していく」と話している。

(2022年6月26日付紙面より)

移住生活をPRする紀宝町のパンフレット
紀宝町のお試し住宅
2022年06月26日
4 モモと同じにおいだ!
 三輪崎保で梅シロップ作り  (新宮市 )

 新宮市の保育所型認定こども園「三輪崎保育園」(中畑元太園長)で23日、5歳児による梅シロップ作りがあった。

 毎年恒例の行事で、みなべ町の農家から届いた南高梅で梅シロップを漬け、夏の終わりのウオーターパーティーなどでかき氷にかけてみんなで味わう。

 黄色や赤に完熟した南高梅に触れた園児たちは「モモと同じにおいがするよ!」「いいにおい!」と笑顔になり、エプロンと三角巾姿でシロップ作りをスタート。つまようじで丁寧に「おへそ」を取って水で洗い、キッチンペーパーで優しく水を拭き取った。梅を砂糖と交互に瓶に詰めたら完成。

 漬け込みを終えた園児たちは「どのくらいで完成するの?」と完成を心待ちにしていた。

(2022年6月26日付紙面より)

「おへそ」上手に取れるかな?=23日、新宮市の保育所型認定こども園「三輪崎保育園」
優しく水を拭き取る
2022年06月26日
5 1位に小阪享志さん  写連新宮支部6月例会  
2022年06月26日
6 本年度事業計画など承認  熊野灘捕鯨文化継承協が総会  (那智勝浦町 )
2022年06月26日
7 厳しさにめげない半生  生涯学習講座で寺岡さん講演  (太地町 )
2022年06月26日
8 塩地さん親子の新造船  浦神で披露、餅まきも  (那智勝浦町 )
2022年06月26日
9 ウクライナへ思いはせる  生徒会が映画「ひまわり」上映  (近大新宮 )
2022年06月26日
10 七夕飾りを作ったよ!  よちよちくらぶに17組  (新宮市 )
2022年06月26日
11 車いすの苦労を学ぶ  王子ヶ浜小で体験講座  (新宮市 )
2022年06月26日
12 「ドライブ・マイ・カー」を鑑賞  ひまわりサロンが映画上映会  (紀宝町 )
2022年06月26日
13 母親ら助産師と語り合う  子育てほっとサロンで  (紀宝町 )
2022年06月26日
14 和の伝統文化に触れる  阿田和中2年が浴衣着装を体験  (御浜町 )
2022年06月22日
15 本番に向け準備進める
 「七夕願いよ 届け」  (那智勝浦町 )

 昨年6月末から7月7日に那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)で初開催し、多くの人でにぎわった「七夕願いよ 届け」。第2回に向け、勝浦八幡神社七夕実行委員会では現在、準備を進めている。12日夜には地元の高校生らも協力し、今年初めて点灯させる竹灯籠や牛乳パック灯籠の並べ方などを考えた。

 催しはコロナ禍の中、同委員会の上松資弘さんが「悩みや願いを集め、心のよりどころとなる場をつくりたい」との思いから髙橋宮司に相談し、開催に至った。

 手作りの木製短冊に髙橋宮司が、「七夕祈願」と筆を入れ神社の印を押したものを準備。参加者は短冊台2基に願いを書いた短冊をつるした。

 今年も30日(木)から7月7日(木)の七夕当日まで短冊に願いを書き、つるすことができる。午前8時から午後8時まで。無料。雨天時は社務所に短冊を準備している。今回は七夕の笹の受け取りも神社で行う。

 新たな取り組みとして、竹灯籠や牛乳パック灯籠、竹あかりを合わせて320個ほど境内に置き、「よみがえれ脇仲倶楽部」から借りたビン玉を七夕台に設置し、どちらも点灯させる。上松さんらは竹の調達や加工、ろうそくやLEDキャンドルなどの準備も進めてきた。

 昨年も催しに協力した川畑悠里子さんの娘の花愛(はな)さん(新宮高2年)は「交流サイト(SNS)に投稿する写真が見栄えするように並べ方を工夫した。喜んでもらえたらうれしいです」。

 瀧本梨乃さん(同)は「町を元気づけたいと思い参加した。夏の思い出を増やしていただけたら」とコメント。

 髙橋宮司は「若い方が参加してくれてありがたい。輪が広がることを期待したい。都会に出られても、この催しを思い出し、戻ってきてくれたら」と話した。

 上松さんは「皆さんの協力がありがたい。さださんからは『良い企画なので続けたほうがいい』とお声をもらった」。

 当日について「悩みや願いのある方はもちろんですが、多くの方に神社に集まってほしい。短冊をつるし、灯籠を見て、楽しい時間を過ごしていただけたら」と語った。

 なお、今年も、上松さんと親交のある歌手で小説家のさだまさしさんから直筆の短冊が届いた。

  □     □

■ワークショップや当日

 同委員会は7月3日(日)午後1時から神社社務所で、牛乳パック灯籠を作成するためのワークショップを開催する。

 無料。申し込み不要で定員なし。子どもから大人まで、参加可能。同日午後7時ごろから、試験点灯も行う。

 7日当日は午後6時30分から、七夕祭の神事が髙橋宮司によって営まれる。灯籠などの点灯は午後7時ごろを予定。無料。

(2022年6月22日付紙面より)

本番に向けて竹灯籠の並べ方などを考えた=12日夜、那智勝浦町の勝浦八幡神社
多くの短冊がつるされた昨年の様子(勝浦八幡神社七夕実行委員会提供)
今年もさだまさしさんから短冊が届いた
2022年06月22日
16 水しぶき上げ、初泳ぎ楽しむ
 今年もプール授業始まる  (紀宝町 )

 紀宝町立成川小学校(大藤伸之校長、児童53人)で20日、プールの授業が始まり、児童たちが初泳ぎを楽しんだ。おととしは新型コロナウイルス対策のため水泳授業が行われなかったが、昨年から町内各小学校で再開した。

 成川小では4~6年生の体育授業で水泳があり、水着に着替えた19人が頭、胸、顔の順に水をかけプールの中へ。頭までつかり、うつ伏せ、あお向けで浮く練習やバタ足などで水に慣れていった。

 気温、水温ともに25度を超え、プール内は一足早い夏本番のような歓声に包まれた。児童たちは水しぶきを上げながら「楽しい」「気持ち良い」と笑顔を見せていた。

 大藤校長は「昨年、プール授業を再開して児童たちも喜んでいた。短い期間だが今年も自分の命を守るための水泳指導を行っていく」と話していた。

(2022年6月22日付紙面より)

初めてのプール授業を楽しむ児童たち=20日、紀宝町立成川小学校
2022年06月22日
17 山本情輔君が表敬訪問
 U―15アジアレスリング日本代表  (新宮市 )

 7月2日(土)~4日(月)にバーレーンのマナマで開催される「2022年U―15アジアレスリング選手権大会」に日本代表として男子フリースタイル48㌔級に出場する新宮ジュニアレスリングクラブ(中川真一代表)所属の山本情輔君(緑丘中3年)が20日、新宮市役所を訪れ田岡実千年市長を表敬訪問した。

 山本君は昨年11月に駒沢オリンピック公園総合運動場屋内競技場(東京都)で行われた「令和3年度東京都知事杯第12回全国中学選抜レスリング選手権大会」の同階級に出場。初戦を快勝すると、その後も順調に勝ち進み準決勝で敗れたものの、見事4位に入賞し選考基準を満たして日本代表に選ばれた。

 レスリングを始めたのは3歳の時。以降、同クラブなどで練習を重ね、数々の大会で活躍している。この日は速水盛康教育長も同席した。

 訪問を受け、田岡市長は「中学生での世界大会出場は私たちにとっても楽しみ。支えてくれた多くの人たちへの感謝を忘れず、試合に臨んでください」。速水教育長は「身近な選手が日本代表に選ばれることは、非常に影響があり素晴らしい。挑戦する気持ちがないと目標には届かないため、全力を出し切ってもらいたい」とエールを送った。

 母・希余子さんは一緒に切磋琢磨(せっさたくま)している仲間やその保護者の皆さんがいたおかげで、ここまでやって来られたと感謝し「個人競技ではありますが、みんなで応援し合ってわが事のように喜び合うなど支え合っています。本人にとっても今後の人生の糧になると思う。いろんな経験をし、視野を広げてもらえれば」。

 山本君は、初めてのことで、まだ実感がないとしながらも「急な選考の話を聞いて驚いているが、出場するからには『1位』という大きな目標を持って挑みたい。自分の力を全て出し切れるように頑張ります」と意気込みを語っていた。

(2022年6月22日付紙面より)

田岡実千年市長(右)を表敬訪問した山本情輔君=20日、新宮市役所
世界大会での活躍を誓った
2022年06月22日
18 消防技術の基礎を託す
 新入団員ら対象に訓練  (串本町消防団 )

 串本町消防団(稲田賢団長)が19、20日の2日間、新入団員らを対象にした普通教育訓練を実施し消防技術の基礎を託すなどした。

 この訓練は、団活動に欠かせない技術を一から学ぶ機会として新入団員や同訓練未経験者を対象にし、年1回実施。消防団員が本業と兼ねての献身となる実情を踏まえ、近年は休日と平日の2日間を実施日としいずれか参加しやすい方を選んでもらう形で着実な指導伝達に努めている。

 本年度は19日に8人(女性団員1人含む)、20日に1人が参加。開始に当たり稲田団長は「消防団員として最初に取り組む訓練。長時間となるが、気を引き締めて頑張ってほしい」と激励し、以降は同町消防本部(寺島正彦消防長)の職員を講師に迎えて▽消防礼式▽ロープ結索▽消防操法(=ホースや筒先の取り扱い方)―の各技術を教わった。

 ロープ結索は消防水利確保時の取水ホースの安定を図るなどで欠かせない技術。消防操法は機材(=消防ポンプ)を除く

資材の取り扱いを身に付けるのが目標。同本部はそれら技術を骨格にし属する分団で円滑に肉付けがしていける状況を見据えて指導に当たり、稲田団長ら団本部や寺島消防長ら消防本部幹部職員も始終立ち会い適時アドバイスをして理解を後押しした。

 同団事務局によると、本業との兼ね合いで両日とも参加できなかった団員については、次年度以降も参加を誘いかけ全団員がこの訓練を経験している状況を目指すという。

(2022年6月22日付紙面より)

消防礼式の指導を受ける新入団員ら=19日、串本町総合運動公園雨天練習場
2022年06月22日
19 畠君、橋爪さんが入賞  柔整師杯県下少年柔道選手権  (紀宝柔道会 )
2022年06月22日
20 「税は社会支える会費」  井田小で租税教室  
2022年06月22日
21 高速道路延伸でリピーター増  アウトドアブームで人気  (飛雪の滝キャンプ場 )
2022年06月22日
22 コロナ前の7割程度に回復  GWの観光客入り込み数  (和歌山県 )
2022年06月22日
23 作品展で集めた募金手渡す  公民館陶芸教室  (那智勝浦町 )
2022年06月22日
24 歩いて健康、名産品も獲得  「旅するつもりでウォーキング」  (那智勝浦町 )
2022年06月22日
25 地元漁師から漁業学ぶ  宇久井中で特別授業  (那智勝浦町 )
2022年06月22日
26 大和舞の練習スタート  小学生12人が例大祭に向け  (那智勝浦町 )
2022年06月22日
27 詐欺被害の防止意識強める  池野山ほがらかクラブ会員  (古座川町 )
2022年06月22日
28 丸山一帯のごみを引き上げ  熊野古道大辺路刈り開き隊  (串本町 )
2022年06月22日
29 文豪が愛したノウゼンカズラ  佐藤春夫記念館  
2022年06月22日
30 お悔やみ情報
  
2022年06月14日
31 3年ぶり梅ジュース作り
 県産品を小学校へ提供  (和歌山県 )

 和歌山県は10日から、県内の小学校および特別支援学校228校に、主要農水産物の一つであるウメの提供をスタートさせた。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、3年ぶりの取り組み。新宮・東牟婁地方の小学校にも届いており、各校で児童の梅ジュース作り体験が始まっている。

 県産の農水産物を身近な食材と認識してもらい、学校給食でのさらなる定着を図るため、2012年度から家庭科学習や給食にウメ、モモ、カキ、ミカン、魚などの提供を開始。17年度からは鯨肉、ジビエを追加し、中学校へも提供を拡大するなど、食を通じて郷土の自然や文化、産業活動への理解を図っている。

 ウメはクエン酸が豊富な食材で、疲労回復や風邪予防に効果があるといわれる。1日には、みなべ町から委託を受けた東海大学医学部の教授を中心とする研究グループが、梅干し抽出物が新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス(SARS―CoV―2)の武漢株や変異株への抗ウイルス効果を持つと発表。特許も出願中で、全国から注目が集まっている。

 太地町立太地小学校(海野文宏校長)でも10日、5、6年生19人の家庭科学習で梅ジュースの漬け込みが行われた。児童は竹串でウメのへたを取り、穴を開けて、砂糖と交互に瓶に詰めていった。

 花村瑛斗君(6年)は「梅ジュースは飲んだことがないので、2週間後の完成が楽しみ。ウメの汁が目に染みた」。西昇成君(同)は「普段からご飯やおにぎりで梅干しを食べています」。雑賀大陽君(同)は「和歌山県でウメやミカンが有名なのは知っていたけれど、梅干しはちょっと苦手。でも、梅ジュースは楽しみ」と笑顔で話していた。

(2022年6月14日付紙面より)

梅ジュースを漬ける児童=10日、太地町立太地小学校
慎重に砂糖を加える
2022年06月14日
32 北山村のみ全国超え
 マイナンバーカード普及率  

 国は健康保険証について、マイナンバーカードにその機能を持たせた上で、将来は原則廃止を目指す方針を示している。しかしマイナンバーカードの普及率(交付枚数率)は全国的に伸び悩み、新宮市と東牟婁郡の市町も全国や和歌山県より低い数値にとどまる。ただ北山村だけは、全国や県を上回っている。

 全国の普及率は5月1日現在で、44・0%。対して和歌山県は39・7%となっている。全国以下の普及率であることに加え、47都道府県中39位の数字となっている。

 本紙エリアはさらに▽新宮市は35・1%▽那智勝浦町は37・1%▽太地町は31・1%▽古座川町は33・8%▽串本町は31・4%―と低迷。その一方で北山村だけは48・0%となっており、全国の普及率を超えている。

 北山村は好調の理由について「シニアエクササイズの会場で呼びかけたり、保健師と一緒に啓発したり、70歳代の方のイベントなどで出張の申請支援をした」と話している。もともとの人口が少ないのもあり、一人が申請すれば多くがそれに倣うという部分もあるとのこと。「特にどの年齢層が突出するということもなく、全年齢で満遍なく申請してくれている」という。

 新宮市は低調ではあるものの、これまでに大型スーパーや確定申告時期の税務署などで、出張申請支援を実施。選挙時は期日前投票所の前に臨時窓口を開設するなど、普及促進に尽くしてきた。企業・団体を対象とした、予約制の出張申請支援も実施中。「今後も何か良い方法があれば、いろいろとやっていきたい」と意欲を見せる。

 同じく那智勝浦町も、2020年12月から月1回、休日の申請支援を実施。大型スーパーでの出張申請支援も行ったが、普及率は伸び悩んでいる。マイナンバーカード取得者にキャッシュレス決済のポイントを付与する、マイナポイント事業の第2弾が30日(木)から予定されているため「これに合わせて申請が増えれば」と期待を寄せる。

(2022年6月14日付紙面より)

マイナンバーカード関連コーナーも設置=9日、新宮市役所
2022年06月14日
33 感謝を示して気持ち高める
 串本地区警察官友の会総会  (新宮警察署串本分庁舎 )

 串本地区警察官友の会(小森正剛会長、会員98人)の本年度総会が10日、新宮警察署串本分庁舎であった。新型コロナウイルスの情勢により3年ぶりの実施。冒頭で警察官への感謝状贈呈をし、引き続き小森会長を筆頭とする役員体制を承認するなどして目的達成への気持ちを高めた。

 この会は、強く正しく親切な警察官育成のために協力するとともに警察に対する県民の理解を深める活動を推進、ひいては地域の治安安定を図り地域の発展に貢献することを目的として活動している。県警察本部の4月1日付警察署など再編に伴い、地区内の串本町と古座川町は新宮署、すさみ町は白浜署の管内となったが、同会は県警―地区の関係を保ち新宮署串本分庁舎に事務局を置いてこれまでの枠組みを続けるとしている。

 総会冒頭、地区内で功労があったとして同署の船代剛司(たけし)巡査部長、木村渉巡査部長、吉村勇輝巡査長、井上健教(たけのり)巡査長に感謝状を贈呈。4人を代表して佐田駐在所に勤務する船代巡査部長が謝辞を述べ、一層の精励を出席した会員らに誓った。

 開会に当たり小森会長は、「(再編の)全てにおいて承服とはしかねるが、第一線で勤務する警察官が私たちの治安維持のためまい進しているのも事実。本会を存続し警察活動への理解者を増やすことが住民の安全安心や事件事故の未然防止につながると確信している」と述べて引き続きの協力を会員に呼びかけ。新宮署の田原正士署長は「(再編後の)課題は随時検討し必要に応じて改善している。今後とも初動捜査において限りあるマンパワーを集中投入し、各事案を迅速に解決へと導きたい」と応えた。

 来賓の田嶋勝正串本町長、西前啓市古座川町長もそれぞれに同会の活動に期待を寄せて総会の始終を後見。以降は事業関連書議案を審議し、役員改選では前役員全員再任の体制案を承認したという。

(2022年6月14日付紙面より)

開会に当たりあいさつする串本地区警察官友の会の小森正剛会長=10日、新宮警察署串本分庁舎
感謝状の贈呈を受ける船代剛司巡査部長ら
2022年06月14日
34 商品手に笑顔で交流
 「木の薫る店」で野菜市  (新宮市高田 )

 新宮市高田の雲取温泉高田グリーンランド敷地内にある「木の薫る店」で11日、「野菜市」が開かれた。地域の生産者が手がけた、新鮮な野菜や花、米などが所狭しと並び、多くの買い物客などでにぎわった。

 和歌山県のモデル整備事業として県の補助を受けて2002年度に紀州材を使用し建設された「木の薫る店」。これまで無人市場などとして開所していたこともあるが、高田地域ではさらなる建物の有効利用方法を模索していた。

 そんな中、おととしに五十数年ぶりのUターンを果たした石田千代さんが、これまで近隣住民らで分け合うなどしていた野菜などを地域に広く循環させようと同施設の活用を提案。昨年12月に1回目の「野菜市」を開催し、午前中で完売するほどの盛況を博した。

 以降、月に1、2回の頻度で開催し、この日で8回目。回を追うごとに出品者も増え、地域外からの来場者も増えたという。この日も開始30分前から新鮮な野菜などを求める買い物客が列を作って楽しげにおしゃべり。開店と同時に、フキやラッキョウ、タマネギ、ジャガイモなど、多くの野菜が品薄となった。

 同施設を訪れる一人一人に「おおきにね」「元気にしてる?」などと声をかける石田さん。手作りのチラシには「遊びに来てくださーい」「お話に来るだけでも大歓迎でーす」などの文言が躍る。

 石田さんは「天候も悪い中、開店前から多くの人が来てくれた。地域のコミュニティーの場になることが一番の目的。季節や野菜の収穫量にもよるけど、今後は月2回の開催も検討していきたい」と話していた。

 次回の「野菜市」は7月9日(土)午前9時30分からを予定している。

(2022年6月14日付紙面より)

多彩な商品を前に会話も弾んだ=11日、新宮市高田
2022年06月14日
35 ジャンボタニシを駆除  9月上旬の稲刈りを楽しみに  (神内小 )
2022年06月14日
36 ボウリング大会楽しむ  すみれサロンに女性11人  (紀宝町 )
2022年06月14日
37 本年度の給食費無償化  令和4年第2回定例会が開会  (紀宝町議会 )
2022年06月14日
38 「豊かな学び」の創造を  三重県教職員組合紀南支部が定期大会  
2022年06月14日
39 台風シーズン前に注意喚起  停電対策やアプリ活用を  (関西電力 )
2022年06月14日
40 香り漂わせる白花  国道脇でクチナシ咲く  
2022年06月14日
41 会員や歌手の歌声楽しむ  はまゆう歌謡クラブが発表会  (新宮市 )
2022年06月14日
42 建物上階、どう消火  消防宇久井分団が訓練  (那智勝浦町 )
2022年06月14日
43 人口比率全国4位で表彰  前年度のプール利用者数  (串本町B&G海洋センター )
2022年06月14日
44 絆織り交ぜ「カイロス」歌う  歌手の宮本静さん現地収録  (串本町 )
2022年06月14日
45 お悔やみ情報
  
2022年06月08日
46   

2022年06月08日
47 動画公開や特別企画展
 土砂災害啓発センター  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町市野々の和歌山県土砂災害啓発センター(稲田健二所長)では、国土交通省が定める土砂災害防止月間である1日から30日(木)までの間、特別企画展の開催やセンターを紹介する動画を公開中だ。県民に対し、早い避難の啓発や危険区域把握の周知を図っている。

 土砂災害防止月間は住民が自分の命を守るべく、「みんなで防ごう土砂災害」をスローガンに、防災知識の普及や避難訓練などの催しを実施し、土砂災害による人命、財産を守ることを目的とした月間。

 1982(昭和57)年7月に長崎県長崎市を中心に大きな被害を発生させた「昭和57年7月豪雨」(長崎大水害)が契機となった。また、1~7日はがけ崩れ防災週間になっている。

 センターによる特別展は2020年から開始。展示では▽同町井関在住で紀伊半島大水害語り部の防災士・久保榮子さんの体験紙芝居(コピー)や動画公開▽土砂災害の実例など解説をしたパネル▽令和3年度の小中学校における防災学習感想文▽和歌山工業高等専門学校の学生が開発した防災ロールプレイングゲーム(RPG)の体験▽「紀伊半島大水害豪雨~平成23年台風12号、新宮市映像の記録~」などの動画公開―もある。

 さらに今回は、防災RPGにおいて、日高川町にある各小学校エリアに特化して、授業で取り組んだ14校分のディスクや土砂災害防止に関する絵画・作文コンクールの作品なども展示されている。

 稲田所長は「これから雨の多い梅雨時期に入るため、災害のリスクも高まる。普段から自宅の周辺の危険な箇所や避難経路を確認いただき、気象情報などに注意して、災害時は早めの避難を心がけていただけたら幸いです」と話している。

  □     □

■紹介動画を公開



 センターでは多くの人々にセンターの役割などを知ってもらおうと、職員が同月間に合わせて紹介動画「きいちゃんと学ぶ 土砂災害啓発センターってどんなところ?」を作成。初の試みである動画は5月25日から公開している。

 動画では、和歌山県PRキャラクター「きいちゃん」が観光地である同町を巡っている際に周囲にある砂防えん堤を発見。疑問を持ってセンターに入り、展示品や実験を通じて、その役割や土砂災害について学びを深め、センター紹介する内容となっている。

 動画はセンターホームページや動画投稿サイト「ユーチューブ」でも配信されている。なお、センター内だけでなく、屋外の窓ガラスからも動画が見られるように、外向きにモニターを設置するなどの工夫も行っている。問い合わせは同センター(電話0735・29・7531)まで。

(2022年6月8日付紙面より)

土砂災害防止月間のため特別企画展を実施中=3日、那智勝浦町市野々の和歌山県土砂災害啓発センター
土砂災害防止に関する絵画の作品が展示されている
ユーチューブのQRコード
2022年06月08日
48 第1回の発行始める
 本年度プレミアムお買物券  (串本町商工会 )

 串本町商工会(須賀節夫会長)が5日、本年度第1回のプレミアムお買物券発行を始めた。発行数は3000セット(1セットは500円券22枚つづり)。文化センターそばにある商工会館(串本2410番地)で売り切れるまで販売するとしている。

 この発行は、町の小売店舗等消費拡大推進事業の補助適用を受けて実施。1セット1万円で販売していて、1人につき5セットまで購入でき、購入時は家族3人分まで代理購入が認められるため、最大で20セットを入手できる。有効期限付きの商品券で、掛け金の支払いには使えず、釣り銭が出ないため購入金額を補助する形での利用が前提。今回の有効期限は8月31日(水)までで、町内の取扱参加店約140店舗で使用できる。

 本年度も感染症予防を意識しながらの発行開始で、初日は役員と職員が手分けして同館と中湊コミュニティセンターに発行窓口を設置。取扱店舗を記載したチラシと合わせて希望セット数を販売した。6日以降の窓口は平日午前9時~午後5時に同館内で設け、売り切れるまで発行を続ける。

 2002年に始まり20周年の節目を迎えた同券。須賀会長は「この発行は取り扱いに参加する店舗の大きな支えになっています。ご購入いただいた皆さまには有効期限もあるがお早めにご活用いただけるとありがたい」と地域経済循環の刺激になる成果を期待し、初日の同館発行窓口で円滑に購入できるよう会場整理に当たるなどしていた。

 取扱参加店の情報は、同券に記載しているQRコードを通信端末で読み込むと閲覧できる案内地図「まぐトルマップ」でも確認できる。問い合わせは同商工会(電話0735・62・0044)まで。

(2022年6月8日付紙面より)

購入者が詰めかける本年度第1回のプレミアムお買物券発行窓口=5日、串本町商工会館
2022年06月08日
49 豊作や業界の発展祈る 熊野本宮大社で梅の日記念式典 

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で6日、「梅の日記念式典」が営まれた。田辺市やみなべ町など、梅産地の各団体でつくる「紀州梅の会」(会長・真砂充敏田辺市長)の会員や関係者ら約50人が参列。豊作や業界の発展を祈願した。

 梅の日は1545年6月6日、雨が降らず人々が困っていたことを知った後奈良天皇が賀茂神社の例祭(現在の葵祭)に梅を奉納し祈ったところ、大雨が降り出し五穀豊穣(ほうじょう)をもたらしたという故事にちなむ。梅が実り、収穫が本格的に始まる時季にも当たる。

 同会は1969年に設立され、県内産地の首長や生産者組合らで組織。2006年に毎年6月6日を「梅の日」と定め、みなべ町の須賀神社や京都府の上賀茂神社と下鴨神社にも梅を奉納しており、東京都などでもさまざまなキャンペーンを催してPRを実施している。

 式典では祝詞奏上後、九鬼宮司と参列者らが神前に置いたたるに紀州梅、塩、お神酒を入れる「梅漬けの儀」を営んだ後、巫女(みこ)が神楽「豊栄(とよさか)の舞」を奉納した。この日漬けられた梅は、紀州梅の会がいったん持ち帰り、梅干しとして完成させた後に改めて同大社に納める予定となっている。

 参列した紀州田辺梅干協同組合の大谷喜則理事長は「『梅はその日の難逃れ』『番茶に梅干し、医者いらず』といったことわざもあり、梅は長い伝統と歴史に裏付けられた健康食品。梅干しにコロナウイルスの増殖を抑える効果があるとの研究成果も発表された。多くの人に紀州梅を食していただき、健康な日々を過ごしてほしい」。

 九鬼宮司は「生産者の方々にはコロナ禍で試行錯誤の中、育てた梅を納めていただいた。梅ポリフェノールに新型コロナウイルスの感染を阻害する効果があるとの発表があった。梅の素晴らしさを改めて感じている。梅の力で多くの人が健康で過ごし、一日も早く新型コロナが収束することを祈念している」と話していた。

(2022年6月8日付紙面より)

梅漬けの儀を営む九鬼家隆宮司=6日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
梅を納める関係者ら
2022年06月08日
50 新宮弓友会が優勝
 新宮弓友会主催の月例射会  
2022年06月08日
51 髙塚恒輝君が全国へ
 他3選手も近畿大会出場決める  (新宮高校レスリング部 )
2022年06月08日
52 東牟婁地方中学校選手権大会
 卓球・ソフトテニス・バレーボール  
2022年06月08日
53 海水浴場全て「適」  和歌山県の調査で  
2022年06月08日
54 宿泊クーポンや給食補助など  6月定例会に上程  (那智勝浦町 )
2022年06月08日
55 美容師ってどんなお仕事?  「将来の夢ランキング」第3位  (こども新聞 )
2022年06月08日
56 早くもヒマワリ開花!?  日足バイパス下の畑で  (新宮市熊野川町 )
2022年06月08日
57 今年もいっぱい泳ぎたい  市野々小でプール掃除  (那智勝浦町 )
2022年06月08日
58 西君、川端君が優秀賞  少年メッセージ東牟婁予選会  
2022年06月08日
59 青少年の家の畑で苗植え  出雲小の1~3年生17人  (串本町 )
2022年06月08日
60 交通ルールを教わり練習  潮岬小が県警交安教室で  (串本町 )
2022年06月08日
61 タイプ木の種拾い集める  高池小の3、4年生24人  (古座川町 )
2022年06月08日
62 歯の健康が心の元気に  紀宝町、意識付けし効果  (歯と口の健康週間㊤ )
2022年06月08日
63 命の道4車線化に意欲  熊野尾鷲道路の改良促進を決議  (熊野市 )
2022年06月08日
64 交通事故のない社会の実現を  交通安全対策協議会  (紀宝町 )
2022年06月08日
65 生け花で感性磨く  子ども元気塾で科学工作教室も  (紀宝町 )
2022年06月01日
66 実証事業参加者ら、熊野にも
 訪日観光解禁に向け  

 訪日観光ツアー実証事業の参加者4人が5月29日、那智勝浦町を訪れた。参加者らは熊野古道を散策するなどして、当地方の文化や歴史に触れた。

 岸田文雄首相は26日、訪日外国人観光客の受け入れを6月10日(金)から再開すると表明。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため当面、旅程を管理しやすい添乗員同行のパッケージツアーに限定する。

 訪日観光客の解禁は、新型コロナ感染症の世界的な流行で往来が途絶えて以降約2年ぶり。政府はコロナ禍で疲弊した地域経済を立て直す構えだ。

 同実証事業は、訪日観光再開に向け、感染防止対策の順守方法や、緊急時対応などについて検証を行い、旅行会社や宿泊事業者などが留意すべき点をまとめた「ガイドライン」を策定し、関係者間に周知を図る目的で実施。▽効果的な感染防止対策の順守方法▽陽性者発生時を含む緊急時の対応▽陽性者の発生状況―などを検証する。

 同事業の出発国は変異株に対する非指定国で、かつ訪日重点市場。ワクチン3回目追加接種済みの者を対象とする。受け入れ地域は緊急事態宣言などが発令されておらず、都道府県が同意した地域のみ。

 同事業第1便は先月24日、米国から成田空港に到着。第14便のシンガポールを出発した4人は、27日に和歌山県に到着。4泊5日の日程で白浜町や那智勝浦町、古座川町、田辺市などを観光し31日に帰国した。

 ガイドや通訳と共に大門坂を散策した一行は「夫婦杉(めおとすぎ)の樹齢が800年と聞いて驚いている。熊野地方は交流サイト(SNS)で写真を見た。実際に見ることができてうれしく思う。那智の滝が楽しみ」。

 県内の感染対策に対して「飲食店などでソーシャルディスタンスの確保やマスク着用、手指消毒など、ピクトグラムで示されていて分かりやすく安心できる。人々もしっかり守っていると思った」と評価した。

 国の受け入れ緩和や和歌山県への来訪について「次は公共交通を利用するかレンタカーを使うか、すでに考えているところです」と笑顔で話した。

 訪日客は2018年に3000万人を突破。しかし新型コロナ流行に伴う水際対策や、各国の渡航制限で20年2月は前年同月比58・3%減少。4月以降はマイナス99・9%と記録的な落ち込みが続いた。なお、和歌山県では19年の訪日宿泊客数は最多となる約50万人を記録したが、20年には4万5000人ほどに落ち込んだ。

 外務省は5月26日、感染者数が減少傾向として、米英両国や香港など36カ国・地域の感染症危険情報を不要不急の渡航自粛を求める「レベル2」から、十分な注意を促す「レベル1」に引き下げた。

(2022年6月1日付紙面より)

シンガポールから訪れた4人が熊野古道などを散策。国内観光客と触れ合う一幕も=5月29日、那智勝浦町
2022年06月01日
67 コロナ禍でも工夫し運営を
 自主防災組織連絡協議会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町自主防災組織連絡協議会(中路進会長)は5月27日、同町体育文化会館で「令和4年度第1回自主防災組織連絡協議会」を開催した。会議では令和3年度の事業実施報告や収支決算、本年度の事業計画について協議を行い、全議案が承認された。

 町内の34の自主防災組織で組織される同協議会。これまでに土砂災害防災訓練や町内統一津波避難訓練、孤立集落通信訓練などに取り組んきた。

 また、防災意識向上を目的に、和歌山気象台や東日本大震災の語り部などを講師に招いて研修会も実施している。

 中路会長は「新型コロナウイルス感染症終息のめどは立たないが、さまざまな工夫をしながら、協議会の運営を進めていきたい。皆さま方には一層のご支援をよろしくお願いします」。

 来賓の堀順一郎町長は「皆さまには日頃から安心安全のためにご尽力いただき、感謝しております。町政において、最も重要なことは町民の命を守ること。4年間でソフト・ハードともに整備に努めてきた。しかし、防災意識を高めて、少しでも安全な場所へ避難していただくことが大事。町としても実践に即した訓練をしていきたい」とあいさつした。

 本年度の事業は▽5月28日実施の土砂災害避難訓練▽11月5日(土)に実施予定の町統一津波避難訓練▽孤立集落通信訓練▽災害避難ゲームによる図上訓練▽第17回自主防災組織合同研修会▽視察研修▽防災教育▽県自主防災組織情報連絡会情報交流会―などを計画している。

 事務局の町総務課防災対策室からは土砂災害から命を守るために、大雨警報の危険度分布がリアルタイムで確認できる気象庁ホームページの「土砂キキクル」の活用を呼びかけたほか、避難情報などの発表・発令される状況および住民がとるべき行動、南海トラフ地震の防災対策推進計画や感震ブレーカーの補助制度、津波注意報等発表の際の避難行動、津波避難訓練アプリ「逃げトレ」などの説明も行った。

(2022年6月1日付紙面より)

那智勝浦町自主防災組織連絡協議会の皆さん=5月27日、那智勝浦町の体育文化会館
中路進会長
2022年06月01日
68 慶喜の「奏聞書」、市に託す
 展示、公開に歩み進める  (新宮市 )

 新宮市下本町の劔持幸代さんは5月26日、市役所を訪れ田岡実千年市長を訪問。劔持家に伝わる「慶喜奏聞書」実物を持参し「多くの市民に見ていただければ」と奏聞書を託した。市はいったん奏聞書を預かり、市文化複合施設「丹鶴ホール」で展示公開する方向で調整を進めていく予定だ。

 江戸幕府かつ日本史上最後の征夷(せいい)大将軍、徳川慶喜。江戸末期、「薩長同盟」が成立し倒幕への動きが加速する中、慶喜は1867(慶応3)年10月に政権を朝廷に返上。劔持家の「奏聞書」には大政奉還に対する慶喜の苦悩がつづられており、本人直筆ではないものの、慶喜の心情を今に伝える貴重なものとなっている。

 和歌山信愛大学非常勤講師の小山譽城・歴史学博士の鑑定によると「将軍職を辞退し、天下の公議を尽くして政権を運営するようにと朝廷に政権を返上したにもかかわらず、列藩の衆議もなく、薩摩・長州の藩士らが幼い明治天皇の近くにいて勝手な振る舞いに及んでいることは嘆かわしい」とし、天皇と万民の安心できる国にしたいという慶喜の願いがつづられている。翌年1月3日、鳥羽・伏見の戦いが勃発。激戦の結果、旧幕府軍は敗退することになる。

 奏聞書は新宮藩最後の藩主・水野忠幹(ただもと)に送られたもので、大政奉還後に記されたもの。慶喜の幕臣であった渋沢栄一の「徳川慶喜公伝」や「南紀徳川史」に記録は残るものの、現物が世に出るのは珍しい。

 なお、「徳川慶喜公伝」には「本書は大目付戸田忠愛携へて、十二月十八日の夜、大坂より上京せるも、岩倉具視・及松平慶永・山内豐信等の抑止する所となりて、遂󠄂に呈出せず」(原文ママ)とあることから、天皇の元に届かなかったことが分かる。同奏聞書は、12月19日に大坂城で尾張と越前の大名に渡されたほか、23日に江戸城に総登城した万石以上の大名らの手に渡り諸藩へ。当時、江戸詰だった忠幹に渡されたのは26日とされている。

 和歌山城郭調査研究会の小渕伸二さんによると「大政奉還を申し出る奏聞書や江戸城総攻撃をやめるよう求めた奏聞書、いわゆる天皇の元に届いたものは現存するが、同奏聞書は新政府ににらまれることを恐れてその多くが処分されたのでは」と推測する。

 長州征伐では幕府軍の先鋒(せんぽう)を務めて唯一戦果を挙げ、天誅(てんちゅう)組の変で公平な裁きを見せるなど、慶喜の信頼も厚かったとされる忠幹。劔持家は1619年に水野家が新宮城領主として入部した際に側用人として浜松から入国したという家系で、忠幹が大きな信頼を寄せていたことから同奏聞書を預かる立場であったと思われる。なお、劔持家では、1946年の昭和南海地震に伴う火災により、多くの貴重な資料が焼失。同奏聞書とアルバム数冊のみが被害を免れたという。

 奏聞書を手に取った田岡市長は「責任を持ってお預かりさせていただきたい。貴重な奏聞書。展示して広く見ていただければ」と劔持さんに伝えた。

(2022年6月1日付紙面より)

奏聞書を手に取る田岡実千年市長(左)と劔持幸代さん=5月26日、新宮市役所
劔持家に伝わる「慶喜奏聞書」
2022年06月01日
69 ベースとなる議論を進める
 県宇宙教育検討会議始まる  (串本古座高校 )

 第1回和歌山県宇宙教育検討会議(座長=中須賀真一・東京大学大学院教授、委員7人)が5月30日に県立串本古座高校(榎本貴英校長)であり、中須賀教授によると今回は検討のベースとなる議論を進めたという。

 普通科宇宙探究コースの2024年度開設に向け本年度から2カ年の準備期間に入った同校。その取り組みに対して幅広い分野の有識者から専門的知見を得るため、県教育委員会と共に有識者の協力を求めて同会議を設置した。

 委員は▽伊東千尋・和歌山大学学長▽遠藤守・スペースワン株式会社最高顧問▽尾久土正己・同大学観光学部教授▽河本聡美・宇宙航空研究開発機構(JAXA)研究開発部問第二研究ユニット研究領域主幹▽富田晃彦・同大学教育学部・教職大学院教授▽永崎将利・Space BD株式会社代表取締役社長▽中須賀真一(東京大学大学院工学系研究科教授)―の7人。対し宮﨑泉教育長ら県職員4人と榎本校長ら同校教員2人が事務局として名を連ねる布陣としている。

 今回は現場を確かめるため同校を会場にして実施。事務局を代表して宮﨑教育長、委員を代表して中須賀教授が同会議に懸ける思いを交わし合い、以降は非公開で約3時間の協議に臨んだ。

 この日の議事は「同コースにおけるカリキュラムや開設科目等」。今回特に取り決めた事柄はなく、県教委や同校の現時点の考えを委員に伝えて各委員が自身の立ち位置から宇宙教育への期待や展望を交えた意見を注ぐ流れで、今後の検討に欠くことのできない委員―事務局間の相互理解を主に図ったという。

 委員協力はコース開設までの2カ年とし、同会議は年3回の頻度で開く予定。その中でまずは本年度中にカリキュラムなど大枠、2年目はその詳細を詰める検討を進める。県教委と同校はそれら成果となる提言を取り入れて同コースのカリキュラムなどを決めていく。

 初の会議を経て榎本校長は「単に物理や数学を学ぶだけでなく、宇宙を題材にして生き方やチャレンジ精神を持つ生徒を育てていきたい。委員もそのような教育を考えてくれていた」と協議の印象を語った。

(2022年6月1日付紙面より)

事務局陣が見守る中、座長としてあいさつする中須賀真一教授=5月30日、県立串本古座高校
2022年06月01日
70 商店街でお店屋さん巡る  遠足で新宮市に出向く  (うどの幼 )
2022年06月01日
71 事業中間区間の早期完成を  近畿道紀勢線建促期成同盟会が総会  
2022年06月01日
72 迂回路での通行始まる  熊野川河口大橋の工事に伴い  (紀宝町鵜殿 )
2022年06月01日
73 700人以上が来場  熊野美術協会展表彰式  (新宮市 )
2022年06月01日
74 閑静な街道筋に人の活気  下部区内で青空マルシェ  (古座川町 )
2022年06月01日
75 雨にひるまず行動起こす  国民平和大行進2022  (串本町 )
2022年06月01日
76 地域防災力を未来に継承  熊野川河川敷で総合水防演習  
2022年06月01日
77 純白のクチナシの花  浮島の森で次々と咲く  (新宮市 )