「海彩まつり」4年ぶりに開催 (新宮市 )
当地方を中心に県内外の踊り団体が多彩な踊りを披露する「第14回南紀海彩(かっさい)まつり」(同実行委員会主催)が6月4日(日)の午前10時~午後3時、新宮市佐野の新宮港緑地で開催される。北道江利実行委員長は23日、同市緑ヶ丘の東牟婁振興局で会見を開き、4年ぶりの開催に向け「踊りで地元を盛り上げたい」と意気込みを語った。
「南紀海彩まつり」は踊りを通じて地域、世代間の交流を深め、地域を活性化したいという思いから2006年に始まった。北道実行委員長が立ち上げた新宮市を拠点に活動するよさこいチーム「Team雅龍(がりゅう)」が、遠方でのイベント参加を通して他地方の団体と交流を重ねる中で抱いた「熊野地方にも来てほしい」といった思いがイベント開催への道標となった。
回数を重ねるごとに参加団体、来場者ともに増加し、コロナ禍前の2019年には46団体が参加し、1700人以上(主催者発表)が会場に訪れた。なお、同イベントは新型コロナウイルス感染症の影響で翌年以降は中止を余儀なくされていた。
今回は、当地方を中心に愛知県名古屋市や和歌山市、三重県伊勢市、鈴鹿市などから36団体が参加。よさこいやフラダンス、日本舞踊、ストリートダンスなどで会場を盛り上げる。近畿大学附属新宮高校・中学校吹奏楽部の演奏もイベントに花を添える。また、会場ではグルメやマルシェスペースも設けられるほか、和菓子のふるまい(数量限定)もある。
フラッグショーやスタンプラリー、豪華景品が当たるタオルくじなどの企画も盛りだくさんで、新たな試みとしてLINE(ライン)を使用した「なぞとき」なども開催予定だ。
北道実行委員長は「4年ぶりの開催で準備段階から忘れていることも多々あったが、踊り子だけではなくみんなが楽しめるイベントを目指している。多くの方に会場に足を運んでほしい」と来場を呼びかけている。
当日は小雨決行、荒天時は中止。イベントの詳細はホームページ(http://nankikassai.web.fc2.com/、QRコード)を参照。問い合わせは北道実行委員長(電話090・3052・4351)まで。
(2023年5月24日付紙面より)
磯観察会に親子ら16人 (太地町立くじらの博物館 )
太地町立くじらの博物館(稲森大樹館長)は20日、向島遊歩道沿いの磯で「磯のいきもの観察会」を開いた。町内外から親子16人が参加し、海の生き物たちの営みに触れた。
磯の岩場や潮だまりに残された生き物を採集・観察することで、その生態や海洋環境について考え、小さな生き物たちの営みに触れてもらおうと開催した。
この日は荻原拓さんら博物館スタッフがガイドを務め、海で遊ぶときの注意点や危険な生き物について解説。参加者たちはライフジャケットや軍手を身に着け、生き物探しへ出発した。
岩場や潮だまりの海藻の中にはさまざまな生き物が動いており、ハゼやナマコ、ウニ、ヤドカリなどが発見された。海藻のような毛が密生したケブカガニや、体中に海藻やサンゴを付けて天敵からカムフラージュしているイソクズガニ、体の上に小石などを乗せる習性を持つコシダカウニなどが発見された。
日本一小さい魚ともいわれるゴマハゼや、顔がカエルに似ているといわれるカエルウオなどの魚類は、博物館スタッフが同定に協力した。
家族で参加した森本美桜さん(太地小5年)は「今日捕まえたのはムラサキウニ。家から海が近いので、磯で遊ぶのが好きです。ウツボを捕まえたかったな」と話していた。
(2023年5月24日付紙面より)
大島支館が映画上映会開く (串本町公民館 )
串本町公民館大島支館(古田茂丈支館長)が20日夜、紀伊大島開発総合センターで映画上映会を開き20人が映画館を意識した視聴環境で作品鑑賞に親しんだ。
この上映会は、大島区長会の推挙に応えて本年度から着任した古田支館長(59)による新たな試み。自身の愛好を生かしてプロジェクターやスピーカーなど必要な資機材を教育委員会から借りて視聴環境を組み、区民の中心世代層を考慮して「なつかしい風来坊」(1966年製作)を初上映作品として選択。手作りの告知ポスターを掲げて、当日の来場を呼びかけた。
スクリーンとして縦2㍍、横約3・5㍍の古布を調達。少し黄ばんでいるが試写で気になるほどではないと確かめ、画面の大きさ優先で同センター備え付けのスクリーンではなくこれを使うことを決めた。上映前にはBGMを流し、飲み物を配って来場を歓迎。上映中は古布の横幅いっぱいに作品を投影し、音響も映画館に近いレベルで響かせて鑑賞した。映画館を意識しているが社会教育活動なので、入場料は無料。今回の成果を素地にして今後、同支館の定例活動として年6回程度の実施を目指すという。
「公民館だから文部科学省指定の映画を上映、とは考えていない」と語る古田支館長が見据える先は、サブカルチャーで区民が盛り上がる状況。秀でた伝統文化(水門祭など)を持つ一方、外の文化に親しむ経験が他の地域に比べてごく少ない点を映画の力で変えたいと意気込む。
いまひとつ、映画はテレビや最近はスマートフォンなどでも見ることができるが映画館には一人や少人数の鑑賞では得られない「みんなで鑑賞し、みんなで興奮する」という独特の後味があり、その要素も取り入れて区内を盛り上げることにこだわっている。
今後も洋邦問わず秀作を選びできうる限りの臨場感を出して上映するが、映画自体が若者志向の文化で年を取るほど見に行こうという気持ちが湧きにくくなる傾向があるので当面は機会が少ない年長を優先。若い頃に親しんだ興奮を思い出しながら鑑賞を楽しめるよう、レトロ作品を選ぶ流れで様子を見るという。
(2023年5月24日付紙面より)
色川棚田で田植え体験 (那智勝浦町 )
棚田を守ろう会(峯茂喜代表)の主催による「田植え体験」が21日、那智勝浦町小阪の棚田「米作り体験農場」であった。近隣をはじめ大阪や名古屋から多数が参加。昔ながらの手植えで苗を植えた。
同会は、2005年に前身団体が発足、翌年に名称を変更し、田植えや収穫の体験などを開催してきた。しかしコロナ禍の影響で中断し、この日は4年ぶりの実施となった。なお同町では11月に、第28回全国棚田(千枚田)サミットの開催を予定している。
参加者は、会のスタッフの指導を受け、田植えに挑戦。はだしや長靴で田に入り、苗を1束ずつ、手で植えていった。手や服を泥で汚しながら、少しずつ作業を進めていた。
峯代表(68)は「たくさん来てくれて喜んでいる。ここは色川の顔みたいなところ。できるだけ維持していきたい。ただ、会で維持ではなく、誰かが耕作してくれるのが本来の形。耕作してくれる人が(色川棚田に)入ってきてくれれば」と話した。
事務局の吉田創さん(53)は「体験を機会にこういう場所があることを知り、田んぼを耕して生活してくれる人が増えたら。サミットも盛り上がれば」と語った。
植える田は79枚で、面積の合計は0・4㌶。品種はコシヒカリともち米を少々で、豊作なら七、八百㌔の収穫になる。7月に草取り、9月に収穫の体験の実施を予定している。
(2023年5月24日付紙面より)
西田君、森本さんも準優勝 (北道院拳法錬成大会 )
新宮ソフトテニスが全国、近畿へ (和歌山県予選 )
学童軟式野球(B級)東牟婁大会
白馬村長が表敬訪問 (太地町 )
約40年にわたり太地町と姉妹都市提携を結ぶ長野県白馬村の丸山俊郎村長が12日、太地町の三軒一高町長を表敬訪問した。丸山村長の来町は初で、自動運転車両に乗車したほか、太地こども園や森浦湾などを視察した。
白馬村と太地町は1984年に提携を結び、翌85年から太地小学校と白馬北小学校の交流が始まった。これまでは太地小児童が4年生の冬に白馬村を、白馬北小児童が5年生の夏に太地町を訪れていたが、コロナ禍で2年間訪問がかなっていなかった。
昨年7月、3年ぶりに白馬北小が同町へ、今年1月に太地小が白馬村を訪れ、交流が再開された。
丸山村長は、白馬村教育委員会事務局生涯学習スポーツ課の関口久人スポーツ振興係長らと共に、12日午後に熊野市で開催される令和5年度の中部ブロックB&G地域海洋センター連絡協議会総会に参加するために熊野入りしたという。
丸山村長らは、自動運転車両を乗車後に▽燈明崎▽梶取崎▽(仮称)国際鯨類施設建設地▽太地こども園▽森浦湾―などを視察した。
初の同町訪問や同町の施策について丸山村長は「白馬でも自動運転を試みたが、雪のため断念した。現在は、AI(人工知能)を用いたコミュニティバスを検討している。少子高齢化の波もあるため、将来的には違った形で自動運転にもアプローチしていきたい。また、こども園施設も素晴らしかった。太地町は福祉が非常に充実している。掲げられている理想をきちんと実現されている。想像以上にきれいな景色、とても素晴らしかった」と評価。
コロナ禍で途絶えていた交流などにも触れ「白馬は雪と山だが、太地は海と海の生き物があって、われわれからすると非日常的な場所。互いのコンテンツを学び合い、リスペクトし合いながら、多様性の認識も構築していきたい。今回の5類移行のタイミングで、さらなる積極的な交流を図っていきたい」と話した。
三軒町長は「子どもたちは交流によって成長する。白馬村は魅力的な村で、人が親切。見習うべき部分も多い。今後も交流を継続し、互いの町村のさまざまな発展につなげていきたい」と語った。
その後、一行は同町のいさなの宿白鯨で昼食を取り、交流を深めた。
(2023年5月16日付紙面より)
不二流体術が演武奉納 (熊野那智大社 )
古武術の不二流体術和歌山県支部新宮道場(山本盛夫支部長)は13日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で奉納演武会を実施した。同大社での奉納は5回目で、第三代宗家の大嶋竜太郎さん他、県外からの参加者も含め16人が体術や棒術、剣術を披露。国内外から訪れた参拝者らが見物や撮影を行う姿も見られた。
不二流体術とは、突き、蹴り、投げなどといった古来から伝わる日本伝統の総合武術で、審判のいないルール不在の中で行われるのが特徴。開祖・古賀不二人師が、合気道開祖・植芝盛平師、親和体道開祖・井上方軒師を源流に、真の合気武術を目指してより実践的に練り上げた。
二代宗家・田中光四郎師を経て、現宗家の大嶋さんに伝えられた奥義は、講道館出身の柔気流宗家・八木不動師から伝授された柔気流の技を加えて、今や一段と深みを増しているという。
正式参拝後に行われた奉納演武では、道着やはかま姿の門下生が素手による実践的な演武や短刀、木刀を用いた数々の技を披露した。子どもたちも元気いっぱい鍛錬の成果を発揮した。
奉納後、大嶋さんは「コロナ禍の様子も少しずつ変わり、マスクを着用していない方の割合も増え、外国人観光客の方も多く見受けられる。非常に良い形に戻ってきた中で、神事や奉納を皆さんで盛り上げていかなくてはならないと思う。14日の熊野速玉大社での奉納は9回目。節目の10年に向けて努めたいです」と話した。
(2023年5月16日付紙面より)
串本にイペーの苗木を植樹 (南紀国際交流協会 )
南紀国際交流協会(西畑栄治会長)が4月30日、串本町串本にある巡航船乗り場跡そばにブラジルの国花・イペーの苗木2本を植樹した。
2月の主催講演会に登壇した県中南米交流協会会長の眞砂睦さんが第2回和歌山県人会世界大会(10月に田辺市や和歌山市で実施予定)に向けて植えるとした苗木。当時は3月中に植えるとしたが場所の確保に難航して実現できず、地元の南紀国際交流協会へ苗木2本を託して協力を求める形となっていた。
以降、同協会が防波堤のかさ上げ工事が完了して間もない巡航船乗り場跡そばの造成地の一角に場所を確保。この日は西畑会長ら会員5人が集まり、支柱を立てて苗木を植えたという。
主催講演会で語られたブラジル移民の第1号は潮岬出身の中井淺吉、太平洋戦争後の困窮を乗り越えるためにブラジル移民を奨励した当時の小野真次知事は田並出身、旧串本高校を経て移民の道を進んだ須賀得司さんは串本出身。ブラジルを世界有数の農業大国に押し上げ国の食事情をも一変充実させたことで国民から「農業の魔術師」とたたえられている日本人移民者や子孫である日系人。その躍進の一角で同町の出身者も複数関わっていることへの気勢を挙げてほしい、という思いで眞砂さんは今後の顕彰の象徴として同町への苗木の植樹を目指していた。
植樹の代行を経て西畑会長は「ブラジルで成り立つ農業技術を確立した出身者が多い田辺市では、小中学校26校で26本の苗木を植えたと報告を受けている。串本町は最終的に造成地へ植える形となってしまったが、まずは一夏を越して根付くまで、できれば毎日水を届ける気持ちでこれから見守っていきたい」と話している。
(2023年5月16日付紙面より)
3年ぶりに正式参拝
山口県山陽小野田市にある熊野神社の松田正寛宮司ら21人は13日、「熊野三山御礼詣り」で那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)を訪れた。コロナ禍で3年ぶりとなった一行での御礼詣りは厳かな空気の中、正式参拝を行った。
全国にある熊野神社の総本社・熊野三山に感謝をささげるために、コロナ禍前までは毎年赴いていた同一行。
バスや船で1500㌔以上の距離を経て参拝に訪れており、今回で53回目。最高齢98歳の参加者もおり、35回目を迎えたという。
正式参拝では、男成宮司も参列し、神事が執り行われた。熊野那智大社独自の神楽である「那智の瀧舞」を巫女(みこ)が奉納。続いて、松田宮司や関係者らが玉串をささげ、参拝した。
男成宮司は「遠路はるばるお越しいただき、感謝申し上げます。新型コロナウイルスも5類移行となり、穏やかなお気持ちでお参りいただけたのではないかと存じます。本当にありがとうございました」とあいさつした。
熊野神社の松田真権宮司は「お声がけをさせていただき、皆さまとご一緒に御礼詣りに来られたのは3年ぶり。熊野三山を巡り、感謝の祈りをささげることができるのは、本当にありがたいです」と話していた。
一行は、午後から新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で正式参拝を、翌14日は田辺市の本宮大社(九鬼家隆宮司)を訪れ、同じく正式参拝を行った。
(2023年5月16日付紙面より)
前年比で122人増加 (GW観光客数 )
新宮市の主要5施設の、ゴールデンウイーク(GW)中の観光客数がこのほど分かった。コロナ禍前には及ばないものの、多数が訪問。瀞峡めぐりは前年より122人増加した。その他4カ所は減少したものの、5カ所の合計では増加に転じた。
▽浮島の森▽徐福公園▽旧チャップマン邸▽熊野川川舟下り▽瀞峡めぐり―の5カ所の、4月29日から5月8日までの各日の数字が判明した。二つの川舟クルーズは、増水や雨で休みの日もあった。
10日間の合計で、浮島の森の合計は457人。今年と同じく行動制限がなかった2022年は、同日間での合計が468人だったため、減少となった。コロナ禍以前の19年は、4月27日から5月6日までの10日間で1049人だった。
徐福公園の合計は871人で、22年は925人なので減少。19年は1347人だった。旧チャップマン邸は合計で94人、22年は108人、19年は142人。ただし今年は、22年や19年にはない休館日が2回あった。
熊野川川舟下りは、合計で235人、22年が257人。瀞峡めぐりは合計で434人、22年は312人。熊野川川舟下りは増水のため1回休みとなったのが影響したと予想される。瀞峡めぐりは、2回の定休日と1回の雨天休みがありながらも唯一、昨年以上の合計数となった。どちらの川舟クルーズも、19年はやっていなかった。
5カ所の全体合計は2091人で、22年の2070人を上回った。ただし、瀞峡めぐり以外の4カ所は全て22年より減少しており、瀞峡めぐりが単独で引き上げた。19年は二つの川舟クルーズはまだないが、3カ所合計で2538人に達しており、コロナ禍前はいかに観光客が多かったかが分かる。
瀞峡めぐりの受け付けを行う、新宮市熊野川町田長(たなご)の熊野川川舟センターの職員は、瀞峡めぐりの好調の理由について「近畿圏や愛知県から車で来るお客さんに、ちょうど良かったのでは」と推測する。
「乗り場は玉置口で、送迎バスもないため、お客さんが車で行く必要がある。近畿や愛知から車で来るのにちょうど良い距離にあり、自然に触れられ、あまり体験することのない川舟に乗れる。天気にも恵まれた」と話した。
(2023年5月14日付紙面より)
更生保護女性会が総会 (太地町 )
太地町更生保護女性会(北年美会長)は12日、同町公民館でコロナ禍のため、実施していなかった対面形式での総会を4年ぶりに開いた。事業計画ならびに予算案を承認したほか、同会を担当する住民福祉課の職員の自己紹介が行われた。
北会長は「4年ぶりに対面での総会が開催でき、ほっとしている。現在、会員の高齢化が進み活動も困難になってきた。互いに健康に留意し、助け合いながら地域に根差した活動を展開したいと思います」とあいさつ。
同会は青少年非行防止や子育てを支援するとともに、非行や犯罪に陥った人たちの社会復帰支援に取り組んでいる。
総会では、前年度の事業報告に加え、和歌山県更生保護大会で同女性連盟会長賞を受賞した林殖子さん、増田伊久美さん、川村迪子さん、和歌山保護観察所長感謝状を受けた岩本チヨカさん、小貝みゆきさんの功績がたたえられた。
本年度の事業として、県の大会や紀南ブロック研修会への参加、社会を明るくする運動(7月)、薬物乱用防止啓発活動(7、10月)などが挙げられ、承認された。
下津公広住民福祉課長が、4月から始まった入学祝い金制度の内容や、同月に開始された町社会福祉協議会に事業委託している買い物支援サービスの詳細や利用者の反響、町地域福祉センター梛の活用などについて説明があった。
続いて、総務課の和田正希さんが町の現状や取り組みを紹介。▽過去と現代にわたるクジラと人との関わり▽福祉施策▽梛の設置の理由▽30年にわたり進めるまちづくり―などを説明した。
そのほか、好評を得ている「高齢者のための自動運転による公共交通サービスの導入」についても話した。
(2023年5月14日付紙面より)
相野川沿いで幻想的に (紀宝町 )
紀宝町平尾井の相野川沿いで、ゲンジボタルが乱舞。川岸や草むらで無数の光りを放ち、幻想的な光景が広がっている。
日本には約50種類のホタルが生息するといわれ、町内にはゲンジ、ヘイケ、ヒメの3種類のホタルが生息。今の時季はゲンジボタルで、6月にはヘイケボタル、ヒメボタルが飛び始める。
相野谷小学校沿いを流れる相野川の周辺では、例年より早く、今月上旬ごろからゲンジボタルが飛び始めた。
町内でホタルの保護活動に取り組むほたるを守る会は、町内3地区7カ所にホタルの保護啓発を呼びかける看板を設置しており、蔵本一範会長は「観賞する際は静かに見守ってほしい」と話している。
(2023年5月14日付紙面より)
15周年迎える町民展示祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町文化協会(後誠介会長)、町民展示祭実行委員会が主催する絵画、生け花、呈茶の合同展「第15回町民展示祭」が13日、町体育文化会館で始まった。来場者は会員の力作やお茶を楽しんだ。最終日の14日は午前9時から午後3時まで。
展示祭は絵画の弁天画会(平内嘉子会長)、生け花の花好きクラブ(牧邦子代表)、茶道表千家流音無会(築紫充代会長)の3団体が成果を発表する場。
例年多くの来場者でにぎわっている。今年は15周年を記念して、各団体でくじ引きを実施。「はがき絵」「ブーケ」「懐紙」などが当選する催しも好評を博している。
感染症対策のため、マスク着用と消毒を呼びかけた。また、会場では、トルコ地震への義援金箱が設置された。
弁天画会は、今年のテーマである自画像やはがき絵、自由作品合わせて67点を出展。平内会長は「興味がある人もない人も作品を見て、楽しんでいただけたら幸いです」。
花好きクラブは季節の花を生けた作品約40点を展示。牧代表は「90歳を超える会員も頑張っている。自然の花々を生けているので、自然を感じていただけたら」と話した。
茶道表千家流音無会は、例年好評の茶席を設け、来場者をもてなした。築紫会長は「感染症対策を施している。おいしいお茶を味わってください」と語った。
町文化協会の後会長は「町に新緑を告げる催しであり、久しぶりと声をかけあえる場。出展者の方は来場者に見てもらうことで励みになり、生きがいにつながる。皆さまにも各門をたたいていただき、同様に生きがいを持っていただけたら」。
会場に訪れた堀順一郎町長は「生き生きとした山野草や素晴らしい絵、おいしいお茶を毎年、楽しみにしている。多くの方にお越しいただき、元気をもらってほしい」と語った。
(2023年5月14日付紙面より)
リンダ部会長が市長訪問 (新宮市、サンタクルーズ市 )
新宮市の姉妹都市・米カリフォルニア州サンタクルーズ市(サ市)のリンダ・スヌーク市姉妹都市委員会新宮部会長と夫のジムさんが1日、新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長を訪問。サ市のフレッド・キーリー市長からの手紙を田岡市長に渡し、両市の今後の交流の深化に期待を寄せた。
両市の交流は新宮市内の合気道熊野塾で修行していたサ市出身のメリー・ハイニーさんら4人の提唱で始まった。1974(昭和49)年に姉妹都市関係を締結。文化交流や訪問団の派遣などを通して友好関係を築いてきたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)の影響で、訪問団の派遣などを通した直接的な交流は2019年の10月を最後に中止に。
以降はオンラインを利用して「日米姉妹都市間ベルリングプロジェクト」や交流事業を展開。2020年の姉妹都市提携45周年記念交流会もオンラインを通して実施された。
コロナ禍以降、初の来新がかなったリンダ部会長を、田岡市長や市姉妹都市親善協会(岩澤卓会長)のメンバーらが歓迎。
リンダ部会長は「非常に多くの若者が新宮市との相互訪問を通じて、人生を変えるような瞬間を経験してきた。新型コロナウイルス感染症による困難な時期であっても、Zoom(ズーム)を活用してのプレゼンテーションや会議、オンラインイベントによって、両市は強いつながりを維持することができた。私たちの姉妹都市関係は、逆境を乗り越えることができた。両市の深いつながりがこれからもますます強まることを確信し、今後の交流や相互訪問団の活躍を楽しみにしています」などと記されたキーリー市長の手紙を紹介。
対し、田岡市長は「関係各位が架け橋となって始まった姉妹都市交流も、これまで幾度となくお互いに訪問し合っており、お互いの文化や人々に触れ、かけがえのない体験や出会いを通じて交流の輪が広がってきた。両市民の温かく強い結び付きが培われ、長年にわたる交流への歩みへとつながり、国際交流が深まったことを大変うれしく思う」と、キーリー市長に宛てた手紙を読み上げた。両者は手紙とともに記念品を贈り合い、サ市からはサーフィンにゆかりのある同市にちなみ、波が描かれたまな板などが、新宮市からはスヌーク夫妻に対しはんてんが贈られた。
約10年にわたり、ホストファミリーとして新宮市の子どもたちを迎えてきたリンダ部会長。「今後は、大人の訪問団の派遣を通して、まちづくりのノウハウを交換できれば」。初めて日本を訪れたというジムさんは「文化的、芸術的なことを学び合うことができれば、お互い素晴らしい経験になると思う」。
田岡市長は「子どもたちの訪問に加えて、今後は大人たちの交流も実現することができれば」と話していた。
両市は今後、来年からの本格的な交流再開に向けて協議を進めていくという。
(2023年5月3日付紙面より)
古座小、西向小の協力得て (エコ工房四季 )
串本町古座にある社会福祉法人つばさ福祉会(北野好美理事長)の事業所「エコ工房四季」(平原正雄施設長)が1日、古田地内の水田で田植えに取り組んだ。この日は古座小学校(山路教代校長)1、5年生19人と西向小学校(河田恵美校長)1~3年生21人が誘いに応えて協力。一緒になって作業を進めた。
みくまの農業協同組合との農福連携により、旧来の授産から能動的に取り組める農生産へと労働形態の移行を進める同事業所。水稲栽培は古座川町潤野地内の休耕田を借りて3年前から取り組むようになり、得た米の多くをサイパンイモと並ぶ同事業所の主力農産物として販路に乗せている。
本年度は新たに古田地内で1㌶弱の水田を借りることができ、作付面積は大幅拡大。同法人は「地域と一緒に水稲栽培をしたい」という思いを当初から持っているが、新型コロナウイルスの情勢で実現できず基本農福連携の枠内で過去3回の生産をしてきた。4回目の今年はその情勢が大きく変わりゆく中で増産の好機に恵まれ、前述した両校に田植えへの参加を誘うこととした。
古座小は古田地内で一時期稲作体験をして以来の田植えの機会で、1年生は生活科、5年生は社会科の一環で協力。西向小は4、5年生が総合的な学習の時間で稲作体験をしていて、その前に楽しさを知る機会になればと考え1~3年生で協力。北野理事長から歓迎のあいさつを受けた後、児童は学校ごとに素足で水田に入って手植えに取り組み、法人職員や農協職員監督の下で田植え機による機械植えも体験させてもらった。
同事業所の利用者が見守り、時折苗を配り回るなどして手植えを後押し。今後は同事業所も手を入れて田植えを仕上げ、中間管理をして収穫を目指す。時期は8月下旬ごろを見据えているが、折り合いがつけば両校へ稲刈り体験の誘いもしてみたいという。
栽培品種はコシヒカリ。北野理事長は「4回目にしてやっと児童を迎えることができてうれしい。児童には農業の楽しさや作業の大変さから食べ物の大切さを学んでくれたら」と話し、児童の田植えを後押ししていた。
(2023年5月3日付紙面より)
紀の松島がバディフラッシュ導入 (那智勝浦町 )
「行方不明者などの捜索に携わってきた。早く発見してあげたい。最悪の事態があっても、早くご遺体を家族の元に帰してあげたい。そんな思いで商品化に至った」―。
そう話すのは、串本町大島の「DIVE ISLAND」代表の山崎正紀さんだ。山崎さんは前述の思いから、着水と同時にLEDが点滅し、落水者(要救助者)の居場所を知らせる「BUDDY FLASH(バディフラッシュ)」を商品化。4月28日、那智勝浦町の「紀の松島観光船」を運航する紀の松島観光株式会社(加藤康高代表取締役)に初納品した。同社では、運航中の安心安全に寄与するために、バディフラッシュを乗船客と職員分合わせ90個を発注。この日から観光船に備えられた。
山崎さんは、ダイビングショップを営む傍ら、長年、潜水士として行方不明者の捜索や遺体の引き揚げなどの活動にも従事。暗闇に包まれた夜の海において、捜索・救助は困難であることから、苦悩していたという。
そんな時、夜間のスキューバダイビングで使用されていたバディフラッシュと同機能の道具に着目。「他にも用途がある」とひらめき、商品化に至った。
バディフラッシュは「相棒の光」の意味。ライフジャケットなどに装着し、落水時は自動的に点滅を開始。緑色の光を発し、水深60㍍まで使用可能。約300時間も点滅が持続するため、早期の発見・救助につながる可能性も期待される。税込み3300円。
また、同じ海を利用するダイバーと釣り人との間にこれまでは接点がなかった。山崎さんは、情報交換や交流を図るべく、両者間をつなぐ取り組みにも尽力した。
その活動もあり、バディフラッシュの有効性に期待を寄せる釣り愛好家で、人気ユーチューバーとも交流のある那智勝浦町在住の「ゆーしろー」こと、加藤優志朗さんが、山崎さんに知人の加藤代表取締役を紹介。納品に至った。
加藤さんは「釣り人だけでなく、さまざまな場面で有効だと思い、加藤代表取締役に伝えた」。
加藤代表取締役は「家を出て、帰るまでが旅行。使わないことが望ましいが、各地の船の事故もある。そのため、繁忙期のゴールデンウイーク前に納品をお願いした。乗船客の安心・安全に役立てたい」と話した。
山崎さんは「万が一に備えてもらえてうれしい。夜の海で、光があれば救助する側・される側にも可能性が生まれ、勇気が湧く。諦めないようになる。救助の補助具だが、一人でも多くの命を救うために、広めていきたい」と語った。
商品は同社のオンラインストアでも購入できる。問い合わせなどは、「DIVE ISLAND」(電話0735・65・0258)まで。
(2023年5月3日付紙面より)
那智護国神社で例祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町天満の天神社に合祀(ごうし)されている那智護国神社(髙橋正樹宮司)で「昭和の日」の4月29日、「第68回慰霊祭」が営まれた。遺族や消防関係者、各地区の区長らが神前に白菊をささげ、那智地区の英霊292柱と消防殉職者の精霊の冥福を祈った。
式典では国旗を掲揚し、参列者全員で黙とう。髙橋宮司が戦没者一人一人の名を読み上げて祝詞を奏上した。
神社奉賛会の田中輝男会長は「私たちが今平和な日本の社会で豊かな生活ができているのも、あなた方の尊い思いと犠牲によるものであると、決して忘れることはありません。あなた方の思いを引き継ぎ、平和な世の中を構築するよう精進することをお誓いします」と祭文を読み上げた。
堀順一郎町長は「世界情勢が激変する時代にあっても、恒久平和に基づく繁栄を築き上げていくことが、尊いみ霊への報恩の誠と心し、改めてお誓い申し上げます」と追悼の言葉を述べた。
天満交友会は神前で獅子舞を奉納。遺族会の石井康夫会長は地域住民らに「全国には数万の遺族会があるといわれているが、最近では年間1000を超える会が消滅・解散している。てっぺんが三角形になった墓は戦死者の墓。どうか若い方にも、頭の隅に入れておいていただきたい」と思いを語り、東京都の靖国神社に開示されている戦場からの手紙を朗読。4年ぶりの盛大な餅まきで式典を終えた。
(2023年5月3日付紙面より)