東大にふるさと納税寄付金を贈呈 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で28日、「ふるさと納税導入記念式典」があり、田岡実千年市長が、東京大学にふるさと納税の寄付金57万2460円(昨年10~12月分)を贈呈。同大学理事の津田敦副学長が目録を受け取った。
市と同大学文学部は2021年3月、相互に連携協力することにより次世代人文学の構築、市・熊野地方における学術の振興と地域活性化に資することを目的に連携協定を締結。セミナーなどの開催を通して地域振興や交流促進、地域連携活動などを展開している。
同協定に基づく取り組みの一環として昨年10月、東大ネットワークを活用したふるさと納税の周知による連携事業の充実やシティプロモーションの向上を図ることなどを目的に、両者はふるさと納税を活用した連携協力を開始。市は、ふるさと納税寄付者が選択する寄付金の使途名目に「東京大学との連携事業の推進」を追加した。
使途名目で集まったふるさと納税の一部を東大に寄付し、新宮・熊野地方における地域連携事業の展開などに活用する。なお、本年度からは企業版ふるさと納税に関する連携協力も展開するに至った。
この日、「聖地と海―熊野との比較」をテーマにした「東大人文・熊野フォーラム」に合わせて行われた式典では、田岡市長が「使途目的を追加させていただいたところ、同大学卒業生や関係者の方からの多くの寄付を頂いた」と感謝。
「本年度から企業版ふるさと納税に関する連携協力を実施することになった。東大ネットワークを活用して企業への寄付依頼を連携して行い、熊野新宮の豊かな歴史・文化・自然を後世へと伝えていく事業を推進していきたい」とあいさつした。
同大学の藤井輝夫総長は「ふるさと納税連携では、最初のわずか3カ月で250件以上もの申し込みがあったと聞いており、関係者や卒業生からも高い関心が寄せられていると感じる。今後も内外の皆さまとの対話を重視していきたい」などとオンラインを通してメッセージを送った。
寄付金贈呈後には、同大学名誉教授で、元文化庁長官、多摩美術大学理事長の青柳正規さんの記念講演があった。
青柳さんは「豊饒(ほうじょう)の海 地中海」をテーマに、「ギリシャの英雄叙事詩『オデュッセイア』などに大きな影響を与えている」として、海や海流が古代地中海世界や人類にもたらした文化・歴史・芸術的背景などに言及。地域の遺産について「未来の世代のためにこれらを保存しなければ」と語った。
(2023年5月30日付紙面より)
太田の郷でフリーマーケット (那智勝浦町 )
那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」で27日、フリーマーケットが開催された。町内外から約50店が出店し、地元の農産物や雑貨など豊富な品物を求めて多くの来場者でにぎわった。
太田地区の良さを広め、太田の郷の利活用を進めようと、地域おこし協力隊や集落支援員が企画したのがきっかけで始まったフリマで、春と秋の恒例行事になっている。当初は7日に開催予定だったが、雨天による2回の延期を経て開催した。
会場には手作りのアクセサリーやスイーツ、新じゃが・新タマネギなどの農産物、古着や雑貨、アロマ体験など多種多様な品物が並び、フリマ開始時には駐車場がいっぱいになるほどの人出。メダカすくいやおもちゃすくいには子どもたちの行列ができていた。
同町下里から家族で訪れた久原結月さん(6)は「今日はおもちゃすくいをした。お母さんはお洋服、お兄ちゃんはフィギュアを買っていた」。地元の太田から参加した畑下陸君(6)は「マインクラフトが好きで、人形をゲットした。ラジコンも」とそれぞれ掘り出し物を手に入れて笑顔を見せていた。
集落支援員の谷口真美さんは「雨天でも室内で開催できるよう段取りするなど、来場者・出店者に参加してもらいやすいように工夫していきたい」と話していた。
(2023年5月30日付紙面より)
パトロールは6月から (紀宝町 )
アカウミガメの産卵シーズンを前に紀宝町井田の井田海岸で28日、清掃活動があり、町ウミガメ保護監視員や道の駅ウミガメ公園の飼育員らがウミガメの上陸に障害物などがないようごみを拾い集めた。
町は1988年に全国初のウミガメ保護条例を制定し、産卵時期のパトロールや情操教育を目的にした小学校でのふ化活動などウミガメの保護・啓発に取り組んでいる。今年も6月1日(木)から7月末まで町が委嘱した保護監視員によるパトロールを行う。
清掃活動はウミガメ公園による毎月1回のイベント「にっこにこクリーンフェスタ」に合わせて計画し、事前に公園の交流サイト(SNS)を見たり、当日の館内放送を聞いたりした一般客も多く参加した。飼育員の伊藤柊也さんが「アカウミガメの産卵時期を前に人工的なごみを拾い、きれいな海岸にしましょう」と呼びかけると、参加者はごみ袋を手に海岸へ向かった。
御浜町志原から小学2年生と4歳の息子と共に参加した濵口真紀さんは「ゴールデンウイークにウミガメの放流イベントに参加し、ウミガメをとても身近に感じました。清掃活動があることを知人に聞き、子どもたちと一緒に参加することにしました」と話していた。
(2023年5月30日付紙面より)
光明宝院で柴燈護摩法要 (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の光明宝院(三村慈光住職)は28日、同寺敷地内の秘鍵大師像前で初の「柴燈護摩法要(さいとうごまほうよう)」を営んだ。屋外で斎行された法要に多くの信者らが参列。三村住職をはじめ、高野山真言宗阿闍梨(あじゃり)で蓬莱山山主の宮島基行さんや真言宗醍醐派の僧侶で当山派修験の行者、昨年得度した僧侶ら5人が読経などを行い、天下太平や家内安全などを祈願した。
柴燈護摩法要は、真言宗を開いた弘法大師の孫弟子に当たる聖宝理源大師が初めて行ったといわれ、真言宗の修験道の法流を継承する寺院で営まれることが多いという。
「柴」の字が当てられるのは山中修行で、正式な密具の荘厳もままならず、柴やまきで壇を築いたことが理由とされる。屋外に祭壇を築いて仏菩薩(ぶつぼさつ)を招き点火し、前述の天下太平などに加え、五穀豊穣(ほうじょう)や病気平癒、海上・交通安全などを願う法要。
宮島さんが大祇師(だいぎし)を務め、行者や僧侶が作法にのっとり読経し、ほら貝を吹いた。護摩壇には大きな火柱が上がる中、参列者の祈願文を書いた木札がおたき上げされた。
三村住職は「数日前から、供物やまかないづくりへのご協力ありがとうございました。おかげさまで無事に厳修できました。今後は毎年、やっていきたいと思います」。
宮島さんは「光明宝院で初めて『柴燈護摩法要』ができ、一つ活動が前進した。この勢いを皆さまにも受けていただき、良い変化や良い前進をしてほしい。貴重な人生の時間が、良い発展となるように祈らせていただいた。火は物を燃やす。煩悩を燃やすことで物事がより分かりやすくなる。明るい炎を燃やして人生の糧にしてほしい。本日はありがとうございました」と語った。
なお、この日は三村住職の友人が兵庫県淡路島で経営するアシャラカレーが出張し、完全菜食のカレー販売もあった。
(2023年5月30日付紙面より)
アジア協会メンバーらが市長訪問 (新宮市 )
(公社)アジア協会アジア友の会の村上公彦事務局長ら5人は11日、新宮市の田岡実千年市長を訪問し、新型コロナウイルス感染症の影響で3年間実施できずにいた「土と水と緑の学校」の再開に向け意見交換。学校に対する思いや今後の課題などを共有した。
「土と水と緑の学校」は、新宮市、アジア協会アジア友の会、(一財)新熊野体験研修協会が主催する自然学校。大自然の中、地球の基本である土、水、緑について学び、その役割や大切さに気付いてもらうことを目的に1984年に開始した。
40年にわたり、子どもたちの健全育成に寄与。毎年、約80人の小中学生が夏休みを利用して参加し、高校生以上のリーダーの協力を得て共同生活やさまざまな体験を通して熊野の自然やコミュニケーションの大切さなどを学んでいる。これまで、延べ2952人の子どもたちが参加した。
前回、2019年には地元や大阪周辺、同市の姉妹都市・宮城県名取市から76人の子どもたちが参加。同市高田の高田グリーンランドを中心に、5泊6日の日程で班ごとに分かれてキャンプやカヌー遊び、水生昆虫の観察、ホエールウオッチングなどを体験したが、新型コロナウイルス感染症の影響で翌年以降は中止となっていた。
今年は、新型コロナの5類移行などを背景に、日にちの短縮や参加人数の定員を約半数にするなどの対策を講じながらも8月4日(金)~8日(火)の日程で実施していく計画としている。
この日、田岡市長と村上事務局長らは「リーダーの募集を始めているがリーダーの育成も必要」「3年のブランクは大きく、ノウハウの継承も難しい」などと現状や課題を共有。
4年ぶりの開校に向け、村上事務局長は「事故のないように子どもたちに指導したい。今の子どもたちは体験が少ないと感じている。熊野の自然を体験していただき、機転力や洞察力、創造力などの知恵を養ってほしい」。
田岡市長は「4年ぶりに開校できて本当にうれしい。子どもたちの元気な姿が見られることを、今から楽しみにしています」と話していた。
(2023年5月13日付紙面より)
ドライバーらに街頭啓発 (那智勝浦町・太地町 )
那智勝浦町では「春の全国交通安全運動」の初日となる11日午前7時30分、同町天満のAコープなち店前や汐入橋交差点付近で早朝街頭啓発があった。
出勤の時間帯に合わせた運動期間中の恒例行事。堀順一郎町長や町職員をはじめ、町交通指導員協議会、交通安全協会新宮支部、新宮警察署、JAみくまの農業協同組合、那智勝浦自動車教習所などから25人が集まり、啓発を行った。
堀町長が「思いやりを持って交通安全に取り組むことで、事故の減少にもつながる。皆さまが安心して暮らせる町にしていきたい」と訓示。
町交通指導員協議会の塩﨑一男会長が「通勤・通学時間帯と重なり、交通量も多いと思いますので、啓発物資を渡す際には、ご自身が事故に遭わないよう、しっかりと安全確認をしていただきますようお願いいたします」とあいさつした。
参加者はドライバーたちに「こどもを始めとする歩行者の安全の確保」「横断歩行者事故等の防止と安全運転意識の向上」「自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守(じゅんしゅ)の徹底」など、運動の重点を記したチラシや町交通指導員協議会の発足50周年記念タオルなどの啓発物資を配布した。
「現在、春の全国交通安全運動を実施しています。運転の際はお気を付けて、安全運転でお願いします」などと呼びかけた。
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太地町太地の小畑石油前の交差点においても、午前10時45分ごろから街頭啓発を実施した。
新宮署、交通指導員会、町職員、町立太地小・中学校の保護者、和歌山県職員、関西電力などから20人が参加し、啓発に取り組んだ。
参加者は田辺市出身の落語家・桂三歩さんと共に声がけをしながら、啓発物資を配った。
桂さんは「皆さま、安全運転を心がけておられるが、慣れが出てしまうと、事故につながる可能性もある。啓発を通して、交通安全の意識や大切さに気付いていただければ」と話していた。
(2023年5月13日付紙面より)
串本町と自社作成の協定締結 (有限会社岡村 )
三重県松阪市に本社工場を置く「有限会社岡村」(西口鐵也代表取締役)が11日、串本町と地域における見守り活動に関する協定を締結した。
同社は1952年創業の豆腐・揚げ類製造販売会社。95年から移動販売業務を始め、その先々の地域から寄せられる見守り活動への誘いに応えて2020年9月、自社作成の同協定を伊勢市と初締結した。以降、今月10日までに三重県内で28市町村、和歌山県内で新宮市と那智勝浦町の2市町と締結済み。串本町との締結は同社として31例目、和歌山県内では3例目となる。
この日は西口代表取締役と髙橋千秋顧問、金谷英生・営業課長兼総務課長が同町役場本庁舎を訪ね、田嶋勝正町長と福祉課の鈴木一郎課長が応対。両代表名で同協定書2通に署名をして締結し、西口代表取締役は「普段やっていることの範囲で町のお役に立てることは、私どもにとってもありがたいこと。地域の方にもっともっと使っていただけるようやっていきたい」、田嶋町長は「串本町も高齢化率が大変高く、65歳以上の1人住まいが2654軒もあるまち。健康なうちは特に問題なく生活されているが、年を重ねるごとにいろいろな不調が出て(周囲から)『あの人どうしたのかな』といった声が聞こえてくることもある。共に協力をさせていただくので、今後とも末永くよろしくお願いしたい」とあいさつを交わして歩み寄った。
この協定は移動販売先で住民の異変に気付いた場合に自治体などとただちに連携し、迅速かつ適切な対応に寄与する内容。同社は現在白浜町や上富田町方面まで移動販売網を広げていて、同協定の内容にかなう展開が見込める状態に達し次第その地域の自治体に締結を申し入れるという。
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この協定の趣旨は同町が22年度から導入している高齢者見守りネットワーク事業に通じる面があり、締結を機に同町はこのネットワークの協力事業者となることを同社に提案。承諾が得られたため締結後にその登録証を交付した。町内2事業者に続き3例目で、今後も登録増を目指すという。
この事業の問い合わせは町福祉課(電話0735・62・0562)まで。
(2023年5月13日付紙面より)
3年生児童が校区探検 (神倉小学校 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)は11日、3年生の社会の授業の一つとして、校区探検を行った。70人の児童が旧市内を巡り、校区内のどこに何があるかを確かめた。
教職員の引率で、学校を出発。▽和歌山地方裁判所新宮支部▽浮島の森▽新宮市保健センター▽オークワ新宮仲之町店▽仲之町・丹鶴・駅前本通り商店街▽新宮郵便局▽新宮駅▽徐福公園・蓬莱公園▽市役所・中央児童館▽井の沢放課後児童クラブ―を巡って学校に戻った。
児童らは、地図やメモ、方位磁石、カメラなどを持って歩いた。方位磁石で時折、方角を確かめながら移動。中継点で立ち止まり、教職員に教わりながら、場所を地図に記録した。気付いたことはメモを取り、カメラで写真に収めるなどした。教員は「学校に戻ったら、地図記号を確かめてみよう」と呼びかけていた。
児童らは道中、見慣れない物を見つけて友人と「何だろう」と話し合ったりしていた。浮島の森では「あれは浮いているの」と教員に尋ねていた。
(2023年5月13日付紙面より)
新宮ジュニアレスリングクラブ
新宮RFCが「ラグビー体験会」 (新宮市 )
熊野速玉大社で鈴緒など取り付け (コロナ、8日から5類へ移行 )
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が、季節性インフルエンザと同じ5類に移行した8日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)では、感染対策のために取り外していた「鈴緒」と手水舎の柄杓(ひしゃく)の取り付け作業を実施した。鈴緒などが元に戻るのは約3年ぶりとなる。
感染対策は、法に基づき行政が要請や関与をする仕組みから、個人の自主的な取り組みを基本とした考え方に変わる。政府は基本的対処方針を廃止。業種別ガイドラインもなくなり、事業者の判断に委ねられる。
神社本庁は2020年10月、各神社が行う新型コロナウイルス感染症拡大防止策の指針として「神社における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」を策定。神社庁を通じて各神社に対策の検討を求めていた。
同大社では通達に先んじて、同年の年明け早々、鈴緒や柄杓を撤去するなど対策を実施。社会的距離が確保できるよう参拝路を設定したり、各所に消毒液を配置したりして感染対策を実践してきた。
この日は、神職が神前で奉告祭を執り行った後、拝殿で約3㌢の小さな鈴約15個をまとめた「速玉鈴」の取り付けに当たった。水がたまる部分をふさぎ、竹筒から流れ出る水で手を清めるようにするなどしていた手水舎では、上野宮司らが竹筒を撤去。8本の柄杓を並べ、参拝者を迎え入れた。
「速玉鈴」取り付け後、最初の参拝者となった愛知県豊川市から夫婦で訪れた60代男性は「鈴の音が爽やかで心が洗われるよう。朝一番で来て良かった」と笑顔。
上野宮司は「やっと鈴の音が戻ってきた。神社本来の姿に近くなってうれしい。この日を待ち望んでいた。しかし、(5類に移行したからといって)慢心するのではなく、基本的な感染症対策を講じていきたい」と話していた。
なお、同大社では引き続き各所に消毒液を配置するほか、神職や巫女(みこ)らはマスクを着用し参拝者の対応に当たっていくとのこと。また、換気が困難な「熊野神宝館」来館の際には、マスク着用への協力を呼びかけていくとしている。
(2023年5月9日付紙面より)
花火大会は中止しない方向 (串本町 )
串本町が2日午後、第16回串本まつりの実施が4年ぶりに決まったことを発表した。花火大会は従来通りの規模を目標とし、8月5日(土)に行う予定という。
串本まつりは、7月下旬から8月上旬にかけての町内主要イベントを包括する呼称。同まつり実行委員会が統括していて、事務局の町産業課によると先月28日に開いた総会で実施を申し合わせたという。
同実行委主催のイベントは2019年度当時で串本節踊り、花火大会、串本ダンスフェスin橋杭、サマーBANDライブの四つ。これから具体的に内容を詰めるが、至近の迫力で町内外から人気を得ている花火大会は新型コロナウイルスの情勢に伴う経済打撃や物価高騰などで運営の大変さもあろうが、できる限りの形を見いだし中止をしない考えで準備に臨むとしている。
開幕を飾る位置付けとなっている南紀串本観光協会主催のイベント「橋杭ビーチオープンフェスタ」は7月30日(日)に実施予定。終幕を盛り上げる串本町商工会青年部主催のイベント「ふれあい広場・アユのつかみ取り・ビンゴゲーム大会」は8月6日(日)実施予定だが、定年卒業で部員数が減っているためOBに協力を呼びかけつつできる形を探るところから準備が始まるという。
同商工会主催の関連イベント「串本まつりビアガーデン」は諸事情により中止の方向。串本海上保安署主催の関連イベント「巡視船艇体験航海」は、6日に従来通り(午前と午後の2回実施)で実施する方向で準備を始めるという。
新型コロナの情勢により直近の3年間は中止としたため、今回は19年度以来4年ぶりの実施予定。同実行委の島野利之会長は「串本まつりを楽しみにしている方がいっぱいいらっしゃるので、ぜひコロナ前と同じような形で実施できたらなと思っている。新型コロナウイルスが5類に引き下げられ通常営業でいけるようになる中、串本まつりも盛大に再開していきたい。大変だろうけれど、花火大会への寄付も含めてぜひご協力をよろしくお願いします」と話し、実施に意気込んでいる。
(2023年5月9日付紙面より)
大型連休、観光客でにぎわう
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類へ移行するのを前に、連休中は全国でふるさとや観光地で過ごす人などでにぎわった。熊野地方の観光地にも多くの人が訪れた。訪日外国人客の姿も多く見られ、コロナ禍前をほうふつとさせるにぎわいを見せた。
新型コロナの感染対策が緩和される中で迎えた大型連休。終盤の6、7日は全国的に天気が崩れたが、前半は天候に恵まれ、汗ばむ陽気となった。
熊野三山では県内外から多くの参拝者でにぎわい、神職らが御朱印やお守りなどの授与品を求める人たちの対応に追われた。また、周辺の道路では時間帯によって渋滞が発生した。
友人たちと熊野速玉大社に参拝した大阪府の20代女性は「車が多くて着くまで大変だったけど来られて良かった。今から神倉神社に向かいます」。妻と共に那智山を訪れた30代スイス人男性は「那智の滝がとても美しかった。那智大社も青岸渡寺も神秘的で素晴らしい。次は熊野三山全てを回りたい」と話していた。
道の駅やレジャー施設も家族連れなどでにぎわった。親戚や家族と共に太地町立くじらの博物館を訪れた愛知県名古屋市在住の30代男性は「去年も来たが、人は今年のほうが多い気がする。クジラやイルカに触ることができて、子どもたちもとても喜んでいる」と笑顔で話した。
(2023年5月9日付紙面より)
新宮市出身の文豪で、望郷詩人とも呼ばれる佐藤春夫(1892~1964年)の命日の6日、市内の佐藤春夫記念館前庭でお供茶式(くちゃしき)が営まれた。関係者や一般約50人が参列し、文豪の遺徳をしのんだ。
茶道裏千家淡交会が長年、大社烏集庵(うしゅうあん)や望郷五月歌碑前で営んできた式で、記念館がオープンした翌年の1990(平成2)年から(公財)佐藤春夫記念会(須崎恵美代表理事)と共に記念館庭園で開いている。
式には田岡実千年市長や速水盛康教育長、濱口太史県議、市議会議員らも出席。茶道裏千家淡交会南紀支部の湊宗巳さんがお点前、半東・お供えは関宗重さんが務めた。式典後には、4年ぶりに淡交会員たちによるお茶と和菓子の振る舞いがあった。
式典に当たり、辻本雄一・佐藤春夫記念館長は、今年初めに逝去した、記念会前代表理事の舩上光次さんに対し「長年にわたって当地方の教育に貢献され、たくさんの教え子たちを育ててこられたご功績に敬意を表します」と哀悼の意をささげた。
移転に伴い、来年度中に休館に入る同記念館について「市文化振興課の助言も頂きながら、春夫先生顕彰の手だてをいろいろな形で模索していきたい。今後ともさらなるご支援、ご協力を」と呼びかけた。
田岡市長は「春夫先生は望郷詩人と呼ばれるほどふるさとを愛された方だった。その功績を改めて顕彰し、その精神や作品を後世に伝えていくことが私たちの使命。今後も皆さまと心を共にし、先生がこよなく愛された『ふるさと新宮』の豊かな自然と伝統を守り、新しい文化の創造と発展に心を尽くしていきたい」とあいさつした。
(2023年5月9日付紙面より)