新宮市会場に「紀伊山脈」地区大会 (和歌山俳句作家協会 )
和歌山俳句作家協会が主催する、第2回「紀伊山脈」地区大会「新宮地区俳句大会」が12日、新宮市野田の市福祉センターであった。地域の俳句愛好家ら約50人が参加。お互いの研さんをたたえながら親睦を図る機会とした。
同協会が刊行する「紀伊山脈」は、結社・会派を超えて県内の俳句愛好家が参加する、自選合同俳句集。1954年に和歌山県にゆかりのある俳句作家の呼びかけにより第1集が刊行されて以来、毎年刊行を続けており約70年近い歴史を数える。
同俳句大会は、地域内の俳句愛好家がそれぞれの結社を超えてお互いのレベルアップと親睦を図ることを目的に開催。「運河」紀南支部と「かつらぎ」新宮支部が協賛した。地区大会は橋本市での開催に続き2回目となる。
開催に当たり、「運河」主宰の谷口智行さんが「新宮市で同大会が開催されるのは大変喜ばしいこと。楽しい大会になることを祈念しています」とあいさつした。
同大会では事前に投句を募っており、地域の俳句愛好家ら112人から423句が寄せられた。参加者らが互選した句が読み上げられ、作者が名乗りの声を上げた。続いて、谷口さんや「かつらぎ」主宰の森田純一郎さんら含む選者が選者特選や入選句を披講し講評。秀逸賞や新宮市長賞、和歌山俳句作家協会賞を表彰した。
閉会に当たり、森田さんは「俳句は年を取ってもできる。今日は若い人も賞を取って力強く感じた。地元の言葉を大事にしていきたい。これからも元気に俳句を続けていただければ」とあいさつした。
□ □
受賞者は次の通り。敬称略。
■「新宮地区俳句大会」
【新宮市長賞】
磐座は人抱くかたち春の雨(石田幸子)
【熊野新聞社賞】
虎杖の束どさと着く行者宿(黒岩恵津子)
【紀南新聞社賞】
煮こごりや女の愚痴を閉ぢこめて(尾崎と代子)
【和歌山俳句作家協会賞】
新宮にいとどこいとど春の月(たなかしらほ)
【秀逸賞】
備長を誇りて紀伊に炭を焼く(小林恕水)
この山に父の生涯梛を植う(吉浦 増)
水底に光るものあり大逆忌(中森常夫)
熊野灘春満月を押し上げぬ(松山睦子)
道の辺の野菊手向けむ一揆の碑(松下 弘)
補陀落の海生業に鮑海士(中村敏之)
台風の目の中にゐる健次の忌(上野山明子)
(2023年3月14日付紙面より)
国皇神社例祭〈遥拝神事〉 (古座川町 )
古座川町池野山地内にある国皇(こくおう)神社の例祭〈遥拝神事〉が12日に麓の町津波避難総合センターであり、関係7区の区長らが参列して信仰を今後につないだ。
南朝最後の天皇となった後亀山天皇の5代目子孫・朝里重太夫が系統の祖霊をまつるため1616年、月野瀬の牛蒡(ごぼう)谷に建立したのが始まりとされる同神社。1828年に13代目子孫・朝里利平が国王山の山腹へうつして麓の村々(現在の直見〈ぬくみ〉、月野瀬、宇津木、池野山、高池上部、高池下部、串本町の古田の7区)と共に護持し、1991年に国王山が望める林道武者屋敷線沿いの池野山区有地へうつして現在に至る。
現在の例祭は7区が輪番制で奉仕していて、今年は高池下部区(森武志区長)が当番を務めた。本来なら区民もじかに参拝して式典、餅まき、直会を営み活気をささげるが、現在は林道が土砂崩れで通行できない状況。出仕する古座神社の石田保宮司と相談して同センターで遥拝神事を執り行う段取りを進め、他6区の区役員に代表参列を求めた。
当日は7区の区役員ら18人が参列。石田宮司に続いて当番の下部区を筆頭とし区それぞれに礼を尽くした。餅まきや直会はなく、区それぞれに献上した神酒を持ち帰って例祭を締めくくった。
新型コロナウイルスの影響もあり、4年続きで本来の形が営めていない状況。森区長(47)は「こういう形でいろんな区がつながるのは珍しいことで、今後もそうして生まれたご縁やつながりでやれることもあると思う。これから盛り上がり、来年はぜひ餅まきもして区民もたくさん参加していただけるようにしたい」と思うところを語った。
(2023年3月14日付紙面より)
卒業記念にクマノザクラ植樹 (鵜殿小 )
紀宝町立鵜殿小学校(前田幸利校長)の6年生40人が8日、卒業記念として校門前の駐車場近くにクマノザクラの苗1本を植樹した。早咲きのクマノザクラは3月中旬からが見頃で、3~4年後の卒業式シーズンには咲き始めるという。
この場所には、小学校が建設された1981年以前から1本のソメイヨシノがあった。これまで40年以上、児童たちの成長を見守ってきたが、直径1㍍の幹がシロアリの被害を受けた上、枝落ちが増えるなど倒木の危険があったことから、2年前に伐採した。
「校門前に新しいサクラを」との思いから、昨年度の6年生が紀伊半島南部に自生するクマノザクラを初めて植樹した。
この日は、苗を提供した日本クマノザクラの会に所属する田尾友児さんが訪れ「クマノザクラは5年前、新種のサクラとして103年ぶりに登録された。花がすごくきれい。数年後に咲き始めたら見に来てください」と話した。
児童代表の山野滉君、大黒莉奈さん、東丈太郎君、上野龍希君が穴を掘り、苗木を丁寧に植えた。大黒さんは「初めて植樹した。花が咲くのを楽しみに待ちます。咲いたら見に来たい」と語っていた。6年生は17日(金)に卒業式を迎える。
(2023年3月14日付紙面より)
少年少女発明クラブ閉講式 (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は11日、市福祉センターで3月講座「ブーメラン飛行機を飛ばそう!」と閉講式を開いた。市内の小学生会員28人のうち、22人が参加し、発泡スチロール板を使用した「飛行機」を作って飛ばし、仕組みなどを学んだ。
発明クラブは全国各地で活動しており、県内でも10市町で行われている。市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
「ブーメラン飛行機」は投げるとブーメランのように自分の所へと戻ってくるというもの。この日は、瀧野会長が講師を務めた。児童は用意された主翼と機体、尾翼などのパーツを貼り合わせて飛行機を完成させた。その後はうまく戻るかを確認。成功すると「やったー! 成功した」「おかしいな」などと声を上げ、笑顔を見せた。
講座後には、閉講式が行われ、瀧野会長が一人一人に証書を手渡し「11回の講座を通して、皆さんはさまざまな経験ができたと思います。機会を見つけて勉強していくことが大事。みんなの中から将来、名誉ある賞をもらえるような人が出てくることを期待しています」とあいさつした。
岸本青空君(王子ヶ浜小6年)は「約1年間でしたが、いろんな実験ができて楽しかったです。他の学校に通う子とも交流を持てたのでよかった。次からは参加はできないけど、これからの勉強に生かしていきたい」と話していた。
(2023年3月14日付紙面より)
公立中学校で卒業式 (新宮市・東牟婁郡 )
新宮市・東牟婁郡の公立中学校で7日、卒業式が行われた。新宮市の215人、那智勝浦町の96人、太地町の15人、北山村の3人、串本町の89人、古座川町の32人が義務教育を終え、次の道へと歩み始めた。
□ □
新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)では43人が、吉田校長より卒業証書を受け取った。
吉田校長は式辞で「あなたたちの人生はこれから。可能性は無限。希望を持ち、夢を描き、命を輝かせて。城南中で学んだ全てを糧に、諦めず、へこたれず、前を向いて歩いて」と呼びかけた。
卒業生を代表し、山中伶威さんが答辞した。学校生活での思い出を回想したほか、先生や家族への感謝を述べた。
「仲間と別れ、それぞれの道を歩むが、絆はなくならない。いつか集まれることを楽しみに頑張る」と強調。周囲の支えに「ありがとう」を伝えて締めくくった。
□ □
那智勝浦町立那智中学校(岡史博校長)では岡校長が卒業生47人に卒業証書を手渡した。
卒業生代表の松岡木葉さんが答辞。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けつつも、平和の尊さや地元の魅力を学び、たくさんの挑戦を経て可能性を広げてきた中学校生活を振り返り、卒業生たちに「みんなと過ごした3年間は最高の宝物」。家族や教職員、在校生にもメッセージを贈り「次に会うときはマスクを取って、みんなで笑い合いましょう」と呼びかけた。
卒業生たちは「3月9日」を合唱し、在校生から花束を受け取って会場を後にした。温かな拍手に包まれ、目を潤ませる様子も見られた。
□ □
太地町立太地中学校(山田貴也校長)からは、15人が卒業した。
山田校長は式辞で、小説「握手」に登場する「困難は分割せよ」の言葉を述べ「人生山あり谷あり。高校生や社会人になって壁にぶつかっても、一つ一つ焦らずに乗り越えていって」と語った。
来賓の宇佐川彰男教育長は祝辞で、卒業生たちが中学生議会で要望を出した▽高校への通学定期券費用の全額補助▽町内の公共交通機関の運賃無料化―といった施策が実現に向けて動いていることに言及。「地域学習、国際理解教育、主権者教育をしっかりとやり遂げた。大波や小波が押し寄せても、誇りを持って前進して」と激励した。
(2023年3月8日付紙面より)
県内唯一、防災まちづくり大賞 (津本地区自主防災会 )
紀宝町の津本地区自主防災会(産屋敷誠会長)が2022年度の「第27回防災まちづくり大賞」で日本防火・防災協会長賞を受賞した。三重県で唯一の受賞で、紀伊半島大水害を教訓に立ち上がり、11年間の取り組みが評価された。
防災まちづくり大賞は、阪神・淡路大震災を契機に1996年度に創設。地域に根差した防災の取り組みなどを進める団体・組織を表彰するもので、本年度は総務大臣賞、消防庁長官賞、日本防火・防災協会長賞で計17団体が受賞した。
津本地区自主防災会は、紀伊半島大水害後の2012年に発足。防災訓練や炊き出し訓練、幅広い世代を対象にした防災訓練、避難所運営訓練などを継続して開催し、地域の防災力向上に努めてきた。子どもから高齢者までが楽しく防災を学ぶ「防災チャレンジ大運動会」も開いてきた。これまで、みえの防災大賞、みえの防災奨励賞などを受賞している。
6日には産屋敷会長、谷口昌宏前会長、防災士の大峪やす子さんが紀宝町役場を訪れ、西田健町長らに受賞報告した。東京で開催された表彰式に出席した大峪さんは、これまでの取り組みを振り返り「11年目にして防災まちづくり大賞を受賞するとは夢にも思わなかった。これからも自分、家族、隣近所の大切な命を守る防災活動を続けたい」と話した。
西田町長は「受賞おめでとうございます」とたたえ、「楽しみを持って防災に当たるユニークな取り組みが町内に浸透し、防災に強い町づくりにつながれば町の防災文化につながる。これからも先駆的な取り組みをアピールし協力したい」と伝えた。
(2023年3月8日付紙面より)
第16回しんぐう元気フェスタ (新宮市 )
新宮市ボランティア・市民活動センター(岡鼻崇会長)は5日、市福祉センターで「第16回しんぐう元気フェスタ'23」を開催した。ボランティア・市民活動センターに登録する団体らが、ステージや展示を通してお互いの活動に対する理解を深めた。
「楽しんで! 知って、見て、感じて! ボランティア」と銘打ち、企業とボランティアなどが協働で取り組んでいる毎年恒例のイベント。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となった今回は「みんなの活動を見て、知って、楽しもう」と題し、規模や時間を縮小する形で実施にこぎ着けた。
開催に当たり、岡鼻会長は「時間に限りがあるが、お互いのブースに足を運んでいただき、団体同士の交流の場になれば。これからも、皆さんの活動が持続可能なものとなることを祈念しています」。
来賓の田岡実千年市長は「いろいろな方々が活動を発表できる貴重な機会。絆や、人と人が助け合い支え合うことの大切さを気付かせてくれるイベントだと感じます」とあいさつした。
ステージ発表は、Team雅龍によるよさこい踊りで幕開け。マジックサークル青い鳥によるショーや、南紀手話サークル虹による手話歌が披露され、会場からは大きな拍手が送られた。
会場内には7団体によるパネルや作品展示、5団体による体験ブースも設けられ、来場者らは各コーナーを回って交流を深め、活動内容を学ぶ機会とした。
最後には「川柳で新宮を元気に」の表彰式も行われた。岡鼻会長は閉会に当たり「自分たちの勇気や元気に変わるかもしれない、そういう活動が地域や団体を守ってくれていると思う。これからも皆さまと共に、当イベントを続けていくことができれば」と思いを語った。
(2023年3月8日付紙面より)
熊野修験が山々で修行 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山から奈良県吉野までの険しい山道を歩く「熊野修験大峰奥駈(おくが)け」が4日、始まった。熊野の山々の霊気を感じられるコースで、コロナ禍前は修験者だけでなく、全国から一般の参加も増加していた。今年は例年のように広く募らず、修験者と一般合わせ約50人が集まった。修験者を先頭に列をなして山道を歩き、山中にほら貝の音と「懺悔(さんげ)、懺悔、六根清浄(ろっこんしょうじょう)」の声が響いた。
1872(明治5)年に修験道が廃止されていたが、約120年を経た1988年に那智山青岸渡寺住職の髙木亮英正大先達(しょうだいせんだつ)らが再興させた。今年で36回目を迎える。
大峰奥駈けは那智山から奈良県吉野までの約200㌔の山道を4回に分けて歩く。この日は「春峰(はるみね)入り」と呼ばれ、髙木智英副住職を中心に青岸渡寺から熊野本宮大社までの約30㌔を丸1日かけて踏破した。
出発前、髙木正大先達は「副住職が代表して皆さまと共に本日の目的地である熊野本宮大社へと向かう。道中、くれぐれもけがなどには注意して、修行に励んでください」とあいさつ。
智英副住職は「この数年は新型コロナウイルスのため、行者のみで行ってきた。今回は普段ほどではないが、一般の皆さまにもご参加いただけた。今年は念願であった修験者のための行者堂の完成の年、身を引き締めて修行に取り組みたい。世界平和とコロナ退散、無事に満行できることを願っています」と話していた。
次回は4月ごろに本宮大社から玉置山まで歩くとしている。
(2023年3月8日付紙面より)
那智勝浦町体協グラウンドゴルフ部春季大会
トルベリーノかつおカップ