日本消防協会が消防団活動車を交付 (新宮市 )
(公財)日本消防協会はこのたび、新宮市消防団に消防団活動車を交付した。17日、市消防本部で車両交付式が行われ、市地域消防協会会長の田岡実千年市長が中谷健兒団長にレプリカキーを手渡した。
(公財)日本消防協会は、消防団員、消防職員および地域において自主的に消防防災活動を行う者の福祉厚生、消防施設設備などの改善充実、消防知識技能の向上、消防防災思想の普及徹底などにより、消防活動の強化、地域防災の向上などを図り、もって国民生活の安全、社会公共の福祉の増進に寄与することを目的としている。
このたびの交付は、同協会の令和4年度消防団員等福祉共済事業(福祉増進事業)として行われるもので、同共済は1969年に消防団員福祉共済制度として発足。全国の消防団員等の相互扶助による共済制度として運営されている。
交付車両は三菱自動車の「エクリプスクロス」(SUV型5人乗り4WD)で、「衝突被害軽減ブレーキシステム」など安全機能も充実。配備先は団本部で、平時は防火・防災、入団促進啓発活動などに使用される他、災害時は市民への情報伝達などに活用される予定となっている。
交付に当たり、田岡市長は団員らの日頃からの尽力に感謝を伝え「団本部には団幹部をはじめ、女性団員9人が在籍されている。今後、災害活動や防火広報など、さまざまな場面でこの車両を存分に活用いただき、市消防団がますます活躍・発展されることを期待しています」とあいさつ。安全運転の徹底を呼びかけた。
中谷団長は「有事の際も含め、有効活用していけたら」と話していた。
(2023年2月18日付紙面より)
明神小中など4校で講座 (古座川町 )
古座川町で16、17日の2日間、日本航空株式会社(JAL)のキャリア教育出前講座が順次あり参加した児童生徒が将来を考えるきっかけを得た。
この講座を発案した同社産学連携部の丸島拓郎さんが挑戦するきっかけを託したいという思いで希望する学校に届けている機会。同町では2年前から参加の経緯があり、本年度は古座川町青少年育成町民会議の中継ぎにより4校が順次受講した。
初日午後は明神小5、6年生と明神中1~3年生が明神中体育館へ集まり、丸島さんと同社地域事業本部の三輪祥子さんを迎えて合同受講した。2人は飛行機や同社にまつわるクイズを出題し、JALグループでは131社3万6000人がそれぞれに仕事をこなしそのつながりで1機の飛行機を飛ばしていることを紹介。新型コロナウイルスの影響で飛ぶ数が減った時期に社員は大学講師や地域留学、有名アニメとのコラボレーションなど挑戦してみたい企画を会社に提案して取り組むなど、自身や会社の向上に頑張っている側面にも触れた。
英語力や相互理解など2人それぞれに仕事をしていく上で大切だと感じていることも伝え、それらに苦手意識があっても避けずに挑戦し続けた成果は将来役に立つと信じて頑張ってほしいと促すなどした。
最後に児童や生徒があらかじめ準備した質問に応えて学びを後押し。小中それぞれ代表1人を立てて感想を述べ、講座の実施に感謝した。
同会議事務局によると、明神小中のほか、古座中1年生が16日の4時間目、高池小4、5年生が17日の2時間目を充てて受講。三尾川(みとがわ)小は過去に受講した経緯で今回は参加を見送り、未受講の児童生徒に機会を譲ったという。
(2023年2月18日付紙面より)
高校生向け企業説明会
高校生向け地元就職促進事業「地元企業知っとこガイダンス」が16日、新宮市王子町の市立総合体育館であった。新宮、新翔、串本古座、紀南の4高校から約140人の生徒が参加。企業から説明を聞き、就職について考えた。
熊野地方就職フェア実行委員会の主催。同委員会は新宮市、新宮商工会議所、那智勝浦町、南紀くろしお商工会、新宮地区職業安定協会で組織する。同ガイダンスは、熊野地方の高校生を対象に、将来地元で働きたいという気持ちを向上させ、若年層流出による地域活力の低下を抑止することを目的としている。
コロナ禍に伴いおととしは中止だったが、基本的には毎年実施している。今回は、串本出張所も含むハローワーク新宮、ハローワーク尾鷲熊野出張所の管内から、27社が参加した。製造、建設、福祉、金融、運送、宿泊など、さまざまな業種があった。2部構成で、生徒は約70人ずつに分かれて行われた。
生徒が興味のある企業ブースを訪れ、担当者の話を聞くかたちで行われた。時間は20分と決められており、その時間内で概要説明と質疑応答を行うように決められていた。生徒側は事前に、説明を受けたい企業を第3希望まで選んでおり、これに沿って実施された。
企業担当者は、自社の歴史や業務内容、やりがいなどを、丁寧に説いていた。生徒らは、熱心に耳を傾け、メモを取るなどしていた。新翔高校2年の松井弥土(みと)さんは「どちらかといえば地元就職を希望している。どんな職種を目指すかは、まだ検討中。今日は説明を聞き、知らないこともあったので良かった。話をよく聞いて進路をしっかりと考えたい」と話した。
新宮信用金庫のブースで説明を担当した、総務部の野田健太さんは「普段の業務で高校生との接点は多くないので、こういう機会はありがたい。金融機関はお金を扱うので、真面目で誠実な人材が欲しい。加えて、受け身ではなく積極性があればなお良い。今日はしっかりPRしたい」と述べた。
(2023年2月18日付紙面より)
田端賢太郎さんが神倉山に奉納 (熊野速玉大社 )
みなべ町在住の田端賢太郎さん(83)は16日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)を訪れ、「神倉神社の参拝者の方に使っていただければ」と、梅の木で作製した参拝用の杖(つえ)50本を奉納した。同日、同大社で奉納奉告祭が営まれ、上野潤権宮司は「梅の木を育てるのに一日一日を積み重ね、丹精を込めて杖をお作りいただいた」と感謝を伝えた。
梅農家を営む田端さん。農作業の傍ら、寒に入って新月の3日間に切り込んだ枝を1カ月乾燥させ、何度も磨いて艶を出し、蜜ろうを塗って仕上げた。1本制作するのに係る時間は約1時間半。杖には「無病息災」の文字を書き入れ完成させた。
作業を始める前には般若心経を唱える。「今まで約80年間、大過なく過ごさせていただいた。神倉山にお礼の気持ちを込めた」と一本一本に思いを込めて制作した。
かねて梅の木の枝の有効活用を思案していた田端さん。7年ほど試行錯誤を重ね、ようやく現在の杖の形に仕上げた。「人生残りわずか。杖の作り方を誰か継承してくれたら。(奉納した杖は)ぜひ多くの人に使っていただきたい」と思いを語った。なお、田端さんは2020年10月にも梅の木を使った杖40本を奉納している。
上野権宮司は「以前、奉納いただいた杖はすでに短くなってしまった。多くの人に愛用いただいた証だと思う。世間ではあまりにも身勝手な行為が散見されるが、田端さんの利他の心、慈しみの心は神様や多くの人に伝わっていると思います」と話していた。
(2023年2月18日付紙面より)
【第58回】過剰な健康志向は危ない!
子育てでお料理をしているお母さんたちは、みんな真面目で、少しでも体に良いものをお子さんに…と考えている方が多いです。そのために、できるだけ添加物を避けたり、有機野菜を使ったり、無添加のおやつを用意したり。そういった食意識は、もちろん悪いものではありませんが、こだわりが行き過ぎるとご自身がしんどくなってしまうことがあります。今日はそんな、こだわりが過剰になることで患ってしまう、新型摂食障害のお話をしようと思います。これは、アメリカの医師が1997年に提唱したもので「オルトレキシア」と言います。この摂食障害は、拒食症でも過食症でもなく、「自分が健康的だと思っているもの以外を拒否してしまう」という症状が出る病気です。
最近は健康志向の高まりもあり、食事にこだわる人は増えています。小麦粉を排除する「グルテンフリー」や、動物性のものを取らない「ビーガン」、ダイエットを意識した「糖質制限」もその一つです。でもこの「オルトレキシア」になってしまうと、自分が健康的だと思い込んだもの以外は一切受け付けなくなってしまい、人と食事をすることもできなくなってしまうと言います。自分が決めた食事ルールを破って、食べてしまうと、罪悪感で苦しんだり、体調が悪くなってしまったりするわけです。逆に、自分のルールに合った「健康的だと思う食事」を取ると、自己肯定感が高まっていくというのも特徴です。30代以降の女性に多く、子育て世代も当てはまるため、子どもにも自分が思い込んだ「正しい食事」を強要して、栄養を偏らせてしまうということもあります。そして、「子どもに良いものを」という考えから始まり、発症してしまうお母さんもいるのです。ハリウッドセレブなどの間でも「オルトレキシア」になったとカミングアウトして、ヘルシーな食事に執着するのをやめるという人がいました。この病気が怖いのは、自分でも過剰なこだわりだと分かっているけど、やめられないというところだそうです。
健康的な食事を心がけることはとても良いことですが、健康的な食事を追求するあまりに、不健康になってしまうのでは本末転倒ですよね。今はインターネットにさまざまな情報があふれていて、ついついうのみにしてしまいますが、科学的根拠のないものもたくさんあります。心と体を健康に保つためにも、「正しい食事」よりも「楽しい食事」をぜひ心がけてください。楽しくおいしく食べる食事こそが、一番健康にいいと私は思っています。野菜が足りないとか、脂が多いとかは、翌日にでも少し調整すれば大丈夫。お子さんのいる方も、いない方も、健康的な食卓がまず目指すのは「楽しい、おいしい食事」なのです。
(2023年2月18日付紙面より)