那智大社で献湯祭 (南紀勝浦温泉旅館組合 )
南紀勝浦温泉旅館組合(清水貞吾組合長、組合員10館)は29日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で「献湯祭(けんとうさい)」を営んだ。組合員らが参列し、朝一番に源泉からくみ上げた温泉水を神前に奉納した。
おととし、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から宿泊客の参列参加や餅投げを行わず、規模を縮小して実施した。
神事では各旅館の代表者らが15個のたるに入れた源泉の一番湯を順に神職に手渡し供えた。
清水組合長が組合員を代表して玉串をささげた。一同は自然の恵みに感謝し、業界の繁栄とコロナ終息を祈願した。
神事を終え、男成宮司は「コロナ禍の厳しい状況は続いているが、大神様のご神徳、ご加護を頂き、それぞれの旅館のご繁栄と組合の発展をお祈りしております」と話した。
清水組合長は「全国旅行支援が始まり、観光にとって追い風が吹いている。温泉は持続可能な資源。コロナ終息と、一人でも多くのお客さまに来ていただけるよう大神様に祈願いたしました」。
今後については「コロナ禍前と比較して宿泊客は減少している。しかし、行動制限や入国制限の緩和、県内での行事や道路の完成などもあり、国内外からの多くの来町に期待している。世界遺産と勝浦温泉、生マグロを全国的に広めて町の発展に努めたい」と抱負を述べた。
同組合によると、組合員10館の収容力は840室で、3400人だという。
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献湯祭を終えた一同は那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)に向かい、物故者追善法要を営んだ。
45回目を迎えた法要は南紀勝浦温泉の礎を築き上げ故人となった経営者や従業員などの功績に感謝し、冥福を祈るもので髙木住職と髙木智英副住職らが読経を行った。
清水組合長が「礎を築かれた皆さまに感謝するとともに、組合員一同、創意工夫をもって業績の向上に励み、観光産業の発展に努力します」と追悼の言葉を述べた。
(2022年10月30日付紙面より)
マイナンバーカード (新宮市 )
新宮市、新宮税務署(河野武署長)、新宮納税協会(横手章郎会長)は合同で29日、新宮市橋本のイオン新宮店に、マイナンバーカード出張申請所を開設した。市民が多数訪れ、協力を得て申請を行った。
交付率向上を目指した取り組み。新宮市の交付率は9月30日現在で、42・3%となっている。同店の一角にブースが設けられ、新宮市の職員が申請に協力した。顔写真の無料撮影や、条件を満たす場合はカードを郵送で受け取れる手続きも行えるようになっていた。申請希望者が開設時間前から並ぶような状況だった。
新宮税務署と新宮納税協会は、買い物客に啓発物資を手渡して周知した。マイナンバーカードのほか、納税などのオンラインサービスであるe―Taxの案内も行った。「マイナンバーカードはお持ちですか。今、出張申請を行っています」などと呼びかけていた。
田岡実千年市長は「市としても、マイナンバーカードの普及に力を入れている。いろんな使い方ができるようになるので、早めの取得をお願いします」。河野署長は「今ならマイナポイントももらえるほか、取得すればe―Taxで、確定申告がスマートフォンなどで簡単に行えるようになる。この機会にぜひ」などと話した。
三輪崎から訪れて申請した山本八千代さんは「今ならポイントも付くし、保険証も兼ねるようになるというので来た。写真も撮ってくれるし、手続きも簡単だった」と語った。
新宮市は他にも、夜間や日曜の窓口開設、企業や団体向けの予約制出張申請所開設にも取り組んでいる。問い合わせは、新宮市市民窓口課(電話0735・23・3333)。
(2022年10月30日付紙面より)
リカ・ハマグチさんが講演 (太地町 )
太地町公民館は26日、文化講演会「ブルームと紀南―現代アボリジニー舞踊表現について―」を開催した。同町と姉妹都市であるオーストラリア・ブルーム出身でダンサーとして活躍するリカ・ハマグチさん(29)が講師を務め、真珠漁業がつなぐブルームと紀南の関係やつながり、自身が取り組むアボリジニ文化を現代的な舞踊で表現するダンスパフォーマンスなどについて講演した。
リカさんはオーストラリアを代表する現代舞踊グループ「バンガラ舞踊団」の主役ダンサーを務めたほか、今年の西オーストラリア州観光キャンペーン映像に出演するなど、幅広い活動を展開している。
これまでにも舞踊グループとして日本を訪れたことはあるが、個人での来日や自身のルーツに当たる那智勝浦町下里出身の祖父、故・浜口博司さんの故郷を訪ねるのは初だという。
真珠漁業に参加するため、日本人を含むアジアやヨーロッパの多くの人々がブルームを訪れたことについてリカさんは「さまざまな民族が交じってブルームはユニークな場所になった。先住民のアボリジニやアジア、ヨーロッパの人々の子孫がたくさん住んでいる」と話した。
過酷な真珠漁において、長年ダイバーとして活躍していた寡黙な祖父に触れ、ダイバー引退後はアジア人初の真珠養殖業のオーナーになったことや、日本語を教えてくれたことなどを振り返った。
太地町とブルームの姉妹都市交流事業ではリカさんのいとこも同町を訪れ、ホストファミリーとして同町の子どもたちを迎え入れたことを挙げ、「私は参加していないが、交流事業が今も続いていることがうれしい」と笑顔を浮かべた。
今回、祖父の故郷や親族とも会ったリカさん。紀南の地や海に自身が生まれ育ったブルームを感じ、ふるさとのような感覚を持ったと話す。
家族や親戚らと過ごした様子や歴史ある舞踊グループの詳細、ダンサーとしての活動、ダンスについて、写真をスライドに映し出し解説。
毎年観光客でにぎわう祭りの様子やオーストラリアの自然、多くの文化が混じり合っているブルームにおいて、日本との共通点やアボリジニの文化の影響が非常に強いことなどを紹介した。
リカさんは「祖父の故郷を訪ね、親族にも会うことができた。皆さまに歓迎していただき、心が温まった。今後、交流の機会があれば、踊りの披露もしたい」と締めくくった。
26年前、実際に博司さんとも面識がある江﨑隆司公民館長は「リカさんのような若い方々が紀南とブルームの架け橋になってくれたらうれしい」と話していた。
(2022年10月30日付紙面より)
相野谷診療所に研修センター開設 (紀宝町 )
紀宝町が町立相野谷診療所に設置した紀宝町地域医療研修センター「KITCHEN(キッチン)」の開設式が28日、同町役場であった。「地域医療を学べるまち紀宝町」をスローガンに、医学生・研修医の受け入れ、地域医療講演会や研修会、町民への学びの普及を通して、町全体で地域医療と地域包括ケアシステムを充実させていく。
県地域医療研修センター(鈴木孝明センター長)と連携して、県内の総合診療医育成、町内事業所のスタッフ育成、町民教育・健康普及活動に貢献し▽安心できる▽実践できる▽継続できる▽成長できる▽共有できる―学びを提供する。
相野谷診療所の森本真之助所長がセンター長、くまのなる在宅診療所の濱口政也院長、町遠隔業務支援医(リモート医)で脳神経外科医・脳卒中専門医の角谷美帆医師が副センター長を務める。
開設式には協力連携事業所、町の関係者30人が出席し、西田健町長が「町の未来のため、皆さんと一緒に事業を進め『住んで良かった』と思ってもらえる町を目指していきたい」とあいさつ。
森本センター長は「紀宝町の地域医療は介護、教育にも貢献できる。教育環境の整備を皆さまへの感謝としたい。一緒に勉強する組織を目指していきたい」と述べ、「無限の〝楽しい〟を育む学びの台所」との意味を込めて「KITCHEN」と名付けたと伝えた。
今後、町が主体となってポストコロナ時代に求められる優秀な医療人材を育成し、研修センターを通して地域包括ケアシステムの発展と充実、在宅医療の推進などを目指していくという。
(2022年10月30日付紙面より)
新宮発電所が竣工 (株式会社エフオン )
新宮市佐野で22日、全国各地で木質バイオマス発電事業を展開している株式会社エフオン(本社・東京都千代田区、島﨑知格代表取締役社長)新宮発電所(小池久士代表取締役社長)の竣工(しゅんこう)式があった。新宮市、和歌山県や地元関係者ら約60人が出席する中、島﨑代表取締役社長が「地域の明るい未来を共に背負っていきたい」と誓いを新たにした。
100%国産の木質バイオマスをエネルギー源とした発電に加えて、森林資源の最適活用や山林施業技術者の育成に注力するグリーンエナジー事業と、省エネルギー支援サービス事業を展開する総合エネルギー・サービス企業。
同グループは2006年から木質バイオマス事業を展開しており、グループ5カ所目の木質バイオマス発電所となるエフオン新宮は18年に新宮市より新宮港第2期工業用地を購入。翌19年10月に起工式を実施し工事着工に入っていた。
当初は今年春ごろの操業開始を目指していたが、一部の設備にトラブルがあり稼働延期に。このたび晴れて竣工の日を迎えた。
竣工式神事では、熊野速玉大社の佐藤仁迪(ひとふみ)権禰宜(ごんねぎ)が祝詞を奏上。参列者らが玉串を供え、安全稼働などを願った。
来賓の仁坂吉伸知事は「全国でも有数の木に覆われた県。うまく循環すれば、紀の国として復活することができる。需要を伸ばすためには立派な企業に来ていただき事業を展開してもらうのがいい。新宮市を盛り立てていただけるような活動を」。
田岡実千年市長は「当市を木質バイオマス発電所として選んでいただいたことにより、すでに林業をはじめ多岐にわたる産業への効果波及に加え港湾利用も促進されておりありがたいこと。地元企業の一員として、地域と共に歩み、さらには地域をけん引する企業として市の発展の一翼を担っていただけることを願っている」と祝辞を述べた。
島﨑代表取締役社長は関係各位に感謝を伝え「大きな事故もなく竣工の日を迎えることができた。木材産業を盛り上げるきっかけとしてお役に立つことができれば。木材利用の一つのモデルとなるよう、できることがあれば奉仕していきたい」と思いを語った。なお、式典後には施設の見学会も行われた。
発電所建設地の敷地面積は約5万3000平方㍍。発電所の定格出力は1万8000㌔㍗で、年間発電量は約12万㍋㍗。山林事業含む従業員数は約50人で約6割が地元出身者。8月31日から連続運転を開始しており、現在地元チップは約2割だが、将来的に100%の利用を目指していくという。
(2022年10月23日付紙面より)
老朽化や津波に対策 (那智勝浦町 )
那智勝浦町天満の体育文化会館の付近などで、海岸の護岸工事が行われている。既存の護岸が老朽化したことに加え、津波対策にも考慮したもの。海抜で約6㍍の波返しの擁壁を築いて延ばしていく。
工事を行う和歌山県東牟婁振興局新宮建設部によると、全体的には那智川の下流部分からホテル一の滝の裏側辺りまで、延長(距離)1200㍍の護岸工事を行う計画。古い護岸は老朽化で、ひび割れなどを起こしていた。今回の工事は、1200㍍の護岸工事の一部で、体育文化会館の裏手と中本葬祭勝浦斎場の裏手の2カ所で、2018年度から実施している。
工事の延長(距離)は、体育文化会館側が約36㍍、中本葬祭勝浦斎場側が約70㍍となる。上部が海の方向に反り返ったコンクリートの構造物を造る。押し寄せた波はこれをつたって、沖へと戻されることになる。
工事は、2023年6月9日までを予定。事業費は約2億8000万円となっている。和歌山県東牟婁振興局新宮建設部は「工事中はご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をよろしくお願いします」と呼びかけている。
(2022年10月23日付紙面より)
明治安田生命と包括連携協定 (新宮市 )
新宮市と明治安田生命保険相互会社(永島英器・取締役代表執行役社長)は21日、包括連携協定を締結した。市役所で同日、締結式が行われ同社和歌山支社の大谷力哉顧問と田岡実千年市長が協定書に署名。また、新宮営業所の小堂和彦所長から田岡市長に寄付金などの目録が手渡された。同社と市は今後、市民の健康増進や市民サービスの向上のため、相互に連携・協力体制を図っていく。
「地域社会との絆」を企業ビジョンに掲げる同社では「地元の元気プロジェクト」の一環として2020年度から全国の地方自治体や銀行などと連携協定を締結。これまで、全国の37自治体、800市区町村、地方銀行35行、大学5校と協定を締結した(9月末現在)。県内では和歌山市や田辺市、串本町など16市町と連携関係を構築している。
連携事項は▽健康づくり▽地域の安心・安全▽スポーツ振興▽地域経済の活性化―に関することや、両者が必要と認める事項の5項目。
また、寄付は同社の営業拠点が所在または連携協定を締結している自治体など1018団体に対し、同グループの全従業員が居住地や出身地などゆかりのある地域の寄付先に任意で募金する従業員募金に、会社拠出の寄付を上乗せして総額約5億円の寄付を実施する「私の地元応援募金」によるもので、このたび市には16万9000円と「防災に活用してほしい」との思いから飲料水(ミネラルウオーター)36本などが贈られた。
田岡市長は、寄付に対して感謝を示し、協定締結について「今回の協定締結によって、明治安田生命さまのこれまでの取り組みによる知見や企業ネットワークをご活用ささせていただき、当市にご支援ご協力を賜れますことを大変喜ばしく、心強く感じている」。
「協定締結を一つの契機として、今後さらに連携を深める中で地域活性化や市民サービスの向上にまい進していく」と述べ、さらなる支援と協力を呼びかけた。
大谷顧問は関係者に感謝を述べ「このまちで長い間営業させていただいているのは市民の皆さま方のおかげ。『人に健康を まちに元気を』のスローガンの下、可能な限り応援する体制をつくっていきたい」とあいさつした。
(2022年10月23日付紙面より)
まなびの郷で鵜殿小児童ら (紀宝町 )
三重県公立学校職員互助会主催の「子どものためのクラシックコンサート」が18日、紀宝町鵜殿の町生涯学習センターまなびの郷であり、町立鵜殿小学校(前田幸利校長、児童292人)の児童が美しい音色と歌声に目を輝かせた。
互助会の本年度公益文化事業で、17日から24日にかけて東紀州地域の小中学校などで開催される。鵜殿小ではコロナ禍で芸術に触れる機会が少なくなっていたが、子どもたちに音楽に親しんでもらおうと、まなびの郷を会場に低学年、高学年の2部制に分けて鑑賞した。
この日訪れたのは1979年に結成され、子どもとクラシック音楽との出会いを大切に全国で演奏会を行う「東京アーティスツ合奏団」。低学年の回では、バイオリンやビオラ、チェロ、コントラバス、ハープ、打楽器の紹介をしながら、ネッケの「クシコス・ポスト」やモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」など世界の名曲を演奏。団員は「ハープは47本の弦と、足元の七つのペダルを使って演奏します。ペダルを踏むと音が変わります」と解説したり、児童もよく使うタンバリンは、たたいたり振ったり強弱を付けたりとたくさんの音の出し方があることを演奏してみせたりした。
「歌のおねえさん」の平川めぐみさんが登場すると、ディズニー映画の人気曲「自由への扉」や「アンダー・ザ・シー」、子どもたちにも歌われる「ビリーブ」、「ドレミの歌」などが披露され、児童らは手拍子をしたり、ボディーパーカッションで演奏に参加したりしながら体全体で音楽に親しんでいた。
あいさつした前田校長は「なかなか開催できませんでしたが、ようやく機会を持てました。とても楽しみにしていましたね。素晴らしい演奏と歌を楽しんでください」と呼びかけていた。
(2022年10月23日付紙面より)
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」が15日午前、秋晴れの空の下で約170人の参列者に見守られながら「本殿大前ノ儀」で厳かに幕を開けた。
例大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御(とぎょ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島(みふねじま)を廻(まわ)る「神輿渡御式」からなる。
おととし、昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、一般参列を呼びかけず神職と神社関係者のみで執り行った大前ノ儀だが、今年は3年ぶりに広く参列を呼びかけ。感染対策に万全を期した状態で斎行された。
上野宮司の祝詞奏上の後、2人の巫女(みこ)が世界遺産登録記念御神楽の「神なぎの舞」を奉奏。参列者が玉串を奉奠(ほうてん)した。午後からは神馬渡御式が営まれ、神馬と一行が阿須賀神社までの道のりを渡御した。
大前ノ儀を終えた上野宮司は「苦しく、厳しい世の中ではあるが、秋晴れの下でこうして例大祭を斎行できることに感謝したい」などとあいさつ。参列者に感謝を伝えた。
16日の神輿渡御出立は午後3時30分から。4時30分ごろから、神幸用船(しんこうようせん)、諸手船(もろとぶね)、斎主船がゆかしく御船島を廻る御船祭(みふねまつり)を斎行。9地区による勇壮な早船競漕(きょうそう)も3年ぶりに行われる。
(2022年10月16日付紙面より)
那智勝浦ロータリークラブ (那智勝浦町 )
那智勝浦ロータリークラブ(那智勝浦RC、庵野了嗣会長)は13日、那智勝浦町天満のホテルサンライズ勝浦で第2921回例会を開催。韓国出身で米山奨学生のイ・チャングンさん(30)が卓話し、「自分の道」と題して自身の現況やロータリークラブとの出会いなどを語った。
この日は、那智勝浦RCの会員に加え、新宮ロータリークラブ(新宮RC)から福田一郎会長と幹事の瀬古伸一郎さん、イさん、堺おおいずみロータリークラブで米山学友小委員会委員長などを務める新本憲一さんら16人が出席した。
米山奨学生は日本のロータリアン(会員)の寄付金を財源に国内の大学・大学院で学ぶ私費外国人留学生に対して奨学金を支給する制度。本年度は全国で898人、累計で2万2878人を受け入れているという。
庵野会長が「本来ならこれまでと同様、米山奨学生のイさんには学校で講話をしていただきたかったが、コロナ禍のため、会員のみの卓話となった」とし、出席者に感謝を述べた。
現在、大阪芸術大学工芸学科に通うイさんは、自身が生まれ育った韓国を紹介し、拾った光学ガラスを通した光に感動したことがガラスへの興味の始まりだったと説明。
その後、長崎県の平和公園にある母子像に感銘を受け、日本の美を学びたいと思ったことが来日のきっかけだと話した。
世界最高峰のガラス工芸大賞「ラコウ賞」を受賞するガラス工芸作家の山野浩さんを尊敬するイさんは「山野さんもアメリカで学び、日本のアイデンティティーを大切にし作品を作っている。私も韓国的なアイデンティティーと日本の美を合わせたいと思った」と作品づくりへの思いを述べた。
大学で学ぶ焼き物や加工、接着などの用法や自身の作品について解説。自らの仮面(ペルソナ)を脱いで、日本と完全に融合できていなかったことに苦しんだこともあったと告白した。
イさんはロータリークラブとの出会いによって、時間や心のゆとりができたとし、多くの先入観も次第になくなっていったと振り返った。
その後、原点であるガラスや光、影などに改めて立ち返り、作品づくりに没頭したとし「ガラスという素材の魅力を生かし、皆さんにポジティブな影響を与えることのできるパブリックアートを作っていきたい」と意気込みを語った。
最後は福田会長のあいさつで締めくくった。
(2022年10月16日付紙面より)
「新宮白浜区間部会」を設置 (紀勢本線活性化促進協議会 )
新宮市役所別館で「鉄道の日」の14日、紀勢本線活性化促進協議会「新宮白浜区間部会」の設置および第1回部会が開催された。新宮市~白浜町の沿線自治体や和歌山県、JR西日本和歌山支社などから約20人が出席。沿線の活性化に向けて課題を共有するなどした。
JR西日本は今年4月、1日の輸送密度2000人未満の区間として、紀勢本線新宮―白浜間の収支状況などを公表。同区間の輸送密度は1日当たり1085人(令和元年度)、平均収支率は19・0%(平成29年度~令和元年度)と、コロナ禍前においても厳しい利用状況であったことが明らかになった。
さらに将来的にもさらなる厳しい状況が見込まれる中、路線の維持に向けて沿線市町村、県、JR西日本が課題を共有し、地域全体の移動特性やニーズを踏まえた、沿線地域や駅周辺の活性化、利用促進などを行うため、9月22日に部会を設置するに至った。
構成団体は▽新宮市▽白浜町▽すさみ町▽那智勝浦町▽太地町▽古座川町▽北山村▽串本町▽和歌山県▽JR西日本和歌山支社▽和歌山大学紀伊半島価値共創基幹―で、事務局は白浜町総務課内。
①鉄道の利用実態の推移と今後の環境変化の共有②地域全体の移動特性やニーズの把握③鉄道の必要性・持続性の確認・合意④路線維持のための地域や駅周辺の活性化、利用促進などの具体的方策⑤県、各市町村の法定協議会などへの報告―を協議していく。
この日は現状と課題の共有や部会の運営方法、事業計画などが議題となった。開会に当たり、開催地となった新宮市の向井雅男副市長が、部会設立は沿線自治体にとって意義深いことであるとし「沿線人口の減少、少子高齢化、道路整備の進展、コロナ禍の影響など、公共交通機関を取り巻く環境は大変厳しいものがある。地域住民の生活道路として、また他に類を見ない豊富な観光地への誘客促進について課題を共有し、幅広い議論と検討を行っていければ」とあいさつした。
続いて、JR西日本和歌山支社の松田彰久副支社長が、平均通過人員(輸送密度)、乗車人員、列車本数の推移やこれまでの取り組みなどを説明。「自動車に比べてきめ細かな移動ニーズにお応えできていない。大量輸送という観点で鉄道の特性が十分に発揮できていないことから地域のお役に十分に立てていない」などと課題に触れ「今よりも利用しやすい最適な地域交通を地域の皆さまと共に創りあげていきたい」と話した。
事務局は、利用促進に向けた各市町村や県の取り組みなどを紹介。和歌山大学紀伊半島価値共創基幹の西川一弘准教授が「地方のローカル鉄道を考えるために」と題して、現状や鉄道の目的、役割などについて話し「大ピンチを大チャンスに変えるためには目的指向の議論と実践を丁寧にかつ急いでやらなければならない」と提起した。
同部会は今後、より詳細な利用状況などのデータを基にニーズの確認や分析などを行い、協議や取り組みを進めていく。
(2022年10月16日付紙面より)
見守り隊と紀南高生が街頭啓発 (紀宝、御浜町 )
「全国地域安全運動」(11~20日)期間中の14日、紀宝町と御浜町で街頭啓発活動があった。両町のスーパーなどで啓発チラシを配布し、来店者に声かけするなどして地域ぐるみで詐欺被害撲滅を呼びかけた。
運動は、安心して暮らせる地域社会の実現を図ることが目的で、「特殊詐欺の被害防止」など三つを重点に掲げている。
紀宝町高齢者地域見守り隊(伊藤俊介代表)は、13人が鵜殿郵便局や主婦の店など町内4カ所に分かれて啓発活動した。
高齢者を被害から守る取り組みで、毎月15日に実施。偶数月の15日に年金が振り込まれるため、特に注意を促す狙いがある。この日は、強引な勧誘や内容を確認してから契約することなどを記したチラシを配った。
御浜町では、防犯ボランティア団体の紀南高校生徒会(東涼会長)の役員7人、紀宝警察署の署員が参加し、パーク七里御浜ピネで実施した。
生徒たちは「特殊詐欺に気を付けてください」などと来店者に呼びかけ、全国地域安全運動、特殊詐欺の手口などを記したチラシと啓発物品を配布した。
同署によると、9月末現在、県内で87件(前年同期比3件減)の特殊詐欺が発生、被害総額は約2億8990万円(同1億6150万円増)に上った。このうち、架空請求詐欺が36件で最も多く、被害総額は約2億1610万円となった。管内では5月13日に架空請求詐欺が1件あり、被害額は10万円だった。
(2022年10月16日付紙面より)
奥瀞道路(Ⅲ期) (北山村 )
現在、開通に向けて工事が進む奥瀞道路(Ⅲ期)の1号トンネル(同村下尾井)で7日、貫通見学会があった。北山村立北山小学校(松本広明校長)の1~4年生19人が参加し、掘削が完了したトンネル内を見学。大型ブレーカによる貫通の瞬間を目撃した児童らは、万歳をして掘削完了に喜びを表現した。
延長3・4㌔の奥瀞道路(Ⅲ期)は、開通した奥瀞道路(2008年開通)と奥瀞道路(Ⅱ期、15年開通)の延伸区間となる道路で、16年度に事業化。両区間とも災害時や緊急時における交通機能を確保するとともに、沿線地域の活性化と交流促進を図るために計画された道路で、奥瀞道路(Ⅲ期)の完成によって、これらの機能や効果をさらに高め、災害に対する強靱(きょうじん)な道路ネットワークを確保し、救急医療活動の支援や地域などの発展に寄与するものと期待されている。
全長481㍍の1号トンネルの掘削は、佐藤工業(株)奥瀞1号トンネル作業所が施工。5月から準備を行い6月上旬から本格的に掘削を開始。約4カ月半の作業を経て、晴れて貫通の日を迎えた。
各自ヘルメットと長靴を装着した児童らは貫通発破の後、トンネル内に進入。同社職員や国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所職員らの案内を受け「コンクリートロボット」「タイヤショベル」「ドリルジャンボ」などの重機を間近で見学。トンネルが貫通される様子を目の当たりにし「貫通した」などと感嘆の声を上げて拍手を送った。
見学会を企画した同社の東田研次・奥瀞1号トンネル作業所長は「作業に当たり、地元の人にご迷惑をおかけした。見学会に参加いただくことで、少しでも地元の方々に貢献できると思った。皆さんに喜んでいただけてやりがいに結び付きました」と話していた。
今後、覆工などの作業を経て完成に至る。なお、奥瀞道路(Ⅲ期)の全体の完成時期は現在未定となっている。
(2022年10月9日付紙面より)
もとだてかづこさんが講話 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立勝浦小学校で7日夜、同校育友会(加味根央人会長)主催の講演会「今どきの性教育~子ども達に伝えてほしい性の話~」が開かれた。児童の保護者や教職員ら約40人が参加し、同町でかづこ助産院を営むもとだてかづこさんから近年の性教育に関する動向を学んだ。
もとだてさんは思春期保健相談士、性情報リテラシー教育協会認定講師などの資格を持ち、科学的根拠に基づいて性や人権、ジェンダー観、幸福などについて学ぶ「包括的性教育」の重要性について教育現場で発信を続けている。
この日は「なぜ子どもと性について話すのに抵抗があるのかというと、大人も正しい性についての教育を受けてこなかったからでは?」と問いかけ、日本の性教育の歴史を解説。2023年から全国の小中高校で「生命の安全教育事業」が展開されるなど、性教育の機運が高まっている現状を述べた。
子どもたちを性に関する知識から遠ざける従来の性教育を「大人世代が、人間と性の関係を履き違えている」と批判。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国際セクシュアリティ教育ガイダンスなどを示しつつ「正しい知識を教わった子どもたちは、自分を守る行動を取ることができる。性教育の基本は家庭であり『自分の疑問に答えてくれる』という信頼関係が重要。子どもから性について聞かれたときは、うそをつかず、ごまかさず、正直に話しましょう」と呼びかけた。インターネット上のゲームや交流サイト(SNS)を介した犯罪が増えていることにも言及し、大人世代が知識をアップデートしていく必要性を訴えた。
性教育に関連するお薦めの本の展示もあり、保護者たちが手に取って目を通していた。
(2022年10月9日付紙面より)
紀宝町立鵜殿小学校(前田幸利校長)は6日、3年生の学年活動の一環として「防災学習」を実施。3年生38人と保護者が地震から命を守るすべを学び、防災かるたに取り組んだ。
学年活動は新型コロナウイルスの影響で2年間中止となっていたが、3年ぶりに再開。新たな取り組みとして、対象学年の保護者を招き、子どもと一緒に学ぶ機会を設けた。年度末までに各学年でそれぞれの学習授業を行う。
3年生の学年活動は体育館で行い、県教育委員会の学校防災アドバイザー、渡邊喜内さんが防災講話。「南海トラフ地震は県内で震度5以上、熊野地域で6以上と想定されている。津波は伝わる速度が速く、繰り返し襲ってくる。揺れの大きさに関係なく地震が起きたら高台に逃げることが大事。普段から家族と避難場所などを話し合おう」と述べた。
「保護者が教えるのではなく、子ども自身が気付くことが大切。子どもと一緒に通学ルートを下見し、避難する場所や危険箇所などを調べ、危険回避能力を高めてマイ防災マップを作ってほしい」と呼びかけた。
日頃の備えが重要とし「自分の命は自分で守れる人、周りの人を助けられる人、早く正しい判断ができる人になってほしい」と求めた。
講話後、児童と保護者が一緒に防災かるたに取り組み、「あなどるな自然の猛威、破壊力」「海からの距離より高さ逃げる基準」「過去で得た防災知識未来を守る」などのかるたを取り合い、楽しく知識を増やした。
(2022年10月9日付紙面より)
近大新宮吹奏楽部がJR新宮駅で
新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校吹奏楽部(大川夢乃部長、部員28人)が8日、JR新宮駅で特別急行列車「WEST EXPRESS 銀河」を出迎え、ウエルカム演奏を披露した。
「銀河」は西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)が期間限定で運行する長距離列車で、鉄道の旅と当地方の魅力のPRを図っている。同校は「ふるさと学習」や希望生による「地域ゼミ」など、教育活動の中で観光や地域活性化について学ぶ場を提供しており、学校側からおもてなしへの協力を打診したという。
部員たちは「銀河」到着に合わせて「銀河鉄道999」の演奏をスタート。パフォーマンスも交えて「Let’s Swing!!」を披露し、駅員や市民らと共に乗客をもてなした。
大阪府から乗車した北野登志寛さん(26)と目黒佳奈さん(24)は「電車が好きで、やっとチケットが取れた。橋杭岩を見たり、この地域のお弁当で朝食を取ったり演奏をしていただいたりと、列車の旅はすごくよかった。那智の滝や熊野古道を巡る予定」と話していた。
(2022年10月9日付紙面より)
市制施行記念日に伴い (新宮市 )
新宮市制施行記念日(10月1日)に伴う令和4年度市政功労者表彰式が1日、市役所別館であった。田岡実千年市長が地方自治や社会福祉、消防水防などで市に貢献した個人12人と1団体を表彰。賞状と記念品を贈った。
この日をもって、旧新宮市が市制を施行して89年、旧熊野川町が町制を施行して66年、2005(平成17)年に旧新宮市と旧熊野川町が合併し、新しい新宮市が誕生してから17年を迎える。
この表彰は1977(昭和52)年度から始まり、本年度を含め個人1012人と102団体を表彰。2011(平成23)年のみ、紀伊半島大水害の被害を考慮し中止となっている。
式典では田岡市長が一人一人に表彰状を贈呈し「各分野で献身的な活動をいただき、地域社会の発展や住民福祉の向上、市の発展に多大なご貢献をいただき敬意を表します」とあいさつ。
新型コロナウイルス感染拡大防止に対する協力に感謝し「これまで先人たちが営々として築いてくださった故郷を守り、愛する新宮市のさらなる飛躍を切に念願したい」と述べた。
榎本鉄也・市議会議長は「今日の市政は、皆さま方が長年にわたって培ってこられた豊かな経験と弛まぬ努力、地道な活動の支えがあって築かれたもの。今後も豊富な経験を存分に生かし、変わらぬお力添えを」。
濱口太史・県議会議員は「皆さまのご活動はそれぞれの仕事の傍ら、市政や市民のためにボランティア精神を発揮されており尊いもの。市民の見本として引き続きご活躍を」と祝辞を述べた。
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表彰を受けたのは次の皆さん。
【社会福祉功労】
▽榎本友子=民生委員・児童委員として社会福祉のために尽力
▽中野末子=同
▽苅屋企世子=同
▽タウンガーデン=ボランティア活動を通じて地域の活性化・清潔な環境づくりに尽力
【産業経済功労】
▽打越 保=熊野川舟下りの船頭として観光産業の発展・振興に尽力
▽前田英利=農業委員として農家の地位向上と農業振興に尽力
▽植 豊治=同
【消防水防功労】
▽津呂 進=消防団員として消防防災活動に積極的に従事
▽中道活好=同
【保健衛生功労】
▽松本欣士=健康づくり地域推進員として健康増進活動に尽力
▽木下かや=学校の薬剤師として学校保健・健康教育に尽力
【教育文化功労】
▽湊川大介=教育委員として教育行政の向上に尽力
【特別功労】
▽(故)小池㬎二=新宮港埠頭株式会社で専務取締役・代表取締役社長として新宮港発展に尽力
(2022年10月2日付紙面より)
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で9月25日に開催された令和4年度読書推進フォーラムの中で、シンポジウム「ことばの力で想像力を~読書のむこうでみんなとつながる~」が開かれた。
佐藤春夫記念館の辻本雄一館長をコーディネーターに、那智勝浦町絵本の会「よむよむ」の伊藤松枝代表、「Youth Libraryえんがわ」留守番係の並河哲次さん、元新宮市立図書館司書の山﨑泰さんが登壇した。
「読書のむこうでみんなとつながる」というテーマについて、伊藤さんは「子どもは絵本や昔話から、その物語を自分の中に意味付けして取り込む力がある」と語り、紙芝居や絵本を通じてさまざまな感情と対峙し、共感力を育んでいく読み聞かせの重要性に改めて言及した。
辻本館長が「昔は『言葉』と『暴力』は対立的概念だったように思う。しかし昨今、特にインターネットの世界で『言葉の暴力』という問題が広がっている。言葉とは非常に難しく、恐ろしい一面を持っている」と問題提起。並河さんは「インターネットや資源の輸出入などで否応なく世界とつながっている時代だからこそ、コミュニケーションが重要」と述べ、「ふとした瞬間に本や読書と出合える場があることで、そこで言葉を獲得し、対立や分断を乗り越えていくきっかけになるのでは」と語った。
山﨑さんは、多くの郷土資料に当たって滝廉太郎が旧新宮女子高等小学校の祝賀歌を作曲した経緯を探ったエピソードを紹介し「郷土資料を残した人の多くは既に亡くなっている過去の人々だが、読書を通じて多くの著者と対話し、自分の中に多様性を育んでいくことができる。その多様性こそ、言葉の暴力にあらがう一番の基礎」と話していた。
(2022年10月2日付紙面より)
「銀河」3日から運転開始 (JR西日本 )
新宮市徐福のJR新宮駅で1日、長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の車両見学会があった。事前申し込み・抽選の上、見学の機会を得た親子連れや鉄道ファンなど約100人が参加し、瑠璃紺色の車体とくつろぎ感あふれる内装を見学。列車での旅に思いをはせた。
観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する長距離列車。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置している。紀南コースは昨年7月16日に運行を開始し、12月22日までの約5カ月間にわたり、延べ約3000人が乗車した。
紀南コース2年目の運行は3日(月)からで、今回は、海側座席を倍増するなど進化。県を挙げた「おもてなし」を充実させるなどして、さらに鉄道の旅と当地方の魅力のPRを図っていく。
運行開始初日は、午後9時15分に京都駅を出発し、翌4日(火)午前9時37分に新宮駅に到着する。新宮駅発の初便は5日(水)午前9時50分。新型コロナウイルス感染症の状況により変更となる場合があるが、来年3月8日(水)までの間で夜・昼行それぞれ36本の運行を予定している。
運行開始に先立ち、JR西日本では試運転期間中であるこの日に車両見学会を企画。100人の定員で希望者を募ったところ、県内外から201通565人の申し込みがあった。
この日、同駅では参加者らが7班に分かれて見学。「きれいやね」「広い」などと口にしながら、スマートフォンやカメラを手に写真や動画を撮影していた。また、駅前では見学会に併せて和歌山大学・自主学生プロジェクト「きのくに線活性化プロジェクト(きの活)」が、鉄道玩具「プラレール」を用いた交流会を実施。子どもたちは興味深げにジオラマの町並みを疾走する電車に見入っていた。
(2022年10月2日付紙面より)
熊野古道巡礼旅復活プロジェクト
伊勢神宮から熊野那智大社までの200㌔を歩く「熊野古道巡礼旅復活プロジェクト」の参加者が9月30日、紀宝町を踏破した。10月2日には那智勝浦町の青岸渡寺を目指す。
熊野古道伊勢路は伊勢から熊野にわたる全長200㌔余りの長い巡礼路で、一部に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」が含まれている。昭和初期まで実際に巡礼利用されてきたといわれ、現在も熊野街道・熊野古道と結ばれ、当時から続く1本の道が続いている。
伊勢から熊野への巡礼旅の未来の可能性を探ることを目的とした、大杉谷自然学校(大西かおり校長)によるプロジェクトの第1弾。9月20日からスタートし、伊勢を出発して11日かけて紀宝町入りした。
この日は6人が世界遺産の七里御浜、熊野川沿いを歩き自然豊かな風景を満喫。鮒田から三反帆(さんだんぼ)の川舟に乗り、御船島を1周して新宮市の熊野速玉大社に出向いた。
三重県を踏破した大西校長は「豪雨の中を歩いた日もあったが、熊野川に着いて感慨深い思いがある」と話していた。
(2022年10月2日付紙面より)