那智大社で献湯祭 (南紀勝浦温泉旅館組合 )
南紀勝浦温泉旅館組合(清水貞吾組合長、組合員10館)は29日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で「献湯祭(けんとうさい)」を営んだ。組合員らが参列し、朝一番に源泉からくみ上げた温泉水を神前に奉納した。
おととし、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から宿泊客の参列参加や餅投げを行わず、規模を縮小して実施した。
神事では各旅館の代表者らが15個のたるに入れた源泉の一番湯を順に神職に手渡し供えた。
清水組合長が組合員を代表して玉串をささげた。一同は自然の恵みに感謝し、業界の繁栄とコロナ終息を祈願した。
神事を終え、男成宮司は「コロナ禍の厳しい状況は続いているが、大神様のご神徳、ご加護を頂き、それぞれの旅館のご繁栄と組合の発展をお祈りしております」と話した。
清水組合長は「全国旅行支援が始まり、観光にとって追い風が吹いている。温泉は持続可能な資源。コロナ終息と、一人でも多くのお客さまに来ていただけるよう大神様に祈願いたしました」。
今後については「コロナ禍前と比較して宿泊客は減少している。しかし、行動制限や入国制限の緩和、県内での行事や道路の完成などもあり、国内外からの多くの来町に期待している。世界遺産と勝浦温泉、生マグロを全国的に広めて町の発展に努めたい」と抱負を述べた。
同組合によると、組合員10館の収容力は840室で、3400人だという。
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献湯祭を終えた一同は那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)に向かい、物故者追善法要を営んだ。
45回目を迎えた法要は南紀勝浦温泉の礎を築き上げ故人となった経営者や従業員などの功績に感謝し、冥福を祈るもので髙木住職と髙木智英副住職らが読経を行った。
清水組合長が「礎を築かれた皆さまに感謝するとともに、組合員一同、創意工夫をもって業績の向上に励み、観光産業の発展に努力します」と追悼の言葉を述べた。
(2022年10月30日付紙面より)
マイナンバーカード (新宮市 )
新宮市、新宮税務署(河野武署長)、新宮納税協会(横手章郎会長)は合同で29日、新宮市橋本のイオン新宮店に、マイナンバーカード出張申請所を開設した。市民が多数訪れ、協力を得て申請を行った。
交付率向上を目指した取り組み。新宮市の交付率は9月30日現在で、42・3%となっている。同店の一角にブースが設けられ、新宮市の職員が申請に協力した。顔写真の無料撮影や、条件を満たす場合はカードを郵送で受け取れる手続きも行えるようになっていた。申請希望者が開設時間前から並ぶような状況だった。
新宮税務署と新宮納税協会は、買い物客に啓発物資を手渡して周知した。マイナンバーカードのほか、納税などのオンラインサービスであるe―Taxの案内も行った。「マイナンバーカードはお持ちですか。今、出張申請を行っています」などと呼びかけていた。
田岡実千年市長は「市としても、マイナンバーカードの普及に力を入れている。いろんな使い方ができるようになるので、早めの取得をお願いします」。河野署長は「今ならマイナポイントももらえるほか、取得すればe―Taxで、確定申告がスマートフォンなどで簡単に行えるようになる。この機会にぜひ」などと話した。
三輪崎から訪れて申請した山本八千代さんは「今ならポイントも付くし、保険証も兼ねるようになるというので来た。写真も撮ってくれるし、手続きも簡単だった」と語った。
新宮市は他にも、夜間や日曜の窓口開設、企業や団体向けの予約制出張申請所開設にも取り組んでいる。問い合わせは、新宮市市民窓口課(電話0735・23・3333)。
(2022年10月30日付紙面より)
リカ・ハマグチさんが講演 (太地町 )
太地町公民館は26日、文化講演会「ブルームと紀南―現代アボリジニー舞踊表現について―」を開催した。同町と姉妹都市であるオーストラリア・ブルーム出身でダンサーとして活躍するリカ・ハマグチさん(29)が講師を務め、真珠漁業がつなぐブルームと紀南の関係やつながり、自身が取り組むアボリジニ文化を現代的な舞踊で表現するダンスパフォーマンスなどについて講演した。
リカさんはオーストラリアを代表する現代舞踊グループ「バンガラ舞踊団」の主役ダンサーを務めたほか、今年の西オーストラリア州観光キャンペーン映像に出演するなど、幅広い活動を展開している。
これまでにも舞踊グループとして日本を訪れたことはあるが、個人での来日や自身のルーツに当たる那智勝浦町下里出身の祖父、故・浜口博司さんの故郷を訪ねるのは初だという。
真珠漁業に参加するため、日本人を含むアジアやヨーロッパの多くの人々がブルームを訪れたことについてリカさんは「さまざまな民族が交じってブルームはユニークな場所になった。先住民のアボリジニやアジア、ヨーロッパの人々の子孫がたくさん住んでいる」と話した。
過酷な真珠漁において、長年ダイバーとして活躍していた寡黙な祖父に触れ、ダイバー引退後はアジア人初の真珠養殖業のオーナーになったことや、日本語を教えてくれたことなどを振り返った。
太地町とブルームの姉妹都市交流事業ではリカさんのいとこも同町を訪れ、ホストファミリーとして同町の子どもたちを迎え入れたことを挙げ、「私は参加していないが、交流事業が今も続いていることがうれしい」と笑顔を浮かべた。
今回、祖父の故郷や親族とも会ったリカさん。紀南の地や海に自身が生まれ育ったブルームを感じ、ふるさとのような感覚を持ったと話す。
家族や親戚らと過ごした様子や歴史ある舞踊グループの詳細、ダンサーとしての活動、ダンスについて、写真をスライドに映し出し解説。
毎年観光客でにぎわう祭りの様子やオーストラリアの自然、多くの文化が混じり合っているブルームにおいて、日本との共通点やアボリジニの文化の影響が非常に強いことなどを紹介した。
リカさんは「祖父の故郷を訪ね、親族にも会うことができた。皆さまに歓迎していただき、心が温まった。今後、交流の機会があれば、踊りの披露もしたい」と締めくくった。
26年前、実際に博司さんとも面識がある江﨑隆司公民館長は「リカさんのような若い方々が紀南とブルームの架け橋になってくれたらうれしい」と話していた。
(2022年10月30日付紙面より)
相野谷診療所に研修センター開設 (紀宝町 )
紀宝町が町立相野谷診療所に設置した紀宝町地域医療研修センター「KITCHEN(キッチン)」の開設式が28日、同町役場であった。「地域医療を学べるまち紀宝町」をスローガンに、医学生・研修医の受け入れ、地域医療講演会や研修会、町民への学びの普及を通して、町全体で地域医療と地域包括ケアシステムを充実させていく。
県地域医療研修センター(鈴木孝明センター長)と連携して、県内の総合診療医育成、町内事業所のスタッフ育成、町民教育・健康普及活動に貢献し▽安心できる▽実践できる▽継続できる▽成長できる▽共有できる―学びを提供する。
相野谷診療所の森本真之助所長がセンター長、くまのなる在宅診療所の濱口政也院長、町遠隔業務支援医(リモート医)で脳神経外科医・脳卒中専門医の角谷美帆医師が副センター長を務める。
開設式には協力連携事業所、町の関係者30人が出席し、西田健町長が「町の未来のため、皆さんと一緒に事業を進め『住んで良かった』と思ってもらえる町を目指していきたい」とあいさつ。
森本センター長は「紀宝町の地域医療は介護、教育にも貢献できる。教育環境の整備を皆さまへの感謝としたい。一緒に勉強する組織を目指していきたい」と述べ、「無限の〝楽しい〟を育む学びの台所」との意味を込めて「KITCHEN」と名付けたと伝えた。
今後、町が主体となってポストコロナ時代に求められる優秀な医療人材を育成し、研修センターを通して地域包括ケアシステムの発展と充実、在宅医療の推進などを目指していくという。
(2022年10月30日付紙面より)
新宮市徐福のJR新宮駅前広場で6日、市が新たに導入したEバイク(電動アシスト自転車)の披露記念式典があった。田岡実千年市長や、信金中央金庫大阪支店の松山真一朗次長、飯尾裕太郎上席調査役、漁野理子さん、新宮信用金庫の浦木睦雄理事長、市観光協会の里中陽互会長、熊野川町ふれあい公社の下阪殖保代表理事がテープカットを行い、自転車を通した観光活性化に期待を込めた。
自転車観光の推進を目指し「市自転車活用推進事業」を進めている同市。今年2月、信金中央金庫が実施する地域創生支援スキーム「SCBふるさと応援団(企業版ふるさと納税)」において、新宮信金の推薦により2021年度の寄付対象事業に同市を選定。同事業への活用にと1000万円を寄付した。
寄付金を元に、市では2カ年にわたって事業を展開。本年度はBESV(ベスビー)社製10台、ブリヂストン社製4台の計14台のEバイクを導入し、市観光協会、熊野川温泉さつき、小口自然の家の3カ所に配置する予定。来年度は11台を追加導入するという。
レンタル料金は3時間までが3000円、1日で5000円。配置時期については未定だが、職員らに対するレクチャーは諸手続が完了し次第、おおむね来月ごろを予定している。
式典では、田岡市長が新宮信金と信金中央に感謝を伝え「サイクルツーリズムは、コロナ禍においても人の接触や3密回避に有用であり、新しい旅行スタイルの手段としても大きく活用できるものと期待している」とあいさつ。
「今後、新宮信用金庫さまをはじめ、市内の関係団体や企業と連携しながら、持続可能な観光地域づくりを推進し、地域活性化を図っていきたい」と誓いを新たにした。
松山次長は「信金中央金庫は全国に254ある信用金庫からの出資によって設立された機関であり、2020年に創立70周年を迎えた。本店は東京にあるが、われわれの生みの親である新宮信用金庫のあるこの新宮市は、われわれにとってはふるさとに当たる」。
「寄付を通してEバイク導入のお役に立てたということは大変うれしいこと。市全体の地域活性化につながっていくことを期待しています」と思いを語った。
市は、自転車の活用推進について、新しい旅行スタイルの手段としての活用のほか、市民の健康増進、環境負荷の軽減、災害時における交通機能の維持など、さまざまな社会的な問題に対応できるものとして位置付けている。
(2022年10月8日付紙面より)
下里小で不審者対応訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長、児童71人)で5日、不審者対応避難訓練が行われた。校内に不審者が侵入した場合を想定し、教職員が全校児童を速やかに避難させながら、110番通報や制圧訓練に当たった。
同校は新宮警察署の協力の下、毎年訓練に取り組み、新1年生には防犯教室を実施して不審者からの声かけ・連れ去りに適切な行動が取れるよう対策している。
訓練では、グラウンドに面した2年生の教室に「娘を捜している、会わせろ!」と騒ぎ、棒を持った男が侵入。担任教諭が児童に避難を指示して対応に当たり、異変に気付いた隣の教室の教諭が通報ブザーで職員室に危険を知らせた。児童は校内放送が鳴ると落ち着いて扉に鍵がかかる体育館などへ避難。教職員は刺股を持って現場へ向かい、警察官が到着するまでの対応をした。
生活安全刑事課の中濱智厚警部補は全体を振り返り「非常によかった。児童は静かに素早く避難できており、見に戻るような行動もなかった。毎年の訓練の成果で、先生方の練度も高まっている」と講評。全校児童に「不審者から腕をつかまれたりする前に距離を取り、危険を感じたらすぐに大きな声で助けを求めて。もしものときは『きしゅうくんの家』へ避難して」と呼びかけた。
教職員対象の刺股訓練では、持ち方やけん制のし方、武器を持っている場合の対応などを練習。2年生担任の河野美麻教諭は「訓練と分かっていても、不審者に対応するのは恐怖心があった。しっかり対応が取れるよう、訓練に取り組みたい」と話していた。
(2022年10月8日付紙面より)
広域商工会東牟婁協議会(森川起安会長)主催の講習会「創業セミナー〈串本会場〉」が5日夜に串本町商工会館であり、一般11人が起業に成功するための発想を教わるなどした。
この講習会は伴走型小規模事業者支援推進事業の一環。経営の基本を学びたい人、独立開業を目指している人、創業後5年未満の人、副業を検討している人など起業に関心がある一般を対象に踏まえるべき事項を一通り伝える場として計画し、同協議会を構成する串本町、古座川町、南紀くろしお、北山村の各商工会管内で受講を呼びかけた。
キャッチフレーズは「あなたの夢を形に!あなたの夢をサポート!」で、当日は株式会社紀の州コンサルティング/三和社会保険労務士事務所代表取締役の濱田智司さんが講師として登壇。管内以外からの受講希望にも応え、各商工会の経営指導員らや起業支援関係者も同席する形で開講した。
冒頭、起業時に接点を持つことになる日本政策金融公庫田辺支店、串本町産業課、全国労働保険事務組合連合会和歌山支部の各代表者がそれぞれの支援内容紹介を交えてあいさつ。次いで登壇した濱田さんは「創業には強い決意が必要」と話を切り出し、その理由として起業の過程には思い至らずの困難が必ずあり、直面したときにくじけず踏ん張って乗り越えるためだとした。
以降、事業を軌道に乗せるまでの筋道(計画)を自身の人生や経験、支えてくれる周囲や家族とも照らし合わせて開業後の多忙な中ではなく開業前の時間が得やすいうちに組み上げておく(そうそう組み上げた通りにいくものではないが、踏ん張る上での大きな力となる)など、自他の起業経験も織り交ぜて起業を成功しやすくする発想の数々を約2時間30分の時間に詰め込んで受講した一同に託した。
同会場に続き勝浦会場が6日夜に那智勝浦町商工会館で開かれ、こちらは一般6人が受講したという。
(2022年10月8日付紙面より)
太田小で福祉委員と学習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立太田小学校(上地巳奈子校長)で4日、太田地区福祉委員会の岡本美智子さんらとの学習があり、5、6年生7人が「高齢者と共に豊かに生きるために」をテーマに考えた。
同小の児童は昨年から地域の高齢者ら約90人に毎月手紙を書いている。手紙は福祉委員らが見守り活動時に届けており、岡本さんは「皆さんとても喜び、大切に保管している」と紹介した。2グループに分かれて「自分たちにできること」を話し合う時間もあり「あいさつや声かけで自分たちの思いを伝える」「写真を届けるのは?」などの意見が出された。
加苅心優さん(6年)は「高齢者の方々が、できるだけ自立したいという思いを持っていることが分かった。先月の手紙では、運動会があるので来てくださいと書いた」。
岡本さんは「子どもたちが地域の方々を思いやってくれているのを感じた。今後、児童と一緒に高齢者の方々のお宅を訪問するような活動ができれば」と話していた。
(2022年10月8日付紙面より)
和道流空手道連盟全国大会 (和道流空手道新宮支部 )
全日本高校女子サッカー選手権和歌山大会