佐川急便で不審者発見・通報訓練 (和歌山県警 )
新宮市王子町の佐川急便㈱新宮営業所で25日、不審者発見・通報訓練が行われた。和歌山県警察本部生活安全部・生活安全企画課職員や新宮警察署員が協力。訓練を通して、相互の連携と不審者発見時の対応力強化を図った。
県警と同社は、犯罪のない安全安心な社会の実現を目的とし、今年8月26日に「地域安全に関する協定」を締結。同社と県警本部が協定を結ぶのは全国初で、同社は子どもの見守りや特殊詐欺被害の防止、犯罪などを認知したときの通報などの面で協力体制を図っていく。
協定により、同社では和歌山、高野口、田辺、新宮の県内4営業所の管理職が、防犯情報や子どもの安全情報などを提供する、県警の「きしゅう君の防犯メール」に登録。防犯メールで不審者情報などを得た場合に社内のネットワークで社員間で情報を共有し、配達時などに不審者を発見した際には速やかに110番通報する体制づくりを行っていく。
協定締結時より順次、各営業所で訓練を実施しており、新宮営業所では不審者情報の防犯メールを受信した従業員が不審者を発見。110番通報し、現場に駆け付けた警察官に不審者の特徴などを説明するまでの一連の流れを確認した。
特殊詐欺被害防止訓練では、焦った様子で荷物を持ち込んだ利用者に対して、窓口対応社員が特殊詐欺被害の可能性があると判断し、封筒の中身を利用者に確認するとともに通報。
現場に到着した警察官が「現金が入っているのでは」「詐欺の可能性がある」などと、利用者に扮した警察官に説得を試みるなどした。
生活安全企画課の中西史・課長補佐は「実際に現金を送ってしまった事例が発生している。窓口利用者の対応が難しいようなら警察に通報を」などと呼びかけた。
訓練を終え、小川純一郎所長は「実際に封筒の中に現金が入っているのか判断するのは難しいが、少しでも不審だと感じたら特殊詐欺が発生していることを伝えてあげることが必要だと感じた。協定締結を機に、お客さんへの声かけを強化し、今後も警察に協力していければ」と話していた。
(2022年10月27日付紙面より)
紀州らんちう同好会(植松啓会長)は23日、新宮市の三輪崎漁協魚市場で3年ぶりとなる品評大会を開催した。熊野地方をはじめ大阪や京都、福井などから愛好家18人が76匹を出品し、美しさを競った。
らんちう(蘭鋳、蘭虫、らんちゅう)とは金魚の一種で、江戸時代末期から明治にかけて和金を品種改良したもの。「泳ぐ宝石」とも呼ばれ、世界各地に愛好家がいる。
植松会長は「3年ぶりの開催ということで、皆楽しみにしていた。この日のために日々飼育をしている」と喜びを語り、審査について「基準はさまざまあるが、尾の美しさが7割で、バランスや泳ぎ方、形なども重要。長年続けていても入賞できないこともあり、飼育のセンスが問われる」と語った。
品評会には当歳魚(1歳未満)、弐歳魚(1~2歳未満)、親魚(2歳以上)の3部門があり、日本らんちう協会西本部の小林保治副部長が審査。上位入賞魚には大関、関脇、小結など相撲と同じ番付が与えられた。入賞魚が白いおけに並ぶと、愛好家や見物客らが美しさに見入っていた。
(2022年10月27日付紙面より)
三重県消防協会紀南支会による消防団学校講座が25日、紀宝町立成川小学校(大藤伸之校長、児童54人)であり、全校児童が放水、初期消火訓練を体験した。
地域住民の生命と財産を守る消防団の活動を学び、体験するとともに消防団員との交流を図ることを目的に2007年度から実施。同校には紀宝町消防団の逢野統一団長と第2分団の疋嶋康男分団長、成川班の6人が訪れた。
2、3年生対象の講話で疋嶋分団長は「私たち消防団員は普段、普通の仕事をしていて、火事や台風、地震などが起きたときに活動します」と説明。町消防団には160人、成川班には21人が所属しているとし「紀宝町では6人の女性消防団員もいます。18歳になったら消防団に入ってください」と呼びかけた。
児童たちは「消防車庫には何が入っていますか」「どんな訓練をしますか」などと質問。疋嶋分団長は「車庫には消防車、移動式ポンプ、ヘルメットなどが入っています」「敬礼や消防車からの放水、ポンプ操作、土のうの積み方などの訓練をしています」などと答えた。
この後、全校児童が運動場に集合。1~3年生は水消火器による初期消火訓練に取り組み、4~6年生は団員のサポートを受けながらホースを握り放水訓練を体験した。熊野市消防本部紀宝分署も協力し、消防車両を展示。児童たちは子ども用防火服を身に着けるなどした。
(2022年10月27日付紙面より)
神倉小3年が社会科授業 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)の3年生58人は25日、同市井の沢のハイマートを訪れた。児童は鮮魚部主任の西畑直行さんから仕事内容や取り組みなどについて教わった。
社会科授業の一環で、地域のために働く職業について実際に話を聞き、見学や体験を通して仕事への理解を深めることを目的に実施。地域に密着した働く姿勢を実際に肌で感じてもらおうとハイマートに依頼し実現した。この日はクラス別の2グループに分かれて行われた。
到着した児童は鮮魚や総菜、野菜などの各コーナーや店員の作業を見学。気付いたことや店内にある商品の配置図を熱心に書き留めていった。
質問コーナーでは「よく売れる品物は何ですか?」「どうやって商品の場所を決めていますか?」「お客さんが多く来る時間はいつですか?」などが挙がり、西畑さんは丁寧に回答した。
植松樹香(このか)さん(8)は「普段は分からない作業場の様子を見ることができて楽しかった。お店には来たことがあるけど、いろんなことをしているのが分かって勉強になった」。
西畑さんは「積極的に質問するなど、子どもたちが興味を持ってくれているのが分かりました。授業を通じて、改めて食の大切さを忘れないでもらえれば」と話していた。
(2022年10月27日付紙面より)
世界遺産プロレス熊野那智伝説 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の那智の滝・三重の塔前特設リングで16日、「世界遺産プロレス熊野那智伝説 那智の滝大会」が開催された。同町観光大使で「那智の滝」と名付けた得意技を持つプロレスラー・崔領二(さい・りょうじ)選手の他、総勢21人が力と技のぶつかり合いで観客を魅了した。
2007年の第1回大会から15年ぶりに実現。崔選手が代表を務めるランズエンドプロレスリングが主催し、那智山青岸渡寺、熊野那智大社、那智勝浦町、(一社)那智勝浦観光機構、勝浦ライオンズクラブ、南紀くろしお商工会、(一社)新宮青年会議所の後援を受けて開催にこぎ着けた。
開会に当たり髙木亮英住職が「世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』にもなっている当地は、古くから日本第一霊験所として多くの人々が訪れ、最高の修行の地とされてきた。選手、また参集の皆さまが心身ともに健全であられることを祈っている」とあいさつ。
試合前にはTeam雅龍によるよさこいや新宮ジュニアレスリングクラブの子どもたちの「ちびっ子プロレス体験」などの余興もあった。
地元からは古座川町の「闘う観光協会長」ことジャイアン貴裕選手が、KAMIKAZE選手、旭志織選手と共に第3試合「NCK世界6人タッグ選手権」に出場。観客から「負けるなジャイアン!」と声援が飛んだ。
第5試合では崔選手、ディラン・ジェイムス選手、兼平大介選手がほら貝とともに三重の塔から入場。土肥孝司選手、熊嵐選手、石切選手チームと1時間にわたる激闘を繰り広げ、最後は崔選手が「那智の滝」からの片エビ固めで勝敗を決した。
試合後、崔選手は「ここ熊野は蘇(よみがえ)りの地。全てを失った人、失敗を経験した人が、何度だって立ち上がり、やり直すことができる場所です。選手全員、熊野が、那智が大好きです。皆さんからもらった元気を、またこの地で恩返しがしたい」と熱く語った。
(2022年10月19日付紙面より)
町道井田本線が1車線に (紀宝町井田 )
紀宝町は紀宝警察署と連携して、井田地区の町道井田本線(通称・旧国道)で車のスピードを抑えるため、グリーンベルトを整備。車道が狭くなったことから、同署は2車線から1車線に変更した。
整備、変更した区間は馬場地交差点から1・2㌔間。小中高校生の通学路、生活道路として車両、歩行者、自転車の利用が多く、以前から町に交通安全対策の要望があった。
要望を受け町では昨年度、紀宝署、井田区、井田小学校、矢渕中学校、井田保育所と協議し、グリーンベルト設置と1車線化を決めた。社会資本整備総合交付金事業として交通安全工事を進め、このほど完成した。
グリーンベルトは、運転者に歩行者や自転車が通行する道路だと分かるための緑色のカラー舗装。町では「緑の舗装でドライバーに注意を促しています。1車線になり、車道が1㍍狭くなりました。制限速度30㌔を守った安全運転をお願いします」と呼びかけている。
紀宝署は生活道路対策の一環として実施。「1車線にしたことで速度抑制につながったのか、今後検証していく。変化がなければ町、地元と協議して追加対策を考えていく。ドライバーは速度を落として歩行者、自転車利用者に気を付けて通行してください」とコメントした。
(2022年10月19日付紙面より)
人権の花運動最優秀賞伝達 (古座川町 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)で14日に第40回和歌山県人権の花運動写真コンテスト最優秀賞の伝達式があり、額装した賞状と作品が届けられた。
この運動は、和歌山地方法務局・県人権擁護委員連合会・県・県内全市町村・県人権啓発センターで構成する団体「県人権啓発ネットワーク協議会」が主催。博愛や思いやりを花言葉とするチューリップを人権の花と位置付け、みんなで育てることを通して協力や感謝の大切さや生命の尊さを実感し人権尊重思想を含めて情操を豊かに培う目的で県内の小学校(相当する学校を含む)へ通う児童に取り組みを推奨している。
その励みとして実施しているのが花盛りと育てた児童を撮影した写真を対象とするコンテスト。年1回作品を募集していて、今回は114校から応募があり10校を最優秀賞、40校を優秀賞、64校を奨励賞に選んで児童の頑張りをたたえている。
高池小の児童は新入生を迎える花としてチューリップを育てていて、本年度も園芸委員を中心に6年生10人で上級生が植えた苗を引き継ぎ、大切に育てて生き生きとした花を咲かせた。その写真を応募し、前年度に続いて最優秀賞に選ばれた。
この日は同法務局新宮支局の原宏和支局長と新宮人権擁護委員協議会の垣本正道会長が同町担当の人権擁護委員3人と一緒に来校。園芸委員4人が出迎え、原支局長から賞状、垣本会長から作品を受け取った。リーダーの原くるみさん(6年)は「去年の6年生と同じように自分たちももらえてうれしい。来年の6年生ももらえるよう、球根を植え頑張って育てたい」と喜びを語った。
そのような児童とじかに接して原支局長は「少人数なのに一生懸命育て、きれいに咲かせてくれてありがたい限り。これからも思いやりを大切にして育ってくれれば」、垣本会長は「この運動は支局長が伝えた花言葉『思いやり』に尽きる。その気持ちを大事にして来年も頑張って育ててほしい」と今後を期待した。
(2022年10月19日付紙面より)
1月末まで漁続く (新宮市三輪崎 )
新宮市の三輪崎漁港で18日、今期のイセエビが初水揚げとなった。前年比では少ないものの、まずまずの漁獲量だった。漁は来年の1月末まで続く。
和歌山県資源管理課によると、イセエビは5月1日から9月15日までが禁漁期間のため、9月16日ですでに解禁となっている。ただ実際の漁期は資源保護の関係で地域ごとに異なり、三輪崎では今期は17日に初めて刺し網を仕掛けていた。
三輪崎ではかつて、12軒がイセエビ漁を行っていたが、今では6軒となっている。18日はこの6軒の家族など50人ほどが集まっていた。沖から船で運ばれてきた刺し網を引き揚げ、網にかかったイセエビを採取。針の先が逆Jの字に折れ曲がった「カギ」と呼ばれる道具を用いて、足や触覚が折れないように、丁寧に取り外していた。
網から外したイセエビは計量し、サイズごとに選別した。この日の水揚げ量は90㌔強だった。昨年は200㌔程度あったため、半分以下という。水揚げしたイセエビはいけすに入れて海に戻し、元気を取り戻した後日に競りを行うとのこと。
三輪崎漁業協同組合の海野義尊代表理事組合長(72)は「昨年はそこそこ量があったが、今年は少ない。宇久井や古座も少ないと聞く。イセエビだけでなくアワビなども少ない。黒潮が遠い関係で水温が上がり、藻が枯れていった影響ではないか」と話した。
(2022年10月19日付紙面より)