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2022年08月25日
1 大地には自然の脅威もある 後誠介さんが「紀伊半島大荒れ」を出版 (那智勝浦町)

 那智勝浦町在住で和歌山大学客員教授(災害科学・レジリエンス共創センター)、南紀熊野ジオパーク推進協議会学術専門委員を務める後誠介さんが30日付で「紀伊半島大荒れ 大地の成り立ちからみた豪雨災害」(はる書房)を出版する。前作「熊野謎解きめぐり 大地がつくりだした聖地」の姉妹本の位置付けとなる今作について後さんは「前作では大地の成り立ちによってできた熊野の景観や霊場の魅力を伝えた。今回、大地には災害という自然の脅威があることをつづっている。前作が表、今回が裏になる」と話している。

 本作は紀伊半島を襲った過去の大水害に着目し、自然災害が大きな災害へとなる仕組みなどを詳細に解説し、後さんが各地で実施した防災講演の内容を基に書き改めたものだ。また、カバー絵に使用している「新宮川水系図」は後さんが自身で手がけている。

 これまで後さんが本紙で発表した記事や論文を用いたコラムも掲載されている。写真は自身が撮影したものに加え、那智谷大水害遺族会や本紙が提供している。

 本はA5判並製の120㌻カラー(ISBN978―4―89984―202―6)。税込み1430円。3章立てで、「伝えたい災害の記憶」「ちょっとひと休み」「これも知っておこう」などのコラムも掲載。「でき方の違う大地は壊れ方が違う」という点に着眼し、大地の成り立ちから豪雨災害を考える内容となっている。

 「平成の大水害は地形図と地質図がそろっており、大地の成り立ちという視点から豪雨災害を考えることができた」と後さん。

 第1章「あっという間に避難できなくなる……」では平成の紀伊半島大水害において、事態急変の原因やその根底に迫り、被災者の体験談や土砂災害からの避難情報を課題として取り上げている。

 第2章「土砂災害を引き起こしたカギは?」は多発した大規模崩壊と土石流の特徴や紀伊半島の大地の成り立ちをひもとく。「大規模崩壊が北向き斜面で多発」「大きな岩塊を伴う土石流は南向き斜面で多発」「雨量が多かった北山川の上・中流域では崩壊の規模・頻度が低かった」など、紀伊半島大水害の「3つの不思議」を解説。

 第3章「避難のタイミング」では、明治、昭和、平成に繰り返し紀伊半島大水害が発生している点に触れるとともに、「土壌雨量指数」が370~480で岩塊を含む土石流や大規模崩壊が発生していることなどを分かりやすく記した。

 前作に引き続き、同町在住の新聞記者・須川達也さんが本の構成についての提案や助言を行い、新宮市在住のアーティスト・平野薫禮(ぐれ)さんがキャラクターやイラストを描いている。

 後さんは「地質学は歴史科学。新たな視点を加えて、合理的根拠の下に本を執筆した。市町村や学校の職員の皆さま、防災や自然保護に取り組む方々に読んでいただけると幸いです」と語った。

 本は和歌山県内や三重県では販売されており、東京や大阪などの全国書店は30日(火)から販売される。通販サイトのアマゾンでは現在、予約を受け付けている。

 熊野新聞社新宮本社でも若干数販売している(税込1430円)。直接引き渡し。現金のみ。なくなり次第終了。

(2022年8月25日付紙面より)

「紀伊半島大荒れ」を出版する後誠介さん
2022年08月25日
2 打ち上げ見据えて試乗会
 観光クルーズの模索進む  (串本町 )

 海上からのロケット「カイロス」打ち上げ見学を見据えた観光クルーズ事業化の模索が串本町内で進んでいる。その当事者による試乗会が21日にあり、想定航路一帯に理解のある関係者に乗船と事業化に向けた意見の協力を求めるなどした。

 このクルーズは昨年9月、必要性を見越した南紀串本観光協会が前述した見学にも対応できる内容を組んで試行。後にその形を収益事業化して町を盛り上げたいと考え旅行業務取扱管理者資格を取得した令和トラベル(岡本将和代表)と漁船「光芽那丸」(瓜田有冶船長)が名乗りを上げ、同協会はその支援協力をする立場に回って実現を目指している。

 現在はクルーズの催行に必要な条件が整った段階で、内容の立案~商品化が目下の課題。今回の試乗会は巡航先にある各地域資源への理解がある関係者から事業化に向けた意見をもらって内容を磨く趣旨で計画し、同協会の仲介で東牟婁振興局や南紀熊野ジオパークセンター、役場産業課や企画課の各職員が協力した。

 当日は和歌山東漁業協同組合の協力で乗降しやすい同組合串本本所の浮桟橋を発着場所とし、橋杭岩~紀伊大島金山下の海食洞~箱島付近〈ロケット「カイロス」打ち上げ見学海域〉~くしもと大橋一帯を巡る約1時間の内容で実施。ガイドも同乗する予定だったが都合がかみ合わず中止となり、瓜田船長は想定時間に沿って船を進めることに専念し、同協会の宇井晋介事務局長と岡本代表が各巡航先で関係者の意見を聞く形で成果を目指した。

 同日現在、催行開始のめどは未定。12月のロケット「カイロス」打ち上げ開始が濃厚視される状況にあり、間に合わせる形で事業としての実動を目指したいとしている。

 主導する岡本代表は「浮桟橋を使わせてくれる和歌山東漁協の組合員優先で利潤が回る体制にしたい」として引き続き従事する漁船の裾野を広げたい考え。さらに収益事業としての安定を図るため、打ち上げ見学以外の内容も複数考えて利用頻度を高めることも今後に見据えて臨んでいる。

(2022年8月25日付紙面より)

各巡航先に理解がある関係者の協力を得て実施した試乗会の様子=21日、串本町沖
箱島付近の打ち上げ見学海域で意見を交える関係者ら
2022年08月25日
3 「笑顔」が永遠のテーマ
 「広報きほう」が200号迎える  (紀宝町 )

 紀宝町が毎月1回発刊する広報紙「広報きほう」が9月号で200号を迎えた。企画調整課の2人が担っており、大森菜央さんは「担当して1年4カ月になります。今回、200号を迎える上で歴代担当者や町民の皆さんに話を聞いて、その思いも実感できた。皆さんの思いを受け継いで、これからも親しまれる紙面をつくっていきたい」、愛野裕基さんは「内閣総理大臣賞受賞後に担当が決まり、プレッシャーしかなかったが、一生懸命取り組んできた。今後も大森さんをサポートしていきたい」と話す。

 広報きほうは、当時の鵜殿村と紀宝町が合併した2006年1月の翌月から発行。これまで県広報コンクールで幾度も特選に輝き、全国コンクールで最高賞の内閣総理大臣賞を受賞するなど数々の賞に輝いてきた。

 毎年12月号で特集を組んでおり、2019年度の「LGBT」、20年度の「老いじたく」が2年連続で総務大臣賞を受賞した。

 記念すべき200号では、見開き2㌻で歴代担当者や町民へのインタビュー、配布されるまでの流れなどを掲載した。

 16年にわたり町の情報を発信し続け、発刊100号の際、広報きほうの永遠のテーマは「笑顔」と紹介した。現在担当する2人は「これからも楽しく、伝わりやすい広報を目指していきたい」と口をそろえた。

(2022年8月25日付紙面より)

「これからも楽しく」と笑顔を見せる広報担当の大森菜央さん(右)と愛野裕基さん
2006年2月の「広報きほう」第1号
2014年5月に迎えた100号
2022年08月25日
4 思い思いの作品が完成
 中央児で夏休み工作  (新宮市 )

 新宮市野田の中央児童館で22、23の両日、夏休み工作「牛乳パックランタンを作ろう」があった。同館に登録している小学1~4年生19人が手作りのランタンを作った。

 子どもたちは職員から使用する材料の紹介や作り方、注意事項の説明を受けた後、作業を開始。1日目は三つ折りにした障子紙をコップに入った絵の具に数回浸して色染めに取り組み、破らないよう丁寧に広げて乾燥させた。

 2日目には前日に乾かした紙を小さくならないようにはさみで四角形に切り、のりを塗った牛乳パックに貼り付けていった。最後はリボンと革ひもの中から好みの物を選び、パックの上部に取り付けて思い思いの作品を完成させた。

 山本梛温(なの)さん(7)は「剝がれてこないように障子紙を貼る作業が少し難しかったけど楽しかった。初めて作ったわりにはうまくいったので出来は90点。家に持ち帰って飾りたい」と話していた。

(2022年8月25日付紙面より)

「牛乳パックランタン」作りに励む子どもたち=23日、新宮市野田の中央児童館
思い思いの作品を完成させた
2022年08月25日
5 手分けして今年の実り収穫  潤野の水田で利用者や職員  (エコ工房四季 )
2022年08月25日
6 仕掛け三つで5匹捕まえる  高池小4年生がウナギ石漁  (古座川町 )
2022年08月25日
7 三輪崎海水浴場に多数  高田自然プールも好調  (新宮市 )
2022年08月25日
8 冠水孤立の解消目指す  高田相賀線の道路改良  
2022年08月25日
9 3年連続で規模縮小を決定  宇久井神社例大祭  (那智勝浦町 )
2022年08月25日
10 ウナズキギボウシの花  新宮市高田の岩場で  
2022年08月25日
11 秋季リーグの上位目指す  同志社大卓球部が合宿  (那智勝浦町 )
2022年08月25日
12 積極的にチャレンジを  県立新宮高校で始業式  
2022年08月25日
13 矢渕中学校が3位入賞  三重・熊野バレーボール大会  
2022年08月25日
14 地元の「熊野選抜」が優勝  第18回中学軟式野球大会  
2022年08月25日
15 お悔やみ情報
  
2022年08月09日
16 貴重な生原稿、見つかる
 中上健次顕彰委員会に寄贈  (新宮市 )

 中上健次顕彰委員会はこのほど、新宮市名誉市民で芥川賞作家の中上健次(1946~92年)の生原稿の寄贈を受けた。6日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で発表があり、故人の妻のかすみ(紀和鏡〈きわ・きょう〉)さん、長女の紀さんは寄贈者に対し「大切に取ってくださっていてありがたい。心から感謝したい」と話した。

 寄贈を受けたのは、中上初期の小説「修験」の直筆生原稿。雑誌「文芸」(74年9月号)初出、「化粧」(78年3月、講談社)に収録されている。原稿用紙に書かれたものは数が少なく珍しい資料であるとともに、同顕彰委員会で所蔵するもののうち2番目に古い資料となる。同顕彰委員会では現在、約100点の作品(コピー含む)を所蔵しているという。

 寄贈者は東京都在住の長谷川阿貴(あき)さん。父の故・川西政明さん(1941~2016年)が所蔵していたもので、川西さんは大学卒業後に河出書房新社へ入社。72年に退社し文芸評論家として活躍した。中上に関する記述としては「中上健次を読む」(「本を読む 同時代の作家に関する十四章」82年、集英社)、「安部公房から中上健次まで」(「昭和文学史 下巻」2001年、講談社)がある。

 かすみさんの元に長谷川さんから生原稿を所有しているとの文書が届いたことを機に寄贈の運びとなった。原稿は400字詰め原稿用紙20枚分。なお、川西さんが中上を担当していたのか、またなぜ原稿を所有していたのかについては不明とのこと。

 冒頭は万年筆だが途中からはボールペンで書かれていることから、かすみさんと紀さんは「途中でインクが切れたのだと思う。1日で仕上げた原稿では」と推測する。

 当時は出版社によっては原稿が戻ってこないケースもあり、中上が没後30年を迎える節目の年に原稿の発見に至ったことに対してかすみさんは「いろいろな意味で貴重な発見。作品を振り返るきっかけにもなった」と感謝。

 顕彰委員でもある文芸評論家の高澤秀次さんは「『修験』は中上の最初の短編集『化粧』の冒頭を飾る短編。『化粧』は『熊野集』や『千年の愉楽』にもつながる実験的な試みが見られる短編集となっている。紀州の風土も見え隠れする。そんな生原稿が発見されたことは価値があることだと思う」と話していた。

 なお、原稿は同施設内市立図書館「中上健次コーナー」で、秋ごろの公開を予定している。

(2022年8月9日付紙面より)

短編小説「修験」の生原稿が見つかった=6日、新宮市の「丹鶴ホール」
原稿の解説をする(左から)高澤秀次さん、中上かすみさん、中上紀さん
2022年08月09日
17 演奏や紹介で一体感を共有
 創立65周年記念コンサート  (串本分屯基地 )

 航空自衛隊串本分屯基地(中津洋紀司令)の創立65周年記念コンサートが7日に紀南文化会館=田辺市=であり、約900人が中部航空音楽隊(五味渕敦隊長)による演奏などを通して一体感を共有した。

 1957年4月の空自9082部隊展開を創立として歴史を紡ぐ同基地。現在は太平洋方面の対空警戒監視や災害対応を主任務とし、現在65周年の節目を迎えている。

 地域との縁も重んじ、新型コロナウイルスの情勢で最近は休止しているが平年は年1回の一般公開などを実施し、祭事や訓練、交通安全啓発など地域行事へも積極参加。これらつながりを感謝の思いを持って確かめる機会としているのが5年周期で取り組む創立記念事業となっている。

 この日開いたコンサートは式典(今後実施の見込み)と対で定例化している行事で、静岡県浜松市を拠点とする同音楽隊が出演。同基地の招待者と一般の事前申込者が来場し、2部構成で8曲、アンコールに応えて2曲を鑑賞した。

 同基地はコンサートと併せて活動紹介ブースも設け、同基地の軽装甲機動車など装備品や航空自衛隊の任務詳細などを隊員の適時解説を交えて伝えるパネル展示、航空機関係のポスター・フォルダーの進呈で来場者との接点を重ねた。自衛隊和歌山地方協力本部もブースを設け、ミニ制服試着体験やイベント紹介(8月26、27日に新宮港で開く自衛隊サマーフェスタ<護衛艦くまのの寄港など>の宣伝含む)などで接点を後押しした。

 同基地招待で来場し、代表して同音楽隊に花束を贈って感謝した県立串本古座高校吹奏楽部の深石みどりさん(2年)は「想像を超えて圧倒されるすごい演奏で、ソロ演奏もかっこ良かった。自分たち(=同部)は少人数なので、迫力を出すために圧倒するような演奏を心がけたいと思いました」とコメント。会場受付で来場者を一通り出迎えた中津司令は「65年間、串本の地で任務に当たれたのは地域皆さまの協力あればこそのたまもの。今後も地域と協働し、国民の安全安心のための活動をしていきたい」とこのコンサートに寄せる思いを語った。

(2022年8月9日付紙面より)

中部航空音楽隊を招いて開いた串本分屯基地創立65周年記念コンサート=7日、紀南文化会館
来場者を迎える中津洋紀司令(左)
コンサートと併せて開いた活動紹介ブース
2022年08月09日
18 土砂災害の学び深める
 恒例の夏休み企画14日まで  (土砂災害啓発センター )

 那智勝浦町市野々の和歌山県土砂災害啓発センター(稲田健二所長)は14日(日)まで、小学生以上を対象とした夏休み企画を開催している。事前予約が必要な「砂防えん堤の見学と石積み体験」と「雲の模型の製作ワークショップ」に加え、随時実施している「土石流について学ぼう」の三つの企画が用意されている。

 同センターは毎年、内容を変えながら夏休み企画を実施。近年、全国各地や県内で発生している土砂災害について専門知識を持った職員が詳細などを解説する。

 「砂防えん堤の見学と石積み体験」では、同センター近くにある砂防えん堤「鳴子谷川1号堰堤」を見学し、えん堤で用いられる工法である石積みの施工体験ができる。14日までの期間、連日午前10時30分から実施。定員は10人。

 「雲の模型の製作ワークショップ」は、雲を分類した10種類の模型を製作するもの。気象予報士の資格を持つセンター職員が解説し、実物の転倒ます型雨量計を使って、雨や雨の観測についての説明も行われる。実施日は11日(木・祝)、14日で、いずれも午後1時から90分程度。小学高学年以上が対象で、小学生の場合は保護者同伴が必要。定員は5組。

 期間中に申し出があれば、随時実施する「土石流について学ぼう」では、土石流の様子や砂防えん堤の効果が理解できる土石流模型装置を使用して、実験を行う。

 センター内には同町井関在住で紀伊半島大水害語り部の防災士・久保榮子さんの体験紙芝居や土砂災害の実例など解説をしたパネル、小中学校における防災学習感想文などの展示もある。

  □     □

■初日の様子は



 初日となった6日午前には太地町立太地小学校に通う花村瑛斗君(6年)と森栞那(かんな)さん(2年)が「砂防えん堤の見学と石積み体験」「土石流について学ぼう」に参加した。

 同センターの筒井和男さんが、2011年に甚大な被害を発生させた紀伊半島大水害や各地で起きた土砂災害を動画や写真で説明し、砂防えん堤の効果を伝えるために土石流模型装置で実験した。

 実際に砂防えん堤を見学後、えん堤に用いる工法を学ぶために再びセンターへ。2人は修景工模型に、発泡スチロール製の石とコンクリートに見立てたクッション材を置きながら、石積み体験に取り組んだ。最後は工事看板に自身らの名前を書き、記念撮影をして体験は終了となった。

 花村君は「砂防えん堤がないと本当に怖いと思った。いろいろな対策をしていることや石の積み方などもよく分かりました」と笑顔で語った。

 筒井さんは「土砂災害の危険性や砂防えん堤の効果を知ってもらうとともに、土砂災害を引き起こす雨や気象にも興味を持っていただけたら。お気軽にご参加ください」と話している。

 申し込みは名前(ふりがな)、連絡先、希望イベント、日程、人数を記入し、FAX(0735・29・7534)または、メール(e0806041@pref.wakayama.lg.jp)で申し込む。問い合わせは土砂災害啓発センター(電話0735・29・7531)まで。

 雨天時はセンター内のみでの説明となり、大雨警報などが発表された場合は中止となる。

(2022年8月9日付紙面より)

石積み施工体験に取り組んだ参加者=6日、那智勝浦町の和歌山県土砂災害啓発センター
きいちゃんも登場し記念撮影
2022年08月09日
19 2年連続関西大会へ 新宮高校吹奏楽部が快挙 (新宮市)

 新宮市の県立新宮高校吹奏楽部(亀谷覚史顧問、尾鷲心部長)が、6日に和歌山市で開かれた第58回和歌山県吹奏楽コンクール高校小編成部門で金賞を受賞。2年連続で県代表に選出され、20日(土)に京都コンサートホール(京都府)で開催される関西大会へ駒を進めた。

 部員たちは6日夜、新宮高校に帰校後に結果発表を受け、これまで一緒に音楽を作り上げてきた仲間やOB・保護者らと喜びを分かち合った。

 演奏曲は「生命(いのち)のアマナ~ウインド・アンサンブルのために~」。新型コロナウイルス感染拡大の世情を受けて作曲された曲で、不条理に立ち向かって未来を切り開く姿、命の尊さや生きることの美しさを表現している。

 尾鷲部長は「体調不良でコンクールに出場できなくなった部員から『かわいい後輩たちともう一回一緒に演奏したいから、関西大会に連れて行って』と言われ、約束を果たせて本当に良かった」。

 亀谷顧問は「今年は新型コロナで思うように練習もできず、しんどいことも多かったが、ステージ上で音楽を心から楽しむ部員たちの姿に感動した。2年連続の関西大会出場は、創部以来初では。和歌山県人として、いい音楽を届けたい」と涙をにじませて話していた。

(2022年8月9日付紙面より)

結果発表を受け笑顔の部員たち=6日、新宮市の県立新宮高校
2022年08月09日
20 没後30年、中上健次を語る①  熊野大学で講師陣ら  (新宮市 )
2022年08月09日
21 夏の一夜に思い出づくり  わかば保でお楽しみ会  (那智勝浦町 )
2022年08月09日
22 対策施しフラワーアレンジメント  坂下富貴子さんが指導  (太地町社会福祉協議会 )
2022年08月09日
23 10人が姿勢学び座禅組む  「くまっこ」夏休み特別企画  (新宮市熊野川町 )
2022年08月09日
24 棚田にかかしが登場  丸山千枚田に並ぶ  (熊野市 )
2022年08月09日
25 最少人数で金賞、県代表に  3年ぶり「東海吹奏楽コンクール」へ  (矢渕中吹奏楽部 )
2022年08月09日
26 お悔やみ情報
  
2022年08月06日
27 災害時、車両への燃料供給
 那智勝浦町と覚書を交わす  (新宮警察署 )

 新宮警察署(田原正士署長)と那智勝浦町(堀順一郎町長)は5日、同町天満の消防・防災センターで「災害時における警察車両等への燃料の供給に関する覚書」に伴う調印式を行った。災害発生時、警察車両への給油が不可能な際に、消防・防災センターに保有する燃料を供給するもので、新宮署から呼びかけた。過去には新宮市や串本町とも調印しており、管内では3例目。

 近年、豪雨災害が激甚化・頻発化し、全国各地で甚大な被害をもたらしているほか、高い確率で発生が予測される南海トラフ巨大地震を受け、防災体制強化の一環として締結した。

 災害時、町が管理する燃料を警備活動に務める警察車両に給油することで、町民の安心安全につなげることが目的だ。

 同町では南海トラフ巨大地震発生時、津波の第1波到達が約3分、最大17㍍と想定されている。今年4月に竣工(しゅんこう)した消防・防災センターは、海抜27㍍の高台に位置し、有事の際は対策本部として町防災の要となる施設。

 完備した自家給油取扱所にはガソリンを最大6000㍑、軽油を4000㍑保有できるとしている。

 調印式を終え、堀町長は「これまでの消防署は浸水域であり、燃料の備蓄を行える設備がなかった。新設することで、給油設備もでき、防災・減災対策や町民の安心安全につながった。有事の際は警察車両に給油を行うことで、さまざまな警察活動を行っていただけることから、町の防災力が向上した」。

 田原署長は「災害はいつ、どのような形で発生するか分からない。発生時は、給油のために移動することで現場への到着が遅れることも懸念される。今回の調印によって、素早く警察力が発揮できるのでありがたい」と語った。

(2022年8月6日付紙面より)

災害時、那智勝浦町から新宮警察署の車両に対して燃料供給が行われる=5日、那智勝浦町天満の消防・防災センター
調印を行う堀順一郎町長(左)と田原正士署長
2022年08月06日
28 青い海をどう守るのか?
 南紀熊野ジオパーク探偵団  

 「南紀熊野ジオパーク探偵団」(東垣(あずま・わたる)団長=南紀熊野ジオパークセンター長)の活動が、本年度もスタートした。8日にはオンラインで事前学習会が開かれ、新宮市の県立新宮高校、新翔高校を含む県内5高校、1中学校の有志生徒らが参加した。

 地元の自然や地球環境に関心を持つ中高生が、南紀熊野ジオパークをフィールドに探求活動を行い、地元の課題解決のために自律的に思考し、世界に情報発信していくことを目指す取り組み。昨年度スタートした。

 本年度の研究テーマは「海洋環境を考える」。東団長は「think locally, act globally(地域で考え、地球規模で行動)」という探偵団のモットーを述べ「青い海をどう守るのか、皆さんには科学的に問題に取り組み、学んだことを日本地球惑星科学連合大会などの学術大会で発信してほしい。最終的には、会社や企業と連携し、プラスチック循環社会に向けたイノベーションにつなげていくことができれば」と今後の展望を語った。

 和歌山大学教育学部の岡崎裕教授は、持続可能な開発目標(SDGs)の観点からみた探偵団活動の意義を説明。

 京都大学学際融合教育研究推進センターの島村道代・特定准教授は、海ごみ問題の特徴を▽グローバルな問題(人類共通課題)▽地域の問題(ごみは現場に落ちている)▽日常生活に密接に関係した問題(普段使っている物が海を汚す)―の三つと説明。過去15年で海ごみに占めるプラスチック製品の割合が増えていることを述べ「物理・化学といった理系のアプローチだけでなく、法整備やごみ処理の仕組みづくりなどの文系の解決方法を探っていく必要もある。皆で協力して問題について考えていきたい」と呼びかけた。

 生徒たちは今後、専門家らのサポートを受けながら、新宮市の三輪崎海岸と白浜町の志原海岸で漂着ごみの調査を行い、比較・分析を通じて特徴や原因を探っていく予定だ。

(2022年8月6日付紙面より)

専門家が事前学習で講話=5日、オンライン
2022年08月06日
29 例年より早く稲刈り開始
 給食米支える生産者組合  (串本町 )

 串本町の学校給食米納入を担う地産地消生産者組合(山下敏文組合長)が4日、稲刈りの作業に取りかかった。

 同町は学校給食における地産地消の推進と休耕田の解消を目的として2009年度に学校給食米の制度を導入。その納入者として発足したのが同組合で、休耕田を借りて再興し町指定品種・コシヒカリを栽培している。16年度には学校給食センターが本格稼働し、全町規模(古座川町立古座中学校分も含む)での学校給食がスタート。呼応して同組合も会員増強と作付面積の拡大に努め、現在は21人で27㌶を作付し白米換算で年間14~15㌧規模の需要を支えているという。

 この日稲刈りに取りかかったのは坂本渡副組合長。二色地内で4月9日に田植えした苗が収穫適期に差し掛かったため、愛用のコンバインで刈り進めた。

 今年は梅雨明けが早かった分好天に恵まれ、組合内では「塩害を受けた」という話もあるがこの場所は心配した台風接近の影響もほぼ無く作柄は上々。育ちも良く例年より1週間ほど早く取りかかることができ、「好天が続けば盆前には(組合からの預かり分の)収穫を終えられそう。じかに見えなくても子どもたちが喜ぶ顔は目に浮かぶ。それを励みにして暑い中だが収穫に頑張りたい」と意気込んでいる。

 山下組合長によると今年も14㌧を目安にして納入を目指すそう。新型コロナウイルスの情勢に伴い昨年納入分が若干余っているため、子どもたちが新米を味わえるのは余った分を使い切る9月半ば以降になる予定。今年は組合員間で田植えをした時期にばらつきがあり、組合全体としての収穫作業は9月いっぱいまでかかる見込みだという。

(2022年8月6日付紙面より)

収穫適期を迎えた苗の収穫を進める坂本渡副組合長=4日、串本町二色
2022年08月06日
30 丹鶴ホール「大階段」で初開催
 「スペシャルおはなし会」満喫  (新宮市 )

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」内の市立図書館は4日、同施設1階の大階段で「スペシャルおはなし会」を開催した。午前と午後の2回に分けて実施され、幼稚園から小学6年生までの子どもらと兄弟、保護者ら約30人が参加。ボランティアグループ「ブック・ブック」(濱野小夜子代表)メンバーが読み聞かせを担当し、子どもたちは絵本の世界を満喫した。

 図書館内の「おはなしのへや」で定期的に開催される催し。今回は「スペシャル」と銘打ち、3密回避なども目的として小規模な多目的イベント空間として利用可能な「大階段」に場所を移した。「大階段」でのおはなし会の開催は初で、集客を伴う同所でのイベント開催も初めてという。

 この日、「ブック・ブック」のメンバーらは▽あんぱんまん▽地震がおきたら▽にゃーご▽花さき山―の大型絵本を読み聞かせ。子どもたちは真剣な表情で絵本に見入り、終了後には拍手を送っていた。

 パネルシアター「とんでったバナナ」では、メンバーらが同タイトルの童謡を歌いながら歌詞に合わせてパネル上で物語を展開。子どもらはメンバーと一緒に、元気に童謡を口ずさむなどした。

 午前の部に参加した園山将臣君(7)は「(『とんでったバナナ』の小道具など)どうやって作ったのか気になる。作ってみたい。歌も歌えて楽しかったです」と笑顔。母親のまどかさんは「おはなし会には初めて参加しました。喜んでくれて良かった」と話していた。

(2022年8月6日付紙面より)

「ブック・ブック」メンバーらが読み聞かせを展開=4日、新宮市の「丹鶴ホール」
真剣な表情で絵本に見入っていた
2022年08月06日
31 競技普及の一助に
 夏休みバスケットボール体験キャンペーン  (黒潮ミニバス )
2022年08月06日
32 競技の魅力を伝える
 夏のなぎなた体験教室  (新宮なぎなたクラブ )
2022年08月06日
33 水と森テーマのPR動画など配信 高野山・熊野を愛する100人の会 
2022年08月06日
34 教育現場での活用に向け  町教研ICT部会が研修  (那智勝浦町 )
2022年08月06日
35 伝統の下がりに稲かける  今年も新米の季節が到来  (那智勝浦町 )
2022年08月06日
36 さまざまな企画で機運醸成  南紀串本ロケットウイーク  (近鉄百貨店和歌山店 )
2022年08月06日
37 活用見据えて操作教わる  教員対象に情報端末研修  (串本町 )
2022年08月06日
38 管内2人に長官感謝を伝達  水難救助推進の尽力たたえ  (串本海上保安署 )
2022年08月06日
39 熟した実を摘む体験提供  三尾川の児童園児招いて  (古座川町 )
2022年08月06日
40 梅の天日干し始まる  紀和町の特産物加工所で  (熊野市 )
2022年08月06日
41 献花して恒久平和を祈念  熊野市で戦没者追悼式  
2022年08月06日
42 本番に向け議場でリハーサル  小中学生議員が質問考える  (紀宝町子ども議会 )
2022年08月06日
43 新園舎12月に完成予定  鵜殿保育所の新築工事  (紀宝町 )
2022年08月06日
44 お悔やみ情報