高等部が浴衣着付け体験 (みくまの支援学校 )
新宮市蜂伏の県立みくまの支援学校(松下幸嗣校長)で7日、「浴衣着付け体験」があった。高等部家庭科の生徒17人が同市井の沢の萩原きもの総合学院の萩原真理学院長ら3人から浴衣の着付けや着物の歴史などを教わった。
季節や場所に応じた服装について理解し、日本文化である着物(浴衣)の着付け体験を通して衣服の歴史や日本の衣服文化への興味と関心を深める機会にと行われた。6月には「民族衣装と気候・文化」をテーマに授業を行い、今月14日(木)に事後学習を開き、学んだことを振り返る予定となっている。
萩原学院長は「着物は鎌倉時代から伝えられ、人々が身に着けてきたものは全て『着物』だった。その後、明治時代に日本へ洋服が入ってきたことに伴い、和服と呼ばれるようになりました」と説明。平安時代に「熊野詣で」で当地方を訪れた際に身に着けていた平安装束を披露しながら歴史などを伝えた。
生徒たちは着方や帯の結び方、男女の着丈の違いの説明を受けると、男女に分かれて浴衣の着装に挑戦。萩原学院長らに教わりながら女子は文庫結び、男子は男結びに取り組み身に着けた。
山口采音(あやね)さんは「着付けは難しかったけど、柔らかくて気持ちいい」。岡本紗奈さんは「また機会があれば着てみたい」と話していた。
(2022年7月8日付紙面より)
生徒が水質調査に協力 (近大新宮 )
紀宝町を流れる熊野川の支流・相野谷川で2日、国土交通省の水質調査があった。新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校のスーパーサイエンス部員7人も参加し、指標となる水生生物探しに協力した。
国交省は毎年、近畿地方の16水系で調査を実施しており、同部が参加するのは14年目。水生生物調査は、29種類の指標生物のうち、該当河川にどの種類がどれだけ生息しているかを調べることで、長期的な水質の変動を追うことができる手法。
スーパーサイエンス部は2020年度から、同じく熊野川支流の高田川(新宮市高田)で独自調査を実施しており、現在の部員たちも活動を引き継いでいる。
この日は調査を委託されている「いであ株式会社」の職員と共に活動。部員たちは川底の石をひっくり返して出てきた魚や昆虫などを網で捕獲していった。
きれいな水にすむカワゲラ類やヒラタカゲロウ類が多数発見された他、貴重なウツセミカジカや生きた化石と呼ばれるムカシトンボのヤゴ、海から遡上(そじょう)したモクズガニやヒラテテナガエビも見つかった。試薬・人間の感覚による判定のいずれにおいても水質階級Ⅰ「きれいな水」と結論づけられた。
同校非常勤講師の瀧野秀二さんは「近年大きな出水がないからか、ヒゲナガカワトビケラが多いことが気になる。また、ヨシが茂ってきたことで、エビやサナエトンボも増加した」。今回初参加の渕上翔真君(中1)は「川の生き物が好きで、新宮市内の川でも自分で調べたことがあるが、相野谷川の方がきれい。カマキリ(アユカケ)という魚は初めて見た」と語った。
捕獲した水生昆虫の一部は、今後の分析のために生徒たちがホルマリン漬けにして標本として持ち帰った。
(2022年7月8日付紙面より)
宇久井の作業所が回収 (那智勝浦町 )
NPO法人南紀ひまわり会が運営する、那智勝浦町宇久井の南紀ひまわり作業所では、まだ着られる古着を無料で回収し、海外で再利用してもらう取り組みを行っている。得た収入は全額、施設利用者の工賃に充てているため、環境にも福祉にも優しく、持続可能な開発目標(SDGs)にもつながるとしている。羽毛布団やぬいぐるみも同様に集めている。
同作業所は、障害者の就労支援を行う施設で、利用者に作業を行ってもらい、その工賃を支払っている。古着の無料回収はもともと、田辺市の運送会社の高雄運輸が実施している事業で、同作業所はその取次所の一つとして、2013年から行っている。周辺住民の理解も進んでおり、5月は945㌔を回収した。新宮市や那智勝浦町の主婦がよく持ち込み、小さくなった子ども服が多いという。
持ち込める古着は、海外での再利用が前提なので、身に着けることが可能な物。衣類全般、肌着、着物、帯などが回収可能。他にも▽ペアがそろった靴や靴下や手袋▽金具を外したカーテン▽
ファスナーなどが壊れていないかばん▽ベルト▽帽子▽シーツ▽タオル▽毛布▽中身が綿だけのぬいぐるみ―も持ち込める。
回収できないのは▽ぬれているもの▽破れたもの▽汚れがひどいもの▽ペット用に使用されたもの▽雨がっぱなどのビニール製品▽長靴▽げた▽雑巾▽布の端切れ▽反物▽カーペット▽じゅうたん▽マット類▽家庭用スリッパ▽はんてん▽スーツケース▽布団―など。ただし布団のうち、羽毛布団については、中のダウンの割合が50%以上なら回収できる。
同作業所の日浦頼和主任は「まだ着られて、捨てるのはもったいないというものを、持ち込んでもらえれば。海外で役立てられ、喜ばれています。ぜひ、ご協力をよろしくお願いします」と呼びかけている。問い合わせは、南紀ひまわり作業所(電話0735・54・1465)。
古着をはじめとする回収品は、高雄運輸によりタイ、ベトナム、韓国、パキスタン、マレーシア、アフリカなどに送られ、再利用されるという。
(2022年7月8日付紙面より)
木本、紀南両校で壮行会
「第104回全国高校野球選手権三重大会」を前に、木本高校と紀南高校でそれぞれ、野球部の壮行会があった。三重大会は8日に開幕し、両校は10日(日)に初戦を迎える。
木本高校では野球部の躍進を後押ししようと、野球部保護者会(仲猛志会長)が一羽一羽願いを込めた千羽鶴を選手、マネジャーに届けた。
〝夏の大一番〟へ挑む部員たちを激励するとともに、「ベンチで保護者の思いも一緒」との気持ちを込めて千羽の折り鶴を作った。色とりどりの鶴が保護者に代わってベンチで選手たちを見守る。
贈呈式で仲会長は「日頃お世話になっている先生、OBのために存分に暴れてほしい」と激励した。仲柊二主将(3年)は「僕たちのために千羽鶴を折ってくれた思いを結果で恩返ししたい。OB、保護者、先生方の思いを背負って暴れてきます。応援よろしくお願いします」と伝えた。
紀南高校は体育館で野球部、卓球部壮行会を開き、東涼会長(3年)が「最後まで諦めず、悔いのないよう精いっぱい頑張ってください」と激励した。
野球部の﨑上野和音主将(3年)は「大会に出場できるのは顧問の先生方、保護者の方々のおかげです。楽しく全力で戦ってきます。応援よろしくお願いします」と語った。
卓球部は池本菫子主将(3年)、舛屋龍之介君(1年)が16日(土)にサオリーナ(津市)で開幕する中部日本卓球選手権と9月17日(土)から愛知県体育館で開催される「名古屋オープン」に出場する。池本主将は「1点でも多く勝ち取り、次につながる試合をしたい」と抱負を口にした。
(2022年7月8日付紙面より)
「オレンジガーデニングプロジェクト」始動 (那智勝浦町 )
「世界アルツハイマー月間の9月にはオレンジ色の花を咲かせましょう」「認知症になっても暮らしやすいまちをみんなで創っていく」などを目的に掲げ花を育て、認知症啓発のシンボルカラーであるオレンジ色の花を咲かせる「オレンジガーデニングプロジェクト」。認知症への理解を深めるためのこの活動は全国各地でも広がりを見せており現在、那智勝浦町でも産声を上げている。
町地域包括支援センターで勤務し、認知症地域支援推進員でもある岩本ひろ子さんは昨年9月にこのプロジェクトを知り、自身にも何かできないかを模索。
今年4月に自費で、キバナコスモスとともにおすすめの花とされるマリーゴールドの種を購入。毎年色とりどりの花が美しいことで有名な同町下里の下里とも子ガーデンの岩本カナエ代表に協力を呼びかけた。
とも子ガーデンは花壇所有者の故・笠松朝子さんの遺志を受け継いだ会員や住民らがボランティアで管理している花壇。とも子ガーデンのメンバーが作業を進め、780本の苗が育った。
その後、岩本さんと同じ認知症地域支援推進員に近日、任命される職員がいる下里のグループホームつつじ園と湯川の社会福祉法人高瀬会の地域密着型バーデンライフ・ケアセンター「湯ごりの郷」に苗を届け、各施設で育て活動を広めてもらうこととなった。
とも子ガーデンは6月26日に太地町地域福祉センター梛(なぎ)で実施されたフリーマーケットに出店。認知症の普及啓発を行い、マリーゴールドの苗を販売した。
また、とも子ガーデンと岩本さん自身が育てた苗の一部は現在、町役場の玄関にあり、来庁者を出迎えている。
町福祉課の桝本佳貴さんは「町だけでなく、地域の方々との企画。とも子ガーデンの皆さんのように集まり活動することが認知症予防のモデル。町が関わることができてありがたい」。
岩本さんは「フライングでスタートしたが、認知症への理解や啓発のために実施しています。プロジェクトに賛同いただける方で、マリーゴールドを育てる方を募集するなどを今後、検討していきたいです」と話した。
岩本代表は「岩本さんの思いを受けて、とも子ガーデンでも広めたいと思った。プロジェクトに参加できてうれしい。啓発の一助になれるように努めたい。苗を販売し、協力金として頂いたお金は福祉に役立てたいと考えています」と語った。
(2022年7月1日付紙面より)
「ご当地ナンバー」は継続審査へ (新宮市議会6月定例会 )
新宮市議会(榎本鉄也議長、15人、欠員2)の6月定例会は6月30日、市一般会計補正予算(第2号)などを可決し閉会した。総務建設委員会に付託されていた「ご当地ナンバー導入の実現を求める請願書」は閉会中の継続審査となった。
「市支所設置条例の一部を改正する条例」や特別会計などを可決。「市議会議員及び市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例」では、岡﨑俊樹議員が「国の法律が変わったからといって国の基準に従う必要はない。公費負担を下げるなど、条例の検討を行うべき」と反対討論。対し福田讓議員は「上限が上がっても常識の範囲内で選挙で戦っていくのが議員の務めでは」などと賛成の立場を示した。議案は賛成多数で原案通り可決した。
閉会に当たり、田岡実千年市長は議員らに対し「貴重な意見を賜り、また市の施策にもさまざまな提案を頂きありがたい」と感謝を伝えた。
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議会中、大西強議員は議事進行で、自身の一般質問において損害賠償請求事件に言及した件で、田岡市長が「補助参加人の控訴の権利を剝奪することもできたが議員の意思を尊重した」などとした答弁に対し「市民の不利益になるから控訴しないと言うのであれば、大西の意思を尊重してはいけないのでは」などと指摘。発言の訂正もしくは撤回を求めた。
対し、榎本議長は「市長の意思を確認したが、指摘の内容については、発言により不快な思いをさせたとしたら申し訳ない、法的な詳しい内容に関しては弁護士と相談したいとしていた」と伝えた。
(2022年7月1日付紙面より)
串本消防署の第2警防班 (串本町消防本部 )
串本町消防本部の串本消防署第2警防班が6月29日、串本漁港の一角で水難救助訓練に取り組み必要と見据える技術の習熟に努めた。
この訓練は、年間を通して盛んな釣りに加え水浴なども始まって水難事故が多発しやすい夏季への備えとして毎年実施。同本部内の警防班それぞれに訓練計画を立てて実践する形で順次取り組んでいる。
この日実践に臨んだ串本消防署第2警防班は今回、喫緊で事例があった車両の海中転落対応(想定訓練)と溺者対応(資機材取り扱い訓練)の2系統で訓練を計画。班員12人が参加し、想定訓練は事故の認知から始め通報や現場での聞き取りで得た情報に基づいて救助隊(陸上・洋上組)と潜水隊(海中組)に分かれ、海中に沈んでいる要救助者を救助艇も駆使して陸まで救出する手順をその場で迅速的確に組み上げて実行した。
資機材取り扱い訓練は救命索発射銃で要救助者を避けつつ至近に浮環弾を投じる内容。海域での使用となるため、要救助者より沖に投じロープで引いて浮環を届ける設定で主に若手隊員がベテラン隊員指導の下で取り扱いを実践した。
安全管理者としてこれら訓練を見守った内田真也署長は「串本町内では結構な頻度で水難事故が多く起きている。対応できるよういろんな訓練を繰り返してほしい」と職員の今後に期待。同日現在で期日未定だが、第1警防班も近日中に独自の内容で水難救助訓練に臨むという。
(2022年7月1日付紙面より)
人権講話会で性を学ぶ (矢渕中 )
紀宝町立矢渕中学校(立嶋信雄校長、生徒211人)は6月29日、体育館で人権講話会を開催。全校生徒が「パープルリボンくまの」の中谷奈央子さんから包括的性教育を学んだ。
元養護教諭で思春期保健相談士の中谷さんは「いま知りたい!思春期のからだ・こころ・性」をテーマに、「思春期は子どもから大人に近づき大人スイッチがオンになる時期。いつ入るかは人によって違うが、性ホルモンの働きで体も心も変わり、不安定になりやすい。自分を否定してしまう時期だが、どんな自分でも大丈夫。まずは今の自分を受け止めてほしい」と呼びかけた。
思春期は▽イライラする▽なんとなく寂しい▽自意識過剰▽友達とぎくしゃくする▽性への関心―などの特徴があるとし、自身の経験を交え「思春期、反抗期はいつの間にか始まり、終わる。いつまでも続くものではない」と伝えた。
「性は生まれながらの心の在り方。人権は自分らしく幸せに生きる権利で誰もが生まれながらに持っている。男の子、女の子は体や戸籍上のこと。性的指向、性表現などは人それぞれ。どう生きていくのかこれから自分で考え、みんなが堂々と生きられる学校や社会を考えてほしい」と語った。
これまで中学生から受けた体、性、恋愛などの質問を紹介。「みんなは相手にNOと言える?」と問い「相手に合わせるのはしんどくて自分らしく幸せに生きられない。相手にNOと言える、相手のNOを受け入れることで、良い人間関係が築ける。自分と相手の考えは違う。受け入れる考えを持ってほしい」とアドバイスした。
(2022年7月1日付紙面より)