自転車マナーアップ推進リーダー (新宮警察署 )
新宮警察署(田原正士署長)は24日、新宮市佐野の県立新翔高校(藤田勝範校長)の新翔プロジェクトチームと吹奏楽部員ら47人に「自転車マナーアップ推進リーダー」を委嘱した。生徒を代表して吹奏楽部長の太田誇音君(3年)とプロジェクトチームリーダーの中村美優さん(同)が田原署長から委嘱状を受け取った。
2015年の道路交通法の改正による自転車運転者講習制度の施行を受け県内で初めて実施し、今年で8回目。校内での自転車の交通マナーの向上や「自転車安全利用五則」の周知、若者の交通安全活動への参画などを主導し事故防止を図る。
同署で開かれた委嘱式には、田原署長や同校の藤田校長らが出席。吹奏楽部33人、プロジェクトチーム14人が自転車マナーアップ推進リーダーに、プロジェクトチーム顧問の宮井貴浩教頭、吹奏楽部の西浦久博顧問がアドバイザーに委嘱された。なお、プロジェクトチームはさまざまな経験を通して成長につなげる活動を行うチームとして発足。今後、地域でボランティア活動などを展開していくという。
田原署長は、昨年県内では1419件の人身事故が発生し、248件が自転車に関する事故で、うち9件が旧新宮警察署管内での事故だったと説明。また、県内では不幸にも6人が自転車乗車中の交通事故により尊い命をなくしたと述べ「悲惨な交通事故を一つでも減少させるため、自転車の運転手に対する指導取り締まりを強化していくが警察の活動だけでは限界がある」と生徒らの活躍に期待。
「自らが正しい交通ルールを実践し、小学生や中学生など、周りの方々のお手本に。交通ルールを守ることの重要さを、家族や友人の方々に伝えていただくことにより、地域全体に交通ルールの周知やマナーの向上が図られることを期待しています」と伝えた。
藤田校長は「自転車は気軽さの中に命を奪ってしまう危険も含まれている。みんなが安全意識を持たないと事故はなくならない。自分だけではなく相手の気持ちを考えることが大事。コロナ禍だができる限り啓発を行い、いろいろな活動を展開していければ」と士気を高めた。
委嘱状を受け取った太田君は「率先して他の自転車利用学生の模範となるような運転を心がけ、自転車安全利用五則を順守し学校全体に浸透させます。悲惨な交通事故をなくすため、進んで交通安全活動に参画します」と宣言した。
(2022年5月26日付紙面より)
JR西日本職員に感謝状 (新宮警察署 )
新宮警察署(田原正士署長)は24日、行方不明者の発見と保護に尽力したとして、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)和歌山支社串本駅勤務の宗和弘修(そわ・ひろみち)さん(31)に感謝状を贈呈した。
先月10日、串本町で高齢男性が行方不明となった。宗和さんは、男性の家族から「家族が行方不明になっている。自転車が串本駅に止まっているので電車に乗車しているかもしれない」といった申し出を受け、家族に警察署に相談を促すとともに和歌山司令所に連絡。
家族から聞いた行方不明者の特徴を基に、構内に設置された防犯カメラ映像から高齢男性が電車に乗車したことを確認した。
さらに他駅の防犯カメラ映像などにより追跡し、和歌山駅行きの電車に男性が乗車している可能性があることを突き止め、同電車の車掌や和歌山駅駅員と連携して男性を保護。男性は臨場した警察官に引き渡され、無事に家族の元に帰ることができたという。
感謝状は、宗和さんの迅速かつ的確な行動により、行方不明者を早期に保護できたことをたたえるもの。
感謝状を手渡した田原署長は「迅速に連携していただいたおかげで人命を守ることができた」と感謝。「与えられた持ち場で力を尽くしていただきありがたい」と伝えた。
宗和さんは「無事に見つかって良かった。関係者が最善と思える行動を取ったことがいい結果につながったと思っています」。贈呈式に同席した坂本純一・新宮駅長は「感謝状を頂けてありがたい。彼(宗和さん)にとっても正しい行いをしたことが人生の励みになったのでは」と話していた。
なお、同署は和歌山駅員の高橋和也さんにも感謝状を贈呈。JR職員を通じて高橋さんに届けられるという。
(2022年5月26日付紙面より)
地域リハビリ活動支援事業 (串本町 )
串本町が本年度も地域リハビリテーション活動支援事業を展開している。24日は姫ふれあいサロンと食生活改善推進協議会が同事業を利用。新型コロナウイルス感染拡大が落ち着く方向にある中、町はフレイル(虚弱)予防をキャッチフレーズにしてさらに利用の裾野を広げるべく周知に意気込んでいる。
町民の健康寿命を延ばす意識を家庭や身近な地域で高めるため、地域包括支援センターが軸となって前年度から取り組み始めた同事業。生涯元気を目指して月1回以上、町内を拠点にして自主活動する高齢者グループ(団体も含む)を対象にしたリハビリテーションの専門職派遣型の講座で、計2回の出張実施を基本の形としている。
1回目は体成分分析装置「InBody」や各種体力テストによる測定会を実施し、その結果を基にして2回目は健康寿命延伸のための個別提案やグループ提案をする内容。提案作成の都合で2回目の実施は約1カ月後となる点はあらかじめ了承してほしいという。利用を希望する場合は、専門職との日程調整のため
1回目の希望日の1カ月前までを目安にして同センターへ申し出をしてほしいとしている。
同サロンは新宮保健所管内の新型コロナウイルス感染状況を目安にして開けるときに開いていて、この日は運営ボランティアと利用者16人が同事業の1回目を利用。同協議会は2回目の利用で、事業を町民に紹介できる立場でもあり個別提案を受けた後は口腔(こうくう)衛生やフレイル予防の概論について説明を受けるなどした。グループ提案の内容はグループ向けの体操メニュー指導を基本としているが、利用する集団に応じて弾力的に内容を組むとしている。
この事業は、1グループにつき年1回まで利用できる。測定データは個人が特定されない形で町が統計的に活用するという側面があり、町の実態に即した介護予防施策展開のためより多くの高齢者にこの事業を利用してほしいというのが同センターの願うところ。利用の申し出や問い合わせは同センター(電話0735・62・6005)まで。
(2022年5月26日付紙面より)
勝浦四区福祉委員 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の勝浦四区福祉委員(藤社和美班長)は21日、地区内の独居高齢者に対して弁当を配布した。
同委員は寝たきりや引きこもり防止、防災意識向上への声がけに努めている。例年は住民同士の交流を目的にサロンなどを開いていたが、現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から活動が制限。「少しでも地区に住む高齢者に見守りを兼ねて何かできないか」との思いから提案した。
弁当は同町の飲食店「elcamino delpoeta(エルカミーノ・デルポエタ)」の佐藤由明さん、さゆりさん夫妻に相談し依頼。地域の人たちの役に立てるならと快諾し製作を引き受けた。配布は今後、月に1度のペースで行い、町内の飲食店にも協力を依頼していくという。
この日は、藤社班長ら3人が1人暮らしの高齢者宅10軒を回り「元気に過ごしやる?」「また、みんなで会いたいね」などと会話を交し弁当を手渡していった。
受け取った楠本由美子さんは「心遣いが大変ありがたいです。サロンで集まれる機会が少なくなり1人の時間が長くなる中、皆さんが弁当を届けて気にかけてくれることが心強い。これからも元気に過ごしていこうと、力をもらいました」と笑顔を見せた。
藤社班長は「以前は手作り弁当という形で訪問させてもらっていたが、コロナの影響により中断を余儀なくされていたので様子が見られてよかった。何より、地域の方々の協力のおかげ。加えて近い将来に発生するとされる南海・東南海地震などの災害や緊急時に備えて状況を把握しやすくするよう、今後も見守り活動を続けていければ」と話していた。
(2022年5月26日付紙面より)
和歌山陸協の第2回記録会
グラウンドゴルフかつうら大会 (県年金受給者協会 )
熊野徐福万燈祭運営委員会 (新宮市 )
熊野徐福万燈祭運営委員会(委員長=田岡実千年・新宮市長)は11日、市役所別館大会議室で今年1回目の委員会を開き、今年の花火大会を中止とすることを全会一致で承認した。
新型コロナウイルス感染収束の見通しがいまだ予測できない状況にある中、観覧者や関係者に対する万全な感染対策を講じての安心・安全な運営が保証できないことから中止を決定した。
コロナ禍以前に花火大会が実施されたのは2019年で、3年連続の中止となる。なお、花火大会に先立って執り行われる徐福供養式典は、一般参列は行わず関係者のみ20人ほどで実施する。
花火大会中止の決定について、委員からは「来年、再来年の開催に向けて国や県が指針を示してくれたら」「熊野市も中止を打ち出しているが、どうなれば実行できるのか、ある程度の目安を決めておかないといつまでたってもさまざまな催しが開催できない」などの意見も上がった。
同委員会は令和3年度事業報告や収支決算、令和4年度収支予算案などを承認し閉会した。
熊野徐福万燈祭は、秦の時代に渡来したと伝わる徐福の遺徳をしのぶために始まった花火大会。毎年8月12日に同市徐福の徐福公園で徐福供養式典が営まれ、翌日に熊野速玉大社下の熊野川河川敷を舞台に花火が打ち上がる。
(2022年5月13日付紙面より)
1年生対象に宇宙講座開く (串本古座高校 )
和歌山県立串本古座高校(榎本貴英校長)が11日、1年生53人を対象にした宇宙講座を開いた。講師は有人宇宙システム株式会社(JAMSS)の前村孝志常務取締役と安全開発・ミッション保証部の土田哲主席。生徒は2人が関わっている宇宙の紹介を受けつつ、求められるスキルを教わるなどした。
国内初となる普通科宇宙探究コース設置(2024年度~)の準備段階に入った同校。本年度はその一端で1年生の総合的な探究の時間へ宇宙関係の学習を適宜組み込み学校としての特色を強めることとしている。
この日はその1回目で、講師は県教育委員会の仲介を得て招致した。前村常務取締役は初代の打ち上げ執行責任者を務めたH―ⅡAロケット、土田主席はフライトディレクタとしての接点を持つ国際宇宙ステーション(ISS)の概要と生活の様子をそれぞれ紹介。続けて土田主席がフライトディレクタとして思う事柄を語った。
誤解やミスコミュニケーションを少なくするために接する宇宙飛行士への理解を前もって深めること、一例として日本の手でISSのトイレを提供するための取り組みを挙げ原因そのものを取り除くこと、が土田主席の掲げた事柄。「日頃の付き合い方を知り信頼関係をつくることで、宇宙飛行士は素晴らしい生活ができる」と筋道を示し、宇宙飛行士の若田光一さんの言葉「夢、探究心、思いやり」も交えて思いを伝えるためにコミュニケーションは大切だとくくった。
興味深い内容だったと同講座の印象を語る1年生・慶幸羅(しあら)さんは「話を聞いて宇宙飛行士の生活は大変だと思ったし、(だからこそ)コミュニケーションがとても大切だと分かった」とコメント。同校は同時間の目標を社会人として不可欠なコミュニケーションスキルの習得と向上と位置付けていて、今後も宇宙と目標を両立する形で学期ごとに1~2回、この学習機会をつくりたいとしている。
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この日は県の宮﨑泉教育長も同講座の様子を視察。「カリキュラムはこれからの検討で、生徒の感想を聞いて反省もしながらより良い方向へ進める。生徒に少しでも宇宙への関心を持ってもらい、その盛り上がりの中で同コースを始めたい」と思いを語り、同コースには加われないが宇宙の学びを得る現1年生と来年度の1年生が先輩として後輩の歩む学びの道を開いてくれることを期待した。
(2022年5月13日付紙面より)
神内川、井田川、熊野川などで (紀宝町 )
国、県が管理する紀宝町内の河川で浸水被害軽減対策や治水対策が進んでいる。町では「今後も浸水被害軽減が図られるよう、関係各位と緊密に連携し、安全な川づくりに向けた取り組みを進める」としている。
県管理の神内川は沿線で頻繁に発生する浸水被害に対し、安全な川づくりを目指すため2018年度に河川整備計画を策定し、19年度から大規模特定河川事業として、地質調査や測量設計などを進め、20年度から下流域の工事に着手している。
井田川では、沿線の浸水被害軽減を図るため、井田神社宮ノ前橋から狼谷団地間で16年度から河積の拡大を目的に護岸改修工事を実施。県では今後、狼谷団地から上流側の測量設計業務に着手する計画だという。
国管理河川の熊野川では、近年の気候変動の影響による将来の降水量の増大を考慮するとともに、流域治水の観点も踏まえた「新宮川水系河川整備基本方針」が昨年10月15日に改定され、現在、その方針に基づく河川整備計画の策定に取り組んでいる。
浸水被害軽減対策として17年度から5年間、熊野川を緊急対策特定区間に設定し、河道掘削を実施。掘削した砂利は県管理の井田海岸に養浜材として有効活用するなど、国、県が連携して侵食対策を講じている。
相野谷川は20年度から引き続き、鮒田水門の耐震工事を実施している。
(2022年5月13日付紙面より)
築地地区が義援金手渡す (那智勝浦町 )
那智勝浦町築地地区の坂井與己(よしみ)区長と大塚茂之副区長は11日、同町役場を訪れ、堀順一郎町長にウクライナ人道支援に係る義援金を手渡した。義援金は日本赤十字社を通じて寄付される。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続き、日本国内では戦闘や被害の様子が連日、報道されている。
そんな状況の中、同区でも何かできないかと模索。坂井区長が4月23日の総会で「区でも人道支援のための寄付を行ってはどうか」と提案し、出席者全員が賛同したという。義援金は区費の一部から集め、総額10万円となった。
坂井区長は「テレビや新聞などの報道でウクライナ国民の悲惨な状況を毎日、目にしているが非常に悲しい思い。まさか、このような形で戦争が起きるとは思いもしなかった。それらを受けて、築地区でも何かしたいと思って今回に至った」と話した。
受け取った堀町長は「ご寄付ありがとうございます。医療支援などにお使いいただけるように日赤を通じて届けます。一日も早く収束してほしい。どのような形になるかは分からないが、町としても支援できることがあればしたいと考えている」と話した。
(2022年5月13日付紙面より)
コロナ制限なしのGW (熊野三山 )
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限が、3年ぶりになくなった今年のゴールデンウイーク(GW)。本紙エリア内の各所でも、拡大前をほうふつとさせる人出のにぎわいを見せた。
熊野三山はいずれも、参拝客でごった返した。熊野那智大社では、3日、4日、5日の順で▽約1700人▽約2000人▽約1600人―が参拝。那智の滝では若干多く▽1802人▽2016人▽1837人―が訪れた。
神職は「コロナ禍前の2018年と比較すると、1割から2割ほど減少した感じと思う。当然、昨年やおととしと比べたら、相当多かった。3日から5日にかけ、那智山線も渋滞したと聞いている」と語った。
なお、19年は特別に参拝客が多かったため、比較対象とはしなかった。
熊野速玉大社では、コロナ禍前ほどではないものの、4月28日から増え始め、3日から5日は相当な忙しさだったという。「3日と4日は特に多く、御朱印がずっと続くような状態だった」と話していた。
熊野本宮大社も、状況は同様。「3、4、5日は、神門の外まで人があふれ、われわれ神職がずっと、メガホンを持ち整理するような状態が続いた」と言う。
(2022年5月10日付紙面より)
「四季彩まるしぇ」始める (エコ工房四季・株式会社天然 )
串本町古座にある社会福祉法人つばさ福祉会(北野好美理事長)の就労継続支援B型事業所「エコ工房四季」(平原正雄施設長)が4月30日、国保古座川病院跡地で株式会社天然=和歌山市=(以下天然とする)と連携した出店イベント「四季彩まるしぇ」を始めた。
天然は古座川町を保養先とする和歌山トヨタ自動車株式会社が地域貢献のために起こしたグループ会社。保養時の地域交流活動を通して接点を得た同事業所は、天然が力を入れるキッチンカー「PANDA」やその仲間を迎え入れる形でこのイベントを計画し、3月の試行を経て実施にこぎ着けたという。
この日は「PANDA」とその仲間計4台が来場し、客寄せとして8歳以下対象の遊具やテラス席も持ち込み。同事業所や県セルプセンター、会場一帯の出店希望者も軒を連ね、国道42号に面する出入り口にのぼりを掲げて来場を誘った。同事業所の利用者は職員と共に自店運営に加え車両誘導、遊具の適時消毒など会場運営もこなし、来場者の円滑な利用を図った。
天然の営業責任者・東照之さんによると、同事業所との連携の狙いは利用者や出店者などの働く場所の創出。今回は会場運営を同事業所に委ねて利用者らの勤労としての場慣れと収入を図る筋道つけをし、今後は出店数増強(同カー・屋台・物販・フリマ・農家直売・ハンドメード・ワークショップなど)やゲストステージなども積極的に組み込んでやりがいと収益をいっそう増すよう目指すという。
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このイベントは11月まで、月1~4回の頻度で週末に開場する計画。開場時間は基本午前10時~午後5時で、7月と8月は午後9時まで時間延長する。出店希望(要出店料)は両者を代表しオフィスkokomoが統括していて、メール(officekokomo1@gmail.com)やインスタグラムのメッセージ(@officekokomo)で相談してほしいとしている。
次回の開場日は5月22日(日)。以降の開場日は▽6月11、12日▽7月23、24日▽8月6、7日▽8月20、21日▽9月3、4日▽9月17、18日▽10月8、9日▽11月5、6日―を予定している。いずれも会場設営が困難な場合は中止するので、あらかじめ了承してほしいという。
同事業所の地域交流行事「エコまつり」の月例版的な内容となっていて、回を重ねるほど利用者の収入につながる仕組み。平原施設長は「まだ始まったばかりで今回は小規模だが、今後は地元の皆さんにも参加を呼びかけ、より多くの皆さんに来てもらえるよう盛り上げていきたい」と意気込みを語った。
(2022年5月10日付紙面より)
古武術の不二流体術和歌山県支部新宮道場(山本盛夫支部長)は7日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で奉納演武会を開いた。同大社での奉納は4回目で、第三代宗家の大嶋竜太郎さん他、18人が体術や棒術、剣術を披露。足を止めて見物したり、撮影を行う参拝者の姿も多かった。
不二流体術とは、突き、蹴り、投げなどといった古来から伝わる日本伝統の総合武術で、審判のいないルール不在の中で行われるのが特徴。開祖・古賀不二人師が、合気道開祖・植芝盛平師、親和体道開祖・井上方軒師を源流に、真の合気武術を目指してより実践的に練り上げた。
二代宗家・田中光四郎師を経て、現宗家の大嶋さんに伝えられた奥義は、講道館出身の柔気流宗家・八木不動師から伝授された柔気流の技を加えて、今や一段と深みを増しているという。
正式参拝後に行われた奉納演武では、道着やはかま姿の門下生が素手による実践的な演武や短刀、木刀を用いた数々の技を披露した。子どもたちも元気いっぱい鍛錬の成果を発揮し、参拝者からは大きな拍手が送られた。
奉納後、大嶋さんは「半年に1回、和歌山に来ているが、皆さんの成長が素晴らしいのでうれしい限り。那智大社さまには毎年奉納させていただいているが、尊い場所で演武ができることをありがたく思います。良いご縁が広がっているため、9月には伊勢神宮の外宮でも奉納演武会をさせていただくことになりました」と話した。
同大社の伊藤士騎(しき)禰宜(ねぎ)は「地域のお子さんたちが神社で演武をご奉納する機会は少ないと思うので、毎年の楽しみや良い思い出にしてもらえたら。大人になり熊野地方を離れた際にも、今日の日を思い出していただきたいです」と語った。
なお、11月には熊野本宮大社で奉納演武会を実施する予定。
(2022年5月10日付紙面より)
紀伊半島の海亀を守る会 (新宮市 )
ウミガメの保護活動を展開する「紀伊半島の海亀を守る会」(榎本晴光会長、環境ファースト連合会会員)の会員らは8日、アカウミガメの産卵シーズンを前に、新宮市王子ヶ浜のふ化場周辺で清掃活動を実施した。市職員らも活動に参加し、総勢16人で草刈りや溝掃除などに汗を流した。
同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同会は、波浪流失や小動物の捕食被害からアカウミガメの卵を守るための保護活動を行っている。
アカウミガメの上陸・産卵シーズンは5月中旬から8月半ばごろまで。1回の産卵で平均110~120個の卵を産み、60~80日でふ化する。卵は海岸に隣接するふ化場に移し、ふ化した子ガメは秋ごろ、同会や関係者らの手によって海に戻される。
なお、昨年は例年より早めとなった5月20日に初上陸と産卵を確認。会員らは同浜の大規模清掃活動などを通してウミガメの上陸に備えたが、以降、上陸が1度あったものの産卵は確認されなかった。初産卵で発見した卵は98個。うちふ化した14匹を放流した。
早い時期に産卵が見られた場合のふ化率は低く、また海水温の上昇など地球温暖化も影響してか、上陸数が減少しているという。
今月から、同浜で早朝のウミガメパトロールを開始した榎本会長。「今シーズンは多くのウミガメが上陸してくれたら。今年は新型コロナウイルス感染症の影響などで大々的に行えていなかった放流会も開催したい」と話していた。
(2022年5月10日付紙面より)
新宮RC旗学童軟式野球大会