住民らがこいのぼり設置 (新宮市熊野川町 )
熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は22日、新宮市熊野川町日足道路バイパス付近の水田で、毎年恒例のこいのぼり設置作業を実施。世界平和や地域活性化などへの願いを込めた。
2011年9月の紀伊半島大水害からの復興への願いを込め、また「地域の人々を元気づけたい」との思いから、地元住民らが設置を始めて10回目。なお、今年もおととし、昨年に引き続き、災害復興イベント「鯉のぼり祭り」は新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、中止となった。
11年まで町内イベントで使用し、熊野川行政局で保管していたこいのぼりは水害の際に全て流出。現在使用しているこいのぼりは、熊野川行政局が新聞などで呼びかけを行い、県内各地から集まったものだ。
この日は会員と行政局職員ら約10人が設置作業に当たった。熊野杉の間伐材で作った高さ約12㍍のポール6本を立てて取り付けると、30匹のこいのぼりは青天の下、風を受けて元気に泳いだ。
こいのぼり設置期間は5月13日(金)ごろまで。下阪会長は「新型コロナウイルス感染症のまん延やウクライナ情勢など暗い話題が続いている。少しでも明るい話題になれば。世界の平和と地域の活性化への思いを託して設置しました」と話していた。
(2022年4月23日付紙面より)
一部は解禁見送りも
那智勝浦町の各漁業協同組合でこのほど、組合員のヒジキ漁が解禁。しかし収穫量は少なく、新宮市三輪崎や太地町の漁協は、資源量確保のため解禁自体を中止している。広域の不漁は「黒潮大蛇行」による海水温の上昇が、原因の一つと考えられている。
和歌山東漁協浦神支所では、19日に解禁となった。解禁したばかりのため、今年の収穫量はまだ不明だが、4~5年前は5㌧から10㌧ほどあったのが、昨年は300㌔ほどに減少した経緯がある。支所の職員は「今年も200から300㌔ほどではないか」と予想している。
浦神では初日の19日、組合員が漁港で収穫したばかりのヒジキを広げて干す姿が見られた。2日ほど干して乾燥させ、ごみなどを取り除いた後、浦神支所の市場に出すという。干す作業を行う80歳代女性は「今年は量が少なく、サイズも短い」とこぼしていた。
なお、浦神に先だって宇久井漁協は1日に、和歌山県漁協勝浦支部、和歌山東漁協那智支所は14日に解禁。しかし宇久井は「近年も今年も収穫はなし」。勝浦や那智は19日午後4時現在で「目立った収穫は見られない」という。勝浦と那智は、昨年の収穫量は10㌔や20㌔と、ほぼ無いに等しい状態だったため「採りに行く人自体があまりいないのかも」と話していた。
太地町漁協と三輪崎漁協は、解禁自体を見送った。太地は「見送りは3年連続。サイズが小さく、採ったら育たなくなる」。三輪崎は「去年も今年も見送り。磯枯れ(磯焼け)してしまっている」と語った。
ヒジキ不漁は広範囲にわたっており、当地方の特産品の一つである、串本町の「姫ひじき」も、生育不良で2年連続の収穫断念となっている。同町串本にある県水産試験場は、生育不良の原因の一つを「黒潮の大蛇行」であると分析。
黒潮の「枝」が流れ込むことで海水温が年間を通じて高くなるほか、潮流にも影響を与えていると考えられている。この状況は当然、串本町に限定ではなく、那智勝浦町、太地町、新宮市三輪崎も同じと思われる。
(2022年4月23日付紙面より)
食を支える「地元産」㊦
熊野地域の特産品といえば、かんきつや海産物を思い浮かべるが、お米もふるさと納税の返礼品に並ぶなど人気を集めている。山間部を中心に田園風景が広がり、米作りに適した条件がそろう熊野地域にはいくつものブランド米がある。熊野市紀和町丸山千枚田の「丸山千枚田米」、御浜町尾呂志の「尾呂志米」、紀宝町の「飛雪米」「レンゲ米」などがそうだ。中でもレンゲ米は「地元産」として学校給食に提供されている。
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コシヒカリのレンゲ米を栽培し、町レンゲ米栽培部会(中西和益代表)に所属する井賀淳也さん(38)は「12~13年前から取り組んでいる。10月には田んぼにレンゲの種をまき、花が咲く前の3月に耕運して肥料にしている。一手間多くなるが、安心な食材を届けるため今後も作り続けたい」と話す。
かつて、春の田んぼにレンゲの花が咲く光景は珍しくなかった。レンゲ米は、昔から伝わる栽培方法「レンゲ農法」で作った米。今では苗を植える前に畑を作り、レンゲをすき込むことにより自然の窒素を土壌に発生させ、それを有機肥料として利用している。
農薬や化学肥料を極力使わずに栽培できることから、2002年から同部会が取り組みを開始。「安心安全な地元食材を子どもたちに」との思いで、町内の学校給食に提供するようになった。
会員5人が約1150㌃の田んぼで栽培し、昨年度は給食用に1万4400㌔を収穫した。本年度は町内7小中学校で計900食分、1日約70㌔を用いており、地元産品が学校給食を支えている。
(2022年4月23日付紙面より)
串本町有田にある串本海中公園センター(鈴木一正代表取締役、黒田徳仁支配人)が22日、施設の一部改修を終えリニューアルオープンした。
改修内容は▽水族館玄関水槽のリニューアル▽ウミガメプールデッキの作り替え▽レストラン「アクロポーラ」と水族館の連絡道の舗装替え▽同館壁面のデザイン変更と芝生広場への木製テーブル・いす配置による滞留環境創出―など。
玄関水槽は、入って左側の水槽が築50年を経て水漏れなどが続いたため更新整備。幅4㍍、水深1㍍、奥行き1・5㍍の水槽を新たに据え、串本の海の浅海の様子を伝える展示へと変更。併せて周囲にファンタジックな海の絵柄を配して明るいイメージの演出を図っている。
この日は開館に先だって式典があり、同センターの親会社・株式会社鈴木商会(鈴木一正代表取締役社長)を代表して高橋正志専務取締役は「運営を引き継いで以降17年間続けられたのは、串本の海の豊かさと来館者の愛好、関係者の力添えあればこそ」と感謝。鈴木社長を筆頭にしリニューアルに至った経緯を報告し「これからも愛されるよう、このリニューアルを機に心を入れ替えて串本の海を守る」と決意を掲げて引き続きの愛好を関係者らに願った。
来賓を代表して平井治司副町長と南紀串本観光協会の島野利之会長が同センターの今後の弾みを期待しつつ祝辞を披露。高橋専務取締役と平井副町長、和歌山東漁業協同組合の垣下良夫副組合長で除幕をしてリニューアルを祝い、同館の森美枝館長は愛される水族館として今後も努める、同センターの黒田支配人は美しい海を守り次の世代に残す、とそれぞれ決意を掲げて関係者の立ち会いに感謝した。
以降、記念行事として串本町立串本西小学校(福島恵美校長、児童39人)を招待し、館内見学やウミガメ放流の体験機会も提供した。
(2022年4月23日付紙面より)
【第48回】風景は食卓と土をつなぐ
食育と聞くと、農業体験が大切だと思っている方が多くいらっしゃいます。確かに、子どもたちが農業に触れて、食べ物がどんな風に育ち、どう収穫されているかを知ることは、とてもいい食育になると思います。東京でも、そのために田んぼや畑を借りて、子どもに農業体験をさせる家庭もあるくらいです。ただ、どこの家庭でもできることではありませんよね。わが家も、娘が3歳になる前にたった一度だけ、稲刈り体験をさせてみましたが、11歳の今では何も覚えてないそうです(笑)。そこからも機会があればやらせたいとは思うものの、時間もかかるし、なかなかできず、今日まできてしまいました。でも、体験だけが食育ではありません。私は、そんなご家庭に風景で食育することをお勧めしたいと思います。
例えば今なら田植えの時期ですよね。車で走っていると、水の張った田んぼや、田植えをしている様子を目にすることができます。そんなときに、「あ、田植えをしているよ!」と子どもに声をかけて、その様子を見せるだけでも、十分食育になるのです。手で植えているのか、機械で植えているのか、農家の方はどんな服装で、どんな体勢で仕事をしているか、稲はどんな様子か。一つの田んぼにどれくらい植えられるのか。そんなことを田んぼを見ながら話すだけでも、子どもたちの中にはその風景が確実に残ります。今の時期に植えて、田んぼの水量を調節したり、雑草を抜いたり、手を入れてやっと秋に収穫できること。そこから稲刈りをして、脱穀をしてもみ取りをして、さらに精米をして、白いお米ができること。そんな説明をしてあげると最高ですよね。そして、家でお米を食べるとき、「今日見たよね」とその風景の話をもう一度してみてください。お米がいかに手間をかけて育てられているかが、よく分かると思います。1本の稲から採れるお米はたったの約70粒です。稲1株には22本の穂がついているので、1株から採れるお米は約1540粒! お茶わん1杯は、約3250粒といわれていますから、2株と少しのお米が必要です。そんなお話もぜひしてあげてください。
田んぼでなくても同じです。畑を通りかかったら、「これはなんの畑かな」と一緒に見てみるだけで、立派な食育になります。今の季節は畑の上にできる作物もたくさんありますから、掘らなくても何の畑か分かりますよね。分からないときは、一緒にスマホで調べるのもお勧めです。農家の方に聞いてみるのもいいかもしれません。風景は、食卓と土をつないでくれる先生なのです。特に熊野地方には豊かな自然があるからその機会はとても多いと思います。
これからゴールデンウイーク。どこかに出かけられるご家庭もたくさんあると思います。いつも見慣れた景色より、風景に目をやる機会も増えますし、子どもの印象にも残りやすいので、ぜひ一緒に探してみてください。食べ物と子どもの距離がグンと近くなると思います。
(2022年4月23日付紙面より)
公共交通再編に向け住民説明会 (新宮市高田地区 )
新宮市高田地区の新高田会館で14日夜、同地域における公共交通再編に関する住民説明会があった。地域住民ら約20人が出席。10月1日(土)からの実施を予定している公共交通再編の案について市職員から説明を受けた。
昨年度、市は同地区の公共交通に関してアンケートや意見交換会などを通して住民意見を聴取。交通事業者や関係機関と調整を重ね、住民意見などを基に再編案を作成。このたびの説明会を実施するに至った。
説明会開催に当たり、新谷嘉敏企画政策部長は、再編案作成に向けての地域住民の協力に感謝を示し「これまでご意見いただいた中でお示しできる案が完成した。社会情勢も変わる中、今後も意見を頂きながらより良い再編を目指したい」とあいさつした。
同地域の人口は3月末現在で245人(167世帯)、高齢化率は57・14%。現在▽路線バス高田線▽行政バス▽医療センター送迎事業(通院タクシー)▽熊野川診療所送迎事業▽買い物サロン―が主な移動手段となっている。
市が掲げる再編テーマは「既存交通の利便性向上による移動手段の確保」。地域公共交通の再編と生活支援の両面から交通課題への対応を目指す。
「行き先、便数が少ない」「運賃が高い」などが課題として挙がっていた路線バス高田線は、市街地の大型ショッピング施設を通過するルートに変更し現在の1日3往復を5往復に増便。高田―新宮駅間の上限運賃を500円とするなどの独自運賃を設定すると提案。
「自宅からバス停まで遠い」などが課題だった既存の行政バスは、運行範囲と便数、頻度の拡充による路線バスへの接続強化を図る。運行は同地区地域おこし協力隊が担う。
医療センター通院タクシー・熊野川診療所送迎・買い物サロンに関しては、運行内容のさらなる周知や行き先の拡充など利便性の向上について、高田支所や市社会福祉協議会の既存事業の中で地域住民と共に継続協議をしていくとしている。
市職員は既存交通の新旧比較表・路線図(案)などを示しながら説明。住民は「路線バスの利便性は上がるかもしれないが総合的には不十分だと感じる」「通院は地域の最大の課題。その問題に関してあまり対応されていないと感じる。乗り合いバスのようなものがあれば」「具体的なことが一つも聞こえてこない」などと意見した。
新谷企画政策部長は「今後どういったことができるのか、相談や検討をしていきたい」と理解を求めた。
(2022年4月16日付紙面より)
潮岬望楼の芝管理運営委 (串本町 )
串本町潮岬にある潮岬望楼の芝で11日、晩春恒例の芝刈り作業が始まった。芝地のほぼ全面を一刈りする内容で、ゴールデンウイーク(GW)明けまで段階的に続く予定。
この作業は、潮岬望楼の芝管理運営委員会(田仲康慧会長)によるGW中の同芝キャンプ場の有料開設に合わせた定例の手入れ。本年度は29日(金・祝)から5月5日(木・祝)までの期間で最初の有料開設をすることを今月12日の役員会で決め、それまでにテント設営場所として提供する芝地の東側を仕上げるため一足早く11日から着手している。
高齢者も多い同委員の体力と安全を考慮して一日の作業時間を休憩込み4時間までとし、回を重ねて段階的に刈り進める。作業時の人員は10人前後。有料開設の実施を決めるまでは同委員それぞれ愛用の草刈り機を持って旭の森周囲など遊歩道沿いの草を刈り、決定後の翌13日からはさっそく手押しの芝刈り機4台を投入して東側の芝刈りに取りかかった。田仲会長はまだ作業序盤だが東側の芝刈りは順調に進んでいると話し、新型コロナウイルスの情勢により3年ぶりとなるGW中の有料開設に意気込んでいる。
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同芝キャンプは本年度から無料開設を取りやめ、有料開設期間のみ設定。小学生以上1人1泊1000円(日帰りや車中泊も含む)の清掃協力金と引き換えに、環境省の許可に基づいて望楼の芝の東側でテント設営場所を提供し受付で配布したごみ袋でキャンプごみを引き受ける(分別出しが条件)。
清掃協力金は、同芝キャンプ場専用駐車場(望楼の芝の北東に位置)そばで期間最終日前日まで午前8時~午後5時に設置する現地受付で対応。先行で期間前日の午後4時から利用でき、田仲会長は夕方に自ら待機するので1泊分を納入してほしいという。
同芝キャンプ場の問い合わせは町産業課(電話0735・62・0557、平日午前8時30分~午後5時15分)まで。
(2022年4月16日付紙面より)
旧串本は微減、本宮は減 (観光入込客数 )
和歌山県はこのほど、2021年観光客動態調査(速報値)を発表した。本紙エリア内では対20年比で、観光入込客の総数、日帰り、宿泊のいずれも、那智勝浦町が微増、旧串本町が微減、田辺市本宮町が減となった。
那智勝浦町は、総数で5万9530人、日帰りで3万2143人、宿泊で2万7387人のプラスとなった。対20年比で順に、107・1%、105・3%、112・0%となる。
微増の理由について県は「火災で一時閉館していた温泉旅館が、リニューアルオープンしたのが一要因ではないか」と分析している。
しかし他方で、19年比は66・0%、64・8%、69・4%となっており、コロナ禍の深刻さがうかがえる。
旧串本町は、総数で4253人、日帰りで609人、宿泊で3644人のマイナスとなった。対20年比で順に、99・6%、99・9%、98・7%。対19年比は70・5%、78・5%、53・5%となっている。
田辺市本宮町は、総数で38万970人、日帰りで36万6300人、宿泊で1万4670人のマイナス。対20年比は71・5%、70・9%、81・0%という結果になった。
県はこの理由を、集計が「年度」ではなく「年」のためと考えている。20年の数字は20年の1月から12月までの集計で、20年1月はまだぎりぎり、コロナ禍の影響が本格化する前。熊野本宮大社への初詣客が多数訪れていたため、これが加算されている。対して21年の1月は、コロナ禍で初詣客は激減し、集計に大きく影響した。
なお対19年比は、50・9%、51・6%、43・0%となった。
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21年の外国人宿泊客数も発表された。本紙エリアでは対20年比で、新宮市が44・1%、那智勝浦町が8・1%。コロナ禍による激減の度合いが鮮明となった。
(2022年4月16日付紙面より)
熊野那智大社が救援金箱設置 (那智勝浦町 )
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く現状を受けて、熊野那智大社(男成洋三宮司)では現在、本殿前にウクライナ人道危機救援金箱を設置している。
これまでも熊本地震、九州北部豪雨や西日本豪雨の被災地などへも義援金の支援に取り組んでいる同大社。
今回も人道支援のために先月中頃から箱を設置。期間は5月のゴールデンウイーク明けまでを予定しているという。集まった救援金は町を通じて、日本赤十字社に寄付を行うとしている。
神職らは「われわれは祈ることが使命です。こういうときだからこそ、取り組ませていただいております。参拝の際にはお気持ちでご協力いただけましたら幸いです」と話していた。
(2022年4月16日付紙面より)
天満公民館で竣工式 (那智勝浦町 )
昨年から建設が進められていた那智勝浦町天満の天満公民館(以後、公民館)の整備工事完了に伴い8日、竣工(しゅんこう)式が開かれた。堀順一郎町長や区民、関係者など約20人が集まり、待望の施設完成を祝った。
旧公民館は旧那智町時代の1953年に建設された。シロアリ被害や老朽化が著しく、区民からは建て替えの要望があった。
これは町と天満区の現クリーンセンター使用期限協定に基づくもので、これまでも天満倉庫(防災書庫)の建設や区民会館の改修などが実施されている。おととしに旧公民館を取り壊し、昨年6月から着工。3月18日に工事を終えた。
新公民館は避難施設としての機能を備えており、緊急防災減災対策事業債を活用。事業費は本体工事費と設計管理費合わせて1億9569万円。建物は鉄骨造3階建て。敷地面積が638・57平方㍍で延べ床面積が389・19平方㍍。1階(多目的ホール)、2階(大小の会議室)が公民館、3階が防災倉庫、屋上には140人が避難できる。海抜は4・8㍍で、屋上は16㍍となる。
使用料は公民館活動での使用は無料。それ以外での利用は1枠500円となっている。館長は田中逸雄教育次長が兼務する。
式典には岡田秀洋教育長、荒尾典男町議会議長、大屋勉区長、田原光英天満分館長が出席。塩谷設計事務所と三和建設株式会社に感謝状が贈られた。
堀町長は「町民の皆さまに『集い』『学び』『結ぶ』場所として文化活動や交流の場として広く活用していただきたい」と式辞。荒尾議長は「新公民館は皆さまの知的欲求を満足させるものであり、避難所としても安心の一助となる」と祝辞を述べた。
テープカットを終え、大家区長は「立派な公民館を建設いただきありがたい。事業者の皆さまや近隣住民の皆さまには感謝している。区にとって4カ所目の避難場所ができ、安心。地域外の方の利用も多いと思うので、ルールやマナーを守って進めていただけたら幸いです」と語った。
なお、同日には内覧会が実施された。翌9日にも予定しているという。
(2022年4月9日付紙面より)
新型コロナウイルスの影響で (熊野市 )
熊野市の七里御浜海岸で8月17日に開催を予定していた「熊野大花火大会」の中止が決まった。新型コロナウイルスの影響がいまだ継続している中、おととし、昨年に続き3年連続の中止となった。
今月7日に開催した熊野大花火大会実行委員会で協議し、大会関係者、ボランティア、周辺住民、来場者などの安全を第一に考え、開催準備を含めた影響を踏まえての判断とした。例年、地元や各企業からの協賛によって運営しており今年は協賛募集も中止とした。
大会本部長の河上敢二熊野市長と大会実行委員長の中平孝之市観光協会長は連名で「新型コロナウイルス感染症が一日も早く終息し、来年こそは多くの方に来場していただき、楽しんでもらえるような熊野大花火大会が開催できるよう、実行委員会一同、力を合わせていく所存です」などとコメントを公表した。
熊野大花火は初盆供養として江戸時代から始まり、300年以上の歴史と伝統を誇る。全国屈指の花火大会として知られ、海上に直径600㍍の半円を描く「三尺玉海上自爆」、フィナーレの鬼ヶ城大仕掛けなど色とりどりに夜空を覆う花火が観衆を魅了している。
(2022年4月9日付紙面より)
勝浦LCが清掃活動 (那智勝浦町 )
勝浦ライオンズクラブ(勝浦LC、戸間宏治会長、岡本英博奉仕委員長)は5日、那智勝浦町築地周辺で清掃奉仕例会と第2期地区一斉清掃を実施した。会員は火ばさみやごみ袋を持って、ごみ拾いに汗を流した。
勝浦LCは今回の清掃活動に加え、日本赤十字社和歌山県血液センターに協力し、献血奉仕活動などにも取り組んでいる。
この日ははじめに例会を開き、8日に4月度第1理事会を開催することや18日(月)に同町役場で献血奉仕活動を実施すること、3月に太地町公民館で行った献血では受付人数が46人で43人が献血したことなどが報告された。
記念撮影後、会員は協力しながら、空き缶やペットボトル、たばこの吸い殻などを拾い、町の景観美化に努めた。
岡本奉仕委員長は「那智勝浦町は観光の町。観光客が訪れる中、道端にごみなどが落ちていると良いイメージにつながらない。二度三度と来町してもらうためにも継続的にきれいにしていきたい」。
戸間会長は「コロナ禍の中、会員の皆さんに多く参加いただき、ありがたい。ライオンズクラブが町をきれいにする美化活動などにも取り組んでいることを知っていただけたら幸いです」と話していた。
(2022年4月9日付紙面より)
新宮仏教会(会長=清水文雅・本廣寺住職、会員14人)は8日、新宮市千穂の宗応寺(石原知実住職)で降誕会(ごうたんえ=花まつり)法要を営んだ。会に加盟する住職や副住職たちがお経をあげ、お釈迦(しゃか)様の誕生を祝った。午後からは市福祉センターで平和祈念祭法要が営まれた。
「花まつり」は「降誕会」「灌仏会(かんぶつえ)」「仏生会(ぶっしょうえ)」などと呼ばれ、涅槃会(ねはんえ、2月15日)、成道会(じょうどうえ、12月8日)とともに三大法会の一つとして重んじられている。
お釈迦様の母は出産が近づき、土地の習慣に基づいてカピラ城の東にある実家に向かう途中、ルンビニーの花園で休まれ、体を洗い、花を採ろうとされた時にお釈迦様を出産したと伝わっている。天は誕生を祝って甘露の雨を降らせたことが「甘茶」の由来となり、ルンビニーの花園をかたどり「花御堂」となったといわれている。
清水会長は開催に協力した関係各位に感謝を示し「降誕会も平和祈念祭(戦没者供養)も命について考える法要。ロシア、ウクライナ間で戦争が起きている今こそ、改めて命と平和の尊さを思い起こし、世界中の安穏を祈りたい」と話していた。
なお、法要後に実施している市内老人ホームへの慰問は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から昨年に引き続き取りやめとした。
同会は、市内にある▽松巌院▽淨泉寺▽瑞泉寺▽清閑院▽清蔵寺▽清凉寺▽専光寺▽宗応寺▽長徳寺▽東仙寺▽遍照院▽本廣寺―の12カ寺で構成している。
(2022年4月9日付紙面より)
官公庁で辞令交付式
官公庁で1日、辞令交付式があり、新年度がスタートした。熊野地方の各自治体の首長たちは、昇任した幹部職員や新規採用職員らを前に「地域のために一致団結して職務に」などと奮起を促した。
新宮市では、田岡実千年市長が課長以上の管理職員、新規採用職員などと分けて人事発令通知書を一人一人に手渡した。幹部職員には「極めて厳しい時期ではありますが、全ての職員が一致団結して課題に取り組み、市民と向き合って市政を推進していかなければならない。そのためには皆さんの情熱と誇りによる、強いリーダーシップが何より重要」と訓示。
医療職に対し「交通事情の悪い地域においては救急体制をはじめとした地域医療を取り巻く環境は極めて厳しいが、現状を認識いただき患者の目線に立った診療を」と呼び掛けた。
また、23人の新規採用職員に対しては「まずは目の前の仕事を一つ一つこなしながら経験を積み重ね、一日も早く市民から信頼される職員に」と期待を込め「市職員としての一歩が、市の輝かしい未来の原動力になるものと確信している」と激励した。
新規採用職員を代表し、米地祥子さんが「地方自治の本旨を体するとともに、公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行する」と宣誓書を読み上げ、新生活の一歩を踏み出した。
(2022年4月2日付紙面より)
新宮警察署串本分庁舎開所 (和歌山県警 )
和歌山県警察本部の4月1日付警察署の再編などに伴い、旧串本警察署庁舎が新宮警察署串本分庁舎(田原正士署長、山本貴彦分庁舎長)に切り替わった。
旧串本署管内区域のすさみ町は白浜署、串本町と古座川町は新宮署へそれぞれ移管。県警は旧串本署を新宮署に統合し、旧串本署庁舎は同分庁舎、串本町サンゴ台にある旧串本署代替指揮所は同分庁舎別館として引き続き運用するとしている。
警察行政面で新宮署各課から同分庁舎へ課員を配置し▽運転免許関係の手続き▽交通許認可関係の申請▽生活安全許認可関係の申請▽落とし物の届出▽警察安全相談の届出―などのサービスを継続。平日の午前9時~午後5時45分の開庁時間に利用できる。
他の業務について開庁中は同分庁舎、時間外は同分庁舎別館を拠点にしてパトロール活動や事件事故対応などに当たる。駐在所関係では古座川町域は駐在を継続、串本町域は駐在から日勤(交代勤務)へと切り替え時間外は所内設置の電話でやりとりをする形となる。同分庁舎の時間外にも同様の仕組みを適用する。その他体制など詳細は県警公式ホームページの発表を参照。
山本分庁舎長によると、同分庁舎に常駐する警察官の数はほぼ半減となるが母体の新宮署は数が増しており、同分庁舎管内については同分庁舎が初動し本署が増員する二段構えでマンパワーを有効に活用し今まで以上に強固な有事対応を目指すという。
田原署長は「串本町や古座川町の皆さまにとっては本署が遠くなるが、不安があれば頼っていただきたい。体制が変わってもわれわれがやること自体は変わらない。治安維持の間断を生じさせないよう弾力的に取り組み、皆さまの不安を払拭(ふっしょく)したい」と話している。
(2022年4月2日付紙面より)
キナングループ入社式 (新宮市 )
新宮市浮島の株式会社キナン(角口賀敏会長、角口孝幸社長)本社で1日、令和4年度のグループ入社式が行われた。同社への13人とグループ会社の平戸金属工業(株)(下向章弘社長)2人の計15人が会社と共に成長を目指すと誓った。
社歌斉唱後、角口会長が「与えられた権限の中で精いっぱい羽ばたいてほしい。失敗しても構わない。それが身になるため、いろんなことにチャレンジしてください」と激励。
役社員紹介、来賓の祝辞、社員章と記念品授与の後、角口社長は▽新しいことに積極的に挑戦する▽行動し発言する―と呼び掛け「自分の仕事に情熱を注いで、新たな挑戦の場をつかんでいってください」と歓迎した。
新入社員代表の長谷川直人さん(22)は「温かい励ましの言葉を頂いて、決意も新たに身が引き締まる思い。まだ右も左も分からない状態ではありますが、一刻も早く株式会社キナンの一員となれるよう最大限の努力をしていきます」と決意を述べた。
最後は同グループの経営理念を唱和し、同じく新入社員の前田大志さん(22)が「やるぞ!」のコールで士気を高めていた。
(2022年4月2日付紙面より)
「きほっこ」の児童が受講 (紀宝町 )
紀宝町の放課後児童クラブ「きほっこ」の新3~6年生児童9人が参加した「ふくし」講座が3月31日、町福祉センターであった。児童たちは福祉と認知症への理解を深め、認知症サポーターの証しである「オレンジリング」と「認知症キッズサポーター」を受け取った。
毎年、春休みに町社会福祉協議会が開催する「ボランティアスクール」が今年は中止になったことから、きほっこの児童を対象に実施した。
町社協の名取雅博さん、須川美己さんが講師。名取さんは「福と祉には『幸せ』という意味があり、福祉は普段の暮らしを幸せにすること」と説明した。
「辛(つら)いことがあっても何か一つ足せば幸せになる」と話し「その一つをみんなで考え、実行しよう」と呼び掛けた。
須川さんは認知症の原因や特徴などを説明し「目を合わせ笑顔で話して」とアドバイス。▽驚かせない▽急がせない▽心を傷つけない―の三つを心掛けてほしいとした。
講話後、児童たちは2人一組で車椅子を体験。操作方法を学び、屋外で段差や砂利道を通った児童は「初めて乗った。ささいな段差も1人で越えられないことが分かった」と話していた。
(2022年4月2日付紙面より)