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2022年02月17日
1 重文の調査など進む
 神宝館修理事業に伴い初の清掃  (熊野速玉大社 )

 現在、修理が進む新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の熊野神宝館で16日、重要文化財の神輿(みこし)と神幸用船(しんこうようせん)の清掃作業が行われた。文化庁、日本美術院職員らが協力し15日から開始。3日ほどかけて清掃作業や点検・調査などを実施していく。

 おととし10月から始まった神宝館修理事業に伴う今回の清掃。同館は屋根のふき替えや天井の修繕、内装の改修などが行われており、同所にあった他の宝物は現在県立博物館に移動しているという。

 その機会を利用して行われたこのたびの清掃の対象は「髹漆(きゅうしつ)金銅装(こんどうそう)神輿」と「髹漆金銅装神幸用船」。神輿は戦前まで同大社例大祭で使用されていた記録が残っており、神幸用船は1983年まで御船祭(みふねまつり)で実際に使用されていたという。

 神輿と神幸用船が宝物殿に所蔵されたのは四、五十年前。ともに重要文化財であることから、専門家による大掛かりな清掃作業は今回が初めて。同時に点検・調査を行うことによって今後本格的に修理などを展開していくための資料作りも実施していくとのことで、文化財調査官の伊東哲夫さんは「神幸用船には櫓(やぐら)が付いていたことなども分かった。修繕により本来の姿を取り戻せたら」。

 上野宮司は「かけがえのない重文。清掃を通して自分自身気付いたことも多い。昔の技術の高さに改めて驚かされた」と話していた。

 神宝館は早ければ今年10月の例大祭、遅くても年末までには開館する予定としている。

  □     □

■髹漆金銅装神輿

 木造漆塗、金銅製金具。高さ232㌢。屋根の頂に鳳凰(ほうおう)を飾る「鳳輦(ほうれん)」と呼ばれる形式。裏板に明徳元(1390)年の寄進銘と後世の修理銘があり、5回にわたり大坂などで修理されたことがうかがわれる。

■髹漆金銅装神幸用船

 木造漆塗、金銅製金具。長さ667㌢、幅160㌢。神輿と同じく明徳元年の「熊野山新宮神宝目録」に「御船」として記載があるが、付属する鏡や飾金物には天和2(1682)年の銘があることから、同年に明徳年間奉納の「御船」を模して制作されたものと考えられている。

(2022年2月17日付紙面より)

文化庁、日本美術院職員らが清掃や調査などを実施=16日、新宮市の熊野速玉大社
2022年02月17日
2 クマノザクラの苗木40本
 三重トヨペット、トヨタ自動車が寄贈  (紀宝町 )

 三重トヨペット株式会社とトヨタ自動車株式会社は緑化活動「ふれあいグリーンキャンペーン」の一環として16日、紀宝町にクマノザクラの苗木40本を贈呈した。

 キャンペーンは、人と人との触れ合いのある豊かな町づくりを目指した社会貢献活動で、1976年から毎年実施。これまで三重県に7429本を寄贈してきた。46回目を迎えた今年は、一般公募で希望のあった県内の市町や学校に計218本の苗木を贈ることにしている。

 このうち、紀宝町は普及を図るため2018年に発見された新種「クマノザクラ」を希望。この日、役場玄関前で贈呈式を行い、三重トヨペットの井上喜晴社長が西田健町長に苗木を手渡した。

 苗木は高さ約180㌢で、11年の紀伊半島大水害でサクラの被害を受けた同町浅里和田地区の県道小船紀宝線近くに植える予定だという。

 井上社長は「今回寄贈をさせていただいたことで、紀宝町で地域の方々に愛されるクマノザクラを普及できることをうれしく思います」、西田町長は「現在普及、保全活動を行っているクマノザクラを寄贈していただき大変ありがたい。より一層、普及、保全活動に努めてまいります」とコメントした。

 県内でクマノザクラは紀北町以南に分布し、紀宝町では山間部などに自生。飛雪の滝キャンプ場や矢渕中学校などにも植樹されている。

(2022年2月17日付紙面より)

井上喜晴社長(左)から苗木の贈呈を受けた西田健町長=16日、紀宝町役場
2022年02月17日
3   

2022年02月17日
4 「大切な人のため、逃げて」
 市野々小学校で防災学習  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で15日、オンラインの防災学習が開かれた。5、6年生12人が日本福祉大学社会福祉学部の野尻紀恵教授に1年間の学習の成果を発表し、地域の人々の命を守るためにできることを一緒に考えた。

 同町教育委員会主催。野尻教授は社会科学や福祉の視点から防災や減災、子どもの貧困などについて研究。同町とゆかりがあり、2011年の紀伊半島大水害後には被災した町内小学校の支援にも携わっている。当初は昨年9月に地域住民を招いた特別授業「市小防災の日」で講話予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大で延期となっていた。

 5年生は紀伊半島大水害発生当時の地域の様子や復興への道のりについて報告し、6年生は早期避難と分散避難の提案をした。早期避難について「昨年9月26日に市野々地域に警戒レベル4『避難指示』が発令されたが、私たちは逃げられなかった。避難を呼び掛けても、受け入れてもらえないかもと思ったから。たくさんの人が避難するようになれば、避難に対する抵抗も減るのでは」とまとめた。

 野尻教授は「素晴らしい発表に感動した」と講評。「『逃げてほしいけれど、逃げてくれない』。それは防災に関わる人々が共通して頭を悩ませている問題。毎年災害で被害が出て、そこから学んで次に生かしていくしかないのだが、その被害が人の命であってはならない」と言及した。

 児童からの「地域の人たちに逃げてもらうにはどうしたらいいのか」という問いに「人は、自分のためではなく、大切な人のためにしか逃げられないと思う。祖父母や地域の人たちに『あなたの命が大切』『私のために、逃げて。避難所で会おうね』と伝えること。そして、率先避難者になる仲間をつくること」とヒントを出し、来年の市小防災の日までの宿題とした。

(2022年2月17日付紙面より)

5、6年生が取り組み発表=15日、那智勝浦町立市野々小学校
野尻紀恵教授が講話
2022年02月17日
5 自然豊かな町の写真  紀宝町フォトコンテスト  
2022年02月17日
6 ネットでの対話を考える  オンライン出前授業  (鵜殿小 )
2022年02月17日
7 できる限りスマホ利用を  令和3年分の確定申告始まる  (新宮税務署 )
2022年02月17日
8 新しい世界で飛躍を 6044億円の新年度当初予算案 (和歌山県)
2022年02月17日
9 中学4人、高校3人合格 近大新宮の後期入試 
2022年02月17日
10 紀の松島めぐり臨時休業延長  コロナ影響で3月11日まで  (那智勝浦町 )
2022年02月17日
11 恥ずかしがりのサクラ咲く  沖縄からやって来て数十年  (那智勝浦町 )
2022年02月17日
12 冬の日差し受け虹かかる  弧に至らずもうっすらと  (串本町 )
2022年02月17日
13   
2022年02月17日
14 お悔やみ情報
  
2022年02月04日
15 高校生の悩みに「本」で回答
 3高校で読書のススメ講座  (新宮・東牟婁 )

 帝京大学の学生ボランティアグループ「共読サポーターズ」による「本って面白い!読書のススメ講座」が2日、オンラインで開かれた。新宮・東牟婁地域の県立新宮高校、新翔高校、串本古座高校の図書委員ら12人が参加し、本を読み合い、薦め合い、評し合う「共読」の楽しさに触れた。

 和歌山県教育委員会による「読書を楽しむ習慣づくり事業」と、県立高校で図書委員を務める生徒たちによる「生徒図書充実委員会」の交流行事を兼ねて開催した。

 「共読」とは、読書で得た情報を共有・交換し合うことで、その価値と効果を相互に高める発展的循環型の読書を指す造語。共読サポーターズは、同大学の読書推進プロジェクト「共読ライブラリー」の一環として2012年から公募で組織され、本と読書の魅力を伝える活動を展開している。

 共読サポーターズからは大学3、4年生の5人が出席。月例の活動である企画展示づくりやビブリオバトル、ブックレビュー執筆のやりがいを語り、一人一人が活動を通じて出会った本「ヒーローズ㈱」や「最後は会ってさよならをしよう」などの魅力を紹介した。

 大学生の悩みに著名人が本を紹介する形で答える企画「S―MONDO」にも触れ、実際に参加した高校生の悩みに大学生が回答。「自分に自信を付けるには、どうしたらいい?」という問いには「私に、魔法をかけてDisney Princess Rule」を薦め、「自分が思う理想の人に一歩ずつ近づく行動を取ることが大事。ディズニープリンセスの映画の中の行動に、理想の人に近づくエッセンスが詰まっている」と答えた。

 新宮高校の谷口日和さん(1年)は「大学生の話を実際に聞けるのは、とても貴重な経験だった。今まで名前は知っていたけれど読んでいなかった『西の魔女が死んだ』を読んでみようと思う。小説が好きで、友達にも本の魅力を伝えたいと思った」と話していた。

(2022年2月4日付紙面より)

大学生が本と読書の魅力を伝える(和歌山県教育庁生涯学習局生涯学習課提供)
講座に耳を傾ける生徒たち=2日、新宮市の県立新宮高校
2022年02月04日
16 「地域で役立ててほしい」
 サクセムがパンとマスク寄贈  (太地町 )

 和歌山県紀の川市に工場を置く菓子製造会社のサクセム株式会社(中里輝茂代表取締役社長、本社=大阪府熊取町)は1日、太地町役場に備蓄保存パン「ライフブレッド」(形状規格外品)300本とマスク1800枚を寄贈した。三軒一高町長は「アルファ米など、毎日同じ非常食を食べるのも難しい。試食したが、味も好評だった。高齢者の方にも喜んでいただけると思う。町の備蓄に加えたいと考えている。本当にありがたい」と感謝を述べた。

 2008年に大阪府堺市で青果販売業として創業された同社は14年から洋菓子の製造を開始した。世界中の飢餓に苦しんでいる子どもたちに無償で配布し、救済することを目標に10年の歳月をかけて備蓄保存パン「ライフブレッド」を開発した。その実現を目指して、国連や非政府組織(NGO)との交渉などにも日々、奮闘しているという。

 さらに同社は国産カットネギ市場を構築すべく、16年に自社農場で青ネギの栽培を開始。雇用創出も視野に入れ、和歌山県全域で地元農家、JAなどの協力の下、青ネギの委託栽培とカット用青ネギの出荷も行っている。

 ライフブレッドはバリアー性の高いアルミ包材を使用し、微生物や水分活性を徹底して管理することで、常温で5年6カ月の保存期間を保証している。

 昨年は新宮市に、今年1月に紀の川市と北山村にも寄贈を行っている。この日は中里社長をはじめ、和﨑優子取締役と須﨑重博取締役も同行した。

 中里社長は「弊社のパンがどのようなものかを知っていただきたい。機会があれば、大量に配布したいので、各地域でも役立てていただければ」と語った。

 町担当職員は「数を見ながら、各避難所などに振り分けたい。太地町は台風の影響を受けやすいため、避難所を頻繁に開設する。その際に皆さまに提供したい」と話していた。

(2022年2月4日付紙面より)

備蓄保存パンなどを寄贈したサクセム株式会社の中里輝茂代表取締役社長(右から2人目)と和﨑優子取締役(右端)=1日、太地町役場
寄贈された備蓄保存パン「ライフブレッド」
2022年02月04日
17 災いが和らぐよう祈る
 東仙寺で節分星祭  (新宮市 )

 新宮市新宮の丹鶴山東仙寺(鶴田隆寛住職)で3日、「節分星祭」が営まれた。厄年の男女が訪れる中、鶴田住職がご本尊・弘法大師の前で護摩供養を行い、信者たちの身体健康や家内安全などを祈った。

 同寺は「東海白寿三十三観音霊場」の一番札所。星祭は、人がそれぞれ生まれた年によって持っている「本命星」の巡りが悪い人たちの災いが少しでも和らぐようにと祈る祭りで「星供養」とも呼ばれている。午後5時からは地域住民らが境内に掘られた穴で正月のしめ縄や松飾りなどを焼く「どんど焼き」が行われる。

 参列した60代女性=同市蜂伏=は「毎年、足を運んでいます。健康と商売繁盛、当地方でも発生している新型コロナウイルスの一日も早い収束を願いました」。

 鶴田住職は「感染対策には日常生活はもちろん、心の中にしっかりとした思いを持つのも大切な予防。どうすれば感染拡大を抑えることができるのか、まずは一人一人、自らの行動を律することから始めるのが重要だと思います」と話していた。

(2022年2月4日付紙面より)

ご本尊の前で護摩供養を行う鶴田隆寛住職=3日、新宮市の丹鶴山東仙寺
2022年02月04日
18 接点のあるトンガへ支援を
 町内7カ所に救援金箱設置  (古座川町 )

 古座川町が1日、役場本庁など町内7カ所でトンガ国海底火山噴火災害救援金の受け付けを始めた。期間は3月15日(火)までで、今月2日に防災行政無線などで町内周知を図り協力を求めている。

 この災害は、日本時間の先月15日午後1時すぎにあったトンガ沖の海底火山「フンガトンガ・フンガハアパイ火山」の大規模噴火に伴い発災。翌16日午前0時15分、太平洋沿岸に津波警報などが発令されたことで遠く離れた日本でも広く知られるところとなった。

 同町にとって被災したトンガ王国は出身者の縁がある国。歴代の農政大臣に名を連ねるシヨタメ・ツトム・ナカオ(中尾勉)さんの父・中尾重平さんは大柳の出身で、船大工としてオーストラリアへ移民後、トンガへと渡り事業家として大成した。生涯望郷の念を抱くも帰郷はかなわず他界。亡き父の思いを継いでツトムさんが1973年11月22日、白浜町で公演をしていた母国の舞踊団を引き連れて来町し、大柳に眠る先祖代々を墓参した後に明神小運動場で町主催の歓迎式へ出席し返礼として舞踊団によるトンガ舞踊を披露して町民約300人が見届けた。

 当時児童だった町民は今還暦前後の年齢。今も多くの町民の記憶に残るところで、そのいきさつは国際交流事例の一つとして父・重平さんの生涯と共に町史に刻まれるところともなっている。そのような接点がある国の窮状を受け、町は住民生活課を軸にし町民からの救援金受け付けに動いている。

 投票箱を汎用(はんよう)した救援金箱を▽役場本庁▽中央公民館▽保健福祉センター▽役場七川出張所▽役場三尾川(みとがわ)出張所▽役場小川出張所▽七川診療所―に据え、開庁・開館中に随時寄せてもらえればとしている。問い合わせは町住民生活課(電話0735・72・0180)まで。

(2022年2月4日付紙面より)

トンガ国海底火山噴火災害救援金箱と町史に刻まれている接点の一節=2日、古座川町中央公民館
1973年の歓迎式で披露されたトンガ舞踊の様子(古座川町提供)
2022年02月04日
19 子どもの文化力向上に  熊野新宮ミュージアムがDVD寄贈  (新宮市 )
2022年02月04日
20 心の鬼をやっつけよう!  天満保育園で豆まき  (那智勝浦町 )
2022年02月04日
21 春季大祭で安泰を願う  花の窟神社「お綱掛け神事」またも中止に  (熊野市 )
2022年02月04日
22 利用再開望む声も  施設休止期間を10日に短縮  (紀宝町 )
2022年02月04日
23 明神地内で岩の一部崩れる  影響受けた県道通行止めに  (古座川町 )