元気いっぱい寅描く (勝浦八幡神社 )
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)で11日、初の大絵馬作りが行われた。太地町在住で日本画家の土長けいさんと共に町内の3歳から12歳までの32人が参加。子どもたちは来年の干支(えと)である「寅(とら)」を色とりどりの絵の具を使って自由に描いた。大きな虎と小さな虎が寄り添い、勝浦の祭りで見られるササが彩りを添えた大絵馬は30日(木)に境内に掲げられる予定。
大絵馬作りは神社本庁の過疎地域活性化推進施策を同社が受け実施。髙橋宮司によると「勝浦でも大絵馬を作りたい」という声もあり、今回に至ったという。これまでには太地町の飛鳥神社で2度、大絵馬が制作されている。
髙橋宮司は「町が元気になるように、皆さんの元気で自由に描いてください」とあいさつした。
大絵馬は縦120㌢、横150㌢のヒノキ製。今回は感染症対策と参加人数が多かったことから、「大虎」「小虎」「ササA」「ササB」の四つの班に分かれて、アクリル絵の具や筆を用いて作業に取り組んだ。順番を待つ班は小さな絵馬に好きな絵や目標を描いていた。
また、神社総代会のメンバーらが大絵馬を設置するための絵馬立てにニスを塗るなど協力した。子どもたちは「楽しい。もっと塗りたい」「模様をもっと付けたい」と笑顔で楽しんでいた。
土長さんは「元気な絵馬ができた。班が変わるごとに完成に近づくのは不思議で面白かったのでは。わくわくしながら楽しむ感覚を記憶していただくことが大事」。
髙橋宮司は保護者に対して「町の元気がないと神社も元気が出ない。子どもたちが地元を出ても、今回の絵馬を思い出して帰ってきてもらえたらありがたい。ふるさとを愛する気持ちを伝えていただけたら」。子どもたちの絵馬については「皆さんが真剣な表情で集中して描いてくれた。心に残ってくれたのでは。元気いっぱいの絵馬になった。面白かったなと思っていただければうれしいです」と語った。
大絵馬作りは毎年実施する予定で、新しい大絵馬ができた際は社務所に設置していくとしている。
(2021年12月15日付紙面より)
旧古座分庁舎で体験企画 (串本町 )
串本町が11、12日の2日間、旧役場古座分庁舎で体験企画「どんな力をつければ宇宙飛行士になれるか?~宇宙飛行士候補者選抜試験に挑戦!!」を実施した。
この企画は、町が前年度に町民向けワークショップを監修するなどロケット振興事業に協力した株式会社USPジャパン=東京都=の提案に基づいて展開する機運醸成策の一つ。同試験の体験を通して宇宙への関心を高めてもらうことを狙いとし、今月と来年1、2月に計3回開く予定という。
初日は町内の小学生~高校生や小中学生の家族、2日目はガイドや教育関係者を対象とし、講師は宇宙関係の次世代教育団体「日本宇宙少年団」の宇宙兄さんズ(小定弘和・副事務局長と小島俊介・宇宙ホンモノ体験総括の2人)が担当している。
両日とも90分の枠組みで「図形を言葉で伝える」など同試験3題を体験する内容。2日目は内容の意図や体験を動機付ける要領など指導する側のノウハウ解説も含んでいる。
講師2人は宇宙という素材が子どもたちの成長にとても役立つことや、その実行手段として同団が展開している宇宙教育の理念や正しい情報に基づく進め方などを町域へ伝えて託す思いで取り組んでいるそう。残り2回も同一の内容を体験提供するとして、思いの裾野を広げるため対象となる子どもやその家族、ガイドや教職員の意欲的な参加を期待した。
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■今後の実施は後日告知
この企画は参加無料、事前申し込み制。1、2月の詳細は同日現在未定で、事務担当の町企画課ロケット推進室は決まり次第、学校や観光協会経由の告知などで伝えるとしている。問い合わせは同室(電話0735・67・7004)まで。
(2021年12月15日付紙面より)
市民有志が署名提出 (新宮市 )
新宮市民有志(清原和代代表世話人)ら6人は14日、新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長に市立医療センター常勤産婦人科医師の確保を求める9856人分の署名を届けた。
常勤医師1人の退職決定に伴い、来年3月19日以降の分娩(ぶんべん)予約休止を発表している同医療センター。新宮・東牟婁エリアの中核病院として、年間約300件の分娩を行ってきた。
このたびの署名は、約2週間の期間内において市内を中心とした市立医療センター圏域内の住民らから集められたもの。清原代表世話人は1万近く集まった署名を田岡市長に手渡すとともに、医師の確保を強く求めた。
清原代表世話人は、他府県において出産の際にトラブルがあり、30分離れた総合病院に移送されたが脳性まひとなり、30代で亡くなった事案や、個人病院で普通分娩を予定していたが予定日が遅れ、血圧が異常に上昇したため緊急帝王切開手術になり、ドクターヘリで受け入れ可能な病院で出産した事案など、署名活動の賛同者から寄せられたエピソードを紹介。
「今まさに子どもを作ろうとした矢先に今回の休止を聞き、新宮を離れる選択を語り合う夫婦の嘆き、よそで暮らす娘さんの里帰り出産を望む親御さんの不安など、心から安心して出産できない憂いの数々を耳にした」と述べ、引き続いての医師確保や、法律や条令など改正実現に向けた取り組みを要望した。
署名の重みを両手で受け取った田岡市長は「医療センターで分娩できないということはあってはならない。(署名は)心強い。必ず医師を確保するという強い思いで引き続き努力したい」。
「市民の安心安全の根幹は医療。長期的にも医師不足解消は課題。最優先事項として取り組み、医療センターの充実に努めたい」と述べた。
清原代表世話人は紙面を通して「市長に皆さまの思いを届けることができました。署名へのご協力、ありがとうございました」と感謝を伝えている。
(2021年12月15日付紙面より)
自然探訪スクールに19人
那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで11日夜、熊野学研究委員会自然部会と新宮市教育委員会主催の自然探訪スクール「上弦の月と冬の星座」が開かれた。近隣市町から親子連れなど19人が参加し、天体観測を楽しんだ。
美しいふるさとの自然に触れ親しみながらその恵みに感謝し、大自然の営みを学び、それを愛護する精神を培う目的で毎年開催している。今回は元中学校教諭の小林眞人さんが講師を務めた。
小林さんは屋外に設置した望遠鏡で、金星や土星、木星などの惑星を見せ、土星の衛星タイタンや月の表面なども観察。冬の代表的な星座や、地球の自転によって星が移動しているように見える仕組みを解説した。
小山田眞志君(神倉小5)は「土星の輪っかや、木星の衛星が三つ並んでいるのが見えた。いつか宇宙に行ってみたい」と話していた。
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■ふたご座流星群
三大流星群の一つであるふたご座流星群が、14日ごろに極大を迎える。今年は月夜のため、観察は月が沈んだ15日(水)午前3時から明け方までがおすすめ。
ふたご座流星群は、小惑星フェートンが軌道上にまき散らしたちりの道(ダスト・トレイル)に地球が突入することで、宇宙空間の流星物質が大気と衝突し、多くの流れ星が出現する現象だ。
(2021年12月15日付紙面より)
日本少年野球和歌山岩出大会
県レスリング新人大会で活躍 (新宮高校 )
熊野三山小学生バレーフェスタ
尾﨑酒造で初搾り (新宮市 )
熊野地方唯一の地酒メーカー、新宮市船町の尾﨑酒造株式会社(尾﨑征朗(いくろう)社長)で新酒の仕込み作業が本格化している。来年3月末までに700石、一升瓶で約7万本を造る予定で、正月用の太平洋しぼりたて生原酒、大吟醸、純米酒など約30種類の銘柄になる。
同社は紀伊半島の和歌山県田辺市以南から三重県松阪市周辺までの間で唯一、本州最南端の蔵元。6代目の尾﨑社長(77)が「地元の皆さんにかわいがってもらえるお酒を」と1880(明治13)年から約140年の伝統を守っている。
熊野川の伏流水や地元産「コシヒカリ」を使用するなど、地元「熊野」にこだわった酒造りを続けており、新宮出身の文豪・佐藤春夫や中上健次も愛飲していたことで知られている。
代表銘柄「本醸造太平洋」は「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で2017年、18年と2年連続の最高金賞を受賞するなど、数々の栄冠に輝いている。今年8月には「全国燗(かん)酒コンテスト2021」の「お値打ちぬる燗部門」で最高金賞を受賞した。
仕込みは10月25日から始まり、11月29日に初搾りが行われた。杜氏(とうじ)を務める小林武司さん(47)らがタンクに入ったもろみを櫂(かい)でかき混ぜる「櫂入れ作業」などに取り組んでおり、清酒を利き猪口(ちょこ)にすくい、色や不純物の有無などの品質を確認した。
新酒は「太平洋」の搾りたて生原酒として今月15日(水)から店頭に並ぶ予定だ。
小林さんは「今年は暖かかったが、ここ数日で温度が下がって安心している。うま味があって飲みやすいお酒に仕上がりました」。製造部長の森本紘造さん(44)は「楽しみにして待ってくれている人もいる。地元に密着したお酒造りを心掛けている。多くの人に楽しんでいただければ」と話していた。
搾りたて生原酒は3000本限定で3135円(税込み)。商品に関する問い合わせは同社(電話0735・22・2105)まで。
(2021年12月1日付紙面より)
熊野姫まつりに大勢が参拝 (那智勝浦町 )
加寿(かす)地蔵尊世話人会(中田勝康代表)は11月27日、那智勝浦町の熊野古道駿田峠の加寿地蔵尊(同町湯川笹ノ子)で「熊野姫まつり」を開催した。10周年の節目を迎える今年も多くの人々が参拝し、催しを楽しんだ。
加寿地蔵尊は、千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる姫を祭っている。姫の伝承にちなんだ短編映画「熊野古道加寿姫」の作成をきっかけに、それまで秋の大祭として営んでいた祭りを「熊野姫まつり」と改称し、今年で10年となる。
修験者の富岡秀清さんのほら貝に合わせ、平安装束の姫たちが加寿地蔵尊へ参拝。身体健全や無病息災を祈願する神事を営んだ。
奉納神楽のステージでは、藤紀流藤紀和会の姫組が「加寿姫舞」で稽古の成果を披露。晴天の下、タヒチアンダンスや江戸芸かっぽれ、Team雅龍のよさこい、しの笛と琴の演奏などがあり、小芝陽子さんも演歌で会場を盛り上げた。
会場ではマグロのかぶと焼きの振る舞いや農作物の販売、各家庭から持ち寄った「もらってくださいコーナー」もあり、最後は抽選券付きの「姫くじ引き」の賞品交換でにぎわった。
中田代表は「駿田峠が世界遺産に登録されて以降、本当に大勢の方に足を運んでいただいている。来年はこの地で命を落とした3人の姫をまつる三つ目の祠(ほこら)も完成する。今後も加寿地蔵尊を知っていただくため、新しいことに挑戦していきたい」と話していた。
(2021年12月1日付紙面より)
町子ども劇団等鑑賞事業 (串本町 )
串本町文化センターで11月29日、2年ぶりとなる町子ども劇団等鑑賞事業に基づく公演があり、町内の年長園児~小学4年生が劇団ポプラ=東京都=のミュージカル作品「ピーターパンとウェンディ」を鑑賞した。
この公演は、環境に秀でた同センターホールでプロの舞台芸術に親しむ機会として年1回、町教育委員会が町子ども会連絡協議会と連携し町内の小学生を対象にして実施。座席数(600席)の都合で1~3年生と4~6年生が隔年で参加する形となっていて、1~3年生が参加するときは次年度に入学する年長園児をゲストとして招待する形が定着している。
前年度は1~3年生が参加する番だったが、新型コロナウイルスの影響で実施できなかった。本年度はその巡りを引き継ぎ、劇団側が2回公演の協力をしてくれたこともあり、家族参加は見合わせたものの年長園児に加えて前年度に鑑賞できなかった4年生(前年度の3年生)も招待。対象者計491人を午前と午後の2組に分け、引率の教諭らと一緒に迎えた。
午後の部実施に当たり同協議会の小原真子会長は、年長園児もいることから分かりやすく「(本物の演劇を見るのは)なかなかない機会なので、しっかりと楽しんで」と気持ちを促して歓迎。以降はさっそく上演が始まり、約90分の鑑賞に親しんだ。普段は家族の参加も受け入れているが、今回は子どもと教職員のみに制限した。
(2021年12月1日付紙面より)
観光機構の理事会で選任 (那智勝浦町 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は11月29日、那智勝浦町築地の商工会館(南紀くろしお商工会本所)で令和3年度の第2回理事会を開いた。この日はオンライン含め11人が出席。機構設立時より理事長を務めてきた堀順一郎町長が理事長を退任し、清水貞吾副理事長が理事長職を引き継いだ。そのほか、一般会計収支補正予算などが承認された。
機構が11月4日付で観光地域づくり法人(登録DMO)となったことを受け、堀町長が19日付で理事長辞職届を提出。堀町長は機構が登録DMOとなったことで国庫補助金をはじめとする国からの支援が幅広く受けることが可能となったことを説明し、「かねて登録DMOとなった際には町の観光施策を推進していくためにも、常に観光の最前線におられて、民間の感覚と経験を持った方に交代すべきだと考えていた。今後は理事として引き続き、機構の運営に尽力してまいります」とあいさつした。
事務局からは南紀勝浦温泉旅館組合長の清水副理事長が理事長に、副理事長には理事である南紀くろしお商工会の森川起安会長が選任され、全会一致で承認となった。
森川副理事長は「堀町長、立ち上げから今日までの間、本当にご苦労さまでした。今後は副理事長として、理事長を支えていきたい」。
清水理事長は「大役を仰せつかり、身の引き締まる思い。観光機構の定款には関係団体と連携し、町の観光振興や地域活性化、産業の振興に関する事業を行い、地域の経済振興と地域社会の健全かつ持続的発展に寄与することが目的となっている。それらを皆さまと連携をしながら、精いっぱい努力する所存でございます」と抱負を述べた。
(2021年12月1日付紙面より)