田辺市本宮町の熊野本宮大社旧社地・大斎原(おおゆのはら)で18日、九鬼家隆宮司による恒例の一文字揮毫(きごう)があった。白装束に荒縄のたすき姿で力強く「今」と書いた九鬼宮司は「『今』を大切に1年を過ごすことができれば」と祈念した。
新年への願いを込め九鬼宮司が書き始めて14年目。来年は1889(明治22)年に熊野地方を襲った水害(十津川大水害)で旧社地にあった多くの社殿が流出したため、水害を逃れた四社を現在の場所に遷座してから130年を迎える。
正遷座130年を前に、今年は流出した中四社、下四社をまつる石祠(せきし)を前に揮毫。九鬼宮司は「光り輝く青空のような1年に」との思いがこもった青みがかった縦横約3㍍の布を前に精神統一。長さ1・3㍍の大筆で一気に書き上げた。
「令和四年壬寅(みずのえとら)」「正遷座百参拾年」と記し朱印を押して書を仕上げると、見守った関係者や参拝者らから大きな拍手が起こった。
「今」という文字について「どこかで書き納めたいとの思いはずっとあった。この瞬間の皆さんの笑顔や姿も焼き付けておきたい」と九鬼宮司。
「2年にわたる新型コロナウイルス感染症や変異株に対する苦しみの中で新たな年を迎える。365日、いろいろな思いで過ごす中で、『今』という一瞬を大事に過ごしていくことが大事」と述べ「『今』があるから未来に歩んでいける。多くの人と共に『今』を大切に過ごすことができれば」と新年の抱負を語った。書は年内中に社務所前に掲げる。
令和4年初詣では、3密回避のため、同大社鳥居周辺に縁起物テントや古札スペース、案内スペースなどを確保。境内は一方通行とし、手水(ちょうず)、御朱印所、授与所テント、おみくじテントなどを配する。大斎原でも縁起物授与テントが配置される。
(2021年12月19日付紙面より)
新翔高で中谷剛さん講話 (新宮ユネスコ協会 )
新宮市の県立新翔高校(藤田勝範校長)で17日、新宮ユネスコ協会の中谷剛さんによる講話「ユネスコについて~平和・世界遺産・アウシュビッツ・熊野古道~」があった。1年生111人が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の理念や活動、平和の大切さについて学び、作文に取り組んだ。
「産業社会と人間」の一環で、毎年実施している。同協会は2012年に和歌山県内で7番目に設立。文化講演会や世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の保全活動、平和の鐘、平和の集いといった平和への取り組みを行い、地域に根差した活動を続けている。
中谷さんはユネスコについて、世界で約5000万人の死者を出したといわれる第2次世界大戦後、「教育・科学・文化の普及によって、平和を維持する」という目的の下で設立されたと説明。
「人類共通の宝」である世界遺産について、戦争や差別によって生まれた「負の遺産」であるアウシュビッツ強制収容所(ポーランド)を取り上げて写真で紹介。「身近にある世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』を実際に歩いて、その素晴らしさや平和の大切さを考える機会としてほしい」と呼び掛けた。
音無摩迦(まか)君は「無理矢理連れてこられた大勢の人々が殺されてしまったアウシュビッツの話が印象に残った。作文では負の遺産をテーマにしたい」と話していた。
(2021年12月19日付紙面より)
守る会と清水峠を歩き学ぶ (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)の4年生19人は16日、「なちかつ古道を守る会」(地庵晋司会長)の協力の下、世界遺産熊野古道「清水峠」を歩き、道普請(みちぶしん)を行った。児童は歴史を学び自然に触れるとともに、清水峠入り口付近のぬかるんだ道に石を置くなどして整備に汗を流した。
同校によると、今回の古道歩きと道普請は社会科の「のこしたいもの、つたえたいもの」の一環で地域の歴史や文化、生活を学ぶことが目的だという。今回で2回目。
児童は同会の太田耕二さんから会の活動や世界遺産、熊野古道などを事前に学んでおり、この日は身近にある世界遺産を自分の足で歩いて体感するために実施された。
JR紀伊浦神駅に集合した児童は同会が準備していた石をリュックに詰め、出発。太田さんやメンバーの案内の下、元気いっぱいに古道を歩いた。道中、太田さんが「浦神港は昔、台風の際などに古座の方から船を避難させる避難港だった」「浦神を通る国道の辺りは昔、海だった」「浦神は真珠の養殖が盛んだった」と地域の歴史なども解説した。
清水峠の入り口付近に到着後は持参した石を丁寧に敷き、道普請に取り組んだ。その後、同町と串本町の町境をしるす道標や古道沿いの巨岩を見学。ゴールの串本町側の清水峠入り口まで歩いた。
児童は「勉強になった」「道普請は楽しい」「景色がきれい」と笑顔で道普請や熊野古道を楽しんでいた。
地庵会長は「道を直す意識付けや道中、センリョウとマンリョウの区別など植物についても学んでもらえた。初めて歩いた熊野古道を、今度は子どもたち自身が保護者の皆さまに道案内して一緒に歩いていただけたら幸いです」と語った。
(2021年12月19日付紙面より)
那智勝浦町総体ソフトバレー
近畿・全国スポ少剣道交流大会 (三輪崎剣道クラブ )
全国小学生タグラグビー和歌山県大会
「県立高等学校の在り方」公表 (和歌山県教委 )
和歌山県教育委員会は11月30日、県立高校の再編に向けた「県立高等学校の再編整備の基本的な考え方」と「各地域における今後の県立高等学校の在り方」を発表した。
紀南エリアでは、串本古座高校は地域の特性を踏まえ、存続充実を目指し、県立新宮高校と新翔高校は地域の教育ニーズに応える1校への再編整備を検討し、着手するという。
県教委の諮問機関「きのくに教育審議会」は昨年夏、「現在29ある県立高校(全日制)の数を今後15年で3分の2の20校程度とするのが適正」といった内容の答申を提出。県教委は答申を基に再編整備実施プログラム(仮称)の策定に着手していた。
これまで、県内各地で説明会や懇談会を開催。「再編整備の考え方の骨子」や「各エリア(地域)にどのような学校や教育を整えるか」などについて説明し、意見や要望を聴取してきた。
このたびの公表では、再編整備についての共通認識を▽県民が期待する高校教育の姿▽再編整備の理念▽県立高校の魅力化に向けて重視するポイント▽再編整備のステップ―の項目別にまとめ、「県民の願いを叶(かな)えていく上で、学校規模は1学年あたり6学級を目標、4~8学級を適正範囲とする」などと記している。また「再編整備は全県的な視点で計画されるが、時期や進め方は地域により異なる。また、今後人口動態や学級定員など状況の変化があれば、柔軟に対応していく」としている。
「考え方」「在り方」はいずれも県教委ホームページから閲覧可能。
(2021年12月2日付紙面より)
水中クリスマスツリー設置 (串本ダイビング事業組合 )
串本ダイビング事業組合(高岡誠会長、会員24店舗)が11月30日、ダイビングポイント・備前の海底に水中クリスマスツリーを設置し聖夜の雰囲気を添える取り組みを始めた。
平成23年紀伊半島大水害に伴う自粛機運の打破を見据えて始めた話題づくりの一環で、実施11回目。より多くのダイバーに串本を知ってもらい、さらにはそのような挑戦を重ねる地域をアピールして町全体の盛り上げにつなげる思いで今年も取り組むこととした。
このイベントを担当する道井洋之さん(バブルリングダイバーズ串本)によると、準備したクリスマスツリーは人工物で高さは約3㍍。前日に組み立てと飾り付けをし、当日はサンタクロースの衣装を着た2人を含むダイバー8人が手分けして水深18㍍の海底に固定しアピール用の撮影をして作業を締めくくったという。
電飾は付いていないが、ダイビング時に持参する懐中電灯をその代わりにしてツリーに差し込んで記念撮影をする形でダイビング客に雰囲気を楽しんでもらうそう。人工物のため、クリスマス終了後の27日(月)以降速やかに回収するとしている。道井さんはこの話題づくりが自粛機運の打破から始まった経緯を振り返り、この取り組みがコロナ禍を乗り越え目指す盛り上がりにつながる話題となることを今後に願った。
(2021年12月2日付紙面より)
拝殿に来年の大絵馬掲揚 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で1日から一足早い迎春準備が始まった。拝殿の外に、来年のえと「壬寅(みずのえとら)」の大絵馬が掲げられた。
大絵馬はヒノキ製で、縦1・5㍍、横2・1㍍。アクリル絵の具などを使用し、瑞光を背景に梛の御幣をくわえ、鋭い眼光で前を見据える雄虎を表現。疫病や不浄を表したという岩を、たくましい前脚で力強く踏み付ける様子が描かれ、「地球のために全ての祈りを」の文字が添えられている。
例年は拝殿の内部に掲揚する大絵馬だが、参拝者が拝観しやすいように外に掲げられた。
同大社によると、新年の参拝時は今年と同様に、参拝所の石段手前にさい銭箱を配置し、要所要所に消毒液を設置するなどして参拝者の新型コロナウイルス感染症対策を講じるという。
上野宮司は掲げた絵馬について「力強い神様の虎を描き、『地球のために全ての祈りを』と書き添えた。われわれは地球のために一人一人ができることをしていかなくてはならない。自然環境を大切にする年にするためにも、速玉大社としても訴えていきたい」。
参拝者や崇敬者に対しては「年内に神社を訪れる参拝者さまのためにも一足早い迎春準備をさせていただいた。皆さまにとってより良い一年であることを祈願しております」と語った。
(2021年12月2日付紙面より)
下里小で遠隔教育プログラム (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)で11 月30日、大手しょうゆメーカー・キッコーマン株式会社と映像でつながる「食育×しょうゆ 遠隔教育プログラム」があった。5、6年生22人がしょうゆの歴史や魅力、料理をおいしく食べる秘訣を学んだ。
静岡大学発のベンチャー企業・一般社団法人「プロフェッショナルをすべての学校に」(代表=塩田真吾・静岡大学教育学部准教授)による事業。情報通信技術(ICT)を活用してさまざまな企業と遠隔授業を行うことで、中山間地域や離島に暮らす子どもたちに多様な価値観や職業観に触れる機会を提供し、教育格差の縮小を目指す。
授業では、キッコーマン東京本社のしょうゆ博士・渡辺圭さんが講話。大豆、小麦、塩を使った製造工程やしょうゆが使われている意外な食品を紹介し「しょうゆには甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の五つが全部入っている。おいしそうな色や味、香りを付けるだけでなく、臭み消しや殺菌効果もあり、世界中の料理で使われている」と魅力を語った。
「今までで1番『おいしく食べた』のはどんなとき?」の問いを考えるワークショップでは、児童一人一人が「野球の大会で優勝した後の焼肉」「おなかがすいたときの卵かけご飯」「山の上で海とサクラを見ながら食べる」と発表。しょうゆの搾りかすに触れる時間もあり「くせになる香り」などの声が上がった。
関谷実波さん(6年)は「しょうゆを作るにはたくさんの工程があって、温度管理なども大変だと思った。食事をおいしく食べる秘訣は、友達や家族と楽しい話をしながら食べることだと思う」と話していた。
(2021年12月2日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
軟式野球部「第4回大会」 (那智勝浦町体育協会 )
JAみくまの杯学童女子軟式野球大会
県軟連東牟婁支部学童部新人大会