「銀河」最終運行へ (JR西日本 )
長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」紀南コースが22日、最終運行日を迎えた。本紙エリアの各停車駅や沿線では多くの人が見送りに訪れ、手旗を振りながら「また来てね」と声を響かせた。
観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する同列車。当地域では7月16日に紀南コースの運行を開始し、新型コロナウイルス感染対策のため乗客を半数としつつも約半年で京都―新宮間を41回往復(台風の影響で1回運休)。乗客数は延べ約3000人で、約7割が下り終点であるJR新宮駅で下車したという。
ラストラン始発駅のJR新宮駅では、乗客に記念として特産品が贈られ、田岡実千年市長や市民、関係者、「きいちゃん」、「めはりさん」らに見送られながら正午を知らせる「鳩ぽっぽ」が流れる中、同駅を出発。
乗客らは、その他の停車駅でも各自治体の首長や地域住民らの歓迎、地元特産品の振る舞いなどのおもてなしを受けた。
同列車受入協議会長の田岡市長は「半年近くにわたり多くの人を新宮・熊野にお運びいただき、地域の素晴らしさを体感いただいたことに心より感謝。JR西日本に列車の再運行を求める要望も実施している。来年も引き続き銀河で多くの人にお越しいただけることを期待している」。
JR西日本の金岡裕之・和歌山支社長は「多くの方にご利用いただき、改めて紀南地域の魅力を発信できたと思っている。今後も継続して運行できるよう努力していきたい」と述べ、地域住民や関係者、利用者らに対する感謝を示した。
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各駅ほか沿線では「おもてなしウェーブ」も行われ、地域住民や関係者らが通過する列車に向かって手を振った。
「999人とあなたの『WEST EXPRESS 銀河』おもてなしウェーブ」と題されたこの企画は「和歌山大学きのくに線活性化プロジェクト」、JR西日本和歌山支社、受入協議会の共催。ウェーブの様子は和歌山大学生が撮影。映像はホームページや会員制交流サイト(SNS)で公開するなど、おもてなしPRに使用されるという。
(2021年12月23日付紙面より)
潮岬灯台で参観時間延長 (串本町 )
串本町潮岬にある潮岬灯台で18日、「夕暮参観」(参観時間延長)が始まった。今後は25日(土)、26日(日)も実施するとし、荒天により中止する場合は公益社団法人燈光会の公式ホームページで告知するという。
この参観は、潮岬灯台の参観事業(灯台内部を含む敷地内の公開)を担う同会潮岬支所(阿部千穂支所長)が計画。通常は午後4時30分までの参観時間を1時間延長して夕景(実施日は午後4時52分~56分に日没)を楽しんでもらう内容となっている。
阿部支所長(50)によると10月~2月の参観時間終了が午後4時から4時30分に変わって以降、終了して灯台の扉を閉める時に眺める夕焼けの美しさに気づき参観の機会が作れないかを考えた。日没後も楽しんでもらえるようにとイルミネーションを準備し、同灯台を保守管理する田辺海上保安部も手伝い灯台や敷地、周辺の木々に飾り付けて実施へこぎ着けたという。
前半の18日と19日は雲や風があったが、その分夕闇の深まりが早く訪れイルミネーションで飾られた灯台一帯の光景が長く親しめた。参観者も断続的に訪れ、阿部支所長は今後さらに美しい夕焼けが見られる事を願って当初は実施予定としていた26日も実施日に加える事を決めた。
19日の実施に立ち会った同会の鈴木陽子さんによると、参観事業をしている16の灯台のうち潮岬灯台と御前埼灯台が初の「夕暮参観」を計画していて、御前埼灯台は25日に実施するという。阿部支所長は「今後も続けて、この時季のものとして浸透させていきたい」と意気込みを語った。
参観事業の一環となるため、利用時は協力金(中学生以上1人300円)が必要。問い合わせは燈光会潮岬支所(電話0735・62・0141)まで。
(2021年12月23日付紙面より)
県CSマイスターミニ座談会 (新宮市 )
和歌山県教育委員会は17日、新宮市丹鶴の旧チャップマン邸で「令和3年度県CS(コミュニティスクール)マイスターミニ座談会」を開いた。学校運営協議会や共育コミュニティ関係者ら18人(うちオンライン4人)が参加し、紀の川市社会教育指導員で県CSマイスターの岡本公博さんの講話に耳を傾けた。
県CSマイスターと学校・家庭・地域など、各教育分野の参加者が互いに学び合い、交流を深めることにより、きのくにコミュニティ・スクールのさらなる推進の輪を広げることを目的に実施。
県は▽「この地域で育ってよかった」と思える子ども▽地域社会を支えようとする意欲あふれる子ども▽ふるさとに愛着を持てる子ども▽ふるさとの未来を託せる子ども―を目指す子ども像としており、2008年に「きのくに共育コミュニティ」(国では学校支援地域本部事業)、17年に「きのくにコミュニティスクール」(同、コミュニティ・スクール)を開始した。
この日は「共育コミュニティは宝の山! ~すべての子供が輝くCSをめざして~」をテーマに開催。岡本さんは共育コミュニティの経緯や取り組み、学校と地域の連携によるさまざまな効果などについて講話した。
岡本さんは、少子高齢化やグローバル化、情報化の中で子どもを取り巻く環境が大きく変化し、また地域における教育力の低下や家庭の孤立化が見られる中、学校を核とした地域づくりが重要と主張。
地域が学校を支援する「共育コミュニティ」に対し、CSは地域の課題を解決することを目的に、学校と地域住民、保護者らが力を合わせて学校の運営に取り組むための仕組みと紹介した。
学校として「学校と地域をつなぐ地域コーディネーターを紹介する場を設け、コーディネーターが活動しやすい雰囲気をつくる」「学校経営方針を地域の人々に知らせる機会を捉える」「地域に開かれた学校づくり」「地域コーディネーターや学校支援ボランティアに対する感謝の気持ちを表す」などに取り組むべきであるとした。
「保護者や地域住民が学校の諸活動に参加している学校の方が学力が高い傾向にある」とし、学校と地域の連携により「不登校の児童数が減った」「児童の問題行動が減った」「校内の環境整備が進んだ」などの効果があり、また取り組みを通して子ども・大人ともに意識に変化が見られると説明。共育コミュニティ、CSは地方創生の実現や、地域の未来を担う子どもたちの育成に向けた手段であるとし「子どもが新宮市で育って良かった、新宮市に住み続けたいと思える地域をつくることが目標」と述べた。
講演後、参加者らは「コミスクの困りごと&私の町の宝もの」をテーマにグループ交流。岡本さんを交え、協働の大切さを再確認した。
(2021年12月23日付紙面より)
商工会青年部がイルミ設置 (那智勝浦町 )
南紀くろしお商工会青年部(由谷恭兵部長)は17日から来年1月8日(土)までの間、那智勝浦町のブルービーチ那智(熊野体験博跡地)で初となる「NACHIKATSUブルービーチイルミネーション」を開催している。夜のビーチ周辺を無数の美しい光が照らし、来場者の目を楽しませている。点灯時間は午後5時から10時まで。
催しはコロナ禍の影響で町内のイベントの多くが中止になっていることを受け、落ち込んだ地域のにぎわいを取り戻すとともに、地域住民に楽しんでもらうことが目的。
今年10月から企画・協議し、12日から数日間かけて、部員やOBら約20人で設置。初事業のため、試行錯誤を重ねながらのスタートとなった。初日の17日には強風で、イルミネーションが転倒するアクシデントにも見舞われたという。
会場内にはスマートフォンスタンドが設置された撮影スポットや、光のトンネル、クリスマスツリー型のイルミネーションなどが設置されており、同部によると、同町の海と山をイメージしているという。21日夜も多くの家族連れなどが喜ぶ姿が見られた。
南沙余親睦委員長は「コロナ禍で子どもたちも我慢する時期が続いた。少しでも楽しい空間になってもらえたら。これからも継続していきたい」。
由谷部長は「青年部でもクリスマスにサンタのイベントを実施していたが、もっと多くの人に楽しんでもらえる方法を模索して今回に至った。今後は少しずつ電球の数も増やしていく予定。多くの方々に見に来ていただけたら幸いです」と話していた。
(2021年12月23日付紙面より)