自治会連合会が要望書提出 (新宮市 )
新宮市自治会連合会の榎本義清会長、西孝・貞宗孝史両副会長は24日、市役所を訪れ、田岡実千年市長と榎本鉄也議長に市立医療センター産婦人科常勤医師の早急な確保などを求める要望書を提出した。要望書を受け取った田岡市長は「一丸となって医師の確保に努めたい」と返答した。
地域の中核病院として、年間約300件の分娩(ぶんべん)を行ってきた市立医療センター産婦人科。常勤医師2人のうち1人が退職することが決定したことに伴い、「後任の医師が確定していない状況下では、安全で安心な医療の提供が担保できない」といった理由から、来年3月1日(火)以降の分娩予約休止を発表している。
要望書はそういった不測の事態に対し、早急な状況打開と必要とする医療の確実かつ持続的、効率的提供を求めるもの。
榎本会長は「地域の産婦人科医療の拠点病院としてなくてはならない医療機関。子どもを産める環境がなくなってしまえば、広範な地域の市民生活に大きな影響を及ぼすだけではなく、人口減に歯止めがかからなくなってしまう。分娩予約休止の事態は単に妊産婦だけの問題ではなく、この地域に住む住民の共通する問題である」と要望書の概要を説明。「常勤医師を早急に確保し、来年3月以降の分娩予約を早急に開始」するよう求めた。
さらに、榎本会長は「分娩予約の休止は市民として到底のむことはできない。医師確保に向けた尽力は重々承知しているが市民の生命に関わること。緊急課題として全庁挙げて取り組んでほしい」と伝えるとともに、協働する意志も見せた。なお、常勤医師は指導員の立場として、10年以上の経験を有することが条件になるという。
要望を受け、田岡市長は「事態を重く受け止めている。近隣町長も動いてくれている。地元選出の国会議員の方々の力もお借りし、あらゆる手を尽くしたい」と話した。
(2021年11月26日付紙面より)
田原川河口域などで海霧 (串本町 )
串本町田原でいよいよ、まちの冬の風物詩ともなっている海霧が見られるようになった。
町の観光カレンダーに登場することも多い海霧は、夜半から未明まで夜空が晴れ渡り風も弱く冷え込みが増す明け方に起こることが多い「神出鬼没」の自然現象。見られる場所はもっぱら河口域で、とりわけ田原川の河口域は国道42号沿いから見て東方向を眺める形となり朝日に照らされて輝き浮かぶ光景の荘厳さで撮影愛好家の定評を集めるところともなっている。
25日は東のかなたに雲がたなびき朝日が出るまで少し時間がかかったが、雲を越えて陽光が届き始めると海霧も灰色から一転して黄金色の輝きを増し明け方独特の群青色の海を覆い隠した。
スペースポート紀伊前の国道温度計が示していた午前7時前の気温は5度。今はシーズンインの時期で立ち上がる勢いはまだ鈍かったが、この日は河口域一帯を覆い尽くすほどに広がりを見せていた。町内ではこの日、田原川のほか古座川の河口域(九龍島=くろしま=前)でも同様に勢いは鈍いものの海霧が広く立ち上がる光景が見られた。
(2021年11月26日付紙面より)
烏止野神社、神内神社で例大祭 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の烏止野(うどの)神社(田中安弘宮司)と神内の神内神社(宮地秀直宮司)で23日、秋季例大祭があった。例年、例大祭に合わせて鵜殿地区は「うどのまつり」、神内地区は「神内まつり」を開催し、祭り一色に染まる。今年は昨年に続き、新型コロナウイルスの影響で両地区とも中止としたが、例大祭は厳かに営まれた。
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烏止野神社では、五穀の収穫を祝う新嘗祭(にいなめさい)と例大祭が営まれた。熊野水軍子供太鼓が演奏奉納した後、神社関係者ら少人数が参列し、田中宮司によって神事が進められた。
浦安の舞は、いずれも鵜殿小学校5年の井上琴音さん、長田結衣さん、芝鼻美唯菜さん、畑彩花さんが奉納。地域の平和や心の安寧を願い、境内に大輪の花を咲かせた。
神社総代会の中道渉会長は「境内には地区住民も集まってくれた。来年は餅ほりも再開したい」と述べ、新型コロナの早期終結と再び神社境内が地区の人たちであふれるにぎわいを祈念した。
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神内神社の例大祭には、下澤深総代会長、川原田規泰区長、浅田和江町議会議員、老人クラブ「福寿会」の瀧之上勝会長らが参列した。
宮地宮司による神事が執り行われ、満19~77歳の12人が厄払いを受けた。神事後、宮地宮司は干支(えと)や還暦の意味を伝え、「昨年、今年は新型コロナウイルスの心配事が多い年だったが、来年こそは明るい年になってほしい。神様は皆さんのことを見て下さっている。コロナや風邪に負けず、元気に過ごしてほしい」と述べた。
(2021年11月26日付紙面より)
那智勝浦町立下里中学校(布引伸幸校長)で22日、県による出張減災教室が開かれた。3年生32人が4グループで「きいちゃんの災害避難ゲーム」に取り組み、津波からの避難や避難所運営について考えた。
「きいちゃんの災害避難ゲーム」は津波による犠牲者ゼロを目指し、災害時の迅速な避難行動や円滑な避難所運営について実践的に学べる防災学習ツールとして、今年3月に発表された。
ゲームの「津波から逃げきろう」編は、南海トラフ地震(M8・7)が発生し、津波が来るまでの30分以内に安全な場所へ逃げなければならない状況を想定。1回目、プレーヤーは事前準備をせず、家の中の必要そうな物をかき集めて町中を逃げるという設定で実施。津波から逃げ切れたのは1グループのみだった。
2回目は、事前に非常用持ち出し袋の準備や、訓練による避難場所の確認を実施している前提でゲームをし、状況を判断しながら全員が生き延びることができた。
この日は「避難所を運営しよう」編も実施。ライフラインが途絶えた小学校で避難所運営を担う立場になり、さまざまな問題が起こる中でどのような判断を下すかを考えた。
宮井聡子さんは「『地震後に家のブレーカーを落としていなくて火災が発生』などのことが次々に起こり、たくさんの状況を想定しておく必要があると感じた」。谷唯央(いお)君は「防災バッグの準備やブロック塀の補修、家具固定、住宅の耐震化などの事前準備をしておくことで、スムーズに逃げられることが分かった」と話していた。
(2021年11月26日付紙面より)
城南中2年がオンラインで (新宮市 )
南北アメリカ大陸にある六つの国・地域の和歌山県人会と県内12校の小・中学校・高校の児童・生徒約800人が一堂に会する「わかやま国際ネットワーク」全体交流会が8日、オンラインで開かれた。本紙エリアからは新宮市立城南中学校の2年生45人が参加し、県の移民史や異文化に触れた。
和歌山県主催。同県は全国6位の移民県であり、戦前から現在まで約3万3000人を世界各地に送り出している。移民した人々は現地で親睦や相互扶助のために県人会を組織し、2019年には初の和歌山県人会世界大会を開催。23年の第2回世界大会に向けて毎年11月を「わかやま国際スピリット推進月間」とし、交流事業を展開していく。
今回の交流会には南加(南カリフォルニア)和歌山県人会、シアトル紀州クラブ、在パラグアイ和歌山県人会、ブラジル和歌山県人会連合会、在ペルー和歌山県人会、在アルゼンチン和歌山県人会が参加し、現地での生活を紹介。城南中学校のパートでは、映像を通じて教室やクラブ活動、文化祭の様子を伝えた。
12月には県がマッチングした在ペルー和歌山県人会の個別交流会を開催する予定で、同会のソニア・サカタ会長は「ペルーの県人会は今年30周年を迎え、会員は100人ほど。皆さんとの交流を楽しみにしている」と語った。
板谷智大(ともき)生徒会長は「和歌山県出身の移民がたくさんいることを初めて知った。交流会を通じて、城南中のいいところをたくさん知ってほしい」と話していた。
(2021年11月11日付紙面より)
幼年消防クラブがパレード (那智勝浦町 )
秋の全国火災予防運動(9~15日)に伴って9日、毎年恒例の防火パレードが那智勝浦町であった。町立勝浦認定こども園(築紫依美香園長)の幼年消防クラブの鼓笛隊や町消防本部、消防団員ら約50人が町役場~那智勝浦観光機構バスターミナルを歩き、火災予防を呼び掛けた。
パレードは火災予防と防火意識の高揚が目的。役場玄関前の出発式では、堀順一郎町長が「町内の皆さんに『火の用心』を呼び掛けるため、ぜひ頑張って。保護者の皆さまは暖房器具の点検などで防火に努めてほしい」とあいさつした。
園児は「僕たち私たちは、火遊びはしません」と誓いの言葉を述べ、「火の用心の歌」を演奏。代表園児4人が堀町長や湯川辰也消防長、下地将仁団長らから「ミニまとい」を受け取り、パレードを開始した。
鼓笛隊の演奏や拍子木の音が響くと、地域住民らも店先から顔をのぞかせ、園児たちの姿を見守った。保護者たちもビデオカメラを手に、一緒に町を歩いた。
バスターミナルの解散式では鼓笛隊が隊列変化を披露しながら「夜に駆ける」を披露。築紫園長は「子どもたちは毎日練習を頑張ってきた。今日皆さんの前で演奏できたことが、大きな自信につながると思う。今後も引き続き、火災予防の大切さを地域に広報していきたい」と述べた。
湯川消防長によれば、今年発生した火災件数は4件で、建物火災が2件、山林火災が1件、その他火災が1件。火災が増えるこれからの時季、▽寝たばこをしない▽ストーブの周りに燃えやすい物を置かない▽コンロを使うときはそばから離れない▽コンセントのホコリを掃除する―の4点と、住宅用警報器の設置・点検を呼び掛け、「寒い季節も『火の用心』をよろしくお願いします」と話していた。
(2021年11月11日付紙面より)
演劇部が創作作品で近畿へ (串本古座高校 )
県立串本古座高校演劇部(谷口克朗顧問、青木心優嘉(みうか)部長、部員9人)の創作作品「桜の花の咲くころに」がこのほど、県高校総合文化祭演劇部門(以下県大会)で最優秀賞を獲得。県代表として近畿高校総合文化祭演劇部門(以下近畿大会)に出場することとなった。
同部は8月に県内であった紀の国わかやま総文2021(=第45回全国高校総合文化祭)の演劇部門をボランティアスタッフとして支持。トップクラスの作品発表に刺激を受け、高まる気持ちが冷めないうちに自身の作品創作に取りかかったという。
青木部長(2年)が考えた筋書きを原作とし、部員9人一丸で工夫を注ぎ込み練り上げたのが前述した創作作品。全国各地から夢を持って上京した若者4人の1年目の挑戦と人間模様を学生マンションの屋上を舞台にして描き出す内容で、創作をしながら同時にキャスト4人、スタッフ5人と手分けして稽古や準備を進め、大会4日前に県大会時点の形がほぼ仕上がるほど打ち込んだという。
キャラクター設定を詳細に詰め、どの場面に何を入れ込むかで特にこだわったそう。県大会は先月27~29日に県民文化会館であり、74回目を数える今回は8校が作品を発表する中で最優秀賞をつかみとった。
同部は2015年に作品「扉はひらく」、翌16年に作品「幸と歩」で同賞を連続受賞していて、今回は5年ぶりの獲得となる。青木部長は「作品を発表するまでとても緊張したけれど、本番は今までで一番良くできた。(先月29日に)結果を聞いた時はすぐに実感は湧かなかったけれどうれしかったし、泣いたり抱き合ったりしてみんなで喜んだ」と県大会の挑戦を振り返って語る。
近畿大会は今月19日(金)~21日(日)、滋賀県大津市にあるびわ湖ホールで開かれる。府県代表が競演するワンランク上の舞台に向け、同部は今ある原型をとどめつつ直せるところを直して県大会以上に仕上げ、全国を目指して挑む考え。そのような中、5日にあった同校文化祭で校内上演もし、鑑賞した生徒教職員から励ましを受けるなどして意気込みを高めている。
地域への披露については目下12月19日(日)に串本町文化センターで公演を開く方向で調整を進めているという。
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創作作品「桜の花の咲くころに」を支える部員は次の皆さん。
■キャスト
青木心優嘉〈部長〉
森 風香 廣瀬みりか
田中歩実
■スタッフ
久保文乃 船井早来
浦木利菜 海野 藍
坂井美優
※海野さんは作中に登場する鳥の声も担当。
(2021年11月11日付紙面より)
新宮市内2カ所で街頭啓発
新宮市人権尊重委員会(会長・田岡実千年市長)は10日、同市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店前と、同市橋本のイオン新宮店前で街頭啓発を実施した。同委員や東牟婁振興局職員ら約50人がチラシやポケットティッシュなどの啓発物資を買い物客たちに配布した。
和歌山県は11月の「同和運動推進月間」に当たり、同和問題をはじめとするさまざまな差別に対する理解を深めてもらおうと県内各地で啓発活動を展開している。市は同月を「差別をなくする強調月間」とし、人権問題の早期解決を図るため実施している。
スーパーセンターオークワ南紀店では、田岡市長が「市では1953年に人権尊重委員会が結成され、あらゆる差別の解消を目指し取り組みを進めています」とあいさつ。「啓発活動によって市民の皆さんと共に、『差別のない明るいまちづくり』を行っていくという私たちの思いを届けていければ」と呼び掛けていた。
新宮市では強調月間に伴い、人権尊重文集「春を呼ぼう」の発行や、市庁舎正面に「広げよう やさしい心と思いやり」の懸垂幕を掲揚するなどしている。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、例年開催している「市民のつどい2021・ふれ愛講座」は中止となった。
(2021年11月11日付紙面より)