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2021年09月29日
1 「繋がる僕らの想い」 新高祭2021が開幕 

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長、生徒541人)で28日、文化祭と体育祭を合わせた「新高祭2021」が開幕した。今年のテーマは「一致団結“距離は遠く 心は密に” 繋(つな)がる僕らの想い」。文化クラブによるステージ発表では1、2年生のクラスに映像を中継して遠隔で鑑賞するなど徹底した感染対策を取りつつ、全校生徒が心を一つに新高祭を盛り上げた。

 例年は文化祭「彩雲祭」と体育祭を分けて開催しているが、本年度は新型コロナウイルス感染拡大による分散登校の影響で日程がずれ込んだため、文化祭と体育祭を合わせて開催することとした。

 開会式では生徒会の岡本華凛会長が「開催が厳しい状況の中で、少しでも楽しい高校生活になるよう最善を尽くしてくださった方々に感謝し、全力で楽しみましょう。皆で心を合わせ、新宮高校の良き伝統を次の世代にもつないでいきましょう」と開会を宣言。

 文化行事の部では、今年吹奏楽コンクール関西大会に出場した吹奏楽部や放送部、琴部がそれぞれの練習の成果を披露。体育行事の部では5ブロックに分かれてリレーや大縄跳び、障害物競走で熱い戦いを繰り広げた。

 宇惠惟織・新高祭実行委員長は「新型コロナの影響で高校生活最後の体育祭と文化祭が同日の開催になり、少し悔しいですが、限られた時間の中で練習してきたことを発揮し、最高の新高祭にしたい」と語っていた。

(2021年9月29日付紙面より)

ディープパープルメドレーを演奏する吹奏楽部=28日、新宮市の県立新宮高校
「銀河鉄道の夜」を朗読する放送部
2021年09月29日
2 例大祭前に事故防止協議会 当日、ライブ配信を予定 (熊野速玉大社)

 熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」=10月15日(金)、16日(土)=に向けた事故防止協議会が27日夜、同大社双鶴殿であった。神職や関係者ら25人ほどが参加。安全に例大祭が執り行われるよう注意事項などを話し合った。

 例大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御(とぎょ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島を回る「神輿渡御式」から成る祭り。

 2月の御燈祭(おとうまつ)りと合わせ、「新宮の速玉祭・御燈祭り」として2016年3月、国の重要無形民俗文化財(重文)に指定された。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、昨年に引き続き早船競漕(きょうそう)を取りやめ、一部規模を縮小し斎行。

 15日の本殿大前の儀は参列を呼び掛けず神社関係者のみで営む。渡御式は参列者を縮小し、神馬渡御式は同大社を出立後、登坂を通って阿須賀神社に向かい市内を回らず同大社に戻る。神輿渡御式では神幸船神輿を使用。出立後、市内を回らずそのまま河原へ向かう。祭事の様子は当日、動画配信サイト「ユーチューブ」でライブ配信される予定で、動画は同大社ホームページで閲覧することができる。

 今年の留意事項には▽参列の自粛を行う▽大祭供奉(ぐぶ)員を減らす▽参加者、関係者の体温検査を行う▽参加者、関係者へ手の消毒、人との距離の確保、マスク着用を呼び掛ける▽直会の中止―など、昨年同様コロナ感染対策が盛り込まれた。

 現在同大社ホームページでは、例大祭の紹介動画を配信中。上野宮司はコロナ禍における新たな試みであるライブ配信について「祭事の要所要所を配信する予定だが、ライブということを意識し神様が渡御されるという気持ちを重々持ってご奉仕いただきたい」と呼び掛けた。

(2021年9月29日付紙面より)

例大祭に向け協議が行われた=27日夜、熊野速玉大社双鶴殿
上野顯宮司
2021年09月29日
3 打ち上げ軸で魅力に親しむ
 検討中の観光クルーズ試行  (南紀串本観光協会 )

 南紀串本観光協会(島野利之会長)が24日、漁船を使った観光クルーズ事業立ち上げに向けた試行に臨んだ。

 同協会は将来のロケット見学需要を見越して同事業の検討を進めていて目下、小型ロケット「KAIROS(カイロス)」の打ち上げを足掛かりにして町域にあるさまざまな観光の魅力に親しむ内容を模索している。この日取り組んだ試行は、現時点での課題の洗い出しと試行に対する外部意見の取り入れを目的として計画。モニター客として県立串本古座高校CGS部の清野祐介顧問と部員代表の谷下好花さん(1年)らを迎え、発起人含め20人規模で実施した。

 コースは和歌山東漁業協同組合串本本所〈発着地点〉~クエの餌やり体験~橋杭岩~九龍島(くろしま)・鯛島~箱島沖〈ロケット見学海域〉~紀伊大島北岸・金山灯台~くしもと大橋~マグロ養殖海域〈遠望〉~同本所と設定。同体験を提供する有限会社岩谷水産所有の漁船・大裕丸2隻に分乗してクルーズをした。

 クエの餌やり体験は、同社が誇る全国的にも類がない40年来の養殖クエ(体長約1㍍、体重40㌔)にメジカを給餌する内容。同社の岩谷耕三さんが解説し、一同養殖いかだ上から体験の印象を確かめた。以降は同協会ガイド部会の神保圭志部会長の案内で進行。橋杭岩は陸側と海側の両方から観察し九龍島や鯛島などへも接近し神保部会長はまつわる歴史や地質面での特色などをモニター客らに語り聞かせた。

 まだ見られない打ち上げ見学の場面は停船による船酔い軽減のため今回は通過とし、その他内容は本番さながらに実践した。今後は試行の結果検証と収集した意見を参考にし、打ち上げ開始に間に合うよう事業化を目指すという。

 同部はウェブ会議システムを駆使し校内で清野顧問と谷下さんによる体験リポートを視聴し、疑問に感じたことをリアルタイムで案内役に質問する形で試行を疑似体験。その代表として参加した谷下さんは初めて見たクエの大きさや近くで見る橋杭岩や九龍島などが印象的だったそうで「説明も分かりやすくて楽しかった。(同部の)みんなに見せたいところをしっかり伝えたかったけど間に合わなくて、もう少しゆっくりと見られたら良かったなと思った」と試行の印象を語った。

 同協会の宇井晋介事務局長は、ロケットをどの位置から眺めるかで足掛かりとなる実感を得られたと成果を振り返り、「今日はガイドにも乗船してもらったが、そのように社会教育的な面を付けるなどアレンジはいくらでもできると思う。初めて試行をしてみて、これならロケットを見に来た方をどう(地元へ)引っ張り込むかというところへつながると確信した」と手応えを語った。

(2021年9月29日付紙面より)

森戸崎を射点の目安にしてロケット見学海域へクルーズ=24日、串本町沖
有限会社岩谷水産のクエの餌やり体験を養殖筏上で体験
2021年09月29日
4 市民の利便性向上目指し
 日本郵便と包括連携協定締結  (新宮市 )

 新宮市は27日、市役所で日本郵便株式会社と「包括連携協定」を締結した。紀南地区連絡会(田辺市以南)では田辺市、太地町、那智勝浦町に続いて4番目で、和歌山県内では21例目となる。

 同協定は、お互いが有する人的・物的資源を提供・有効活用することで、住民サービス向上や地域の活性化を図ることを目的とするもの。協定内容は▽安心・安全な暮らしの実現(地域の見守り活動、災害・防災対策への取り組みなど)▽地域経済活性化(観光PRへの協力など)▽人権啓発(人権啓発パンフレットなどの掲示・設置協力など)▽住民の利便性向上(市広報物などの掲示および設置協力など)―に関すること。

 市と同社は、これまでにも「地域における協力に関する協定」(地域見守り活動、道路損傷や不法投棄の情報提供)と防災協定を結んでいる。

 締結式には同社から濵周良・三輪崎郵便局長、南方慎一朗・新宮中央通郵便局長、間嶋義則・新宮郵便局長が出席。濵三輪崎郵便局長と田岡実千年市長が協定書に署名し締結の運びとなった。

 田岡市長は協定締結に当たり「(郵便局は)地域の窓口としての機能を有することや、公共性の高い郵便業務を通して、市内全域を熟知いただいている。四つの重要事項について協力いただけることは非常に心強い」と感謝。

 南方新宮中央通郵便局長は「郵便局を安全・安心の拠点として活用いただきたい。紀南地区連絡会の77の特定郵便局の3分の1の職員が防災士の資格を有している。市民の方の安心安全、地域活性化、より住みやすいまちづくりのために協力させていただければ」と話した。

 田岡市長は、市内郵便局が販売を担う市プレミアム付商品券の販売状況を確認。協力に感謝し「このたびの協定も具体的な取り組みとしていきたい」と伝えた。

(2021年9月29日付紙面より)

締結式に出席した(左から)下基・企画調整課長、新谷嘉敏・企画政策部長、田岡実千年市長、濵周良・三輪崎郵便局長、南方慎一朗・新宮中央通郵便局長、間嶋義則・新宮郵便局長=27日、新宮市役所
2021年09月29日
5 「歌うのが生きがい」  米寿迎えた92人祝う  (御浜町 )
2021年09月29日
6 一声運動で交通事故防止を  御船郵便局を協力店に指定  
2021年09月29日
7 運動会に向けて会場で草刈り  相野谷小学校で約40人が作業  (紀宝町 )
2021年09月29日
8 相撲絵師最後の作品届く  大江武史さんに琴剣さんのイラスト集  (熊野市 )
2021年09月29日
9 橋脚に目印、黄色は「避難せよ」  言い伝え継承、目に見えるよう  
2021年09月29日
10 歴史や風土など学ぶ  2年生がフィールドワークで串本へ  (城南中学校 )
2021年09月29日
11 ノアズキの花が咲く  宇久井ビジターセンター  
2021年09月29日
12 1位に杉本光朗さん  写連新宮支部9月例会  
2021年09月29日
13 多くの人の支えに感謝  中川夏希さんが表敬訪問  (新宮市 )
2021年09月29日
14 ずっしりとした実り収穫  明神小児童らが稲刈り  (古座川町 )
2021年09月29日
15 『宇宙兄弟』の映画観賞  串子連行事で家族ら78人  (串本町 )
2021年09月29日
16 第3回定例会一般質問③  串本町議会  
2021年09月29日
17 お悔やみ情報
  
2021年09月18日
18 人と地域をビールでつなぐ
 「色川地ビールを育てる会」が会員募集  (那智勝浦町 )

 「最初は僕たちや皆さんで楽しむビール。将来的には色川の仕事の一つにつながるビールになれば」。そう話すのは那智勝浦町小阪区長の峯茂喜さん(66)と和歌山大学観光学部4年の藤本多敬(かずひろ)さん(22)だ。二人が共同代表を務める色川クラフトビールプロジェクトはこのほど、色川地域の茶を用いた地ビールを試作。今後のさらなる生産拡大や地域おこしのために「色川地ビールを育てる会」を組織した。峯さんが会長、藤本さんが副会長を務め、現在会員を募集している。なお、酒税法の関係から、販売は行ってない。

 藤本さんは3年前に和大の地域インターンシッププログラムで色川地域を訪れ、峯さんと出会った。同伴していた此松昌彦教授が高野山の地ビールづくりにも関わっており「色川でビールをつくれば良いものができるのでは」と提案した。

 二人は意見交換や会議を重ね、学生や町民も参加する中、今年4月からプロジェクトを開始。非営利の育てる会では経費を会員(割り勘仲間)自身が負担し、完成したビールを楽しむという。

 同地域の一部は世界遺産「那智の滝」の源流の水を使用している。今後、ビールの原料にはその水と同地域で収穫される茶やユズ、ブルーベリーなどを用いる予定。醸造は和歌山市の和歌山ブルワリーに委託する。峯さんによると、試作品は住民らに好評だったという。

 本格的な初回生産は12月で、同地域のほうじ茶を使用する。その後は3カ月ごとに用いる産品を変更する方針だ。1回の生産で完成する330㍉㍑の瓶ビール約380本を会員で分ける仕組み。今後はラベルにもこだわり、一目で色川を連想できるようなものを作るという。

 活動は1年間限定としており、「ビールづくりが色川の仕事になることが目標。全国には色川のファンも多い。地ビールを仲介し、人と色川をつなげる存在になってほしい」と二人。

 藤本さんは「将来的には色川に醸造場ができて、地ビールで地域おこしができれば。ジビエとのセットも魅力的だと思う。地域の中でお金が循環するようなきっかけづくりになれば」。

 峯さんは「農業をしたい移住者も多いが、収入面などの課題がある。それらの解決につながるのでは。『旅行者が地ビールを求めて旅をする』という言葉もある。多くの方々が地ビールを求めて色川を訪れてくれたらうれしい」とそれぞれ語った。

 会員になるには申し込みが必要で分担金は1口1500円。すでに他府県からの申し込みもあるという。会員同士のオンラインによる飲み会も検討しているとのこと。

 問い合わせは同プロジェクト(電話090・1893・6900)、メール(irokawa.craft.beer@gmail.com)まで。

(2021年9月18日付紙面より)

試作品を持ち「地ビールで地域おこしを」と語る峯茂喜さん(左)と藤本多敬さん=13日、那智勝浦町小阪
2021年09月18日
19 日本の伝統「詩舞」、華麗に
 哲泉流南紀清流支部が披露  (紀宝町 )

 哲泉流和歌山県支部連合南紀清流支部が15日、毎月恒例の集い「カフェいっぷく亭」に招かれ、紀宝町福祉センターで詩舞と江戸芸かっぽれを披露した。

 いっぷく亭は参加者同士やスタッフと日頃の思いを話し合い、交流を深める場。毎回、検温、手指消毒など感染症対策を講じ、手の平体操やさまざまなゲームを楽しんでいる。

 南紀清流支部には講師の荘司瀞扇さんをはじめ、6~86歳の12人が所属。今回は人数を限定し、5人が訪問した。

 詩舞は吟詠に合わせて扇を使って舞う日本の伝統芸能。「武田節」「東風吹かば」「川中島」「名槍日本号」「英霊南より還る」を華麗に舞い、扇で詩吟を表現した。

 かっぽれは、無形文化財の「住吉踊り」がルーツと伝わる大道芸、お座敷芸の一つ。「茄子と南瓜」「かっぽれ」の2演目を見せた。

 いっぷく亭の参加者らは静かに舞を見入り、大きな拍手を送った。最後はスタッフの橋本純子さんが「お上手で目の保養をさせていただき、ありがとうございました。これからも頑張ってください」と伝えた。

 荘司さんは「コロナ禍以前はたくさんのコンクールがあったが、今は全国的に中止になっている。お声掛けいただき、ありがたく思う。9カ月ぶりに披露の場だったので緊張したけど、楽しい場でした。また、皆さんに会える日を楽しみにしています」と話していた。

(2021年9月18日付紙面より)

詩舞と江戸芸かっぽれを披露する=15日、紀宝町福祉センター
伝統芸能に拍手を送る参加者
2021年09月18日
20 分散登校&オンライン授業
 新翔高校教職員の声を聞く  (新宮市 )

 各クラスの半分が登校し、残り半分がオンラインで自宅学習を行う形で授業を進めている和歌山県内の県立高校。前回の新宮高校に引き続き、新翔高校でも教職員の声を聞いた。

  □     □

■﨑山鈴菜教諭(社会科)

 現在担当している「現代社会」の授業では、黒板への板書とパワーポイントの両方を使っています。登校/自宅学習の生徒の差が出ないよう、2日連続で同じ内容を行うのですが、扱う事例を変え、少しずつ知識が深まるよう工夫しています。

 現代社会では「図書館では言語によって本棚を分けているが、それは差別か区別か?」といった問題を生徒自身に考えてもらう場面があります。教室の生徒には手元のフリップに、オンラインの生徒にはチャットに書き込んでもらうのですが、チャットの方が敷居が低いのか、普段発表しない子も意見を出してくれたりします。

 オンラインの生徒には、「フォームズ」というアンケート機能で授業の終わりに理解度チェックの小テストをします。記述式や選択式の設定ができ、正答率も把握できるので、プリントよりも扱うのは楽かもしれません。授業の感想では「新鮮で面白かった」という声もあり、オンラインの物珍しさもあって楽しんでくれているようです。

 パワーポイントを使う授業では、ノートを取るのがゆっくりな子もいるので、画面を切り替えるタイミングが難しいと感じます。介護実習の授業では教科書の音読やビデオ視聴を中心に板書をしない授業づくりに取り組んでいる先生や、画面共有での授業に挑戦している先生もいますね。

  □     □

■脇村綾乃教諭(英語)

 授業では板書とプリントを使っています。オンライン授業を開始した当初は、ウェブ上の会議室に入室できない、音が聞こえないなどのトラブルが続出で、今でも何回かに1回はその対応をしなければいけないときがあります。

 授業では生徒の音読する声を聞くため、オンライン学習の生徒にもカメラとマイクをオンにするよう呼び掛けているのですが、なかなか応じてくれない子もいるのが現状。

 また、タブレット型パソコン(PC)に内蔵のマイクを使って声を届けているので、授業中はPCの前から動けず、教室を巡回して生徒の発音や理解度の確認ができないのも難しいと感じているところです。

  □     □

 新翔高校教職員へのインタビューを通じ▽円滑に授業を進めるためにはマイクやスピーカーがあった方がいい▽スクリーンやプロジェクターなど扱う機材が増えると運搬や設置に時間がかかる▽画面共有などさまざまな機能を使いこなすには練習が必要―などの意見が見られた。生徒に授業が好評である一方、課題も多く、教育現場で試行錯誤が続いている現状が浮かび上がる。今後も動向を追っていく。

(2021年9月18日付紙面より)

現代社会の授業の様子=15日、新宮市の県立新翔高校
2021年09月18日
21 代表参列し殉難将士を追悼
 樫野の遭難慰霊碑前で式典  (串本町 )

 串本町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑前で16日、同町主催による追悼式典があった。新型コロナウイルス感染症を考慮し、今年は田嶋勝正町長ら地元の代表者5人で両国の絆を深める決意をささげるなどして殉難将士を追悼した。

 この碑は1890年の同日に樫野沖であった同艦・エルトゥールル号遭難事件の殉難将士587人を弔う墓碑として翌年に建立され、後に昭和天皇もお立ち寄りになったことに感銘を受けたトルコ共和国の初代ムスタファ・ケマル・アタテュルク大統領が国費で霊廟(れいびょう)を備えた台座を建立。その塔部に墓碑をはめ込んだ状態で今日まで伝わっている。

 同町は長らく「月命日」として毎月16日、同碑に献花をしている。期日と重なる9月はその大祭として追悼式典を計画し、平年は招待参列や一般参列を迎え大勢で現地の使命を振り返り決意をともにする形で営んでいる。

 前年度は同感染症の拡大に伴い規模縮小。他方で、実施できずにいた日本トルコ友好130周年記念事業の追悼式典が上積みとなり、現地参列は地元のみだが三笠宮彬子(あきこ)さまや駐日トルコ共和国大使館の特命全権大使らがオンライン参列する形で営んだ。今年も規模縮小の判断をし、昨年のような上積みがないため田嶋町長、町議会の鈴木幸夫議長、樫野区の髙山カヤ子区長、大島区の稲田賢区長、須江区の福島三男区長の5人が代表参列して殉難将士を追悼することとした。

 参列はかなわなかったが同大使館の現任コルクット・ギュンゲン特命全権大使が同町へ献花の代理を依頼し、同町は式典に先んじて同碑前へ献上した。式典では黙とうを経て5人それぞれに献花をし、弔電披露を経て田嶋町長が殉難将士の境遇と当時の大島島民が示した献身に思いをはせつつ「助け合う心を語り継いで、かけがえのない絆を育んでいくことが現在に生きる我々の使命。先人の精神を継承し両国の友好の原点となった歴史を風化させないことが大切だと考える」と述べ、人を思いやる心で結ばれた両国の歴史と文化を学ぶ機会を次世代に託し両国の絆をより深めることへの尽力を誓って追悼した。

 現地の髙山区長(74)は「2年続けて規模縮小となったのは残念だったけれど、こうして追悼を続けることはきっと両国の絆につながると思う。コロナが落ち着き以前のように営める日が再び訪れることを今後に願いたい」と胸中を語った。

(2021年9月18日付紙面より)

殉難将士への献花に臨む田嶋勝正町長ら=16日、串本町樫野
2021年09月18日
22 運動会に向けてダンス練習  木陰でお弁当も楽しむ  (うどの幼 )
2021年09月18日
23 旬の味覚が市場へ  極早生温州「みえの一番星」の出荷始まる  (JA伊勢三重南紀 )
2021年09月18日
24 小学校移転やコロナ対策で議論  太地町議会一般質問①  
2021年09月18日
25 「おいしい秋ナス食べて」  勝浦小3年生が収穫体験  (那智勝浦町 )
2021年09月18日
26 犬との接し方を学ぼう  三輪崎小で「わうくらす」  (新宮市 )
2021年09月18日
27 ロケットや宇宙を学ぶ 串本西中でJAXA講演会 (串本町)
2021年09月18日
28 新たな友好の証を  海底熟成酒プロジェクト始まる  (串本町 )
2021年09月18日
29 台風14号、18日昼前に最接近か  大雨や強風に十分注意  
2021年09月18日
30 お悔やみ情報
  
2021年09月18日
31 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第40回】コンポストで食育を!  

 皆さん、コンポストってご存知ですか? コンポストとは「生ごみを堆肥化させる」こと。簡単にいうと、土に生ごみを混ぜて、堆肥を作るということです。今家庭の生ごみを使って、簡単に堆肥を作る動きが、注目されています。

 私も、この夏からコンポストを始めました。おしゃれなコンポストキットがインターネットで販売されていると聞き、早速購入。フェルト生地のような素材でできた、おしゃれなバッグが届きました。別の袋に入っている土を、このバッグの中に移して、セットは完了。後は生ごみを入れていくだけです。普段の料理で出る生ごみを入れてざっくりとかき混ぜるだけ! 土が生ごみを処理してくれるというわけです。

 子どもの自由研究も兼ねて、一度入れたごみの経過を観察してみました。これがとっても面白いんです。中でどんどん発酵が進み、生ごみが時間をかけて小さくなっていきます。分解してくれるのは、微生物たち。途中、白カビが生えたり、湯気が上がったり、「あ~分解が進んでるな」と分かるのも楽しいところ。子どもも興味津々でした。

 ご飯や麺、肉、魚、野菜など大体の生ごみを入れることができます。魚の骨も、もちろんオッケー。ただ、タマネギの皮や、卵の殻は、分解に時間がかかってしまうそうです。

 コンポストを始めて、圧倒的にごみの量は減りました。食べ残したお料理もそのままコンポストに入れてしまいます。揚げ物や炭水化物は、分解を促進させてくれるそうですよ。最初は、「すごく臭いが出るんじゃないかな」と心配していましたが、土のおかげかそんなに臭うことはありません。むしろ、ごみの日まで生ごみを置いておくことがなくなったので、臭いの悩みから解放されました。1日300㌘の生ごみを毎日3週間ほど入れたら、立派な堆肥の完成です。私が買ったキットは、そのままプランターとして野菜を育てることもできるんです。

 日本の食品廃棄物は年間2500万㌧、そのうち本来食べられるのに捨てられる食品は600万㌧にも上るといわれています。これがいわゆるフードロスになるわけです。日本のフードロスの46%が家庭から出る生ごみです。

 そんな話をしながら、子どもと一緒に生ごみを土に還して堆肥にし、さらに野菜を育てられたら、最高の食育になりますよね。SDGsで、サスティナブルな社会が目標とされる今こそ、挑戦してほしい食育です。フードロスを削減するためにも、家庭からの生ごみを減らして、地球温暖化を抑制しましょう!

(2021年9月18日付紙面より)


2021年09月04日
32 「私たちは、忘れない」
 宇久井中学校で防災学習  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町教育委員会は本年度、2011年の紀伊半島大水害の記憶を後世に伝えるため、町内3中学校で防災学習を実施する。2日には町立宇久井中学校(坊信次校長)で学習があり、1、3年生36人が真剣な表情で被災当時の那智川沿いの写真や遺族の証言に向き合った。

 紀伊半島大水害で小中学生4人を含む29人が亡くなった那智勝浦町では、16年に町と和歌山大学が那智谷大水害遺族会の協力を得てDVD「私たちは、忘れない 紀伊半島大水害のことを」を制作。つらい記憶をよみがえらせることから生徒の視聴には賛否があったが、水害後10年を迎える今年、申し出があった3校で上映に踏み切った。

 DVD視聴に続き町教委の草下博昭課長が講話。「災害時には『絆』という言葉が注目されるが、被災した状況下で人と協力していくのは容易なことではない。それが実現するには、日頃から人に優しく接し、多面的に物事を捉え、自分にできることを探すという行動を取っていることが大切なのではないか」と語り掛けた。

 参加した生徒からは「どんな被害があったのか、どういう経緯で大きな被害が起きてしまったのか知ることができた。家族を亡くした遺族の気持ちは想像もできないが、一つ一つの災害を忘れてはいけないと感じた」「5歳の時、自分の家も浸水したと聞いた。自分たちにできるのは、忘れないこと、そして防災に取り組むこと」などの声があった。

(2021年9月4日付紙面より)

被災当時の町の様子を視聴=2日、那智勝浦町立宇久井中学校
真剣に向き合う生徒たち
2021年09月04日
33 打ち上げ機運盛り上げる
 新たなロケットロゴT発売  (南紀串本観光協会 )

 南紀串本観光協会(島野利之会長)は町独自ロゴ「スペースタウン串本ロゴ」を活用したTシャツの販売を開始した。アウトドア総合メーカー「(株)モンベル」とのコラボ商品で、カラーは3種類。1枚3000円(税込み)。同協会と同協会古座の窓口で販売している。

 前面にロケットロゴ(単色)、背面の首元にモンベルのロゴをそれぞれあしらった。生地はペアスキンコットンを使用しており、丈夫で型崩れしにくく肌に優しい着心地となっている。色とサイズはネイビー(サイズS~XL)とホワイト(同S~L)、グレー(同XLのみ)。

 同協会はロケット打ち上げの機運を盛り上げようと町独自ロゴを活用した商品を開発してきた。ロゴを使った商品のモデルケースを見せる狙いもある。これまでに「大漁旗Tシャツ」「ロゴステッカー」「ロケットサイダー」などを発売した。商品はJR西日本が運行する長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の出迎えの際などにも販売している。

 今後は8月に完成した同協会オリジナルのロケットロゴ(全4種)を使った小物類の製作も計画している。商品の通信販売も検討中で、宇井晋介事務局長は「町全体で盛り上がっていることを形として示したい」と話していた。

 商品などの問い合わせは同協会串本事業所(電話0735・62・3171)まで。

(2021年9月4日付紙面より)

ロケットロゴを使用したTシャツ=1日、串本町串本
2021年09月04日
34 田辺市社協に福祉用具を寄贈
 みくまの農業協同組合  (本宮町 )

 みくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生組合長)は8月30日、田辺市本宮町の保健福祉総合センター「うらら館」で田辺市社会福祉協議会(野見陽一郎会長)に介助型車椅子10台、松葉づえ3本、段ボールベッド30個を贈呈した。

 「農」と「食」と「地域を守る」を経営理念とし、地域に根差したJAとして2001年から活動してきたJAみくまの。昨今の経済情勢の変化により、今年6月に開催した第20回通常総代会で拠点再編が決まり、本宮支所が縮小となった。しかし、組合員や利用者にわずかでも地域貢献したいという思いから、「介護・福祉活動」「防災対策活動」の一助として、今回の贈呈に至ったという。

 同社協の松本栄夫副会長に目録を贈った漆畑組合長は「今回、本宮支所が縮小する中で何か地域貢献ができないかと考えておりました。福祉用具の必要性などを考え、少ないですが、今回の贈呈に至りました。今後ともどうぞよろしくお願いします」と話した。

 松本副会長は「大変ありがたい。少子高齢化社会が進む世の中、企業や社協もそれぞれ悩みがある。われわれとしても地域の皆さまがご心配ないように取り組み、貢献できるように進めてまいりたい」と話した。

(2021年9月4日付紙面より)

贈呈された福祉用具と目録を贈呈した漆畑繁生組合長(左)と松本栄夫副会長=8月30日、田辺市本宮町の保健福祉総合センター「うらら館」
2021年09月04日
35 「防災」について考えよう
 市野々小で防災学習  (那智勝浦町 )

 「防災の日」(9月1日)を中心とした1週間(8月30日~9月5日)は防災週間。那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で期間中の2日、防災学習があった。児童らは真剣な表情で授業に取り組み、命を守る避難行動について学びを深める機会とした。

 5、6年生12人を対象に行われた授業では、新型コロナウイルス感染防止の観点から、県土砂災害啓発センターとオンラインで中継をつなぎ、防災について考える時間とした。学習テーマを「私の避難方法を考えよう」とし、同センターの坂口隆紀所長がハザードマップや警戒レベルから読み解かれる避難場所や方法などについて説明した。

 同センターによるオンラインを使用しての防災学習は初の取り組み。坂口所長は「『避難』とは命を守るために逃げること」と説明。「避難所では新型コロナの感染リスクも高くなる。でも避難しないこともいけない」と述べ、分散避難(ばらばら避難)の重要性を訴えた。

 分散避難のためには、自分の住んでいる所で起こり得る自然災害を知り、安全な場所を確認することが必要とし、ハザードマップを用いた事前確認を促した。

 また、天気予報などで耳にする「台風が発生」「梅雨前線・秋雨前線・線状降雨帯」「大気の状態が不安定」などの言葉や、気象情報における警戒レベルとその色分けにも注意が必要とし「赤(警戒レベル3)と紫(同4)を注意する色として覚えておいてください」と呼び掛けた。

 その後、児童らはハザードマップなどを参考にし、災害時の自分や家族の役割について考えながら避難スケジュールの作成に取り組んだ。

(2021年9月4日付紙面より)

ハザードマップで安全な場所や避難場所を確認した=2日、那智勝浦町立市野々小学校
オンラインで県土砂災害啓発センターとつないだ
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