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2021年09月16日
1 コロナ収束願い来年こそ
 厳かに本殿大前ノ儀  (三輪崎八幡神社 )

 新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)で15日、同社例大祭の本殿大前ノ儀が営まれた。中村武・氏子総代会長ら祭り関係者約20人が参列し、神様をたたえて新型コロナウイルスの収束や地域の平穏無事などを願った。

 例大祭は漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする祭り。今年もコロナウイルス感染症拡大防止の観点から大幅に規模を縮小して実施。元宮を目指して八幡神社を出発し、恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が豪快にぶつかり合いながら町を練り歩く神輿渡御(みこしとぎょ)、その他の奉納行事は、昨年に続いて中止となった。

 今年は雨天のため、同神社社務所で大前ノ儀を斎行。厳かな雰囲気の中、上野宮司が祝詞、仲西博光副区長が祭詞を奏上し、参列者が玉串を供えた。

 中村氏子総代会長は「コロナウイルスの一日も早い収束と地域の健康、繁栄を願い、滞りなく営むことができました。2年連続の規模縮小については残念ですが、『来年こそは』という思いを忘れずに信じて過ごしていければ」と話していた。

(2021年9月16日付紙面より)

さまざまな思いを祈願した=15日、新宮市の三輪崎八幡神社
本殿大前ノ儀に参列した皆さん(一時的にマスクを外して撮影)
2021年09月16日
2 アカウミガメがふ化
 七里御浜海岸で2頭産卵  

 七里御浜海岸でのアカウミガメの上陸、産卵シーズンが終わり、今年は御浜町で6月21日と7月5日に2頭の産卵が確認された。紀宝町ウミガメ公園の飼育員・伊藤柊也さんによると、1頭目の卵は8月16日、2頭目は27日にふ化したと思われるという。紀宝町での産卵は3年連続でなかった。

 1頭目の卵はふ化した形跡があったものの、子ガメの足跡が少なかったことから、環境省吉野熊野国立公園管理事務所の職員が産卵巣を掘り起こしたところ、10匹がふ化していた。7匹は海に向かったが、残る3匹は元気がなく、ウミガメ公園で保護した。

 2頭目は産卵巣が台風などで浸水する恐れがあったため、127個の卵を安全な場所に移した。

 保護した当初、3匹は甲長4㌢弱だったが、1カ月近くたった現在では5㌢ほどまでに成長した。伊藤さんは「アジやホタテなどの餌を1日2回、食べて元気に育っています。1年後に海へ返す予定にしています」と話している。

 ウミガメ公園は「緊急事態宣言」により30日(木)まで休業中で、再開する10月1日(金)から、3匹を公開する。

(2021年9月16日付紙面より)

保護している子ガメ=紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」
七里御浜海岸でふ化したアカウミガメ=御浜町(伊藤柊也さん提供)
2021年09月16日
3 分散登校&オンライン
 新宮高校教職員の声を聞く  

 和歌山県内の県立高校は今月1日から、各クラスの半分の生徒が登校し、残り半分はオンラインによる自宅学習を行う形で授業を再開した。本格的なオンライン授業が始まって約1週間、新宮市の県立新宮高校の教職員の声を聞いた。

  □     □

■前野孝光教諭(国語)

 授業を担当している3年生は、昨年タブレット型パソコン(PC)が導入されて以来、日常的に授業でPCを使ってきました。1、2年生のクラスに比べると比較的スムーズに授業ができていると思います。

 授業は黒板への板書とパワーポイントの画面共有を併用して実施しています。もともと古文や漢文では板書の時間を短縮するため、パワーポイントを使っていました。タッチペンで画面に書き込みをすれば、教室/自宅学習の生徒両方にリアルタイムで同じ画面を見せることができます。普段から情報通信技術(ICT)を使った授業づくりをしていてよかったと感じます。

 板書もしますが、黒板の3分の1しか使用できず、カメラに映らない場所に書いてしまったり、広角にすると文字がぼやけてしまったりします。教室とPCのカメラのどちらを見たらいいのかは、今も悩みます。

 気をつけなければいけないのは提出物の管理。木曜日に登校した子が次に学校に来るのは月曜ですから、特に締め切りがあるものが多い3年生は気を使います。

  □     □

■岩倉真希教諭(数学)

 8月末からの準備期間はバタバタでしたが、授業を開始して1週間でようやく流れができてきたと感じます。

 全員登校のときは板書中心の授業をしていましたが、現在はタブレットPCに生徒に配ったのと同じプリントを表示し、タッチペンで書き込む形を取っています。教室の生徒はスクリーン、自宅学習の生徒はPCで同じ画面を見ることができます。数式を表示するのはパワーポイントでは難しいですね。

 最初は生徒全員にビデオ機能をオンにして顔を見せるよう言っていたのですが、そうすると通信容量の問題か、こちらから共有する映像の画質が下がってしまいます。現在は、生徒は顔出しなしで授業をしています。

 授業ではランダムで生徒を当て、自宅学習の子にも問題に答えてもらいます。生徒によってはオンライン授業の方がいいという子もいます。

 課題と感じているのは生徒の手元のプリントが見えないところ。数学ではどうしてもつまずく子がいるのですが、それをリアルタイムでサポートするのが難しい。登校したときに質問できるようにしていきたいです。

  □     □

 教職員の声を聞く中で、課題はあるものの▽普段からICTを活用した授業をしている方がスムーズに移行できる▽共有した画面に書き込みをする方式がいい―などの共通意見が見られた。

 県教委によれば全員登校再開のめどは立っておらず、分散登校・オンライン授業の長期化を見据え、今後も動向を追っていく。

(2021年9月16日付紙面より)

数学の授業風景=10日、新宮市の県立新宮高校
2021年09月16日
4 地域性踏まえ行動力培う 西向中生徒が防災学習で (串本町)

 串本町立西向中学校(山下哲治校長、生徒12人)が14日、役場総務課防災・防犯グループの職員を迎えて防災学習に取り組んだ。

 将来の発生が指摘されている南海トラフを震源域とする地震や伴う津波について地域性を踏まえて理解し、命の危険から逃げ切ることを考える内容で、前半は職員による解説を聞き後半は県独自の防災学習ツール「きいちゃんの災害避難ゲーム」に挑戦して理解や考えを深めた。

 解説を担当した同グループの岡田真一主任はまず町の人口規模や高齢化率、地理的特徴を伝え、それら状況との対比で南海トラフを震源域とする大地震や中央構造線付近を震源域とする大地震を注視しているとしそれぞれの予想最大規模や周期性など特色を解説した。

 南海トラフを震源域とする大地震は津波を伴うことを、県が作成した映像資料や津波ハザードマップを交えて印象づけ。この状況から命を守るために町は避難路や防災施設を整備し、公共施設の高台移転や同マップの作成、津波避難困難地域対策や訓練・啓発・補助事業による住民への意識付けや自主防災組織との協働、災害用備蓄水「なんたん水」の製造などさまざまな対策を積み上げているとした。

 それでも命を守るための避難は不可欠。岡田主任は津波が最短2分で町境に到達することを踏まえ、大きく揺れたら情報を待たず津波避難三原則に沿って行動し命を守ってほしいと呼び掛けた。

 質疑応答を経て後半は行動時の状況を疑似体験。用いた同ツールは小学生高学年以上を対象としゲーム1「津波から逃げ切ろう!」とゲーム2「避難所運営しよう!」の各体験ができるが、今回はゲーム1を2組に分かれてそれぞれ挑戦し起こる状況や求められる判断を考えて行動力を培った。

 持ち出し品や日頃の備えが全くない状況とある状況で2回取り組み、ある状況の方が行動しやすいことも実感した。

 同グループによると、同ツールを使った学習は串本西中に続き2校目でいずれもゲーム1を経験した状況。串本西中は後日ゲーム2にも挑戦する予定で西向中も同様に挑戦の機会を持ってほしいと希望して締めくくった。

(2021年9月16日付紙面より)

県独自の防災学習ツールで行動力を培う生徒ら=14日、串本町立西向中学校
2021年09月16日
5 串本古座・有田中央が敗退 秋季高校野球一次予選 
2021年09月16日
6 全議案可決して1日で閉会  第3回紀宝町議会定例会  
2021年09月16日
7 無投票の公算大に  立候補説明会に現職のみ  (熊野市長選 )
2021年09月16日
8 初日に4人が登壇  新宮市議会一般質問①  
2021年09月16日
9 ヌスビトハギの花  那智勝浦町  
2021年09月16日
10 仙人? いいえ、山田さんです  無所有のバックパッカーに御浜町で出会った  
2021年09月16日
11 銀河と町を盛り上げたい  立岡みのるさんの新曲販売中  (新宮市 )
2021年09月16日
12 演奏で感謝の思い伝える  那智中吹奏楽部が定期演奏会  
2021年09月16日
13 秋の七草・クズの花咲く  初秋の訪れ告げるように  (串本町 )
2021年09月16日
14 加齢の不安を気軽に相談  まちかど開設「笑笑茶屋」  (串本町 )
2021年09月16日
15 この街で生きる認知症 市役所1階ギャラリーで展示 (新宮市)
2021年09月16日
16 お悔やみ情報
  
2021年09月15日
17 感染対策施し練習に励む
 各スポーツ少年団が活動再開  (新宮市 )

 新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受けて先月3日から休止していた新宮市の関連施設再開に伴い、市内の各スポーツ少年団は13日から随時練習を始動させている。

 新宮保健所管内の感染者発生状況を鑑み、再開決定に至った。今後は感染対策を徹底して運営していく。現在、市スポーツ少年団にはサッカー、野球、バレーボール、ラグビーなど21団体が所属している。

 蓬莱体育館では、新宮バドミントンスポーツ少年団(奥田清二代表)が練習を再開。▽うがい▽手指消毒▽換気▽できる限りの密を避ける▽各家庭での検温―などの予防対策を講じ、熱中症を防ぐため、練習中はマスクを着用せず、こまめな水分補給も行っていく。

 この日は約30人が参加。全員でランニングした後、ネット際やレシーブを打つ「ノック」「基礎打ち」、試合形式の「ゲーム練習」などに励み、久しぶりの練習に汗を流した。

 丸山莉実(れみ)さん(12)は「久々にみんなと会えてうれしい。練習ができない間は家でトレーニングや壁打ちをしていた。しばらく期間が空いていたので、これから少しずつ感覚を取り戻していきたいです」と笑顔を見せた。

 奥田代表は「子どもたちの元気そうな姿が見られてよかったです。練習が再開したとはいえ、まだまだコロナの状況は油断できないので、今後も感染対策をしっかりと施していきたい」と話していた。

 なお、同日には木戸浦グラウンドや天満球場、テニスコートなど、スポーツ施設を含む那智勝浦町の関連施設も使用を再開した。

(2021年9月15日付紙面より)

久々の練習で汗を流す子どもたち=13日、新宮市の蓬莱体育館
2021年09月15日
18 宇久井半島のシダ標本展
 10月31日まで、宇久井ビジター  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで13日から、「宇久井半島のシダ標本展」が始まった。宇久井半島で確認されている65種のシダのうち48種の標本を展示しており、園地内には散策中の来園者に見てもらえるよう12種類のシダのネームプレートも設置している。

 シダ植物とは、根・茎・葉の区別があり、維管束(水や養分を運ぶ管)を持ち、種子を作らない植物のことで、コケ植物と種子植物の両方の特徴を持つ。花は咲かず、葉の裏面などから胞子を飛ばして子孫を残す。

 展示では正月飾りとして知られるウラジロやコケのような見た目のヒカゲノカズラ、山菜として食されるワラビの他、ヘラシダ、ホシダ、ベニオオイタチシダなど形も大きさもさまざまな標本を展示。これらは今年1月に県立新翔高校の職業体験で同センターを訪れた亀井青空さん、西村悠羽さんが採取したものだという。

 半島内で見られるシダの見分け方を記したプリントも配布しており、同センターの浦希世子さんは「少しでもシダに興味を持っていただき、野に出掛けたときの植物観察の楽しみの一つに加えていただければ」と話していた。

(2021年9月15日付紙面より)

48種の標本を展示=13日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンター
2021年09月15日
19 教訓風化させず後世に
 紀伊半島大水害10年シンポ  (紀宝町 )

 紀伊半島大水害10年シンポジウムが11日、オンラインで開催された。2011年の大水害で甚大な被害を受けた三重、和歌山、奈良の3県関係者ら74人が参加し、犠牲者に黙とうをささげた上で、風水害への防災意識向上を図った。

 災害対応力向上を図る「紀伊半島大水害10年プロジェクト」の一環。当初は紀宝町で予定していたが、新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、オンラインでの開催に至った。三重県などが主催し、共催した同町からは西田健町長、鮒田自主防災会の東口高士会長が思いを語った。

 黙とう後、鈴木英敬知事のビデオメッセージを流し、西田町長は「シンポジウムは皆さまと一緒に紀伊半島大水害を振り返り、当時の対応や大水害から得た教訓を今後も風化させることなく、後世に伝えていく機会にしたい」とあいさつした。

 東京大学大学院客員教授で、紀宝町防災行政総合アドバイザーの松尾一郎さんが「大規模風水害を見据えた地域防災の必然性」をテーマに基調講演。「災害は地域で発生するため、地域で危機感を共有して災害に備えることが大切。水害は先を見越して早めの防災対応が重要で、これがタイムライン」と話した。

 紀宝町は全国に先駆け、2015年に事前防災行動計画(タイムライン)を策定。パネルディスカッションで西田町長はタイムラインや町民防災会議、防災情報共有システムなど町の防災対策を説明し「今後も大規模災害に備え、タイムライン防災が紀宝町の文化となるよう、充実を図り、災害に強い安全・安心な町づくりに努める」と伝えた。

 東口会長は当時の写真を基に「川の水が輪中堤を越えるとの情報があり、住民を避難させた」と大水害を振り返った。

 過去の水害を教訓として次世代につなげていくことが求められている今日。実際に災害を経験したからこそ得られる「今」があり、これを風化させないためにも過去を振り返り、認識・危機感を新たにして行動することが大切になる。

(2021年9月15日付紙面より)

町の取り組みを紹介する西田健町長=11日、紀宝町役場
鮒田地区タイムラインの取り組みを話す東口高士会長
2021年09月15日
20 交通ルール守っていこう ひまわりの絆プロジェクト (近大新宮)

 ヒマワリを育てることを通じて命の大切さを学び、交通事故の被害者支援へ理解を深める「ひまわりの絆プロジェクト」の輪が広がっている。新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)でもこのほど、生徒会メンバーが大切に育てていたヒマワリが、太陽へ向かって大輪の花を咲かせた。

 2011年に京都府内で発生した交通事故で亡くなった男児(当時4歳)が生前育てていたヒマワリの種を引き継ぎ、全国で開花させるプロジェクト。交通事故を担当していた警察官の元へ遺族から「私たちの子どもが生きた証しを残したい。このヒマワリがあちらこちらで咲けば、この子もいろんな所へ行けると思う。もう交通事故は嫌です」の言葉とともに種が託されたことを契機に、15年にスタートした。

 同校では中学校生徒会(宇惠諒介会長)が中心となって取り組みへ参加。7月初旬に種をまき、水やりには高校生徒会(小屋敷卓真会長)や教職員も協力して成長を見守ってきた。

 開花したのは5本。生徒らの背丈ほどに育ったヒマワリの花を眺め、宇惠会長は「取り組みを通じ、交通事故の危険性を伝えたい。僕たちも毎日徒歩や自転車で通学しており、事故はいつでも起こりうるので、気を付けていきたいです」。小屋敷会長は「京都府で発生したような事故が二度と起こらないよう、自分たちも交通ルールを守っていきたい」と話していた。

(2021年9月15日付紙面より)

開花したヒマワリと記念撮影=13日、新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校
2021年09月15日
21 これが「私の新宮遺産」 新宮市観光フォトコンテスト入選作品紹介 (一般の部①)
2021年09月15日
22 「NO」と言える勇気持って  太地中で薬物乱用防止教室  
2021年09月15日
23 河川監視カメラを設置  関西電力「カメラ設置サービス」事業  
2021年09月15日
24 地域貢献で献血活動  紀南地区郵便局長会  (新宮市 )
2021年09月15日
25 校門に「あいさつ標語」  最優秀2作品を掲示  (鵜殿小 )
2021年09月15日
26 犠牲者に黙とうをささげ  第3回定例会が開会  (紀宝町議会 )
2021年09月15日
27 入選作品14点をパネル展示  本年度小中学生ポップコン  (串本町 )
2021年09月15日
28 実践のポイントを伝える  スポーツボイス体験教室  (串本町 )
2021年09月15日
29 記念物登録の趣旨を紹介  串本町図書館内で企画展  
2021年09月15日
30 鈴なりのイガグリ  熊野地方で秋の風情漂う  
2021年09月12日
31 「私の新宮遺産」 各部門の最優秀賞決まる (新宮市観光フォトコン)

 新宮市観光フォトコンテストの表彰式が10日、市役所であり、最優秀賞を獲得した小阪享志さん(67)とフォスティロプロス ソフィア裕希さん(6)らに賞状と記念品が贈呈された。入選した作品35点は観光カレンダーやパンフレットなどとして活用する他、10月29日(金)まで、市役所1階ギャラリー横に展示される。

 市観光カレンダー製作実行委員会(山本大輔委員長)が主催で毎年開催しており今年で10回目。今回はテーマを「私の新宮遺産」として作品を募集。一般の部には66人から242作品が、学生の部には14人から22作品の応募があった。

 一般の部では昨年に引き続き小阪さんが再び最優秀賞に輝いた。作品名は「悠久の石畳」。緑色の鮮やかなこけが生えた高野坂の石畳を被写体とした。小阪さんは「(高野坂は)最近造られたものではなく、先人たちの苦労と思いが込められている。それを写真で伝えられたら」と「私の新宮遺産」に選んだ理由を語り「昨年、最優秀賞に選んでもらってビギナーズラックで終わらせないように頑張った。審査員の方々に感謝です」と笑顔。

 王子ヶ浜沿いを疾走する特急列車「パンダくろしお」を捉えたのは学生の部最優秀賞のフォスティロプロス ソフィア裕希さん。保育園の卒園旅行で南紀白浜アドベンチャーワールドに行く予定だったが新型コロナウイルスの影響で中止に。「パンダが好き。アドベンチャーワールドに行きたい」という思いを写真に写した。

 山本委員長は「新宮市の観光もコロナ禍で大きな影響を受けている。皆さんの作品が、新宮市の魅力発信と観光PRの一助となることを期待しています」。

 審査員を務めた田岡実千年市長は作品一点一点を講評し「過去最高の作品数となった。素晴らしい数々の作品が集まった。すてきな観光カレンダーができると確信しています」と話した。

(2021年9月12日付紙面より)

一般の部・最優秀賞「悠久の石畳」(小阪享志さん)
学生の部・最優秀賞「パンダ列車」(フォスティロプロス ソフィア裕希さん)
2021年09月12日
32 脳科学研究の世界に触れる
 南澤玄樹さんがオンライン講話  (新宮高校 )

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で10日、国立研究開発法人理化学研究所・脳神経科学研究センター研究員の南澤玄樹さん(薬学博士)がオンラインで講話した。理系選択の2年生21人が脳科学研究の世界に触れ、脳と「絆」の関係について学んだ。

 生徒の進路選択の一助とするとともに、最先端の研究や科学的思考に触れることで将来の研究者育成につなげることなどを目的に実施した。

 南澤さんは、心理学と脳科学の違いを「心や行動に、『脳』という体の一部がどのような機能を果たしているのかを研究するのが脳科学」と説明。「人間の脳は約1000億個の神経細胞(ニューロン)によって成り立ち、嗅覚野、聴覚野、体性感覚野など部位ごとに機能分化しているが、サルやネズミ、ハエなどの脳とも大まかな位置関係や機能の共通性を持っている」と言い、「さまざまな動物の脳を研究した結晶として人間の脳が解明されていく」と話した。

 現在は、一緒に時間を過ごした仲間との絆(パートナー嗜好(しこう)性)を育む習性を持つハタネズミを用いた研究に取り組んでいることを紹介。「嗅周皮質と呼ばれる脳の一部の活動を抑制することで仲間と過ごす時間が有意に減ったことが確認でき、仲間との絆を育むために嗅周皮質が大きな役割を果たしていることが分かった」と述べた。

 「着想のもとになったのは、新型コロナ感染拡大後、ソーシャルディスタンスで人と人の距離が離れてしまったこと。今後さらに感染が広がってロックダウンのような状態になれば、人々の絆が失われてしまうかもしれない。研究所の仲間とオンラインで会話しているとき、それが絆の維持にどのような役割を果たしているのか、絆が失われないためには何が必要なのかと考えた」と語り、「研究を通じ、脳の損傷で人の顔が認識できなくなる『相貌失認』という症状についての認知が広がり、遠い未来に治療法開発につながる可能性もある」と話した。

 参加した生徒からは「難しいところもあったが、ハタネズミの研究の話が面白かった」「研究者の仕事に興味を持てた」との声があった。

(2021年9月12日付紙面より)

ネズミの脳について解説=10日、新宮市の県立新宮高校
講話に耳を傾ける生徒
2021年09月12日
33 コウノトリ3羽が飛来
 紀伊大島で注目浴びる  (串本町 )

 串本町大島で10日夕方、コウノトリが飛来し住民の注目を浴びるなど話題になった。

 コウノトリは体長1㍍を超える大型の渡り鳥で、羽を広げると2㍍前後に達する。羽はほぼ白いが翼の風切り羽などが対照的に黒く、その特徴と大きさで他の鳥類と一線を画する。

 世界的に絶滅危惧種となっていて、国内では1971年に野生のコウノトリが絶滅。後にロシアから贈られた個体を繁殖させ、その子孫を放って国内で繁殖する野生個体の復帰が図られている。

 目撃情報を頂き確かめたところ、3匹が県道樫野大島線から大島港へ降りる交差点一帯を断続的に飛び回り日没ごろに交差点そばの電柱に降り立って夜越しの準備を始めた。コウノトリは寝床を見つけると朝までその場にとどまり続けるそう。住民らの注目が他の注目を呼び、飛来中は入れ替わるようにその姿が見届けられていた。

 3匹とも放鳥のあかしである四つの足環がついていて、兵庫県立コウノトリの郷公園の公表資料によると3匹は今年5月6日に福井県小浜市の巣塔で野外繁殖により生まれた個体で、7月14日に巣立ったそう。いずれもオスで、2カ月弱で本州縦断飛行を成した状況となっている。

(2021年9月12日付紙面より)

県道樫野串本線沿いの電柱で休息するコウノトリ=10日、串本町大島
J0376(足環は青B、黒K、黒K、黄Y)
J0377(足環は青B、黒K、黒K、赤R)
J0375(足環は青B、黒K、黒K、黒K)
2021年09月12日
34 南紀ボーイズが準々決勝へ
 報知旗争奪関西さわやか大会  
2021年09月12日
35 人とまちの元気を応援  明治安田生命が寄付金贈呈  (新宮市 )
2021年09月12日
36 チャボホトトギスの花  かけぬけ道にひっそり  (那智勝浦町 )
2021年09月12日
37 健康観察オンラインでも  宇久井小学校でスタート  (那智勝浦町 )
2021年09月12日
38 「テロは起こさせない!」  官民一体で合同警戒活動  (JR新宮駅 )
2021年09月12日
39 新たに17の事業を展開  コロナ交付金を活用し  (古座川町 )
2021年09月12日
40 自動運転技術など学ぶ  出雲小でプログラミングの授業  (串本町 )
2021年09月12日
41 昔ながらの稲刈り体験  高池小5、6年生22人  (古座川町 )
2021年09月12日
42 丸山千枚田で収穫作業  「稲刈りの集い」は中止に  (熊野市 )
2021年09月12日
43 今年は214人が参加  サマースクールの実績  (紀宝町教委 )
2021年09月12日
44 知事選、12日に投開票  新人3人が舌戦展開  (三重県 )
2021年09月12日
45 出馬意思の計6陣営出席  立候補予定者説明会  (新宮市長選・市議補選 )
2021年09月11日
46 中村覚之助氏が名誉町民に
 サッカー普及の功績たたえ  (那智勝浦町議会 )

 那智勝浦町議会(荒尾典男議長、12人)の9月定例会が10日再開し、国内におけるサッカー普及に大きく寄与した同町出身の中村覚之助氏を名誉町民に推挙する議案が全会一致で同意された。この日は日本サッカー協会が設立100周年を迎える記念すべき日だった。

 中村氏は1878年に旧那智村浜ノ宮で生まれ、1900年に東京高等師範学校(現筑波大学)に入学。教授の坪井玄道氏が海外視察から持ち帰った「アッソシェーション・フットボール」を翻訳し、日本初のサッカー指導書を編さんした。さらには日本初となるサッカーチームを創設し、国際試合も実施した。1906年に28歳の若さで逝去した。

 それらの功績をたたえようと、同町出身でロサンゼルス、ベルリンの両オリンピックの棒高跳びにおいて銀メダルを獲得した西田修平氏に次いで二人目の名誉町民に推挙された。

 同町によると、東京五輪や協会設立100周年などもあったことから、今回のタイミングになったという。

 堀順一郎町長は中村氏の功績をたたえ「本日は協会設立100周年を迎える記念の日。サッカーの発展に貢献したことから協会からも町へ感謝状を頂くことになった」と報告。

 今後については「中村さまを顕彰し、このことを日本全国、世界に発信していく。サッカーの町、ヤタガラスの町としても多くの方に来ていただける取り組みも併せて進めていきたい」と話した。

 この日、議場に駆け付けた中村氏の兄・亀一氏の孫に当たる統太郎さんは「覚之助の生前の功績が認められ名誉町民に選ばれた。この上ない喜びであり、親族としても光栄に思う」と喜びを語った。

(2021年9月11日付紙面より)

名誉町民に決定した中村覚之助氏(中村統太郎さん提供)
可決された9月定例会4日目の様子=10日、那智勝浦町役場議場
2021年09月11日
47 道普請で草刈りや石段保全 熊野・那智ガイドの会 (那智勝浦町)

 熊野・那智ガイドの会(汐﨑眞次会長)のメンバー11人は9日、世界遺産「紀伊産地の霊場と参詣道」の一部であるかけぬけ道で道普請(みちぶしん)に汗を流した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で予定されていた中高生の修学旅行は延期となっているが、古道を歩く人々の安全を確保するとともに、地元の人々にも歩いてほしいとの思いから実施した。

 この日は熊野那智大社・那智山青岸渡寺~妙法山阿弥陀寺を結ぶルートで道普請。2011年の紀伊半島大水害で発生した土石流によって道が流失した部分の迂回(うかい)路とかけぬけ道の合流地点付近で、道を覆い隠すように茂るマツカゼソウを刈り、枯れ葉で埋まった石段を掘り起こした。

 作業後は、道中の落石の除去や危険箇所の確認などをしながら、霧にかすむ古道をたどって阿弥陀寺まで歩いた。

 汐﨑会長は「コロナが収束したら、観光客の数も増えてくるはず。ガイドの仕事に興味がある方は、ぜひ一緒に活動しましょう」と呼び掛けている。

(2021年9月11日付紙面より)

石段を掘り起こすメンバー=9日、那智勝浦町
草刈りで道を保全
2021年09月11日
48 地元食材の万能だれ商品化
 CGS部調理班、販売急ぐ  (串本古座高校 )

 県立串本古座高校(左近晴久校長)のCGS部調理班(森陽翔班長、班員8人)が9日、3年越しで地元食材を使った万能だれ「あがらのたれ」を商品化した。来週中に協力事業所で販売を始める予定で、入部以来関わってきた森班長(3年)は「肉にも野菜にも合い、野菜嫌いの自分でもこれをかけると野菜が食べられる。班一丸で作った自慢のたれなので、ぜひ手にとってほしい」とアピールしている。

 このたれは、みくまの農業協同組合の働き掛けにより古座川町~旧古座町域で生産が活発化している食材・ニンニクの消費を促すレシピ作りに協力する中で開発。イベントで試験披露したり家族など班員つながりで試食をしてもらったりなどして得た意見も取り入れながら、レシピを練り上げてきた。

 2年余り関わってきた3年生の引退間際で「最後までやり切るべき」と班員は一致団結し、商品化のノウハウを持つ古座川ゆず平井の里に協力を依頼。先月25日に班員4人も手伝って調理~瓶詰めをし、今月9日にカイロス缶バッジのデザイン担当・雑賀和さん(1年)のイラストを取り入れたラベルなどを貼って商品化した。

 用いた地元食材は同班自家製の黒ニンニク、古座川町産のユズ果汁やニホンミツバチの蜂蜜、県産のミカンジュース、那智勝浦町・藤野醤油醸造元のしょうゆ「菊」。さらにリンゴやみりん、日本酒などを加えたレシピに調味料など所要の添加をして万能だれを仕上げ、200㍉㍑瓶に詰めた。

 長引くコロナ禍により自宅で過ごす時間が増える中、「あがらのたれ」が一家だんらんのきっかけになればという願いもあって果汁を効かせ子どもも親しみやすい甘口の味わいとしている。その分消費期限は4カ月〈12月23日(木)まで〉と短いため、急ぎ販売促進媒体を作って販売までこぎつけるという。

 価格は1瓶400円(税込み)で、生産数は260本。コロナ禍で文化祭など直販の機会が作りにくい状況があり、販売できる事業所があれば9月中にご連絡いただければと協力を求めている。連絡や問い合わせは同校(電話0735・62・0004)まで。

(2021年9月11日付紙面より)

ラベルを貼り商品を仕上げる森陽翔班長(右端)ら=9日、県立串本古座高校

2021年09月11日
49 避難場所を知ろう 王子ヶ浜小4年生が防災学習 (新宮市)

 新宮市立王子ヶ浜小学校(谷口幸生校長)は9日、防災学習を実施した。4年生62人が教職員の誘導を受け、阿須賀神社までの避難場所などを歩きながら確認した。

 防災学習は総合学習の一環で、各学年が毎年、防災について学びを深めている。4年生は実際に歩いて町を探索し、防災マップを作成している。

 2011年に起きた東日本大震災や紀伊半島大水害、今後の発生が危惧されている南海トラフ地震などの災害に備えて、子どもたちが自分の命を守り考えて避難できるようになってほしいとの思いから実施している。14日(火)には、4グループに分かれて校区内の地域を調べた後、マップを作る予定となっている。

 児童は教職員から説明や移動中の注意事項を受けると、指示に従って学校を出発。市の避難所に指定された場所などでは教職員が用意した「防災」の旗を基に、どのような行動を取るべきかを考えながら阿須賀神社までの経路をたどった。

 上野萩晴(しゅうせい)君は「どうやって危険な場所から逃げるかを考えながら歩きました。災害はいつ起きるか分からないので、いろんな避難場所を知って早く逃げられるように勉強したい」と話していた。

(2021年9月11日付紙面より)

歩いて避難場所を確認する児童=9日、新宮市
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50 夏・冬休みは午後6時まで延長  うどの幼の預かり保育時間  (紀宝町 )
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51 明治32年、三重県初の水力発電所  【紀宝町】今なお残る鮒田発電所跡  (熊野アーカイブ ~熊野に人あり、歴史あり。~ ⑬ )
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52 「10年前の紀伊半島大水害の被災体験を振り返って」  大石元則さんの体験談  (新宮市 )
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53 13日から使用再開  新宮市関連施設  
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54 クマノギク咲く  熊野古道高野坂  
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55 「救急の日」に災害学習  土砂や大雨の怖さ学ぶ  (丹鶴幼稚園 )
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56 早くもヒガンバナ咲く  古座川町相瀬  
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57 2種類製作、活用始める  ロゴ<カラー>ピンバッジ  (串本町 )
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58 お悔やみ情報