コンクールに向け練習に熱 (新翔高校吹奏楽部 )
新宮市の県立新翔高校吹奏楽部(西浦久博顧問、木下綾子部長)の部員らは現在、8月9日(月・振休)に和歌山市の県民文化会館で開催される「第57回和歌山県吹奏楽コンクール」高校A部門の出場に向けて日々練習を重ねている。2007年に校名が変更になって以降、同部が大編成のA部門に挑戦するのは今年が初となる。
同部は2015年に吹奏楽同好会として発足。18年に「吹奏楽部」に昇格した。しかし、少子化に伴う生徒数減少が全国的な問題となる中、同部においても部員数は1桁~十数人で推移。コンクールではこれまで30人以下の小編成B部門への出場に終始していた。
「3年生部員で積極的に誰にでも話し掛けていく子がいた。一人が入部してくれたらその友達も一緒に、といった感じで部員が増えていきました」と木下部長。新入部員勧誘に向けた地道な努力は実り、1年生22人が新たな仲間となった。結果、2年生4人、3年生14人合わせて計40人の大所帯に。
西浦顧問は「正直驚いている。まさかA部門に出られる日が来るとは思っていなかった。音の厚みも違う」。
しかし、新入生22人中20人がこれまで管楽器に触れたこともない、いわば「初心者」。西浦顧問は「音合わせでは間違った音がたくさん聞こえてきます」と苦笑い。「でも間違った音でも聞こえるということは吹いているという証拠。たくましく、頼もしくも感じますね」と期待を寄せる。
中学校から継続して楽器に携わる生徒も多く、強豪校がそろう高校A部門に対し、部員の約半数が初心者といった状況で初の大舞台に挑む同部。「コロナの影響で昨年は練習も活動もままならなかった。そんな状況から一転してA部門への出場。高校生活最後の年に挑戦できることはうれしい」と木下部長。
「A部門では課題曲と自由曲の2曲を演奏する必要がある。体力、気力的に少し不安。でも一番大切なことは楽しむことだと思います」。
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部員数獲得の影には、前述したように上級生部員たちの地道な努力が根底にある。西浦顧問は「週6日の練習日を5日に減らし、短い時間で集中してやるようになったことも部員が増えた理由の一つでは」と分析。
音合わせでは新入部員に対して上級生が指や音の間違いを指摘するなど、和気あいあいとした雰囲気が漂う。西浦顧問は「伸び伸びしすぎるくらい伸び伸びしている」と笑うが、いざ楽器を構えると全員の顔が引き締まる。
夏のコンクールに先立ち、同部は7月17日(土)午後5時(4時30分開場)から、同校中庭で定期演奏会を開催。新入部員にとっては初の舞台だ。西浦顧問は「こんなクラブもあるんだと思って見に来てくれたら」。
フルートを担当するブイトレ・アルビン・ハンス・カワヤン君(1年)は「かっこいいと思ってフルートを選んだ。早い所が難しい。でもみんなの音がハーモニーになる瞬間が楽しい」と笑顔を見せ、誇らしげに楽器を掲げた。
(2021年7月11日付紙面より)
各地区サロンで説明会 (紀宝町 )
紀宝町環境衛生課は、3日に鵜殿の牡丹(ぼたん)サロン、5日に神内の子安サロンでごみの分別を説明した。町では燃料ごみをRDF施設で固形燃料化していたが、施設の稼働終了に伴い、4月から燃料ごみを可燃ごみに変更。町内各地域で説明会を開いており「変更点などはごみ収集カレンダーで確認を」と呼び掛けている。
牡丹サロンには20人が参加。環境衛生課の職員が、小さなプラスチック類、ドレッシングなどの容器やキャップ類、歯ブラシ、CD、DVD、ケース、保冷剤、貝殻などが可燃ごみで捨てられるようになったことを説明。
RDF施設終了に伴い、ごみのさらなる減量化を目指すため、プラスチック製容器包装の分別収集を開始した。「プラ」マークが目印で、はさみで切れる程度の硬さのものが対象。「汚れたものはリサイクルできないので可燃ごみで出してください」と求めた。
資源ごみは▽段ボール、菓子箱などの厚紙▽新聞、折り込みチラシ▽雑誌類、包装紙▽白色紙パック▽ペットボトル▽布類▽白色トレー・発泡スチロール▽プラスチック製容器包装―など種類ごとにまとめて出してほしいとした。
約30人が参加した子安サロンでは「可燃ごみにプラスチック類を入れてもいいの?」「配水管を汚してまでプラスチック類を洗わないといけないの?」などの質問があり、職員は「汚れが落ちないプラスチック類は可燃ごみに出してもらっても結構です」と伝えた。
プラスチック類の収集日を増やしてほしいとの要望があり、町では現在、収集日を検討しており、プラスチック製容器包装の分別収集を開始した4月以降、3カ月で可燃ごみが30㌧減少したという。
(2021年7月11日付紙面より)
金刀比羅神社で例大祭 (太地町 )
太地町の金刀比羅(ことひら)神社=通称こんぴらさん=(髙橋正樹宮司)で10日、夏の例大祭が営まれた。昨年に引き続いて今年も新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、例年多くの大人や子どもでにぎわう餅まきなどは中止。神事ではまちの繁栄を祈願した。
同神社は1798(寛政10)年、太地角右衛門頼徳が讃岐国(香川県)の金刀比羅神社から勧請(かんじょう)した。昭和30年代は熊野地方で唯一の金刀比羅神社として広域から大勢の人々が参拝に訪れたという。境内には出店も並び、奉納相撲も行われるほどにぎわったとされるが、近年は祭典のみとなっていた。
これまでは町内の各種団体などで立ち上げた過疎地域神社活性化推進委員会で景品付きの餅まきなどを行い祭りを盛り上げるなどの取り組みも行ってきた。
式典には太地町漁業協同組合の脊古輝人組合長、塩崎伸一責任役員代表ら16人が参列。髙橋宮司が祝詞を奏上し、参列者は玉串をささげた。
神事を終え、塩崎責任役員代表は「皆さまのご協力で無事斎行できた。祭りを絶やすことのないように若い方にも祭りに参加いただけたら」。
髙橋宮司は「まちの繁栄や地域の安寧を祈願しました。併せてコロナの終息もお祈りした」と語った。
(2021年7月11日付紙面より)
児童がふ化場へ埋める (那智勝浦町 )
ウミガメの卵の保護やふ化などを手助けする玉の浦リップルズクラブ(掛橋郁雄会長、会員20人)は6月29日早朝、那智勝浦町下里の太田川河口の大浜海岸で3年ぶりにアカウミガメが産卵しているのを発見した。海洋学習に取り組んでいる町立下里小学校(泉一代校長)に呼び掛け、5、6年生児童21人が卵を取り出し、同クラブの産卵ふ化場へ埋め戻した。
30年ほど前に発足した同クラブ。はじめは地域の景観のために桜の植樹などを精力的に行ってきたが、以前からウミガメが産卵する場所であった同海岸に注目してきた。
地形的にふ化が難しい場合も多かったことから、卵を保護し無事にふ化させる活動に取り組むようになった。ふ化したカメを同小の児童たちと共に放流することで地域の自然や歴史を学ぶきっかけづくりに協力してきた。
同校も総合学習の一環で参加し、ウミガメの上陸がスムーズに行えるようにクラブ協力の下、毎年海岸のクリーン作戦にも取り組んでいる。
会員で紀伊半島ウミガメ情報交換会の会長を務める湊久和さんは「ウミガメは後ろ足を使って45㌢ほど穴を掘って卵を埋めていた。土の中が29度であれば約60日後にふ化します」と説明した。
児童は割れたものなどを除いた114個の卵を慎重に取り出してバケツに移し、海岸内に設置されたふ化場で丁寧に埋め戻した。これまでは同校のふ化場でもふ化させていたが、今回はこちらでふ化させるという。
初めてウミガメの卵を見たという上地愛莉さんは(5年)は「柔らかかった。ウミガメが元気に育った姿を見たい」。
泉校長は「児童にはウミガメの生態や地域の環境、命の大切さなどを学んでほしい」と話した。
会員の濵﨑修さんは「研究熱心な子どもが多かった。下里は自然が多く、何でもできるため考えも広がると思う」。
湊さんは「恵まれた環境じゃないとウミガメは来ない。子どもたちに興味を持ってほしい」と述べた。
掛橋会長は「自然や生物に触れることは今後の人生においてもプラスになるはず。自然環境が豊富な場所で学ぶことは重要だと思う」と語った。
(2021年7月2日付紙面より)
千穂王子ヶ浜線計画説明会 (和歌山県、新宮市 )
東牟婁振興局新宮建設部と新宮市都市建設課は6月30日夜、市役所別館で地域住民を対象とした都市計画道路「千穂王子ヶ浜線」の計画説明会を開いた。住民ら約50人に対し計画の概要や今後の予定などを説明した。
都市計画道路は、都市の骨格を形成し、安心で安全な市民生活と機能的な都市活動を確保する、都市交通における最も基幹的な都市施設として都市計画法に基づいて決定される。
原則、整備は市町村が施工するが、同道路においては県と市が整備に関する協議を実施。県が、市と県の各整備区間を合わせて整備していくことが決定しており、昨年度から着手している。将来的には2024年秋の開通を目指して現在工事が進む新宮紀宝道路とをつなぐ幹線道路となる予定。
現在幅員9~10㍍の道路を16㍍に拡幅していく同整備事業の認可区間は、同市千穂3丁目の裁判所前交差点から浮島の中央通交差点までの約500㍍で認可期間は昨年11月~26年3月。
県によると、現地測量で基準点設置、地形図作成などを済ませており、今後は周辺住民に対する事業の周知や説明、用地実測図作成、建物調査、建物などの補償額・土地価格の算定などを進めていくという。工事着手は23年度以降を予定している。総事業費は約18億円。
市は「県と一体となって取り組んでいきたい」。県は「多くの学生が通学路として利用する道路。地域のお子さんや観光に訪れた方々に安心してご利用いただけるように整備するもの。早期完成に向け取り組みを実施していきたい」とそれぞれ理解を求めた。
(2021年7月2日付紙面より)
橋杭、田原の両海水浴場 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)が6月30日、橋杭海水浴場と田原海水浴場の資材設置に取り組んだ。いずれも遊泳期間は4日(日)から8月31日(火)まで。海開きに向け島野会長は「今年も感染症予防を保ちつつ盛り上げていきたい」と意気込んでいる。
橋杭海水浴場は串本町くじ野川地内、橋杭岩の南西に位置。環境省「快水浴場百選」の一つとして多くの海水浴客を集め、その状況を包括する橋杭ビーチはアウトドア拠点化を目指しシーカヤックなど各種アクティビティーのレンタル提供で春~秋の3季活用を図るところともなっている。
田原海水浴場は同町田原地内、国民宿舎あらふねリゾート前に位置。レジャー利用にも適した広い芝地や砂浜を持ち味とし、最近は小型ロケット「カイロス」初号機打ち上げ時のプレミア見学場となることでも注目されている。
その資材設置の作業には、島野会長ら関係者16人が参加。役割分担して遊泳区域を示すブイロープを洋上に張り、感染症予防対策として砂浜を陣取るときの目安としてもらう幅杭を横一線4㍍間隔で砂浜に打ち込むなどして海水浴の環境を整えた。
利用者数が多い橋杭海水浴場は、期間中有料とする駐車場環境も準備。同対策としてビーチハウス内の座席にも利用間隔の目安を貼るなどした。更衣室内の密を避けるため、使えるロッカーの数を制限して抗菌処理を施し屋外に無料の簡易水シャワーを設ける段取りは事前に実施済み。密を誘いやすい洋上遊具(滑り台)は今年も設置を見合わせた状況となっている。
昨年に続いて今年も感染症予防対策を講じつつ海開き期間に臨む同協会。島野会長は「新型コロナワクチン接種が進みオリンピックやパラリンピックを目指すなど明るい兆しが見える中、われわれも感染症に気を付けてやっていかなければ」と思いを語り、冬のロケット初打ち上げと並んで夏の海水浴がまちの盛況につながることを期待した。
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同期間中、両海水浴場とも午前9時~午後5時を監視員配置の遊泳時間としている。橋杭海水浴場の駐車料金は普通車1回1000円など。
本年度も串本まつりの中止が発表されているが、その一企画として含まれている同協会主催イベント「橋杭ビーチサマーフェスタ」は今月25日(日)に実施予定。島野会長は「やりたい」という思いを持ちつつ、今しばらく状況を見て実施の有無を判断したいとしている。問い合わせは同協会(電話0735・62・3171)まで。
(2021年7月2日付紙面より)
熊野三山で茅の輪くぐり
熊野三山で6月30日、「夏越大祓式(なごしおおはらえしき)」が営まれた。参拝者たちは「茅(ち)の輪くぐり」で半年間の災厄をはらい清め、夏の疫病退散と新型コロナウイルス感染症の終息などを願った。
12月31日(大晦日(おおみそか)の大祓)と年2回営まれる、上代から伝わる儀式。「夏越大祓式」では、社会全般の不浄をはらい除き、不慮の事故や災害に巻き込まれることのないよう、また日々重なる災厄を清め、夏に向かい疫病にかかりやすくなる時季を無事に過ごせるように願いを込める。
「水無月(みなづき)の夏越のはらいする人は 千歳(ちとせ)の命のぶというなり」という唱え歌があり、3歳で母を亡くした俳諧師、小林一茶(1763~1828年)は「母のぶん も一つくゞる 茅の輪かな」と詠んでいる。
熊野速玉大社(上野顯宮司)では、検温と手指消毒を済ませた約100人の参列者が大祓詞(おおはらえのことば)を唱え、人形(ひとがた)と呼ばれる人の姿をかたどった紙に息を3回吹きかけてけがれを移した。人形は全国から寄せられた人形と一緒に唐櫃(からひつ)に納められ、神職がはらった。
続いて参拝者たちは、唐櫃を担いだ上野宮司はじめ神職、巫女(みこ)の後に続いて境内に設けられた直径約2㍍の茅の輪を8の字に3回くぐり、夏の無病息災を願った。
上野宮司は「私たちは健康であることを当たり前のことだとおざなりにしがちだが、新型コロナウイルスの現状を見ると健康のありがたさを身に染みて感じる。子どもも大人も健康をお祈りしながら茅の輪をくぐる、その気持ちが未来へつながっていくのでは」とあいさつ。
自分だけではなく人のためにも健康を分かち合っていきたいと述べ「祈るだけではなく命を頂いている、その思いを大切にしたい」と語った。
(2021年7月2日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
都道府県対抗少年剣道優勝大会県選考会 (三輪崎剣道クラブ )
新宮グラウンドゴルフ同好会「あじさい大会」
国体卓球競技和歌山県予選会 (新宮高校 )