那智勝浦町観光振興応援団有志はこのほど、紀の松島遊覧船の存続や紀の松島の観光価値の認知を促進するために「紀の松島見どころまっぷ」を作成した。絵地図作家の植野めぐみさんが作画し、遊覧船から見える各名所や歴史などが満遍なく紹介されている。
以前、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)で観光資源の磨き上げを担当していた応援団有志代表の齋藤滋さん。自身が事務局を務めた世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会でイベントプロデュースや各種マップ作成などに尽力してきた。
まっぷは今年3月20日から作成に着手。6月14日に2500部を印刷・納品した。作画料や印刷費などを含めた計約36万円は、齋藤さんが協議会に所属当時のプロデュース人件費の一部を寄付した。まっぷの裏面は協議会が作成したJR紀伊勝浦駅周辺の名所が記された「わがらの紀伊勝浦駅お散歩まっぷ」になっている。
応援団有志によると、同町の国道42号沿いには串本町などのように、海岸造形を眺望できる場所はないが、遊覧船から紀の松島をはじめ吉野熊野国立公園のダイナミックな海岸造形を見ることができる。それらを説明したマップがなかったことも作成に至った理由の一つという。
まっぷには「海岸造形」「島の名称」「平家伝説」「数々の海岸の自噴泉」「補陀落渡海を含む歴史伝承」などの内容が収められている。多くの島名については、資料によって記述内容が異なるため参考資料名を表記。完成したまっぷは紀の松島観光株式会社や宿泊施設、観光案内所、太地町の町立くじらの博物館、その他協力先に配布した。
齋藤さんは遊覧船存続には、個人観光旅行者の取り込みと地元住民の乗船促進が必要とし、市街地の無料・低価格な駐車場整備が必須と主張。町では観光客の利便性向上を目的とした公共地の駐車場の有効活用がほとんどされていないと指摘した。
まっぷや遊覧船については「町民の方々にも紀の松島の自然景観や歴史伝承価値を認識していただき、年1回は遊覧船に乗ってもらえたら。児童や生徒の課外学習にも利用していただきたい。また、太地町への二次交通の一つとしての認知と活用や、観光客の方には吉野熊野国立公園のダイナミックな海岸造形がこの町では、海から見られることを知っていただき、乗船が促進されることを期待します」と語った。
なお、まっぷの版権は齋藤さんが所持している。
(2021年7月7日付紙面より)
地域経済活性化商品券配布 (古座川町 )
古座川町が4日、地域経済活性化商品券の配布を始めた。3月3日時点で住民登録されている町民2569人それぞれに1万円相当を託す内容で、町職員が11日(日)までに対象者を一巡訪問して届け、12日(月)から10月31日(日)までの間、町内の47店舗(移動販売含む)で利用できるという。
この配布は、新型コロナウイルスにより影響を受けている地域経済の活性化を目的とし、国の同ウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して実施。対象となる町民1人につき1万円相当(500円券20枚)を託す形で準備を進めてきた。
コロナ禍の情勢により当初計画した期日より若干ずれこむ形となったが、4日は仲本耕士副町長や中道悟教育長ら町職員約40人が休日返上で参集し、手分けして高池・明神・小川地域の対象者に届けた。三尾川(みとがわ)・七川地域は11日(日)に届ける予定。当日不在時は商品券の代わりに不在票を投函(とうかん)する形で後日引き渡しの段取りをつけている。
実施に当たり西前町長は「町民も心待ちに待っていると思う。商品券の配布と兼ねて安否確認も含めて声掛けをし、2分でも3分でも話をして(職員と町民の交流を深めながら)今日一日頑張ってほしい」と呼び掛け、職員の気持ちを引き締めた。
同商品券の取扱店はその趣旨を伝えるポスターを張り出して町民にアピールをしている。商品券は釣り銭が出ない仕組みで、会計を補助する形で活用してほしいという。印刷している使用期間初日が「6月21日」となっているが、配布のずれ込みにより「7月12日」に変更となっている。利用時は商品券裏面に氏名を記入してほしい(あらかじめ記入しておくと便利)という。
問い合わせは役場地域振興課(電話0735・72・0180)まで。
(2021年7月7日付紙面より)
大雨に備え「ハザードマップ」で
3日に静岡県熱海市で発生した大規模な土石流。現在も警察や消防、自衛隊による救出や捜索活動が続いている。
2日夜から3日朝、関東地方の太平洋側で記録的な大雨となり、熱海市に土砂災害警戒情報が発令された。土砂災害警戒情報は、大雨警報(土砂災害)の発表後、命に危険を及ぼす土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況時に発表される。
全国の各市町では、土砂災害警戒区域(イエローゾーン)、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の位置や避難場所、避難経路などを記載した「土砂災害ハザードマップ」を作成し、住民に配布するなどして日頃から災害に備えた確認を呼び掛けている。
紀宝町は各地区の土砂災害ハザードマップを作成。避難に役立ててもらうため、全地区での完成に向けて取り組みを進めている。
マップには警戒区域や避難場所を記した地図のほか、土砂災害、避難に関する情報などを掲載。避難する際は「周囲の状況や雨の降り方にも注意し、町から避難勧告などが発令されていなくても、土砂災害の前兆現象(湧き水・地下水の濁り・渓流の水量の変化など)に気付いたときなど、少しでも危険を感じたら躊躇(ちゅうちょ)することなく自主避難をお願いします。日中の雨風が激しくならないうちに余裕を持って安全な場所へ避難してください」と求めている。
町ではタイムライン(事前防災計画)発動に備え、消防団などと連携して水防点検や各課での行動確認といった事前準備に取り組んでいる。
(2021年7月7日付紙面より)
神倉小学校図書室に展示 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校の図書室内にある「ヤタガラス子ども未来ハウス」で現在、市立図書館ボランティアの石垣幸代さんが制作した絵本の粘土細工が展示されている。
石垣さんは「子どもの絵本離れが進む中、立体化したら興味を持つきっかけになるかも」と考え、2001年に粘土細工制作をスタート。絵本の表紙や印象的な場面を題材に最初は年1~2作品を作っていたが、次第に毎月1作品を制作するようになった。
これまで毎月市立図書館に展示していたが、市文化複合施設「丹鶴ホール」への移転に向けた休館に伴い、知人の紹介を受けて神倉小学校に展示することになった。
現在展示しているのは、「てぶくろ」や「おつきさまってどんなあじ?」「からすのパンやさん」「ピノキオ」「ねずみのよめいり」などを題材にした作品で、絵本も一緒に見ることができる。
同所は7月末までの毎週土曜日午前9時~午後1時に一般開放されており、粘土細工の観覧も可能。入り口は同校の地域ボランティア玄関。利用時は新型コロナウイルス対策としてマスクを着用。学校横の駐車場に限りがあるため、できるだけ徒歩や自転車で来室する。
石垣さんは「粘土細工を見て、その絵本を読んでみようと思ってもらえたら何よりうれしい」と話していた。
(2021年7月7日付紙面より)
紀南バレーボール連盟「第73回社会人大会」
新宮・東牟婁で初の「五つ星」取得 (グランホテル )
新宮市緑ヶ丘のグランホテル(竹内知恵利代表取締役社長)はこのほど、公益社団法人日本食品衛生協会が推進する「食の安心・安全・五つ星事業」の五つ星を新宮・東牟婁地方で初めて取得した。2日、新宮食品衛生協会の中畑光史会長が同ホテルを訪れ、HACCP(ハサップ)=※=の考え方を取り入れた衛生管理実施店として竹内社長にプレートを手渡した。
同事業は、日頃行われている自主衛生管理を消費者にも目に見える形で掲示していくことを目的に実施。HACCPの考え方を含む▽従事者の健康管理実施店▽食品衛生講習会受講店▽衛生害虫などの駆除対策実施店▽食品衛生管理記録実施店▽食品賠償責任保険加入店―の対策を実施している施設が取得することができる。
中畑会長は「今回の取得は喜ばしいことであり、日頃の努力の結果。まだまだ当地域の普及件数が少ないため、これをきっかけに増えていってもらえれば」。
竹内社長は「大変うれしいです。頂いたプレートはお客さまの目に留まりやすい食品を扱う朝食会場に掲示したいと思います。コロナ禍ということもあり取得させていただいたことによって、今後も衛生管理の徹底に努めていきたい」と話していた。
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※HACCP=食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入などの危害要因を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去または低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法。
(2021年7月4日付紙面より)
消防職員らが水難救助訓練 (那智勝浦町 )
海水浴など水辺でのレジャーシーズンに向けて那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は6月30日、同町のブルービーチ那智(那智の浜)で水難救助訓練を実施。同消防本部警防第三班の9人が訓練を通して有事に備えた。
同浜と玉の浦海水浴場で22日(木・祝)から8月22日(日)にかけて開設される同町の海水浴場(新型コロナウイルス感染状況により変更となる場合あり)。
訓練は、これから迎える海水浴シーズンを前に、水難救助事案への対応強化を図ることを目的に毎年行われている。昨年、同町では3件の水難事故が発生した。
準備運動を済ませた職員らは、水中で泳力向上を目指し水平潜水や立ち泳ぎなどの訓練を実施。水上安全法の復習を兼ねて、要救助者の気道を確保した上で溺者搬送した。
訓練の様子を見守っていた関谷善文消防署長は「訓練を通して万全を整え安全をお守りしたい。皆さんも水の事故に十分に気を付けて、シーズンを楽しく過ごしてほしい」。
また、「子どもから目を離さないで。また、川の場合には知らない間に増水している場合もあるので天候には気を付けてほしい。飲酒時の遊泳はやめてください」と遊泳における注意を呼び掛けている。
(2021年7月4日付紙面より)
浦島観光ホテルが道普請 (那智勝浦町 )
浦島観光ホテル株式会社は6月30日、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部である中辺路かけぬけ道の道普請を実施した。同社のSDGs部会に所属する社員16人が参加し、参詣者が安全に通行できるよう石段に堆積した落ち葉や枯れ枝を払い落とした。
和歌山県が実施する「10万人の参詣道環境保全活動」の一環で、同社の参加は今回が初めて。同社は2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の理念に賛同し、▽環境▽働きやすい職場づくり▽地域共生を目指して―の三つを目標に若手社員を中心とするグループを組織。地域共生班はボランティアで海岸清掃などにも参加している。
この日は熊野那智大社から妙法山阿弥陀寺へ向かうかけぬけ道の20丁石~21丁石の約100㍍を清掃。熊手や竹ぼうきで落ち葉や腐葉土に埋まっていた石段を掘り起こした。
SDGs部会の事務局をしている小山正人さんは清掃の終わった参詣道を振り返って「大変な作業だったが、見違えるほどきれいになった」と語り、「熊野古道を趣味で歩いている上司に連れられ、大阪~和歌山間を歩いたことがある。新型コロナウイルス感染症の影響で中断しているが、そのうち紀伊路や大辺路を歩いて和歌山沿岸を一周したい」と話していた。
参加者たちはその後、歩いて参詣道を下り、熊野那智大社と那智山青岸渡寺へ参拝していた。
(2021年7月4日付紙面より)
復興イベント実行委員を選出 (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川町の熊野川総合開発センターで6月30日、「チームくまのがわ」の会合があり、メンバーや関係機関から約30人が出席した。2011年の紀伊半島大水害からの復興記念イベント「熊野川は元気で~す!」に向けた話し合いや作業分担があり、実現に向けて実行委員8人が選出された。
復興記念イベントは町内約600世帯に「黄色いハンカチ」を配布し、災害復興に携わった人々への感謝や熊野川町の今を伝えるメッセージを書いてもらい、9月5日(日)から期間限定で新宮市さつき公園(紀伊半島大水害復興祈念公園)に飾るというもの。日常の中で薄れつつある水害の記憶を後世に伝え、防災意識を高める狙いもある。
会合では調達した黄色い布(1反)の裁断・梱包(こんぽう)作業の分担や、町内への配布日程について話し合い、チームメンバーが中心となって住民へ協力を呼び掛けることを確認。9月5日に併せて実施予定の展示や講演会も議題に上り、「子どもが楽しめる体験ブースがあった方がいい」「コンサートもあった方が、いろいろな人に興味を持ってもらえるのでは」などの意見があった。その後、実行委員の選出があり、会合で出された意見を精査・具体化していく方針を決めた。
イベント発起人の一人で実行委員にも選ばれた下阪殖保さんは「水害の教訓を忘れず防災に力を入れて、これからもみんな元気に熊野川で暮らしていきたい。その思いが伝わるイベントになればうれしい」と話していた。
(2021年7月4日付紙面より)
県小学生バレー男女大会予選