定期演奏会に130人 (新翔高校吹奏楽部 )
新宮市の県立新翔高校中庭で17日、同校吹奏楽部(西浦久博顧問、木下綾子部長)の「第5回定期演奏会」があった。保護者や地域住民、吹奏楽ファンなど約130人が会場に訪れ、迫力ある演奏を楽しんだ。
2015年に吹奏楽同好会として発足し、18年に「吹奏楽部」に昇格した。今年、3年生らの地道な新入生勧誘の成果が実り部員数は40人に。現在は8月9日(月・振休)に和歌山市の県民文化会館で開催される「第57回和歌山県吹奏楽コンクール」の同校初となる大編成部門(高校A部門)出場に向けて部員一丸となって日々練習を重ねている。
3年生にとって最後の定期演奏会であり1年生にとっては初の舞台。この日は「自転車マナーアップ推進リーダー」として新宮警察署より委嘱を受けている同部が、演奏会を通して交通ルールやマナーの遵守(じゅんしゅ)を呼び掛ける機会ともした。
演奏会開催に当たり、阪口博紀教頭が「新入部員がたくさん入り、活気あるクラブになった。また、マナーアップ推進リーダーとして責任感と信頼感が感じられるクラブに成長している。今日は熱心に練習を重ねてきた成果を見てあげてください」とあいさつ。
西浦顧問は「部員の半分が初心者。楽譜にない音が聞こえてくることもあるけどそれは吹いている証拠。部員たちの伸び伸びとした演奏を聴いてほしい」。木下部長は「部員が増えて音に厚みが出るようになった。これからも応援よろしくお願いします」と述べ「交通ルールを守りましょう」と呼び掛けた。
演奏会は「軽騎兵より」のファンファーレで幕開け。時折、雨の影響で演奏が中断となる中、同校校歌やコンクール演奏予定曲、アニメ主題歌、ジャズナンバーなどを披露。観客らは手拍子などで演奏を盛り上げた。
新入部員やコンクール出場をもって引退となる3年生部員の紹介もあり、最後にアンコール曲「学園天国」を演奏。迫力ある演奏に大きな拍手が贈られた。
演奏会を終え、木下部長は「雨で何度か中断となり、いい演奏ではなかったかもしれないが途中で吹っ切れて『楽しもう』と思った」と笑顔。
「コンクールに向け、今日の演奏で失敗したところを練習して後悔のないように頑張りたい」と、最後の夏に懸けた思いを語った。
(2021年7月21日付紙面より)
新宮市婦人団体連絡協議会
新宮市福祉センターで19日、市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)の人権学習会があった。市人権政策課の谷嗣弘さんが「身近な人権問題」と題して講話し、15人が不当差別や合理的配慮の事例、コロナ差別について学んだ。
同協議会は市内7団体で組織。互いの活動について共有しながら、毎年愛のバザーや福祉施設訪問、美化活動などに取り組んでいる。
谷さんは「障害のある人もない人も、全ての人に公平・公正で住みやすい社会」と目指すべき共生社会のイメージを述べ、合理的配慮について「配慮する側、配慮される側どちらか一方の立場が強くなるのではなく、平等な関係を築くことが目的」。
新型コロナウイルス感染者やその家族に対する偏見、差別、インターネット上の誹謗中傷といった人権問題にも触れ、正しい知識と理解を持って接するよう伝えた。
学習DVDでは、視覚障害や発達障害などさまざまな障害を持つ人々と同じ職場に勤める人々が、合理的配慮の重要性に気づいていく様子を視聴。偏見を持たずに会話を通じて互いの理解を深めることの大切さを学んだ。
会員からは「知らず知らずのうちに自分も差別する側に立っているのではと省みる機会になった。高齢で自分も足が悪くなってきたことで、自分も障害者も同じなんだなと感じる」との声があった。
仲会長は「障害のある人もない人も、みんな明るく一緒に暮らせる社会をつくっていくため、本当に勉強になるお話だった」と話していた。
(2021年7月21日付紙面より)
那智勝浦町立大野保育所(永野陽美所長)の園児8人と同町立色川小学校(寺地琢也校長)の児童19人が15日、同町南平野の民泊「みなみ野フィールズ不動坂」(浦勝良代表)のブルーベリー園で旬の果実摘み取りと試食を体験した。
同園では、数種類で220本のブルーベリーを栽培している。毎年、園児や児童を招いてこの催しを実施していたが、昨年はコロナ禍で中止。2年ぶりの開催となったが、今年は空梅雨という自然条件もあって日差しに恵まれ、5月末には紫色に色づいたのが確認されたという。
午後に到着した児童たちは、歓声を上げながらブルーベリー園へ。大きいもので直径2㌢ほどに成長した甘い果実を口に入れながら、各人が手に提げた小型のかごにも。教師も含めブルーベリー園で28人が集めたのは15㌔余り。浦さんの指導で2班に分かれ、それぞれが約25分煮詰め、香り高く甘いジャムを完成させた。
矢中健太朗君(小4)は「楽しんでいます。ブルーベリーはめちゃ甘かった」、多持莉心(たもち・りこ)さん(同)も「おいしかった。おなかいっぱいになった」と感想を述べた。浦さんの用意したかき氷もブルーベリーのシロップで味わい、夏の味覚を堪能した。出来上がったジャムは瓶詰めにして持ち帰った。
午前は保育所園児8人に保護者9人が付き添い、親子で旬の味を楽しんだ。浦さんは「子どもたちも楽しみにしていたのでは? 私自身も思い出づくりに加われてうれしい」と目を細めた。
(2021年7月21日付紙面より)
3小学校合同でカヌー体験 (古座川町 )
古座川町内の小学6年生が19日、月野瀬~串本町古田間の古座川流域でカヌー体験に取り組んだ。
この体験は、古座川流域で育つ子どもとして正しく安全に川と親しむ経験を積むことを目的として町立3小学校合同で実施。最近2年はコロナ禍の情勢で休止続きだが、夏休み序盤に来町する川崎市ふれあいサマーキャンプの参加者と川遊びやカヌーツーリングで交流する時に6年生が地元の強みでリーダーシップを発揮することにも役立つため、その直前に体験する形が定着している。
3小学校は本年度も南紀串本観光協会古座に協力を求め、前述した区間でカヌーツーリングに挑戦する内容を準備。当日は高池小から12人、明神小から2人(3人いるが1人欠席)、三尾川(みとがわ)小から1人が参加し、インストラクターから安全な乗り降りの仕方やパドルの扱い方を教わった後は2人1組(端数は教員とペア)で2人艇に乗り、下流の清暑島(通称・河内様=こおったま)前河原までツーリングした。
途中、少女峰前の河原に寄って水分補給をし川遊びを楽しむなどした。カヌーに乗るのは初めてという直塚源君(高池小6年)は、古座川で泳いでいる時に思うのと同じようにいつも岸でみるのより景色がきれいに見えるとツーリングの印象を語り、「自分で操縦して思い通りに進めるのが楽しい。向きがおかしくなった時にどうすればいいかだいたいわかった。自分の体力ではまだしんどいので、家族でまた乗ってみたい」と興味を強めていた。
(2021年7月21日付紙面より)
新宮・東牟婁で初の「五つ星」取得 (グランホテル )
新宮市緑ヶ丘のグランホテル(竹内知恵利代表取締役社長)はこのほど、公益社団法人日本食品衛生協会が推進する「食の安心・安全・五つ星事業」の五つ星を新宮・東牟婁地方で初めて取得した。2日、新宮食品衛生協会の中畑光史会長が同ホテルを訪れ、HACCP(ハサップ)=※=の考え方を取り入れた衛生管理実施店として竹内社長にプレートを手渡した。
同事業は、日頃行われている自主衛生管理を消費者にも目に見える形で掲示していくことを目的に実施。HACCPの考え方を含む▽従事者の健康管理実施店▽食品衛生講習会受講店▽衛生害虫などの駆除対策実施店▽食品衛生管理記録実施店▽食品賠償責任保険加入店―の対策を実施している施設が取得することができる。
中畑会長は「今回の取得は喜ばしいことであり、日頃の努力の結果。まだまだ当地域の普及件数が少ないため、これをきっかけに増えていってもらえれば」。
竹内社長は「大変うれしいです。頂いたプレートはお客さまの目に留まりやすい食品を扱う朝食会場に掲示したいと思います。コロナ禍ということもあり取得させていただいたことによって、今後も衛生管理の徹底に努めていきたい」と話していた。
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※HACCP=食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入などの危害要因を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去または低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法。
(2021年7月4日付紙面より)
消防職員らが水難救助訓練 (那智勝浦町 )
海水浴など水辺でのレジャーシーズンに向けて那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は6月30日、同町のブルービーチ那智(那智の浜)で水難救助訓練を実施。同消防本部警防第三班の9人が訓練を通して有事に備えた。
同浜と玉の浦海水浴場で22日(木・祝)から8月22日(日)にかけて開設される同町の海水浴場(新型コロナウイルス感染状況により変更となる場合あり)。
訓練は、これから迎える海水浴シーズンを前に、水難救助事案への対応強化を図ることを目的に毎年行われている。昨年、同町では3件の水難事故が発生した。
準備運動を済ませた職員らは、水中で泳力向上を目指し水平潜水や立ち泳ぎなどの訓練を実施。水上安全法の復習を兼ねて、要救助者の気道を確保した上で溺者搬送した。
訓練の様子を見守っていた関谷善文消防署長は「訓練を通して万全を整え安全をお守りしたい。皆さんも水の事故に十分に気を付けて、シーズンを楽しく過ごしてほしい」。
また、「子どもから目を離さないで。また、川の場合には知らない間に増水している場合もあるので天候には気を付けてほしい。飲酒時の遊泳はやめてください」と遊泳における注意を呼び掛けている。
(2021年7月4日付紙面より)
浦島観光ホテルが道普請 (那智勝浦町 )
浦島観光ホテル株式会社は6月30日、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部である中辺路かけぬけ道の道普請を実施した。同社のSDGs部会に所属する社員16人が参加し、参詣者が安全に通行できるよう石段に堆積した落ち葉や枯れ枝を払い落とした。
和歌山県が実施する「10万人の参詣道環境保全活動」の一環で、同社の参加は今回が初めて。同社は2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の理念に賛同し、▽環境▽働きやすい職場づくり▽地域共生を目指して―の三つを目標に若手社員を中心とするグループを組織。地域共生班はボランティアで海岸清掃などにも参加している。
この日は熊野那智大社から妙法山阿弥陀寺へ向かうかけぬけ道の20丁石~21丁石の約100㍍を清掃。熊手や竹ぼうきで落ち葉や腐葉土に埋まっていた石段を掘り起こした。
SDGs部会の事務局をしている小山正人さんは清掃の終わった参詣道を振り返って「大変な作業だったが、見違えるほどきれいになった」と語り、「熊野古道を趣味で歩いている上司に連れられ、大阪~和歌山間を歩いたことがある。新型コロナウイルス感染症の影響で中断しているが、そのうち紀伊路や大辺路を歩いて和歌山沿岸を一周したい」と話していた。
参加者たちはその後、歩いて参詣道を下り、熊野那智大社と那智山青岸渡寺へ参拝していた。
(2021年7月4日付紙面より)
復興イベント実行委員を選出 (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川町の熊野川総合開発センターで6月30日、「チームくまのがわ」の会合があり、メンバーや関係機関から約30人が出席した。2011年の紀伊半島大水害からの復興記念イベント「熊野川は元気で~す!」に向けた話し合いや作業分担があり、実現に向けて実行委員8人が選出された。
復興記念イベントは町内約600世帯に「黄色いハンカチ」を配布し、災害復興に携わった人々への感謝や熊野川町の今を伝えるメッセージを書いてもらい、9月5日(日)から期間限定で新宮市さつき公園(紀伊半島大水害復興祈念公園)に飾るというもの。日常の中で薄れつつある水害の記憶を後世に伝え、防災意識を高める狙いもある。
会合では調達した黄色い布(1反)の裁断・梱包(こんぽう)作業の分担や、町内への配布日程について話し合い、チームメンバーが中心となって住民へ協力を呼び掛けることを確認。9月5日に併せて実施予定の展示や講演会も議題に上り、「子どもが楽しめる体験ブースがあった方がいい」「コンサートもあった方が、いろいろな人に興味を持ってもらえるのでは」などの意見があった。その後、実行委員の選出があり、会合で出された意見を精査・具体化していく方針を決めた。
イベント発起人の一人で実行委員にも選ばれた下阪殖保さんは「水害の教訓を忘れず防災に力を入れて、これからもみんな元気に熊野川で暮らしていきたい。その思いが伝わるイベントになればうれしい」と話していた。
(2021年7月4日付紙面より)
県小学生バレー男女大会予選