那智勝浦町出身で歌手・音楽家の広瀬香美さんがこのほど、同町初の「那智勝浦ふるさと大使」に就任した。今後は町の魅力を全国に発信するとともに、知名度向上やイメージアップを図っていくとしている。
旧町立温泉病院で産声を上げたという広瀬さんは、父の転勤のため、生後半年ほどで引っ越すことに。1992年にデビューし、「愛があれば大丈夫」「ロマンスの神様」「ゲレンデがとけるほど恋したい」などがヒット。冬の楽曲がテレビCMなどを通して広がり、「冬の女王」として親しまれている。
ピアノ弾き語りコンサートやBANDツアーの傍ら、ボイストレーナーや動画投稿サイト「ユーチューブ」での活動も展開している。
大使委嘱は昨年10月に和歌山県が主催したオンラインイベント「わかやまLIFE CAFE」に、広瀬さんがゲスト出演したことがきっかけ。
堀順一郎町長も参加し、インターネット上で広瀬さんと親交を深めた。その際に広瀬さんは「町の観光大使になって、町のPRに貢献したい。そちらで歌を歌いたい」と話していた。
その後、大使委嘱について堀町長が広瀬さんの元を訪ね快諾を得た。現在は広瀬さんのホームページでも大使委嘱の件が紹介されている。
広瀬さんは「ふるさと大使に就任させていただき大変光栄です。那智勝浦町は私の生まれ故郷。温泉や熊野古道、世界遺産である紀伊山地の霊場と参詣道など、たくさんの歴史と豊かな自然に恵まれた土地です。生マグロや紀州梅も私の大好物。魅力あふれる那智勝浦町を世界中に広めていきたい」とコメントしている。
堀町長は「このような著名な方に大使を務めていただけるのは大変ありがたいこと。広瀬さんのご両親に対しても感謝している。新型コロナウイルス終息後になると思うが、当町でのコンサートを実施していただくとともに、マグロや温泉をPRしていただけたら」と語った。
(2021年7月31日付紙面より)
30日より順次案内発送 (新宮市 )
新宮市は、8月8日(日・祝)から市役所別館で、64歳以下の新型コロナワクチン集団接種を進めていく。今月28日まで実施していた接種希望調査の結果では、12~64歳までの対象者1万2244人のうち5934人(48・5%)が接種を希望しているという。
8月は基礎疾患のある人や高齢者施設等従事者、学校・児童福祉施設等関係職員の一部優先枠を設けた上で接種を実施する。高年齢順で接種を進めていく予定で、接種を希望する該当者には30日以降、随時接種案内を発送していくという。
希望者の内訳は▽10代約730人(うち、12~18歳は約660人)▽20代約580人▽30代約935人▽40代約1320人▽50代約1600人▽60代(~64歳)約750人。
市新型コロナワクチン接種推進室によると、集団接種は基本的に土・日曜に実施予定(状況により変更の場合あり)で、接種は市立医療センターの医師や看護師が行っていく。
11月ごろの接種完了を予定しているが、予定より接種希望者が少なかったことや新宮保健所管内で感染者が増えているといった状況を鑑み、また今後のワクチン供給状況や感染状況などの動向を見定めつつできる限り前倒しで接種完了を目指していくという。12~18歳の接種時期や会場については現在検討中。
対象者への接種希望調査に関しては、郵送もしくはウェブで現在も受け付けている。回答には市から郵送されている接種券番号が必要。
ワクチンや接種希望調査に関する問い合わせは同推進室(電話0735・22・5070)まで。
(2021年7月31日付紙面より)
真夏恒例の一光景活発化 (古座川町 )
古座川町小川にある滝の拝で今年も、「渓流のアルピニスト」と形容されるボウズハゼの滝越えが見られるようになった。
ボウズハゼはハゼ科の淡水魚。アユ同様に川で生まれた後は一度海へ下って越冬し、春に遡上(そじょう)し餌となる藻が豊富な場所を縄張りにして定着する生活環を持つ。
ハゼ類は腹びれを吸盤のように使って岩に吸い付くことができるが、ボウズハゼは加えて口唇も吸盤のように使える。これらを使って垣間見せるのが岩をよじ登る行動。滝の拝では増水の要因となる梅雨が明け水量が落ち着いた時期にこの行動で滝越えに挑む様子が時折見られ、真夏恒例の一光景となっている。
観察の狙い目は本瀑(ばく)ではなく水量が少なくほそぼそと落ちる支瀑。滝際のしぶきなどで湿った岩肌をよじ登る。垂直以上の傾斜でもじわじわと進み、時間をかけて落差8㍍ある滝を越える。岩の割れ目でつかえて群がっていることもあるが、左右に移動して通れそうなところを見つけるとそこを通って再びよじ登り始める。
滝の拝ではボウズハゼだけでなくヨシノボリも滝越えに挑戦することがある。ヨシノボリは腹びれしか吸盤のように使えないため、尾びれを激しく振って跳ねては腹びれで吸い付く動作を繰り返す。登り方の違いで両者を見分けることができる。
(2021年7月31日付紙面より)
公立小中学校で終業式 (新宮市 )
新宮市内の公立小中学校で30日、一斉に1学期終業式が開かれ、児童・生徒が8月31日(火)まで32日間の夏休みに入った。
市教育委員会による2019年の夏期休業日変更に伴い、他の市町村より1週間ずれての夏休み入り。長期休業前に復習や補充学習期間を設けることで、児童・生徒の学力保障につなげることが目的。
市立王子ヶ浜小学校では、放送集会で式を実施。谷口幸生校長は「始業式では『自分も友達も家族も好きになる』『よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ』『笑顔で元気にあいさつ』などのお願いをしました。これからも頑張ってくださいね」と話し、夏休み中もできるだけ規則正しい生活を送るよう呼び掛けた。
新型コロナについて「もし自分が知っている人が感染しても、その人を責めたり嫌なうわさ話をしたり絶対にしないで。一番つらいのは感染した本人ですから、お願いします」と伝えていた。
1年生の教室では初めての成績表が配られ、担任教諭が「いろんなことをよく頑張りました」「朝はもう少し早く来られるようにしましょう」と一人一人に振り返りを伝えた。クラスメートと4カ月間一緒に過ごした1年生は「なんだかさみしくなってきた」と夏休み入りを惜しんでいた。
(2021年7月31日付紙面より)
アジア・オセアニアフォーラム (和歌山県 )
日本を含めた17の国と地域の高校生が集う「世界との対話と協働:アジア・オセアニア高校生フォーラム」が26日、オンラインで開幕した。新宮・東牟婁地方からは県立新宮高校と串本古座高校から計5人が参加。3日間のプログラムを通じて津波・防災や食糧問題といった世界共通の課題について意見交換し、相互理解を深めていく。
和歌山県、県教委など主催。各地の高校生と交流する中でグローバルな視野で物事を捉える力を養い、国際社会で活躍できるリーダーの育成を図ることが目的。
本年度の参加者は過去最多の85人。参加国はインドやオーストラリア、シンガポール、台湾などで、和歌山県内からは14校47人、県外からは10校10人が出席する。
仁坂吉伸知事は開会に当たり、駐ブルネイ大使として海外で生活した経験に触れ「高校生の皆さんには海外の仲間との出会いを大切に、積極的に自分の意見を発表し、フォーラムを楽しんでほしい」とあいさつした。
プログラムは全て英語で行われる。高校生たちは▽津波・防災▽環境▽観光・文化▽教育▽食糧問題―の五つの分科会に分かれて各地の取り組みや自らの意見・提案などを発表し、議論を重ねる。
フォーラムの様子は動画でライブ配信されており、視聴に関わる事前登録は不要。視聴用URLは和歌山県国際課ホームページで確認できる。
(2021年7月28日付紙面より)
平野恵子さんと藤紀実美さん (熊野那智大社 )
愛知県名古屋市在住の平野恵子さんと新宮市在住で日本舞踊藤紀流家元の藤紀実美さんが25日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)の別宮・飛瀧(ひろう)神社でしの笛演奏と舞の奉納を行った。疫病終息と地域繁栄を祈願したもので、平野さんのしの笛が境内に鳴り響く中、藤紀さんが華麗な舞を踊った。
那智勝浦町出身の平野さんは愛知県や熊野地方を拠点にさまざまな活動をしており、熊野古道大辺路「駿田(するだ)峠」の加寿(かす)地蔵尊(同町湯川笹ノ子)の世話人会のメンバーとして、催しの運営や司会なども務めている。
藤紀さんは3歳から祖母である宗家に師事し、高校2年生で襲名披露を行い、後継者となった。和歌山県新舞踊連盟理事や新宮市文化協会理事などを務め、熊野地方で約50人の生徒を12カ所の教室で指導している。
二人によると、奉納は前述の祈願とともに、自然への敬意と過去やこれから、全ての縁に感謝する気持ちを持って実施したという。
当日、平野さんと藤紀さんに加え、関係者らが集まり正式参拝を行い、小賀真樹禰宜(ねぎ)が神事を執り行った。
続いて、那智の滝を前に平野さんが「遠いうた」「テルーの唄」を演奏。その笛の音色に合わせて、藤紀さんが日本舞踊とは異なる自由な舞を表現した。
奉納を終え、平野さんは「歴史が深い那智の滝で奉納ができて良かった。コロナ終息や地域繁栄を祈願するとともに、紀伊半島大水害から10年が経過するため、その鎮魂の思いを込めさせていただきました」。
藤紀さんは「平野さんと二人で行う際は『見せる』に重きを置いていない。笛に合わせて『思い』で舞を作り出しているため、心の中を動きに表している。こういう時期だからこそ、少しでも祈りが届いてほしい」と語った。
今後について二人は「コロナ終息後は二人でさらなるチャレンジを続けていきたい」と声をそろえた。
小賀禰宜は「コロナ終息はわれわれも大いに願っているため、それを祈願しながらのご奉納は大変ありがたい」と話していた。
(2021年7月28日付紙面より)
新しい庁舎で通常業務開始 (串本町 )
串本町が26日、サンゴ台690番地の5に建設した新しい庁舎で町長・議長・教育長の各部局業務を始めた。今後はこの庁舎を本庁舎と位置付け。企画課ロケット推進室を除く各部局関係各課を一つ屋根の下に集約した形で、第一歩を踏み出した。
新しい庁舎は築63年を経た旧本庁舎本館の更新を目的とし、2005年の自治体合併時の考え方も踏まえて建設。くしもと町立病院奥の埋め立て造成地に用地を得て今年5月に完成し、以降複数の施設に分散していた各課の集約移転を進めて開庁へとこぎ着けた。
新しい庁舎での業務開始に当たり、田嶋勝正町長は庁内放送を交えて訓示。各課集約がもたらす業務の効率化を生かして住民サービスのいっそうの向上を目指すこと、併せて住民が新しい庁舎に慣れるまで積極的に来庁者に声を掛けることや新しい庁舎は数十年以上使うまちの財産でありきれいに保つよう心掛けることを職員に求めた。
同日付でコミュニティバスも新しい庁舎を四つある路線共通の端とする運行形態に変更。開庁と同時に町民らが来庁し、用事と併せて真新しい庁内を見学する姿が見られた。大字串本にある旧本庁舎は、津波避難ビル機能を備えた県営住宅建設用地とするため近日中に取り壊しを始める。旧古座分庁舎は同推進室を残し、ロケット振興事業の拠点として内部改修に着手する。
集約移転の影響緩和措置として、旧本庁舎最寄りの文化センター内と旧古座分庁舎内に各種証明書交付や医療券の発行などに対応する窓口を26日付で新設。対応内容の詳細は広報くしもと7月号を参照。新しい庁舎に入居する紀陽銀行串本支店は8月2日(月)付で開業する。
田嶋町長は新しい庁舎について、着実に災害対策本部設置を目指せる点で町民に安心安全を届けられると意義の一端をコメント。
主に活用する職員に向け「効率が良い素晴らしい職場で仕事ができることへの感謝を住民サービスにつなげる気持ちで頑張ってほしい。そして施設をきれいに。まちの皆さんの財産という意識を持てば、例えばポスターは壁に貼らずイーゼルに乗せるとか(壁を汚さない)アイデアも出てくる。そういった工夫をしてほしい」など期待を寄せた。
(2021年7月28日付紙面より)
8月6日まで、新宮市役所
熊野三山協議会(会長・田岡実千年市長)は、東京オリンピックに挑むサッカー日本代表の応援企画として、新宮市役所1階ギャラリーで「東京オリンピックサッカーU―24男子代表・なでしこジャパン応援写真展」を開催している=写真。展示は土・日・祝日除く8月6日(金)までを予定している。
同協議会は、熊野速玉大社、熊野那智大社、熊野本宮大社、那智山青岸渡寺の三山一寺と新宮市、那智勝浦町、本宮町などで構成され、熊野の持つ歴史文化を広く情報発信し、地域の活性化を図る団体。
熊野のご神鳥「八咫烏(やたがらす)」と日本サッカー界のシンボル「三足烏」との関係から、多くのサッカー関係者と交流を深めている。
女子は27日、男子は28日に、グループステージ突破を目指し、それぞれチリ(女子)、フランス(男子)と対戦する。
(2021年7月28日付紙面より)
関西女子サッカー兼プレU―18リーグ