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2021年06月18日
1 短冊に思い込め願いよ届け
 勝浦八幡神社七夕委員会  (那智勝浦町 )

 「人が集まるイベントはできないが、人の願いを集める場はつくれるかもしれない。1年前から考えていた」。そう語るのは勝浦八幡神社七夕委員会の上松資弘さん(45)だ。上松さんは30日(水)から七夕当日の7月7日(水)までの間、那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)に設置される短冊台に、参拝者が願いを書いた短冊をつるす催し「七夕 願いよとどけ」を初めて実施する。最終日は髙橋宮司が七夕祭の神事を営む。

 上松さんは過去に南紀くろしお商工会青年部部長を務め、多くのイベントに関わってきた。現在もさまざまなボランティア活動に尽力している。

 新型コロナウイルス感染症で同町を含め全国各地が疲弊していることを受け、「自分にできることは何か」と悩んでいた。

 ある時、目にしたテレビ番組で着想を得て誰もが参加できる催しを企画。「病気で苦しんだり悩みを抱えている人、目標や夢を持った人など、老若男女問わず短冊を書いてほしい。この催しが皆さまの心の安らぎやよりどころになってもらえたら」と語る。

 髙橋宮司に相談し快諾を得た。友人から木材の提供があり、自身が勤務する会社の従業員の協力を得て550枚の短冊を作成した。短冊は雨天時にも強い木製を採用。屋外につるし耐久性実験も行うほどの徹底ぶりだ。

 短冊台は笹のみだと強度が弱いことから今後の継続も視野に入れて鉄製の土台を作成。笹が取り付けられる工夫や短冊をつるす竹を三段にすることで子どもから大人までの身長に対応した。12日現在で幅1・5㍍、奥行き1㍍、高さ2㍍の丈夫な台が1基完成。2基目も作成中だという。

 短冊裏には髙橋宮司が、「七夕祈願」と筆を入れ神社の印を押し、一枚一枚丁寧に仕上げた。

 髙橋宮司は「上松さんの熱い思いを聞き、素晴らしいことだと感じた。今は七夕飾りをしない家庭も多いため、こういった行事を思い出してほしい。7日はコロナ終息も含め、願いが通じるようにご祈とうさせていただきます」と語った。

 上松さんは「マスク着用や3密に注意し、町内外からお気軽に来ていただけたら。一人でも多くの方の参加をお待ちしております。この行事が今後の勝浦のにぎわいのきっかけになればありがたい」と話した。

 期間中、七夕台の近くに短冊と筆記用具が準備されており、記入後に取り付ける流れとなる。

 実施時間は午前8時30分~午後5時。7日は午後6時まで。その後、髙橋宮司が神事を執り行う。なお、笹の持ち込みなどは受け付けていないという。

(2021年6月18日付紙面より)

1基目の七夕台の完成を喜ぶ上松資次さんと娘の鈴ちゃん=12日、那智勝浦町の天満
手作りの木製短冊
2021年06月18日
2 熱中症は室内でも発生
 野田隣保館で予防啓発  (新宮市 )

 新宮市の野田隣保館で16日、介護予防教室と熱中症予防講座が開かれた。地域住民8人が参加し、高齢期に起こる体の変化と熱中症の関係、その予防方法を学んだ。

 野田隣保館が市保健センターや地域包括支援センターと連携して毎月実施している教室で、尿検査や市の保健師らによる健康相談を受けることができる。

 この日は保健師の奥地明菜さんが熱中症に関するミニ講話を実施した。熱中症は暑い環境で体温の調整ができなくなった状態で、目まいや吐き気、頭痛、失神などさまざまな症状をきたし、最悪の場合は死に至る。高齢者は若年者よりも体内の水分量が少なく、暑さに対する感覚機能や調整機能が低下するため注意が必要。県内では7~13日の1週間で17人が救急搬送されており、うち11人が高齢者だった。

 奥地さんは「熱中症は屋外だけでなく、室内でも発生する。喉が渇いていなくてもこまめに水分を取り、エアコンと扇風機を併用するとより効果的に室温を下げられる」と呼び掛けた。

 参加した吉良勝利さんは「以前に手術をしてからは健康に気を付け、毎日2㍑以上はお茶を飲んでいる」と話していた。

(2021年6月18日付紙面より)

講話に耳を傾ける地域住民=16日、新宮市の野田隣保館
奥地明菜さんが講話
2021年06月18日
3 紀宝町消防団に新消防車
 大規模災害に備え神内班へ  

 総務省消防庁から無償貸し付けされた消防自動車の引き渡し式が17日、紀宝町役場本庁舎前駐車場であり、町消防団第1分団神内班に配備された。

 総務省消防庁は、東日本大震災の教訓を踏まえ、今後想定される大規模自然災害に備えるため、地域防災力の中核である消防団の教育訓練の充実強化を目的に、全国の市町村に車両と救助資機材などを無償で貸し付ける事業を実施しており、同町が選ばれた。

 車両はトヨタ「ダイナ」の四輪駆動車で、乗車定員は6人。救命胴衣や救命浮輪、自動体外式除細動器(AED)、布担架、発電機付き投光器などを搭載し、火災だけでなく多種多様な災害への対応が期待される。

 町消防団は4分団を10班で構成し、団員は163人(4月1日現在)。保有する消防車両は12台。17人が所属する神内班の消防車は1992年から配備され、老朽化が進んでいた。

 引き渡し式では、西田健町長が「機能を満載しており、災害が発生した際、迅速に対応できる体制づくりを」とあいさつし、逢野統一団長にキーを贈呈。逢野団長は「有事の際にはしっかり対応し、町民の生命・財産を守ります」と謝辞を述べた。

(2021年6月18日付紙面より)

消防自動車の引き渡し式を実施=17日、紀宝町役場本庁舎前駐車場
2021年06月18日
4 共同作業で交流図る
 生きがい菜園で市老連会員ら  (新宮市 )

 新宮市老人クラブ連合会(上廣正幸会長)の会員らは17日早朝、同市緑ヶ丘の「ゆうゆうクラブ生きがい緑ヶ丘農園」(緑ヶ丘農園)で共同作業を実施した。約20人が参加し、草抜きや溝の泥かきなどに汗を流した。

 「生きがい菜園」は、市老連主催の「生きがいと創造の事業」の一環として、会員らに同所を含む市内2カ所の農園の区画を貸与している。同所では現在31区画中29区画、同市新宮の晴耕園では47区画中33区画で会員らがキュウリやトマト、ナス、トウモロコシなどのさまざまな作物を育てている。区画の契約期間は3年。

 共同作業は、普段会う機会がない人同士の顔合わせや会員間交流、見守りを目的に実施している年に1度の恒例行事で、本格的な暑さを迎える夏前に行う。昨年は新型コロナウイルス感染状況を鑑み中止としていた。

 この日は、区画の貸与を受ける会員らが協力し合い、軍手とごみ袋、シャベルなどを手に花壇の手入れや溝に詰まった石を取り除くなどの作業も行った。

 キュウリやトマトなどを育てている松本順吉さん(95)は「1人暮らしなので家にいると誰とも話をしないけど、ここに来ると話ができる。農作業は楽しい。自分で育てた野菜の味は格別です」と笑顔。

 同農園世話役代表の大石實さんは「高齢化社会が叫ばれる昨今、集まって交流が図れる場所は貴重だと思う。情報交換もできるし作物を育てることで競争心が芽生える人も。皆、生き生きして背筋もピンと伸びている。気力にあふれていますね」と話していた。

 18日には晴耕園で耕運機などを使った共同作業が行われる予定。

(2021年6月18日付紙面より)

協力し合い、農園の整備作業に汗を流した=17日、新宮市緑ヶ丘
2021年06月18日
5 市長の政治姿勢など問う  新宮市議会一般質問(終)  
2021年06月18日
6 全町民に1万円を給付  6月定例会で全議案可決  (太地町議会 )
2021年06月18日
7 次期会長に金嶋正人さん  新宮LC  
2021年06月18日
8 グラウンドゴルフ交流がスタート 高田小児童と地域住民 (新宮市)
2021年06月18日
9 コロナ支援や協力隊活用など  那智勝浦町議会一般質問①  
2021年06月18日
10 65歳未満の接種開始へ  主に週末の集団接種で  (熊野市 )
2021年06月18日
11 接種への困りごとに対応  高齢者にチラシを配布し  (紀宝町 )
2021年06月18日
12 選挙管理委員会の選挙実施  串本町議会  
2021年06月18日
13 一般会計補正予算案〈第1号〉可決  串本町議会  
2021年06月18日
14 コミュバス運行体系見直し  新庁舎開庁に合わせ適用へ  (串本町 )
2021年06月18日
15 お悔やみ情報
  
2021年06月15日
16 移転に向け有志ら協力
 ボランティアによる作業進む  (新宮市立図書館 )

 休館中の新宮市立図書館(同市井の沢)では現在、10月3日(日)開館予定の「丹鶴ホール」への図書館移転に向け、ボランティア有志による本の整理や除籍作業などが進められている。12日の作業には中学生を含む8人のボランティアが参加。紙芝居約450冊のシール剝がしやエタノールを使用した汚れ取り、消毒作業に取り組んだ。

 移転に伴い、先月20日から休館となっている同図書館。本や資料の整理、配架などを行うボランティアを募ったところ、市内を中心に那智勝浦町、紀宝町、田辺市本宮町から43人が参加。24人の登録ボランティアと力を合わせ、総勢67人で作業に当たっている。

 この日、初めて作業に参加した新宮市立緑丘中3年の堅田裕奈さん、杉本彩莉さん、大網咲弥花さん、西柚香さんは仲良し4人組。「(移転ボランティアには)4人で申し込んだ。日頃からボランティア活動には興味を持っている。人の役に立てることがうれしい」と声をそろえ、和気あいあいと作業に当たった。

 同中学校の近隣にあり生徒らからの親しみも深かった同図書館。4人も本の借覧や勉強などで利用する機会も多く「本は好きです。漫画も」と笑顔を見せつつ「開いていないと暗いと思うしさみしく感じますね」。

 図書館長兼ねる栗林圭一・文化振興課長は「多くの人にボランティアに協力していただきありがたい限り。愛されてきた施設だと感じる。われわれも新図書館移転に向けて頑張っていきたい」と話した。

 今後は本のラベル剝がし・貼付、除籍作業などに加え、郷土資料のカバー掛けなども含めた資料の整理、本の箱詰め作業、新図書館での配架作業なども進められる。

 「丹鶴ホール」は今月末の建物完成、7月の施設竣工(しゅんこう)を経て開館準備期間に入る。新図書館には備品搬入後、8月半ばから9月にかけて本の搬入を行っていく予定としている。

(2021年6月15日付紙面より)

紙芝居の汚れ取り作業などを行うボランティアメンバー=12日、新宮市井の沢
2021年06月15日
17 中高生のボラグループ誕生
 “笑顔”を意味する「るれいる」  (紀宝町 )

 紀宝町初の中高生ボランティアグループ「東紀州学生ボランティア『るれいる』」が誕生した。同町立矢渕中学校の6人と県立木本高校の10人で発足し、毎月1回開かれる「ふれあい子ども食堂」でボランティア活動に励んでいる。

 昨年12月から今年1月にかけて、町福祉センターで開催された初級手話教室に参加した中高生5人が「ボランティアがしたい」と、町社会福祉協議会に相談して実現した。

 矢渕中は市川咲紗さん(3年)、木本高校はJRC部部長で姉の芹さん(3年)が中心になって仲間を集めた。

 「るれいる」はスペイン語で「笑う」を意味する。コロナ禍で活動の場がないとの意見があり、いずれも町社協が運営する子ども食堂と駄菓子屋でボランティアすることを決めた。

 12日は両会場の設営、受付、案内、駄菓子屋のお店番などを手伝った。咲紗さんは「いろいろな人と触れ合うことができて楽しかった」と語った。

 代表で木本高校3年の藤本将太君は「新型コロナウイルスの影響で部活動が制限され、地域の人と交流したり、ボランティアする経験がなかった。子ども食堂でボランティア体験ができて、みんな生き生きしている。これからも手伝っていきたい。同じ世代の人たちに気軽に参加してほしい」と話している。

 今後は、夏休み中に小学生の宿題を手伝う「宿題を終わらせよう会」や、地域住民と交流できる活動を企画しているという。

(2021年6月15日付紙面より)

ボランティアグループ「るれいる」のメンバー=12日、紀宝町鵜殿(撮影時のみマスクを外してもらいました)
ふれあい子ども食堂を手伝うメンバー
2021年06月15日
18 苗植えつつキャンプ体験
 主催事業で親子3組7人  (潮岬青少年の家 )

 串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家(山口和紀所長)が12、13の2日間、主催事業「FarmingCamp」を実施。親子3組7人が畑作りやサツマイモの苗植えを体験しながらテント泊に親しんだ。

 前年度まで施設泊で実施していたサツマイモの苗植えと近年流行の勢いが増すアウトドアレジャーを絡めた新興の宿泊型体験プログラム。コロナ禍を考慮して事前の告知を県民の友のみにして参加者を抑えている状況もあり、前述の規模で初の実施を迎える形となった。

 オリエンテーション後、集いの広場で組ごとにテントを組み立てて固定。引き続き正門そばで借りている畑へ移動し、畝立てやマルチ張りといった作業をこなしてサツマイモの苗を植え込んだ。

 4種類のサツマイモを育てる形が長らく定着しているが、今年は苗の流通が鈍く入手できた紅あずまと紅はるかの苗各110本を数より大きさ重視の縦植え(畝に斜め下方向の穴を開けて差し込む植え方)で栽培開始。収穫は11月初旬ごろと見込み、芋掘りを体験プログラムに組み込んだ主催事業を計画し、改めて参加を募るという。

 従来はサツマイモの苗植えと併せて他の作物の収穫体験もしていたが、今回はアウトドアレジャー体験に変更となり初日夜半はバーベキュー、2日目午前はカートンドッグ作りなどに挑戦した。この事業を主導した同家スタッフの中村槙也さんは、興味はあっても始めるのが難しいキャンプにとっつきやすくするきっかけを提供できればと願いながら、親子3組の挑戦を支えていた。

(2021年6月15日付紙面より)

畝立てやマルチ張りをこなした後、サツマイモの苗を縦植え=12日、串本町潮岬
2021年06月15日
19 自然に感謝し疫病沈静願う
 熊野那智大社で紫陽花祭  

 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、梅雨の時季の無病息災を願うと共に、自然の恵みへの感謝をささげる「紫陽花(あじさい)祭」が営まれた。アジサイの小枝を手にした巫女(みこ)が神楽「豊栄の舞」を奉納。新型コロナウイルスの早期終息などを願った。

 雨にぬれ、微妙に色変わりして咲くアジサイは、万葉の昔から日本人の心を慰めてきた花。1960年ごろより境内で栽培を始めた同大社のアジサイは、鹿などによる食害を乗り越え、現在はガクアジサイやヤマアジサイ、タマアジサイなど10数種類約2000株が自生している。同大社の「紫陽花園」は例年、祭後に一般開放されるが、今年は開花が早かったため、今月1日から開放されている。

 祭はアジサイが境内のあちこちに咲き競うこの時季に斎行される恒例の神事。無病息災や自然への感謝を託したアジサイが神前に供えられる。

 新型コロナの影響で、昨年に引き続き例年のにぎわいはなかったが、参拝者らは境内のアジサイを楽しみつつ、神事の様子を見守っていた。

 「自然への感謝や梅雨時季の無病息災と共に、国民の繁栄や新型コロナの一日も早い沈静を祈願した」と祝詞に込めた思いを話す男成宮司。

 「いまだコロナ禍による厳しい状況は続いている。こんな中だからこそ、アジサイの美しい花を愛(め)でて心を癒やされていただければ」と話していた。

 「紫陽花園」は大鳥居下の階段を降りた参道横。今月30日(水)までで、開放時間は午前8時30分~午後3時30分。

(2021年6月15日付紙面より)

アジサイの小枝を手にした巫女らが「豊栄の舞」を奉納=14日、熊野那智大社
2021年06月15日
20 ホタルの光り方など学ぶ  守る会による出前授業  (成川小 )
2021年06月15日
21 子どもたちを大切に  三教組紀南支部が定期大会  
2021年06月15日
22 最後の集団接種会場、予約開始  高齢者対象新型コロナワクチン  (新宮市 )
2021年06月15日
23 コロナで対前年38%減  観光客の動態を報告  (那智勝浦町 )
2021年06月15日
24 清らかに香るシタキソウ  宇久井ビジターで満開  (那智勝浦町 )
2021年06月15日
25 命の大切さ学ぶ  くろしお児童館「小さな生き物探し」  (新宮市 )
2021年06月15日
26 人権学習&パステルアート  中央児童館で保護者向けに  (新宮市 )
2021年06月15日
27 一般会計補正予算案  <第1号>の主な事業  (串本町 )
2021年06月15日
28 色別目標掲げて競い合う  高池小学校で春季運動会  (古座川町 )
2021年06月05日
29 職人の技、熊野川の川舟
 谷上嘉一さんらが製作  

 川の参詣道として世界遺産に登録されている「熊野川」を巡る川舟下り。新宮市熊野川町の熊野川川舟センターが2005年から定期乗合便を開始し、多くの観光客が川を下りながら流域の自然を体感してきた。

 熊野川の川舟は、船首が大きく反り返り、船底は平らで、どんな条件にも対応できる構造が大きな特徴だ。

 川舟の老朽化に伴い、2隻の製作を依頼しており、紀宝町北桧杖の川舟大工・谷上嘉一さん(79)が製作に取り掛かっている。

 川舟は全長8・7㍍、幅約1・82㍍。外国人向けに座席などを部分的に強化した。製作には大工3人で2カ月を要する。1隻はすでに完成し、2隻目は6月中を目指している。

 谷上さんは〝日本一の暴れ川〟と呼ばれた熊野川を行き来する川舟とともに生活してきた。「50年ほど前は10人ほどの舟大工がいて、川舟も各家で1~2隻持っていた。生活の一部だった」と振り返る。

 川舟はかつて、熊野川を行き交う重要な交通手段だった。谷上さんも船頭として舟を操っていたが、道路整備が進み、昭和30年代に役割を終えた。川舟の需要が減るにつれ舟大工も減少してきた。

 地域の伝統技術を絶やさぬため、40年以上前から独学で川舟を造り続けている谷川さん。今では、熊野川流域で唯一の職人となった。

 使用する木材はスギが8割ほどを占める。地元の山に入り、舟に合う淡い赤身の多い木を選ぶ。固いヒノキで強化し、ケヤキは船首部分に使う。

 「1本の木から造ることで作業性が良く、機能性、操作性も良くなる。木は同じ場所に生えていても重量や反発力、赤身のクセなどが微妙に違う」と話す。

 川舟造りは全ての部分を曲げるのが難しく、火であぶって木を曲げる。曲がり方は木によって違うため、長年の経験と勘が頼りだという。

 これまで5隻の観光川下り用の川舟を製作しており、「熊野川の景観、歴史、生活を知ってもらうことで地域振興にもつながる。観光客には世界遺産と川舟の歴史を感じながら遊覧を楽しんでほしい」と語る。

(2021年6月5日付紙面より)

熊野川流域で唯一の川舟大工・谷上嘉一さん(手前)=紀宝町北桧杖
製作が進む観光川下り用の川舟
2021年06月05日
30 5項目で取り組み求める
 身障連定例の要望書提出  (串本町 )

 串本町身体障害者連盟の中野實会長が2日、田嶋勝正町長を表敬訪問し定例の要望書を提出した。

 同連盟は西暦奇数年に町長を来賓として総会に招いて要望書を提出する活動を続け、町は当事者の声として重んじ成果による応答に努めている。本年度は提出年に当たるがコロナ禍の情勢を考慮して総会を書面決議とし提出の場がつくれなかったため、会長が町長へ届ける形を取った。

 今回の要望事項は①歩道環境の整備(国道42号潮岬東口交差点~同西口交差点区間)②コミュニティバス運行(車いす利用者対応のリフト・車内固定器具付バスの導入など)③JR串本駅の物理的障壁の改善(町による駅員等による解決ではない環境整備の要請)④公的機関への手話通訳者配置(手話ができる職員の育成)⑤防災関係(要支援者に行き届く避難支援の具体化)―の5項目。

 中野会長は役場本庁~JR串本駅間の歩道環境改善や文化センタートイレの洋式化、コミュニティバス路線へのノンステップ車両導入など過去の要望事項の達成と要望に応える町の取り組みへの感謝を伝え、①の項目は建設課から国土交通省が対応に動き出すので事前に面会してほしいと要請を受けていることを報告した。

 他方、④は町職員内で手話対応ができる人材を育てること、⑤は要支援者対象の個別計画が有事の支援に確実に生かされるよう区長や自主防災会などと事前に話し合う場を設けることを特に期待して強調した。

(2021年6月5日付紙面より)

串本町身体障害者連盟定例の要望書を提出する中野實会長(右)=2日、串本町役場本庁
2021年06月05日
31 無理なく体を動かそう
 「社協のエクササイズ教室」  (太地町 )

 太地町社会福祉協議会は2日夜、同町多目的センターで「社協のエクササイズ教室」を開いた。町地域包括支援センター理学療法士の谷口徹さんが講師を務め、町内在住の参加者12人がストレッチに取り組むなどして汗を流した。

 教室は多種のエクササイズを通して健康障害の予防や介護予防を図ろうと毎月実施。ストレッチ、筋トレ、プール体操など、項目を変えながら行われている。

 この日のテーマは「からだのストレッチング」。冒頭で谷口さんは「筋肉は筋膜というもので覆われています。一方向に体を伸ばすより、筋膜の走行を考慮することで筋肉を解きほぐすことができる」と説明。注意事項の後、運動を開始した。

 参加者は全身や胴回り二の腕・脇腹、肩甲骨、体側など計8種類のストレッチを実践。谷口さんの手本を見ながらゆっくりと体を反らし、熱心に取り組んだ。

 3回目の参加という50代の女性は「元々、硬いこともあって少し痛かったですが、楽しく体を動かすことができた。難しい動作ではないので、時間を見つけて自宅でも実践してみたいと思います」。

 谷口さんは「集中して取り組む姿が見られました。体を伸ばすべき場所は人によってさまざまで、無理のない動きを行うことが大切。継続して実施し、健康づくりにつなげていってもらえれば」と話していた。

(2021年6月5日付紙面より)

「体側」のストレッチに取り組む参加者=2日夜、太地町多目的センター
2021年06月05日
32 紫陽花園のアジサイ六分咲き
 30日まで開放、熊野那智大社  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は、境内にある紫陽花(あじさい)園を1日から30日(水)まで開放している。園内のアジサイは現在六分咲きを迎え、参拝者の目を楽しませている。開放時間は午前8時30分から午後3時30分まで。

 大社によると、境内のアジサイは1960年頃から栽培を始め、職舎付近や参道、車道沿いに植えられている。現在は2000株ほどが自生しており、ガクアジサイ、ヤマアジサイ、タマアジサイなど十数種類がある。

 例年は14日に営まれる「紫陽花祭」後に一般開放されるが、今年は花の咲きが早いことから1日からの開放となったという。

 大社の神職は「今年の花の咲きは早い。花の状態も例年並みに良いと思う。ぜひ、ご参拝にお越しの際はアジサイを楽しんでいただけたら」と話している。

 紫陽花園は大社の大鳥居下の階段を降りた参道横にある。

(2021年6月5日付紙面より)

紫陽花園のアジサイが見頃を迎えている=3日、那智勝浦町の熊野那智大社

大社周辺にも多くのアジサイが咲いている
2021年06月05日
33 連名の功労者表彰受ける  少年補導員の森俊二さん  (串本警察署 )
2021年06月05日
34 地域と一体で盛り上がる  出雲小学校で連合運動会  (串本町 )
2021年06月05日
35 宿泊避難支援事業活用を  新宮市  
2021年06月05日
36 住宅リフォーム助成事業など  6月定例会提出の議案説明  (新宮市 )
2021年06月05日
37 ボウランが開花  熊野速玉大社のオガタマノキ  
2021年06月05日
38 ごみ分別や仕事を学ぶ  市野々小3、4年生が社会科見学  (那智勝浦町 )
2021年06月05日
39 ぶつぶつ川で生き物探し  下里小3年生が郷土学習  (那智勝浦町 )
2021年06月05日
40 3年生がオンラインで初交流  パソコン通じて自己紹介  (相野谷中←→尾呂志学園中 )
2021年06月05日
41 交通安全活動の推進を評価  成川小「交通安全優良学校」に  (紀宝地区安協 )
2021年06月05日
42 お悔やみ情報
  
2021年06月05日
43 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第35回】スーパーは食育の宝庫!  

 夕飯のお買い物、子どもと行くこともあると思いますが、どんなことに気を付けていますか? 私はスーパーマーケットは食育の宝庫だと思っています。小さい頃はスーパーでいろんなお話をすることをお勧めします!

 まず、一番簡単な食育は商品について話すことです。今は通年出回るものが多くなった野菜でもやはり旬のものは、目立つところにあったりたくさん置いてあったりしますよね。「春だから、緑のものがたくさんあるよ」とか、「春は山菜が採れるんだよ」とか、「夏だからスイカがあるね~」など、果物でも野菜でも、季節を教えてあげるきっかけになります。旬に食べるととびきりおいしいことや値段が安く買えること。旬に食べると栄養が豊富なことなども教えてあげてください。「これもたくさんあるけど、春の野菜なのかな?」と一緒にスマホで調べたりするのもいいですね。お母さんから聞いたことより、一緒に調べたものの方が、印象に残るかもしれません。

 それ以外にも「おいしそうなものを選んで」と、子どもに選んでもらうのもいいと思います。色がきれいなもの、みずみずしいものを選んでもらってください。おいしいものを選ぶポイントを教えてあげるとさらに食育になります。

 キュウリなら、トゲがしっかりしているもの。春キャベツなら軽くてふんわりしているもの。冬キャベツなら重いもの。お魚なら目がきれいなものなどおいしい食材の見分け方はたくさんあります。こういったコミュニケーションは食材を選ぶ力を養ってくれます。

 さらに私の一押しは献立を相談することです。例えば、メインが唐揚げなら「唐揚げと一緒に食べるのは他にはどんなおかずがいいかな?」といった具合です。「お肉はあるから、お野菜がいいね」などヒントをあげるのもいいですね。こういったやりとりで、バランスの取れた食事を意識することを覚えてくれます。

 「緑の野菜は買ったけど、赤がないね」とか「野菜とお肉はあるけど、他に何があったらいいかな?」などの問い掛けも食育になります。食意識を高めて、食卓に関わることで食べるものも増えると思います。楽しんで食べてもらうには、食材や料理に興味を持って参加することがとてもいいといわれています。自分で選んだ食材や自分がよく知っている食材、自分で考えた献立は、ただ食卓に受動的に並べられたものとはまた違うものとして映ると思います。

 食卓で食べるときは「これは○○ちゃんが選んだやつだよ」「○○ちゃんが選んだものはおいしいね」などと、話してあげてください。きっと子どもたちはとてもうれしく楽しく感じるはずです。

 楽しんで食事をするというのは何も特別なことは必要ありません。ただ、家族の一員として、受け入れられているという認識を与えることが重要です。ぜひ身近なスーパーマーケットから、食育を始めてみてはいかがでしょうか?

(2021年6月5日付紙面より)