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2021年06月29日
1 安全な教育環境を整備
 緑丘中体育館、7月から本格始動  (新宮市 )

 老朽化に伴い修復工事を実施していた新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長)体育館の工事が完了し、28日から一部クラブ活動などで使用を開始。7月1日(木)から本格始動となる。宮本校長は「生徒たちには待たせてしまった。これからは新しい体育館でしっかり運動などに取り組んでほしい」と話している。

 同校の校舎は、第1、2、3期工事を経て1981年4月に完成した。体育館も同年2月に完成。校舎、体育館ともに40年が経過していた。

 10年ほど前から雨漏りなどの兆候があり、昨年は校舎で2カ所、体育館にいたっては十数カ所で雨漏りを確認しており、警報装置の誤作動なども起こっていた。

 同校の状況を把握した市教育委員会は約9000万円を投じ、体育館の雨漏れや外壁剝離対策、老朽化が進行した部材の更新などの整備に乗り出した。

 2月に工事を開始したが、その間生徒らは市立体育館や蓬莱体育館、市立神倉小学校の体育館を借りるなど、場所を移動した上でクラブ活動や学習活動に取り組んでいた。

 真っ白な外壁が目を引く体育館は、避難所として必要なバリアフリー化も実施。老朽化していたトイレも一新した。

 教育部教育政策課の加子坂嘉隆・学校施設係長は「安全に運動していただける環境が整った。長らく迷惑をかけたが、新しい体育館を大切に使用していただければ」と話している。

(2021年6月29日付紙面より)

体育館の修復工事が完了した=28日、新宮市立緑丘中学校
2021年06月29日
2 住崎の海底で一足早い願掛け
 「串本水中七夕祭り」始まる  (串本ダイビング事業組合 )

 串本ダイビング事業組合(高岡誠会長)のイベント「串本水中七夕祭り」が26日、ダイビングポイント「住崎」(潮岬地内にある住崎の西沖約200㍍の海域)を舞台にして始まった。

 このイベントは、ダイビングシーンに四季折々の風物詩を取り入れた串本の海の話題作りの一環。ダイビング需要が特に高まる真夏に向けダイバーが海の情報に目を向け出す6月後半に話題性を作り、串本の海や地域への注目を誘いともに盛り上げていく狙いで2013年以降毎年実施している。

 9回目となる今年は長さ3㍍ほどを目安にして笹(ささ)5本を山から切り出し、前日に同組合関係のダイバーが同ポイントへ持ち込み水深約12㍍の海底に固定して期間開始を迎えた。ダイビング客は利用店舗で短冊とする木札に願い事を書いて同ポイントへと持参。麻ひもで笹に結び付けて一足早い願掛けをし、記念撮影をするなどしてその光景に親しんでいるという。

 過度の海象不良により流失しても速やかに自然に返るよう、笹も短冊もくくりひもも全て天然素材で準備した。同組合イベント係の中村洋さんによると、設置期間は7月7日(水)までで8日(木)に撤収する予定。同組合はこの取り組みが多くのダイバーの目に止まり、串本の海への認知が高まりひいては町全体の盛り上げにつながればと願っている。

(2021年6月29日付紙面より)

ダイビングポイント「住崎」で実施中のイベント「串本水中七夕祭り」=26日、串本町潮岬沖(会員店舗「ClubDO」提供)
2021年06月29日
3 収支予算や新規事業を承認 観光機構が初の社員総会 (那智勝浦町)

 一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT、以降は機構)は25日、那智勝浦町の体育文化会館で初となる定時社員総会を開いた。会場に12人、オンラインで4人の計16人が出席。機構からの事業報告の後、収支決算や理事の選任などの全議案が承認された。

 機構は2020年4月に設立され、町観光協会解散後は業務の一部を引き継ぎ、同年10月に町の観光振興を一体的に担う「観光地域づくり候補法人(候補DMO)」として観光庁に登録された。その後、「宿泊」「飲食」「文化財・歴史」「観光資源・体験」「物販・特産品」「交通」「施設・環境整備」の七つの専門部会の設立や会員(サポーター)組織を創設。町内外関連組織との連携を図るとともに、さまざまな調査を行い、広報や各種プロモーション、マーケティング、イベント開催などの事業を展開している。

 総会では、機構の理事長を務める堀順一郎町長が「過去には120万人いた宿泊客が令和元年に入り、36万人に減少した。現代の旅行ニーズに合った観光地にしていく必要があるため、国が勧める外貨獲得の観光機構を立ち上げた。新型コロナウイルスの影響で誘客してはいけない状況だが、集団免疫をつけるためにワクチン接種も進んでいる。多く皆さまに楽しんでいただけるような観光地を目指していきたい」とあいさつ。

 専門人材でマーケティングを担当する堀千寿子さんや村井弘和事務局長らが事業や収支報告を行った。これまで実施した事業では、宿泊旅行統計や来訪者アンケート、町内回遊率、観光住民満足度などの調査、広報、バス助成金交付事業、個人宿泊旅行誘致および観光消費促進、パンフレット制作、「オンライン生まぐろツアー」などの各種イベント開催について報告。令和2年度の一般会計収支決算や令和3年度の一般会計収支予算も承認された。

 今後展開していく事業として▽ウェブサイトアクセス解析調査▽観光客のターゲティングの変更▽デジタル広告や現地プロモーションなどの広告宣伝▽わかやま観光へプレスリリース▽「WEST EXPRESS 銀河」おもてなしプロジェクトへの参画▽那智勝浦PRポスター制作▽まぐろ祭りやツナカップ、あげいん熊野詣といった、サスティナブル(持続可能)なイベントを実施▽人気商品「神秘ウオーク」のリブランド▽教育旅行向け体験型商品の開発▽観光人材の育成▽お寺ワーケーション実証事業―などを説明した。

 機構によると、これまでの課題解決を進めるとともに、今後は新規事業に着手し、観光地域づくり法人(登録DMO)への本登録を目指すという。

(2021年6月29日付紙面より)

初の社員総会が開かれた=25日、那智勝浦町の体育文化会館
一般社団法人那智勝浦観光機構の理事長を務める堀順一郎町長
2021年06月29日
4 災害記憶を風化させない
 紀伊半島大水害10年プロジェクト  

 三重県は27日、御浜町役場くろしおホールで紀伊半島大水害10年ワークショップを開催。風水害対策に取り組む13団体が事例発表した。自主防災組織は紀宝町の鮒田自主防災会(東口高士会長と津本自主防災協議会(谷口昌宏会長)が活動を紹介。各種団体が連携を深め、地域防災力向上の機会とした。

 2011年の紀伊半島大水害から10年を迎えることから、大きな被害を受けた三重、奈良、和歌山の3県で紀伊半島大水害10年プロジェクトを開始。今回のワークショップを皮切りに、過去の災害記憶を風化させることなく、その教訓を伝承するため、9月にシンポジウムと図上訓練、11月に総合防災訓練を計画した。

 ワークショップには3県から約30人が出席。藤根正典、谷川孝栄両県議らも参加し、風水害対策や課題などを聞いた。

 鮒田自主防災会の東口会長は「鮒田は水害に弱く危険な地域だったが、熊野川の掘削などにより今は一番安全な地域になった。防災は前進のみ。地区のタイムラインやライングループを作り、新しいことを取り入れている」と伝えた。

 津本自主防災会は水害を契機に、2012年4月に発足。防災チャレンジ大運動会や危険箇所の確認など子どもから高齢者までが参加できる取り組みを継続し、「何より命が大事」を合言葉に、今後もハザードマップの確認やマイマップ作成などに取り組んでいくという。

 ワークショップは、地域、市町村、国県の3グループで意見交換。地域グループでは「大水害を経験して、地域とのつながりが重要なことが分かった。10年が経つと災害を忘れてしまう恐れがあるため、防災訓練を継続することが大切。子どもたちが参加することで、高齢者も足を運んでくれる。今後は新型コロナ対策も必要になる」などの意見があった。

 「近年の風水害から学ぶこと」と題した基調講演もあり、三重大学大学院工学研究科の川口淳・准教授が、全国で多発する水害の事例を基に「風水害はタイムラインが大事。個人や地域、行政で事前行動をしっかり決めること。空振りを恐れず、できることを明記するために課題を見つけて訓練を繰り返すことが重要になる」と強調。「学校、家庭、地域、行政の強固な連携を」と呼び掛けた。

(2021年6月29日付紙面より)

風水害対策を話し合うワークショップ=27日、御浜町役場
2021年06月29日
5 鈴木・湊組がインハイへ
 県高校総体バドミントン競技で活躍  (新宮高校 )
2021年06月29日
6 ロケットカレーを開発  レストラン「サンドリア」  
2021年06月29日
7 湯川~宇久井間の古道歩く  ウオークツアー第3回催行  (南紀串本観光協会 )
2021年06月29日
8 協議会の委員を委嘱  第1回会合で情報を共有  (串本警察署 )
2021年06月29日
9 大学での学びに触れる  近大新宮で出張講義  
2021年06月29日
10 多職種連携で有事に備え  第4回南紀災害医療勉強会  
2021年06月29日
11 自分らしく生きること  太田小でLGBTQ学習  (那智勝浦町 )
2021年06月29日
12 リサイクルの大切さなど学ぶ  4年生がごみ処理場で社会見学  (相野谷小 )
2021年06月29日
13 名前はミカン、レモン、ポンカン  3匹のケヅメリクガメ  (ウミガメ公園 )
2021年06月29日
14 「液体窒素で実験しよう」  少年少女発明クラブ6月講座  (新宮市 )
2021年06月29日
15 お悔やみ情報
  
2021年06月20日
16 ロケット名称「カイロス」に
 時間と好機と愛着狙い命名  (スペースワン社 )

 スペースワン株式会社(太田信一郎代表取締役社長)=東京都=が18日、串本町田原などで建設中の発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる小型ロケットの機体名称を「カイロス(KAIROS)」と命名したことを発表した。

 このロケットは、同社が事業展開を目指している小型衛星に対する商業宇宙輸送サービスの要となる機体。本年度中に初号機、以降2020年代半ばに年20機の打ち上げを目指して取り組みを進めている。

 その一端で機体名称を決定。「カイロス」は「Kii―based Advanced & Instant ROcket System」から頭文字などを頂いた略称で、ギリシャ神話に登場する時間神カイロスにあやかったという。

 同社は契約から打ち上げまでの時間を世界最短とすることで、世界最高の打ち上げ頻度で同サービスを提供することを目指している。この「時間を味方につけ市場を制する」という強い意志を示すため、まずもってこの神名を頂くことにした。カイロスにはギリシャ語で好機という意味もあることから変化の激しい環境に即時対応して自ら好機をつかみ成功を導くという意志を込め、さらに射点がある地域・紀伊を正式名称の冒頭に位置付け地元に愛着を持ってほしいという期待も込めたとしている。

 同社はキヤノン電子、IHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行の4社を株主として起業。現在は紀陽銀行が加わり5社が株主となっている。

(2021年6月20日付紙面より)

機体名称「カイロス」と命名された小型ロケットのイメージ図(スペースワン株式会社提供)
2021年06月20日
17 おうちで防災キャンプを 乳幼児の命を守る会 (新宮市)

 新宮市福祉センターで18日、乳幼児の命を守る会の研修会が開かれた。5人が集まり、災害で電気やガスなどのライフラインが途絶えたときに使える「ポータブルトイレ」の防災工作に取り組んだ。

 2011年の紀伊半島大水害が契機となり、市内5団体の代表者が集まって発足。災害時に乳幼児のいる家庭をサポートするネットワークの構築を目的に、防災ピクニックや子ども用非常持ち出し袋の啓発などに取り組んできた。

 現在は新型コロナウイルス感染症の影響により家で過ごす時間が増えていることを受け、「おうちでキャンプ」を推奨。電気やガス器具を使わずに1晩を過ごす活動で、避難生活に備えた疑似訓練ができ、各家庭の備蓄に足りない物を実感できる。

 この日は段ボール・ビニール袋、新聞紙などを使ってトイレを自作。「色つきのガムテープを使うと見た目もきれいになる」「最近は和式トイレの使い方を知らない子どももおり、きちんと使えるか心配」と意見を出し合った。会員が作ってきた見本を基に、簡易椅子やペットボトルと懐中電灯を使ったランタンの作り方も学んだ。

 勢古啓子さんは「キャンプは格好の防災訓練になる。お金もかからないので、子どもと一緒に楽しみながら取り組んでほしい」と語る。

  □     □

■作ってみようポータブルトイレ

①段ボールを箱状に組み立て、上部分に丸く穴を開ける。

②上部と側面にガムテープを貼って補強する。段ボールの切れ端なども使うとより効果的。

③臭いが段ボールに移らないよう、ごみ袋を二重にかぶせる。

④吸水材の代わりに新聞紙をクシャクシャにして入れる。おむつやペットのトイレ用砂を入れると、より臭いを抑えられる。

⑤使用後はごみ袋を1枚残して取り出し、自治体の規則に従って捨てる。

(2021年6月20日付紙面より)

ポータブルトイレ作りに取り組む会員=18日、新宮市福祉センター
(左から)ポータブルトイレ、簡易椅子、ランタン
2021年06月20日
18 生ごみの水切り徹底を
 家庭ごみの約30%を占める  (紀宝町 )

 紀宝町独自の調査によると、町内の一般家庭から出されるごみのうち、生ごみの割合が約30%を占めている。生ごみの重量比は80%が水分といわれており、水分をしっかり取り除くことで、ごみの重量を減らし、悪臭や害虫発生の抑制につながるという。

 町では昨年度の一般廃棄物処理に係る費用として、約2億1700万円が支出されており、そのうち約1億8200万円が燃料ごみの処理費用として支出された。

 燃料ごみの排出量は約2000㌧あり、ごみ排出量全体の約62%を占めた。

 埋め立てごみ(資源にならないごみ)は約210㌧、粗大ごみは約67㌧、資源ごみは約900㌧だった。

  □     □

■生ごみ処理容器購入に補助

 紀宝町では、町内の家庭から排出される生ごみの減量化およびその堆肥としての再利用を図るため、「生ごみ処理容器」を購入した際、予算の範囲内で補助金を交付している。

 町内在住者(3カ月以上居住しているか、転入後引き続き3カ月以上居住する予定者に限る)が対象で、周辺住民に迷惑を掛けないように維持管理できる人。

 購入価格の2分の1を補助し、容器式(コンポスト)の場合は4000円、電気式の場合は3万円が上限。容器式は1世帯2基まで、電気式の場合は1世帯1基まで。

 申請者の印鑑、振込先の分かるもの、領収書の写し、生ごみ処理容器の規格の分かるもの(取扱説明書など)を用意する。問い合わせは、環境衛生課(電話0735・33・0338)まで。

(2021年6月20日付紙面より)


2021年06月20日
19 高木顕明師しのぶ
 非戦、平和願い遠松忌  (新宮市 )

 新宮市大橋通の淨泉寺(山口範之住職)で19日、真宗大谷派主催の「遠松忌法要」が営まれた。参列した関係者らが雨の中、非戦・平和を唱え、差別と闘った同寺12代住職・高木顕明師(1864~1914年)の遺徳をしのんだ。

 「前(さき)を訪(とぶら)う 今、この時代に聞く非戦・平等の願い」をテーマに毎年営まれている法要。1998(平成10)年に滋賀県大津市の本證寺で有志らが第1回を営み、翌年から新宮市で開かれている。今年24回目で、2000(平成12)年から同派が主催している。今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため昨年に引き続き内勤めとなった。

 関係者らは、市内の南谷墓地にある顕明師顕彰碑での勤行後、淨泉寺本堂での法要に参列。法要の様子は、動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信された。

 顕明師は新宮出身の医師・大石誠之助(1867~1911年)らと共に非戦、平和を唱えて活動していたが、明治天皇暗殺を企てたとして1910(明治43)年に連座(「大逆事件」)。死刑判決に処されたが後に無期懲役となった。

 事件を受け、同派から除籍の処分を付された顕明師は、無念の中、14(大正3)年6月24日に秋田監獄で自ら命を絶った。96(平成8)年に同派から処分が取り消され、名誉が回復されている。

 山口住職は「コロナ禍で昨年同様内勤めという形となったが、できる限り継続していくことが大切」と参列者らに感謝を示した。

 同所の顕彰碑には顕明師の著作「余が社会主義」の一節「南無阿弥陀仏は真に御仏の救済の声である。闇夜の光明である。絶対的平等の保護である」が刻まれている。

(2021年6月20日付紙面より)

高木顕明師顕彰碑前での勤行=19日、新宮市の南谷墓地
2021年06月20日
20 大前凜君が52中で優勝
 新宮高校OB会「第8回百射会」  
2021年06月20日
21 令和3年度スポーツウエルネス吹矢大会
 那智勝浦町体育協会  
2021年06月20日
22 喫茶アリスが優勝 第167回職場対抗ボウリング大会 
2021年06月20日
23 駅舎施設や事前復興計画を議論  太地町議会一般質問  
2021年06月20日
24 コロナの影響顕著  GWの観光客入り込み数  (和歌山県 )
2021年06月20日
25 緊急地震速報活用し訓練  那智勝浦町議会  
2021年06月20日
26 カエルがゲコゲコ!  すくすくワークショップ  (那智勝浦町 )
2021年06月20日
27 新翔生65人を委嘱  自転車マナーアップ推進リーダー  (新宮警察署 )
2021年06月20日
28 英語のゲーム一緒に楽しむ  参観日に保護者招き  (うどの幼稚園 )
2021年06月05日
29 職人の技、熊野川の川舟
 谷上嘉一さんらが製作  

 川の参詣道として世界遺産に登録されている「熊野川」を巡る川舟下り。新宮市熊野川町の熊野川川舟センターが2005年から定期乗合便を開始し、多くの観光客が川を下りながら流域の自然を体感してきた。

 熊野川の川舟は、船首が大きく反り返り、船底は平らで、どんな条件にも対応できる構造が大きな特徴だ。

 川舟の老朽化に伴い、2隻の製作を依頼しており、紀宝町北桧杖の川舟大工・谷上嘉一さん(79)が製作に取り掛かっている。

 川舟は全長8・7㍍、幅約1・82㍍。外国人向けに座席などを部分的に強化した。製作には大工3人で2カ月を要する。1隻はすでに完成し、2隻目は6月中を目指している。

 谷上さんは〝日本一の暴れ川〟と呼ばれた熊野川を行き来する川舟とともに生活してきた。「50年ほど前は10人ほどの舟大工がいて、川舟も各家で1~2隻持っていた。生活の一部だった」と振り返る。

 川舟はかつて、熊野川を行き交う重要な交通手段だった。谷上さんも船頭として舟を操っていたが、道路整備が進み、昭和30年代に役割を終えた。川舟の需要が減るにつれ舟大工も減少してきた。

 地域の伝統技術を絶やさぬため、40年以上前から独学で川舟を造り続けている谷川さん。今では、熊野川流域で唯一の職人となった。

 使用する木材はスギが8割ほどを占める。地元の山に入り、舟に合う淡い赤身の多い木を選ぶ。固いヒノキで強化し、ケヤキは船首部分に使う。

 「1本の木から造ることで作業性が良く、機能性、操作性も良くなる。木は同じ場所に生えていても重量や反発力、赤身のクセなどが微妙に違う」と話す。

 川舟造りは全ての部分を曲げるのが難しく、火であぶって木を曲げる。曲がり方は木によって違うため、長年の経験と勘が頼りだという。

 これまで5隻の観光川下り用の川舟を製作しており、「熊野川の景観、歴史、生活を知ってもらうことで地域振興にもつながる。観光客には世界遺産と川舟の歴史を感じながら遊覧を楽しんでほしい」と語る。

(2021年6月5日付紙面より)

熊野川流域で唯一の川舟大工・谷上嘉一さん(手前)=紀宝町北桧杖
製作が進む観光川下り用の川舟
2021年06月05日
30 5項目で取り組み求める
 身障連定例の要望書提出  (串本町 )

 串本町身体障害者連盟の中野實会長が2日、田嶋勝正町長を表敬訪問し定例の要望書を提出した。

 同連盟は西暦奇数年に町長を来賓として総会に招いて要望書を提出する活動を続け、町は当事者の声として重んじ成果による応答に努めている。本年度は提出年に当たるがコロナ禍の情勢を考慮して総会を書面決議とし提出の場がつくれなかったため、会長が町長へ届ける形を取った。

 今回の要望事項は①歩道環境の整備(国道42号潮岬東口交差点~同西口交差点区間)②コミュニティバス運行(車いす利用者対応のリフト・車内固定器具付バスの導入など)③JR串本駅の物理的障壁の改善(町による駅員等による解決ではない環境整備の要請)④公的機関への手話通訳者配置(手話ができる職員の育成)⑤防災関係(要支援者に行き届く避難支援の具体化)―の5項目。

 中野会長は役場本庁~JR串本駅間の歩道環境改善や文化センタートイレの洋式化、コミュニティバス路線へのノンステップ車両導入など過去の要望事項の達成と要望に応える町の取り組みへの感謝を伝え、①の項目は建設課から国土交通省が対応に動き出すので事前に面会してほしいと要請を受けていることを報告した。

 他方、④は町職員内で手話対応ができる人材を育てること、⑤は要支援者対象の個別計画が有事の支援に確実に生かされるよう区長や自主防災会などと事前に話し合う場を設けることを特に期待して強調した。

(2021年6月5日付紙面より)

串本町身体障害者連盟定例の要望書を提出する中野實会長(右)=2日、串本町役場本庁
2021年06月05日
31 無理なく体を動かそう
 「社協のエクササイズ教室」  (太地町 )

 太地町社会福祉協議会は2日夜、同町多目的センターで「社協のエクササイズ教室」を開いた。町地域包括支援センター理学療法士の谷口徹さんが講師を務め、町内在住の参加者12人がストレッチに取り組むなどして汗を流した。

 教室は多種のエクササイズを通して健康障害の予防や介護予防を図ろうと毎月実施。ストレッチ、筋トレ、プール体操など、項目を変えながら行われている。

 この日のテーマは「からだのストレッチング」。冒頭で谷口さんは「筋肉は筋膜というもので覆われています。一方向に体を伸ばすより、筋膜の走行を考慮することで筋肉を解きほぐすことができる」と説明。注意事項の後、運動を開始した。

 参加者は全身や胴回り二の腕・脇腹、肩甲骨、体側など計8種類のストレッチを実践。谷口さんの手本を見ながらゆっくりと体を反らし、熱心に取り組んだ。

 3回目の参加という50代の女性は「元々、硬いこともあって少し痛かったですが、楽しく体を動かすことができた。難しい動作ではないので、時間を見つけて自宅でも実践してみたいと思います」。

 谷口さんは「集中して取り組む姿が見られました。体を伸ばすべき場所は人によってさまざまで、無理のない動きを行うことが大切。継続して実施し、健康づくりにつなげていってもらえれば」と話していた。

(2021年6月5日付紙面より)

「体側」のストレッチに取り組む参加者=2日夜、太地町多目的センター
2021年06月05日
32 紫陽花園のアジサイ六分咲き
 30日まで開放、熊野那智大社  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は、境内にある紫陽花(あじさい)園を1日から30日(水)まで開放している。園内のアジサイは現在六分咲きを迎え、参拝者の目を楽しませている。開放時間は午前8時30分から午後3時30分まで。

 大社によると、境内のアジサイは1960年頃から栽培を始め、職舎付近や参道、車道沿いに植えられている。現在は2000株ほどが自生しており、ガクアジサイ、ヤマアジサイ、タマアジサイなど十数種類がある。

 例年は14日に営まれる「紫陽花祭」後に一般開放されるが、今年は花の咲きが早いことから1日からの開放となったという。

 大社の神職は「今年の花の咲きは早い。花の状態も例年並みに良いと思う。ぜひ、ご参拝にお越しの際はアジサイを楽しんでいただけたら」と話している。

 紫陽花園は大社の大鳥居下の階段を降りた参道横にある。

(2021年6月5日付紙面より)

紫陽花園のアジサイが見頃を迎えている=3日、那智勝浦町の熊野那智大社

大社周辺にも多くのアジサイが咲いている
2021年06月05日
33 連名の功労者表彰受ける  少年補導員の森俊二さん  (串本警察署 )
2021年06月05日
34 地域と一体で盛り上がる  出雲小学校で連合運動会  (串本町 )
2021年06月05日
35 宿泊避難支援事業活用を  新宮市  
2021年06月05日
36 住宅リフォーム助成事業など  6月定例会提出の議案説明  (新宮市 )
2021年06月05日
37 ボウランが開花  熊野速玉大社のオガタマノキ  
2021年06月05日
38 ごみ分別や仕事を学ぶ  市野々小3、4年生が社会科見学  (那智勝浦町 )
2021年06月05日
39 ぶつぶつ川で生き物探し  下里小3年生が郷土学習  (那智勝浦町 )
2021年06月05日
40 3年生がオンラインで初交流  パソコン通じて自己紹介  (相野谷中←→尾呂志学園中 )
2021年06月05日
41 交通安全活動の推進を評価  成川小「交通安全優良学校」に  (紀宝地区安協 )
2021年06月05日
42 お悔やみ情報
  
2021年06月05日
43 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第35回】スーパーは食育の宝庫!  

 夕飯のお買い物、子どもと行くこともあると思いますが、どんなことに気を付けていますか? 私はスーパーマーケットは食育の宝庫だと思っています。小さい頃はスーパーでいろんなお話をすることをお勧めします!

 まず、一番簡単な食育は商品について話すことです。今は通年出回るものが多くなった野菜でもやはり旬のものは、目立つところにあったりたくさん置いてあったりしますよね。「春だから、緑のものがたくさんあるよ」とか、「春は山菜が採れるんだよ」とか、「夏だからスイカがあるね~」など、果物でも野菜でも、季節を教えてあげるきっかけになります。旬に食べるととびきりおいしいことや値段が安く買えること。旬に食べると栄養が豊富なことなども教えてあげてください。「これもたくさんあるけど、春の野菜なのかな?」と一緒にスマホで調べたりするのもいいですね。お母さんから聞いたことより、一緒に調べたものの方が、印象に残るかもしれません。

 それ以外にも「おいしそうなものを選んで」と、子どもに選んでもらうのもいいと思います。色がきれいなもの、みずみずしいものを選んでもらってください。おいしいものを選ぶポイントを教えてあげるとさらに食育になります。

 キュウリなら、トゲがしっかりしているもの。春キャベツなら軽くてふんわりしているもの。冬キャベツなら重いもの。お魚なら目がきれいなものなどおいしい食材の見分け方はたくさんあります。こういったコミュニケーションは食材を選ぶ力を養ってくれます。

 さらに私の一押しは献立を相談することです。例えば、メインが唐揚げなら「唐揚げと一緒に食べるのは他にはどんなおかずがいいかな?」といった具合です。「お肉はあるから、お野菜がいいね」などヒントをあげるのもいいですね。こういったやりとりで、バランスの取れた食事を意識することを覚えてくれます。

 「緑の野菜は買ったけど、赤がないね」とか「野菜とお肉はあるけど、他に何があったらいいかな?」などの問い掛けも食育になります。食意識を高めて、食卓に関わることで食べるものも増えると思います。楽しんで食べてもらうには、食材や料理に興味を持って参加することがとてもいいといわれています。自分で選んだ食材や自分がよく知っている食材、自分で考えた献立は、ただ食卓に受動的に並べられたものとはまた違うものとして映ると思います。

 食卓で食べるときは「これは○○ちゃんが選んだやつだよ」「○○ちゃんが選んだものはおいしいね」などと、話してあげてください。きっと子どもたちはとてもうれしく楽しく感じるはずです。

 楽しんで食事をするというのは何も特別なことは必要ありません。ただ、家族の一員として、受け入れられているという認識を与えることが重要です。ぜひ身近なスーパーマーケットから、食育を始めてみてはいかがでしょうか?

(2021年6月5日付紙面より)