ニュースアーカイブ|ARCHIVES
アーカイブ検索で表示されるグレーのリンクのない記事については、熊野新聞紙面をご覧ください。
ご購読のお申し込み
過去2年分の熊野新聞は、
SHIMBUN ONLiNE
でご購読頂けます。
新聞オンライン(電子新聞)
カレンダー検索:65件の記事がありました
【検索ステータス】 
2021年02月28日
1 文化推進の取り組みなど評価
 神倉小運営協議会が文科大臣表彰  (新宮市 )

 新宮市立神倉小学校の運営協議会(下岡輝子会長)がこのほど、令和2年度「地域学校協働活動」推進に係る文部科学大臣表彰を受賞した。25日に文部科学省旧文部省庁舎講堂(東京都千代田区)で開催された表彰式にオンラインで出席。下岡会長は表彰状を手に「関わっていただいた皆さんのおかげ」と喜びを語った。

 文科省では、公民館および地域学校協働活動のうち、特に事業内容・方法などが他の模範と認められるものに対し、「優良公民館表彰」と「『地域学校協働活動』推進に係る文部科学大臣表彰」を行っている。

 本年度の文部科学大臣表彰被表彰活動は、同協議会を含めて全国で111活動。同協議会は学年の発達段階に応じ地域の文化を推進する取り組みを実施していることなどが評価された。

 子どもたちに市の歴史や文化を学び愛着を持ってもらおうと、2019(平成31)年2月の「御燈祭(おとうまつ)りの授業」を皮切りに「ヤタガラス子ども未来プロジェクト~ふるさとの未来を託せる子どもの育成~」をスタートさせた同協議会。

 以降も「ふるさとへの思いの醸成」と「コミュニケーション能力の向上」の二つを目標に定め、保護者OBやボランティア有志、教職員らの協力のもと、郷土の文化や歴史について子どもたちが学びを深めるための活動を実施。これまで▽仲之町商店街を知ろう▽たいまつ・わらじ作り▽地元の伝説を学ぶフィールドワーク―などのサポートを展開してきた。

 下岡会長、大田講平・石原貞代両副会長は26日、市役所を訪れ田岡実千年市長に受賞を報告。「あくまでも通過点。これからも継続して取り組みを進めていきたい」と口をそろえた。

 田岡市長は「地域の歴史や文化を肌で感じることができる素晴らしい取り組み」と活動をたたえ、「GIGAスクール構想などITが進む中でも、基本的に大事なのは生きていく力。困難な中にあっても元気に頑張れる力の醸成にも寄与しているのでは」。

 同校の藪中秀樹校長は「学校だけでは手が回らない。協議会をはじめとした皆さんの協力を得て、同じ方向に向かって活動ができている」と感謝を示した。

(2021年2月28日付紙面より)

文部科学大臣表彰を受賞した協議会の皆さん=25日、新宮市立神倉小学校
田岡実千年市長(中央)に受賞を報告した=26日、新宮市役所
2021年02月28日
2 一年の総括受け意見交換
 警察署協議会定例会議  (新宮警察署 )

 本年度1回目となる令和2年度新宮警察署協議会定例会議が25日、同署で開かれた。𦚰口光太郎会長ら委員が出席。令和2年度の総括と3年度の取り組み方針を聞き意見交換をした。

 警察署協議会は管轄区域内の地域安全や警察署の業務運営について住民の声を代表する委員から意見を聞き、より良い運営を検討する機関。県内14署に設置されている。

 𦚰口会長は署員への敬意を示し、昨年10月に開催された「和歌山県・警察署協議会・代表者会議」に出席したことを報告。

 コロナ禍で開催が困難な状況において、当会議も本年度最初で最後となったことに触れ「有意義な会議にしたいと思っている。委員の意見を参考に、引き続き管内住民の安心安全のために活動を」と呼び掛けた。

 小畑博昭署長は、昨年の県内の治安情勢について、刑法犯認知件数は3899件で前年比マイナス464件と大幅に減少し、人身交通事故は1585件で前年比マイナス274件と、ともに2002(平成14)年から19年連続で減少していると説明。

 死亡事故に関しては18件(前年比マイナス15件)で、全国的に見ても鳥取県(17件)に次ぐ2番目に低い数字であることを紹介し「当署でも管内に応じた取り組みを推進し、交通死亡事故や特殊詐欺事件の発生をゼロに抑えることができた。県警の大きな目標に貢献できたと感じている」。

 現在の状況については「昨年はコロナの影響で警察活動も制限され、行事や啓発活動などが延期・中止となった。現在も終息が見えず、社会情勢も急変している。適切に警察業務を推進していく上で新たな課題も生じている」と述べ、さらなる協力を求めた。

(2021年2月28日付紙面より)

委員、新宮警察署長や各課長らが出席した会議の様子=25日、新宮警察署
2021年02月28日
3 現状や予算を議論
 広域市町村集まり会議  (新宮・東牟婁 )

 新宮広域圏公設地方卸売市場の管理運営を行う新宮周辺広域市町村圏事務組合議会(議長・堀順一郎那智勝浦町長)はこのほど、新宮市広域圏地方卸売市場で令和3年第1回定例会を開いた。そのほか、東牟婁郡町村新宮市老人福祉施設事務組合と紀南学園事務組合の議会が開かれ一般会計補正予算や一般会計予算、特別会計予算などが議論された。

  □     □

■青果物・水産物について



 事務局は2020(令和2)年度の青果物の取扱量について、1527㌧(昨年対比3・4%減、54㌧減)で、取扱高が5億7134万9000円(5・7%増、3088万1000円増)と報告した。青果物の8月以降の状況については、昨年取引が縮小傾向となり課題であった量販店や大手スーパーについては営業努力や充実した内容によって取引増につながったと説明。売り上げが上がった要因として「巣ごもり消費」「猛暑や大雨などの天候の影響から作物が品薄になり、相場高で推移したこと」と述べた。

 那智勝浦町産の「くろしおイチゴ」が昨年より1カ月早く出荷されたことや順調な入荷により、果実の取扱高は昨年を大きく上回った。

 水産物については、海水温の関係から旬の魚の入荷が少なく、鮮魚は昨年対比で毎月売り上げを落とす状況と報告。新型コロナウイルスによって飲食店や宿泊施設の利用客が減り、小売店との取引が減少しているとした。

 コロナによる生鮮食料品への影響から取扱高の低迷も予想されるが、じゃばらいずや関係機関と協力し、インターネットを活用した場外取引の推進に取り組んでいると話した。

 事務局は▽人口減少に伴う個人消費の減少▽市場外流通の拡大による取扱高の減少▽開設35年を迎えた同市場の老朽化対策―などを挙げ、市場の機能を担う卸売業者の経営も厳しくなっていると主張。

 同市場が安定的な経営のための戦略の策定が必要とし、経営状況の把握・分析を行い、財政計画を中心とした国が求める経営戦略を作成したとし、計画期間は令和3年度から12年度の10カ年であると述べた。

 令和3年度の一般会計予算は前年度より26万2000円減の632万円を計上、全ての議案が可決された。

  □     □

■東牟婁郡町村新宮市老人福祉施設事務組合「南紀園」について



 公文書の開示に関する条例の制定の議案では、議員から制定理由が問われた。事務局はこれまで制定していなかったことや、関係市町村の住民から職員数などについて3件の請求があったためと答弁した。

 経営状況について事務局は、独立採算が難しい状況にあると説明。2018(平成30)年度と比較し、収入増となったが、これまで以上に収入増に努力しながら、コスト削減に取り組んでいくと報告した。

 経営の基本方針として、今後は人件費を含めた抜本的な経営改善に取り組み、社会福祉事業に求められる安定的な継続性の担保とサービスの質の向上を目指し、利用者により一層の安心・安全なサービス提供を行っていくとした。

 今後の目標としては▽職員の給与費削減▽委託費の見直しを図る▽運営費用削減を行う―ことで収支ギャップの改善を図り、黒字化を目指していくと説明。

 令和3年度の一般会計予算は1723万9000円減の4億8136万9000円を計上し、可決された。

  □     □

■紀南学園事務組合



 管理者の田岡実千年新宮市長はコロナの影響で児童・生徒が学園屋内で過ごす時間が多くなっていることや、多額の寄付金、食材、家電製品などの寄付があったと説明。

 令和2年度から設計を進めている園舎の改築については、令和5年度の完成を目指していることが報告された。

 一般会計予算は3004万4000円減の1億1962万1000円を計上。全議案が可決された。

(2021年2月28日付紙面より)

各市町村が集まり議論された=新宮市広域圏地方卸売市場
2021年02月28日
4 セカンドライフでボランティアを
 男性限定交流会に23人  (紀宝町 )

 紀宝町ボランティア・市民活動センター(神園敏昭運営委員長)による男性限定交流会が25日、町福祉センターであった。「mottoひょうご」事務局長の栗木剛さんがオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使って兵庫県から生中継で講演し、男性ボランティアのきっかけづくりを伝えた。

 ボランティア活動の地域デビューを応援する企画。町内外のボランティアグループなどに所属する23人が参加し、町内二つのボランティア団体が活動紹介した。

 約20年前から児童生徒の見守り活動を続けている「神内こども見守りサポーター」の登立節雄さんは「10人ほどで登校時の児童生徒の見守りをしている。児童と一緒に歩いて見守りしている人もいて、ボランティアとして無理せず続けている」。

 料理教室とおもちゃ病院の活動をする男流ボランティア「ダンボ」の石井基視さんは「料理は毎回おいしい。おもちゃ病院は電気のプロが3人いて、子どもたちの喜ぶ姿を励みに頑張っている」と話した。

 「ボランティアを通じたセカンドライフの過ごし方」をテーマに栗木さんは「定年後の悠々自適生活は30年前の話で、今は人生100年時代。セカンドライフを充実させることは、自身や地域のためになる。男性をボランティアに巻き込んでいくことが重要になる」と話した。

 男性をボランティアに誘う際は「家を出る・出会う・話す」から始め、選択肢の一つとしてボランティアがあることを伝えてほしいとし、「好きなことから取り組もう」とハードルを下げて誘うことが必要とした。

 「趣味からボランティアに発展することで『生きがい』になる。セカンドライフは第二の人生ではなく、第二の路線。皆さんが仲間を増やす種まきをしましょう」と呼び掛けた。

 参加者は四つのグループで活動を紹介し、「誘われて楽しかったら続けてくれると思う」「男性はシャイなので、新しい世界に飛び込むことは難しい。趣味を生かしたボランティアならいいのでは」「男性の特技を生かせる仕組みづくりが必要」などと発表した。

(2021年2月28日付紙面より)

ズームを通じて栗木剛さんの話を聞く=25日、紀宝町福祉センター
2021年02月28日
5 自分らしく生きるために  「エンディングノート」上映会  (新宮市 )
2021年02月28日
6 「小学校で待っているね」  南大居保育所で交流会  (那智勝浦町 )
2021年02月28日
7 町を巡ってスタンプラリー  下里保育所が卒園遠足  (那智勝浦町 )
2021年02月28日
8 田の崎・日だまりウオーク  南紀熊野ジオパーク  (串本町 )
2021年02月28日
9 木本普通科は1.10倍  三重県立高校入試後期志願状況  
2021年02月28日
10 親子で「ひなまつり」  さくらんぼ&子育て支援セ  (紀宝町 )
2021年02月28日
11 英語で「お店屋さんごっこ」  うどの幼稚園で保護者参観  
2021年02月28日
12 目標定め大人の自覚を  城南中学校で立志式  (新宮市 )
2021年02月28日
13 お悔やみ情報
  
2021年02月16日
14 日本クマノザクラの会が発足 正確な情報を広く発信へ (設立総会)

 国内で約100年ぶりに新種と確認された「クマノザクラ」の利活用や保全活動を目指す「日本クマノザクラの会」が発足した。個人、団体を含む76人の会員が連携して和歌山、三重、奈良の3県にまたがる自生地で広域的な活動に取り組む。正確なクマノザクラの情報を発信するため、ホームページ(kumanozakura.jp)を開設した。3月上旬にはリーフレットを作製する予定だ。

 クマノザクラはバラ科サクラ属の樹木で、2018(平成30)年に新しく公表された野生種。紀伊半島南部の3県に分布し、早咲きで花が美しいことから観賞用の利用が期待されている。

 発見、命名した森林総合研究所多摩森林科学園チーム長の勝木俊雄さんによると、ほとんどが山林に自生しており、花びらはピンク色。海岸部、山間部で違いはあるものの、ソメイヨシノより少し早い2月下旬から3月中下旬に開花する。

 14日には、紀宝町の町福祉センターで設立総会があり、会長に勝木さん、副会長にNPO熊野さくらの会理事長の田尾友児さんを選出した。

 リモートを含む31人が出席。冒頭、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使って東京から参加した勝木さんが「クマノザクラの魅力は美しさにある。すでに観光目的の植栽が始まっており、地域の経済発展に生かすことができる。今後、会員の皆さんと一緒に活動を考えていきたい」とあいさつした。

 来賓の西田健・紀宝町長は「皆さんと連携して多くの方々にクマノザクラの良さを知ってもらい、名所として地域の起爆剤になることを願っている」と祝辞を述べた。

 議事では役員を選出したほか、会則、事業計画案、予算案を審議し、採択した。本年度はNPO法人化の準備・手続きや、新型コロナウイルスの感染状況に応じて観察会、講習会、講座の開催などを計画した。クマノザクラの鉢植えを貸し出し、その良さもアピールする。

(2021年2月16日付紙面より)

設立総会に出席した会員の皆さん=14日、紀宝町の町福祉センター
古座川町にあるクマノザクラのタイプ木(日本クマノザクラの会提供)
2021年02月16日
15 企画重ねて「自分事」化促す
 ロケット事業「宇宙ウイーク」  (串本町 )

 串本町が12日から14日までの3日間、役場古座分庁舎などでロケット事業「宇宙ウイーク」を実施した。

 ロケットによる町民総参加の振興の第一段階「ロケットを自分事にする」を担う同事業は本年度、観光庁「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業の適用を受けて展開。「宇宙ウイーク」は先んじて取り組んだ町民向けロケットワークショップ(WS)に続く公開行事で、12日は関係者向けのビジネスデー、13、14日は町民向けの一般公開日としてさまざまな企画を展開した。

 12日午前はオープニングセレモニーとして、町独自作成のロケットロゴマーク2種類を発表し、漫画「宇宙兄弟」の作者・小山宙哉さんの公式ファンクラブ・コヤチュー部プレミアムが応援の意を込めて単行本全巻(現38巻)3セットや小山さんのサイン入り「宇宙兄弟×串本町コラボレーションポスター」を、小山さんのビデオメッセージを添えて贈呈した。

 午後は同事業の委託を受けるUSPジャパンの榎坂伸也さんをファシリテーターとしてトークショーを実施。ファムトリップで来町中のアメリカ人ジャーナリストのロブ・シュワルツさん、小山さんの代理で株式会社コルクの小室元気さん、地元を代表して役場企画課の濵地弘貴課長と南紀串本観光協会の宇井晋介事務局長がパネラーとして登壇した。

 テーマは「2025年の串本町の姿」。濵地さんは小型ロケット発射場誘致の経緯、宇井さんは観光需要の変遷を踏まえてどのような活用を見据えているかを語り、外部からの視点でシュワルツさんは訪日外国人観光客対応のさらなる充実の必要性、小室さんは宇宙兄弟関係グッズの売れ筋と作成時の視点を紹介して地元の振興の挑戦を後押しした。

 榎坂さんは、2025年は遠くではなく少し未来の話であり、このショーを4年後の串本をどうしたいかを考えるきっかけにすることを呼び掛け。最後に濵地さんは「必ずや皆さんの活性化と笑顔につなげることを約束する」と誓い締めくくった。その後は南紀串本観光協会ガイド部会による宇宙ガイドWSもあった。

 12日と13日は午後6時から田原で建設中の小型ロケット発射場の射点そばからサーチライトを照射。一般公開日は午前10時~午後3時に、入場無料で随時来場を受け付けた。翌15日以降は町立小中学校を対象にした見学の受け入れもし、さらに公開の裾野を広げている。同課によると、寄贈の単行本3セットのうち1セットは来夏の新庁舎移転以降に宇宙振興拠点となる同分庁舎、残り2セットは同町図書館で所蔵する。別途、町立小中学校の全図書室に単行本を入れて児童生徒が手軽に読める状況を目指している(実現は来夏の見込み)ことも同ショーの中で明かした。

(2021年2月16日付紙面より)

13日午前実施の南紀串本観光協会ガイド部会による宇宙ガイドWS
12日午後実施のトークショーの様子
宇宙航空研究開発機構貸与の宇宙関係資料〈模型群〉
小型ロケットの実物大懸垂幕。今後も必要時に掲げて活用するという
橋杭岩越しに見た射場付近からのサーチライト照射
町独自のロケットロゴマーク2種類
スペースワン貸与の最新版「スペースポート紀伊」射点付近ジオラマ
12日午前実施の漫画「宇宙兄弟」の単行本やポスター寄贈
2021年02月16日
16 駅に待機し地域の魅力発信
 大辺路コンシェルジュ  (那智勝浦町 )

 世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会(会長=堀順一郎・那智勝浦町長)は12、13、14日の3日間、串本町と那智勝浦町間の14駅に「大辺路コンシェルジュ」を配置し、JRの利用客などに熊野古道「大辺路」や地域の魅力を発信した。

 大辺路コンシェルジュは大辺路を愛する地元ボランティアの「なちかつ古道を守る会」(以後、守る会)「熊野那智ガイドの会」(以後、ガイドの会)、「大辺路刈り開き隊」の会員がJR和深~紀伊田原駅、紀伊浦神~那智駅に滞在し、熊野古道「大辺路」に興味のある人やウオークを楽しみに来た人々を迎えるもの。

 JRの利用促進に務めるとともに、「大辺路アクセス・ルートマップ」や「お散歩まっぷ」を用いて交流しながら、古道と地域の魅力を伝えることが目的だという。

 那智勝浦町ではJR浦神、下里、湯川駅を守る会が、紀伊勝浦、紀伊天満、那智駅はガイドの会が担当した。

 最終日の14日、那智駅ではガイドの会の宇保英生さんが駅利用者などに声掛けをし、資料などを配布していた。宇保さんは「興味のない方にも大辺路を知っていただいた。那智浜や補陀洛山寺なども案内しました」。

 山東健会長は「大辺路を知らない方も多かったが良い反応もあった。この機会を通じて今後は大辺路の魅力を広げていきたい」と話した。

 湯川駅では守る会のメンバー5人が周辺の案内や見送りに加え、電車が到着するまでの空き時間を利用してトイレ清掃や駅ホーム、駐車場などのごみ拾い、花壇整備にも取り組んだ。

 小松隆幸さんは「訪れた方が気持ち良く過ごしていただけることが大事。また来たいと言ってくれた人も多かった」。

 太田耕二代表は「今回は仕方ないが、夏休み時期ならもっと反響があったと思う。このモデルを今後、行政がどうやって引き継いでいくかが課題では」と語った。

 同協議会のプロジェクトマネージャーの齊藤滋さんは開催時期や新型コロナウイルスの影響から催しへの参加者数は想定より少なかったと説明。

 しかし、運営に協力した各団体や参加者、通勤・通学する地元住民らの、大辺路と周辺地域への魅力再認識や意識の向上、JRの利用促進が大きな成果だと述べた。

 齋藤さんは「参加団体の皆さまには感謝しています。アクセス・ルートマップや各お散歩まっぷを集めたマップ集も成果物として残る。継続していく基盤はできたと思う」と語った。

(2021年2月16日付紙面より)

交流図り熊野古道や地域の名所を説明した=14日、那智勝浦町のJR湯川駅
子どもたちにも資料を配り魅力を伝えた=同日、JR那智駅
2021年02月16日
17 総合1位になるのは誰?
 5児童館でチャレラン大会  (新宮市 )

 新宮市の中央、くろしお、下田、橋本、浮島の5児童館で13日、チャレンジランキング大会が開かれ、子どもたちが「紙ひこうきゴルフ」と「文字探し」に挑戦した。

 チャレランとは、子どもたちがさまざまなゲームに挑戦し、記録やランキングを競う活動。例年は児童が1カ所に集まって開催するが、今年は新型コロナウイルス感染症対策のため5児童館に分かれて同じゲームをし、20日(土)に総合順位の発表と表彰を行う。

 今回の競技は、紙飛行機を5㍍先の地点に向けて飛ばして近さを競う「紙ひこうきゴルフ」と、400文字の中にある「い」の字を30秒以内に何個見つけられるかを競う「文字探し」の二つ。

 床や多目的トイレ、LED照明など内部の改装工事を終えて9日から開館した浮島児童館では、近隣の児童5人が参加。真っすぐに飛ばない飛行機に一喜一憂し、悔しがる様子も見られた。この日は同館で30年以上続く高田優子さんによる料理教室もあり、児童6人がクリームチューを作って持ち帰った。

 両方に参加した前山百花さん(王子ヶ浜小3年)は「浮島児童館には料理やバドミントン、茶道、習字などの習い事でよく来ます。改装して床などがきれいになった。紙ひこうきゴルフでは、2位か3位になれたらいいな」と話していた。

(2021年2月16日付紙面より)

「紙ひこうきゴルフ」で一喜一憂=13日、新宮市の浮島児童館
「文字探し」にも挑戦
2021年02月16日
18 役立つテクニック学ぶ 仕事で使えるExcelセミナー (広域商工会東牟婁協議会)
2021年02月16日
19 理解深め町づくりに生かす  小野さん招き認知症研修会  (太地町 )
2021年02月16日
20 カワヅザクラが開花  那智山の杉並木を背景に  
2021年02月16日
21 御弓行事や剣道形を奉納 下里神社で「御弓祭」 (那智勝浦町)
2021年02月16日
22 運動方針など満場一致で  三重建労紀南支部が第52回定期大会  (熊野市 )
2021年02月16日
23 地域の安全と繁栄願う  井田神社で「祈年祭」  (紀宝町 )
2021年02月16日
24 当初予算約7882億円に  17日の県議会本会議に提出  (三重県 )
2021年02月16日
25 不審者想定して避難訓練  教職員は刺股の使い方確認  (神内小 )
2021年02月16日
26 県内で特殊詐欺被害相次ぐ  高齢者見守り隊が啓発  (紀宝町 )
2021年02月16日
27 お悔やみ情報
  
2021年02月14日
28 区民の安心安全のため
 佐野会館にサーマルカメラなど設置  (新宮市佐野区 )

 「区民が安心して住めることが一番大事」―。新宮市の佐野区(前田道春区長)では、新型コロナウイルス感染症対策として12日、佐野会館に自立スタンド型測定センサー「サーマルカメラ」とドア取り付け型測定センサー「サーモゲート」を設置。利用者や区民が安心して会館を使用することができるための取り組みが進められている。

 今年に入り、新宮保健所管内で新たに感染者が確認された新型コロナウイルス。コロナの影響で昨年は半分以下となったものの、年間で2万人以上の使用実績があるほど利用者が多い同会館。同区はそういった会館の現状やコロナの情勢を鑑み、地域住民の不安を払拭(ふっしょく)するために設置を決定した。

 この日は会館入り口にサーマルカメラ1器、会議室や多目的室、大広間などの入り口にサーモゲート4器を取り付けた。サーマルカメラは新宮市庁舎などに設置されているものと同タイプで、37・5度以上を検知した場合、アラーム音で通知される。また、マスクを着用しないと検温することができない仕様となっている。

 利用者は会館や会議室入り口で人手を介さずに発熱の有無を素早く検査することができるほか、各部屋ごとに一度に多くの利用がある場合にも迅速に対応でき、また会館入り口での測定検温忘れの人にも対応することが可能となる。設置後には早速サーマルカメラで検温する会館利用者の姿があり「便利でいい」「すぐに検温できる」などと感想を口にしていた。会館では他にも、自動アルコール噴霧器を設置し、会館使用に当たって検温・消毒や許可書の提出を義務付けるなどの対策を講じているという。

 新型コロナが国内にまん延し、全国的に緊急事態宣言が発出された昨年の4~5月。同区では「区として、区民のために何ができるか」を協議し、当時入手が困難だったマスクや消毒液の確保に奔走。区民の不安を少しでも和らげようと、区加入の約1200世帯と賛助区民に配布した。

 前田区長は「寄付金や熊本地震被災地への義援金など、区民はいろいろなことに協力してくれている。日頃の協力に対して少しでも還元することができれば」と思いを語り「区民や佐野会館を利用する人に『同会館はコロナ対策を十分にしている』と安心して利用していただければ」と話していた。

(2021年2月14日付紙面より)

安心利用のためにサーマルカメラを設置した=12日、新宮市の佐野会館
各部屋ごとに設置したサーモゲートを紹介する前田道春区長
2021年02月14日
29 コロナ対策など報告
 新宮市議会総務建設委員会  

 新宮市議会の総務建設委員会(福田讓委員長、7人)が12日、市役所であった。各担当部からの所管事務報告が行われたほか、市が行うプレミアム付共通商品券や国の第3次補正予算案などについて議論が交わされた。

 報告では熊野川行政局から空気清浄機購入に関する入札の内容が、消防本部からは令和2年1月から12月までの管内の災害出動状況や昨年12月にあけぼの地区で発生した火災の詳細が、水道事業所からは令和2年度の入札、企画調整課からは熊野川町のデマンドタクシーについて報告があった。

 商工観光課は12月に国際交流員の任用を開始したことや、和歌山大学と高田中学校がオンライン交流会を実施したこと、プレミアム付共通商品券の経過について説明した。

 委員は、使用期限が迫る1月末時点でプレミアム付共通商品券の販売率が約60%であることに触れ、どの業種で使用され、期間の延長ができるのかを質問した。

 当局は「新型コロナウイルス感染症の交付金のため、今年度内での完了となっている。現在は考えていない」とし、市商工会議所からの速報値では飲食店が20%、日用品や食料品で20%であると答弁した。

 委員は、商品券の発行は店舗側が喜んでいると評価するとともに、紛失した際の再発行についても提案した。

 また、国の第3次補正予算案の交付金額の約2億6600万円にも触れ「安全対策などの支援策もしっかりやっていただきたい」と言及した。

 そのほか、委員は▽舗装に関する入札について、公正な競争入札が必要▽串本町で発射予定のロケットをクルーズ船で楽しむ商品開発▽感染症対策室の利用状況▽選挙投票率の低迷対策として移動期日前投票―などについて問うた。

(2021年2月14日付紙面より)

総務建設委員会が開かれた=12日、新宮市役所
2021年02月14日
30 名所巡るバスツアーも提案
 1年生が「地域を学ぶ」発表会  (矢渕中 )

 紀宝町立矢渕中学校(竹原巧校長)の1年生74人は9日、同校体育館で「地域を学ぶ」の発表会に挑んだ。7グループが昨年12月から町内の名所や歴史などを調べた成果を披露した。

 これまで、1年生は町学校支援本部「元気キッズ」の協力を得て「地域に学ぶ」の授業で、地区住民から生け花、手話、陶芸、書道、茶道、地域の踊りなどを学んできた。

 本年度は新型コロナウイルスの影響で中止となり、自ら学習する「地域を学ぶ」に切り替えた。1年生はフィールドワークで町内の神社や海岸、観光施設などを訪れ、魅力を発見した。

 この日は、学習のまとめの場で、バスツアーや神社、特産品、ジオサイト、町の変遷、古文書を調べた各グループが発表した。バスツアーを企画したグループは、朝日が見える井田海岸を出発し、ウミガメ公園、鵜殿城跡、神内神社、田代公園、京城跡(みやこのじょうせき)、大里親水公園、三反帆(さんだんぼ)、飛雪の滝といった町内の名所を巡るコースを提案した。

 烏止野(うどの)神社、貴祢谷(きねがだに)神社、中村神社を調べたグループは「烏止野神社を調べて思ったことは、いろいろな祭りがあって面白かった。最初は漢字すら知らなかったけど、調べてみるとちゃんとした由来があって地元のことについて知ることができた」と伝えた。

(2021年2月14日付紙面より)

「地域を学ぶ」の成果としてバスツアーを提案したグループ=9日、紀宝町立矢渕中学校
発表を聞く1年生の生徒たち
2021年02月14日
31 しばし勉強忘れて楽しむ  光洋中学校で全校レク  (新宮市 )
2021年02月14日
32 786点の版画を審査 本年度の展示は中止に (新宮・東牟婁)
2021年02月14日
33 安井裕美子さんが初出品  H&R和歌山串本で個展  
2021年02月14日
34 花少ない時季に彩り添える  佐藤さん宅のカワヅザクラ  (那智勝浦町 )
2021年02月14日
35 熊野川に石仏流れ着く  紀宝町北桧杖の祠に仮安置  
2021年02月14日
36 色とりどりに迎える  女性部がつるし雛で活動成果を発表  (JA伊勢紀宝支店 )
2021年02月14日
37 節分とひな祭り楽しむ  子育てサロン「ふれんZOO」  (紀宝町 )
2021年02月14日
38 出土した遺物を展示  鵜殿西遺跡の調査成果展  (まなびの郷 )
2021年02月14日
39 見る人に元気と勇気を  新木保でひな祭り発表会  
2021年02月04日
40 「鬼は外」で疫病退散 熊野三山で節分行事 

 立春の日が3日に移ったことから、124年ぶりに節分が2月2日となったこの日、新宮市の熊野速玉大社、那智勝浦町の熊野那智大社、田辺市本宮町の熊野本宮大社で節分行事が営まれた。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、各大社とも規模を縮小して斎行する中、境内には疫病退散を願い「鬼は外」の声が響いた。

  □     □

■熊野速玉大社



 熊野速玉大社(上野顯宮司)では、鬼を払う「追儺式(ついなしき)」と正月に飾ったしめ縄などを燃やす「お焚(た)き上げ(どんど焼き)」があった。3密を避けるため、鬼の登場や福豆・お菓子まきを取りやめるなどの対応を講じた。

 追儺式では、神職や神社関係者らが「鬼は外」と言いながら豆をまき境内を練り歩いた。お焚き上げでは境内に掘られた穴に参拝者らがしめ縄などを御神火がついたたいまつと一緒に投げ入れた。

 今年は、新型コロナの状況を鑑み「吉兆(きっちょう)」などの縁起物の郵送を希望する人が例年以上に多く、吉兆は当初予定より200本多く追加で制作したものの、同日午前10時ごろには完売したという。

 上野宮司は「無事に節分祭を終えることができ、この熊野地方にも春がやってくる。規模は縮小となったが伝統ある神事が斎行できて良かった。来年はコロナが終息し、盛大に豆まきができることを願っています」と話していた。

  □     □

■熊野那智大社



 熊野那智大社(男成洋三宮司)では節分祭と鬼追い追儺式があった。式には町立市野々小学校の児童を含む大檀那(だんな)=特別崇敬者=約50人が間隔を空けて参列し内庭で神事を営んだ。

 鬼の面を着けた役人役が福升の豆をまき、社殿鈴門の基礎石を鬼やらい用具で打ち、「家内安全、延命息災、家運隆昌(りゅうしょう)」と唱えた。

 境内では花薗龍人権禰宜(ごんねぎ)が、15㍍先の「鬼」と記した約1・5㍍の的を矢で射抜いた。豆まきでは男成宮司や大檀那らが感染症対策として、声を発さず神職の掛け声に合わせて豆まきを行った。

  □     □

■熊野本宮大社



 熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)では、神職や神社関係者らが参加し、節分祭と追儺式を執り行った。神事を縮小し、ビニール袋に入れた豆をまくなどの感染防止対策を講じた。

 追儺式では、神職と巫女(みこ)が豆をまきながら拝殿の回廊を3周。その後全員で「福は内、鬼は外、コロナ撲滅」と声をそろえて豆をまき、最後に九鬼宮司が疫病退散を願い白・赤・金色の3本の矢を空に向けて放ち鬼を追い払った。

 同大社ではコロナの撲滅や厄よけ開運のため、今月限定で鬼の面を形取った牛王(ごおう)宝印を授与している(初穂料2000円)。

(2021年2月4日付紙面より)

熊野速玉大社
熊野那智大社
熊野本宮大社
2021年02月04日
41 クマノザクラの苗植え替え
 高池小の3~6年生一丸で  (古座川町 )

 古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の3~6年生が2日、クマノザクラタイプ標本木から得た実生苗の植え替えに取り組んだ。

 この植え替えは、同町観光協会(須川陽介会長)と連携して展開するふるさと学習の一環。おととしの10月、同校と明神小の3年生(現4年生)が卒業記念植樹用にクマノザクラのタイプ標本木から得た種子から実生苗を育てる挑戦を始め、高池小はさらに4~6年生が赤玉土、腐葉土、培養土の各苗床に種子をまき、どの苗床がよく芽吹くかという実験を兼ねて3年生の実生苗作りに協力した。

 全てが順調に発芽しなかったものの、高池小は計23本の実生苗を得ることに成功。しかしその後の育苗も難しく、結果的に5本が1年目の成長を終えて残り、次の春を待つように休眠する状況にある。

 すでに苗床からポット、植木鉢へと2回の鉢上げをし、この日は3回目の植え替え作業。この学習の外部講師で長追在住の樹木医・矢倉寛之さんから植木鉢の仕立て方を教わり、以降は学年ごとに実生苗1本(実際に植樹する4年生は2本)を引き受け一回り大きな素焼きの植木鉢に植え替えた。

 最初の植木鉢は防虫ネットを敷いて培養土を入れたが、新しい植木鉢は防虫ネットの次に赤玉土を敷いて排水性をよくしてから実生苗を入れ周りに新しい培養土を詰め込んだ。4年生は風に揺れるほどか細い幹とは対照的に旺盛に伸びた根を大畑校長と一緒にじっくりと観察。限られた鉢の中で行き場を失い縦横無尽に伸びた根も一回り大きな鉢に移せばまたのびのびと広がり幹を大きくしてくれると植え替える意味を教わりつつ励んだ。

 矢倉さんは樹木医でもクマノザクラの育苗はまだ難しいことなどを伝えつつ、5本の実生苗を育てる児童を励ました。大畑校長はこれら実生苗を校内や学校から目につく場所に植樹する将来を思い描きつつ、今後はその時のためにみんなで大きく元気に育てることを児童に呼び掛けた。

 5本の実生苗は4年生の卒業記念植樹用。この日は植え替えに先立って3年生が同標本木前でクマノザクラ学習に取り組み、矢倉さんと一緒に赤玉土・腐葉土・培養土の各苗床に種子50粒をまいて自分たち用の実生苗を育てる第一歩を踏み出した。

(2021年2月4日付紙面より)

実生苗の根を観察し植え替えの意味を教わる4年生=2日、古座川町立高池小学校
植え替えを終えた児童を励ます矢倉寛之さん
2021年02月04日
42 地域活性化や発展に尽くす
 日本郵便と包括連携協定締結  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は2日、同町役場で日本郵便株式会社との「包括的連携に関する協定」を締結した。町と同社が人的・物的資源を有効活用することで住民サービス向上や地域の活性化などを目的とする協定で、和歌山県内では先月の太地町に続き、同町が8番目の締結となる。

 締結式には同社から吉田仁久紀南地区統括局長(椿郵便局長)、坂本雄哉那智部会長(太田郵便局長)、奥田隆昭紀伊勝浦郵便局長が、町からは堀順一郎町長、塩﨑圭祐総務課長が出席した。

 同社によると、協定は両者が業務に支障のない範囲で取り組むもので、他市町村との連携も進めているという。

 同町との連携事項は▽安心・安全な暮らしの実現▽未来を担う子どもの育成▽地域経済活性化▽地域住民の利便性向上―の4項目となっている。

 堀町長と同社を代表し、坂本部会長が署名を行い締結式は締めくくられた。

 吉田統括局長は「この地域は過疎化が続いていており、郵便局も何ができるかさまざまな模索を重ねている。この締結を皮切りに、互いに知恵を出し合って紀南地方の発展に尽くしたい」。

 坂本部会長は国が進める新型コロナウイルスのワクチン接種事業に触れ、「広報の関係などでもご協力できるならばしていきたい」と意欲を示した。

 堀町長は昨年のコロナ関連緊急経済対策事業の「那智勝浦まちなか商品券」の引き換え時の同社の協力に感謝を述べ、「本町は六つの町が合併してできた町なので行政区間が広い。住民サービスの向上のためにも郵便局さまにはご協力いただき、町を挙げて活性化を図り、共に発展していきたい」と話した。

(2021年2月4日付紙面より)

那智勝浦町と日本郵便株式会社が「包括的連携に関する協定」を締結した=2日、那智勝浦町役場
2021年02月04日
43 家内安全などを祈る
 東仙寺で節分星祭  (新宮市 )

 新宮市新宮の丹鶴山東仙寺(鶴田隆寛住職)で2日、「節分星祭」が営まれた。厄年の男女たちが集まる中、鶴田住職がご本尊・弘法大師の前で護摩供養を行い、信者たちの身体健康や家内安全などを一心に祈った。

 同寺は「東海白寿三十三観音霊場」の一番札所。星祭は、人がそれぞれ生まれた年によって持っている「本命星」の巡りが悪い人たちの災いが少しでも和らぐようにと祈る祭りで「星供養」とも呼ばれている。午後5時からは地域住民らが境内に掘られた穴で正月のしめ縄や松飾りなどを焼く「どんど焼き」が行われた。

 鶴田住職は「昨年に比べて、新型コロナウイルスの実態が少しずつ明らかになってきたかと思います。今年の干支(えと)である『丑(うし)』のように辛抱強く進んでいかなければならない。ストレスを抱えている方もいるとは思いますが、私たちの先祖が大正時代に流行したスペイン風邪を乗り越えたように、希望を持って毎日を過ごしていただければ」と話していた。

(2021年2月4日付紙面より)

ご本尊を前に護摩供養を行う鶴田隆寛住職=2日、新宮市の丹鶴山東仙寺
2021年02月04日
44 手分けして紙すきに挑戦  古座小6年生が和紙作り  (串本町 )
2021年02月04日
45 一部社寺で厄払い祈とう  2月最初の午の日迎えて  (串本町 )
2021年02月04日
46 リハビリテーションの町に  吉岡和泉医師が講話と面談  (那智勝浦町 )
2021年02月04日
47 アオノクマタケランの実  高野坂周辺で  
2021年02月04日
48 お菓子の雨に歓声  三輪崎保育園で初午行事  (新宮市 )
2021年02月04日
49 「鬼は外、福は内!」  保育園などで節分行事  (那智勝浦町 )
2021年02月04日
50 救急は1863件に  昨年の出動件数を発表  (熊野市消防本部 )
2021年02月04日
51 1月の感染者数896人  たびたび過去最多を更新  (三重県 )
2021年02月04日
52 和紙でランプシェード作る  井田小の5年生9人が  (紀宝町 )
2021年02月04日
53 「手巻きずし、おいしい」  節分の日に学校給食で  (紀宝町 )
2021年02月04日
54 コロナ禍への支援にも言及  「知事と市長の1対1対談」  (熊野市 )
2021年02月04日
55 お悔やみ情報
  
2021年02月03日
56 命の大切さ伝え続ける
 久保さんの紙芝居が英語訳に  (和歌山県土砂災害啓発センター )

 「As I looked around,I saw an unbelievable sight in the dusk.(うす暗がりの周りをよく見ると、何という光景だろうか。)」

 上記の一文は那智勝浦町井関の防災士で2011(平成23)年の紀伊半島大水害で夫を失い、自身も九死に一生を得た久保榮子さんが当時の体験を記した紙芝居の一部の抜粋だ。この紙芝居が英訳され、先月末より同町市野々の和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)で展示されている。

 同センターによると、新型コロナウイルス感染症流行以前はこの地を訪れる訪日外国人(インバウンド)が多かったことから、コロナ終息後の回復を見込み、世界各地の人々に同水害の詳細や災害の脅威を広く知ってもらうツールとして紙芝居の英訳を検討。県国際交流課の職員らが昨年英訳に取り掛かり、年明けに完成したという。

 さらに各所で防災講話を行う久保さんの様子を収めた動画にも英語字幕を付け、現在公開している。

 坂口所長は「大門坂は世界遺産なので毎年、海外の方も多くセンターに足を運んでくれている。観光客や日本に滞在する外国人の方々にも紀伊半島大水害があったことや、久保さんがいつも呼び掛けている『早めの避難』を知ってもらえたら」。

 久保さんの紙芝居を用いた防災講話については「講話に興味のある方や聴講したい方はセンターまでご連絡ください」と話している。

 久保さんは発生から今年9月で10年を迎える同水害に触れ、「近年発生している各地の災害から見れば紀伊半島大水害の規模は小さいかもしれないが人の命の尊さは変わらず大きい。早く避難すれば助かる命だったが当時は知る由もなかった。なくして初めてその大切さに気付く」と当時を回顧。

 英訳については「本当にありがたいこと。地球温暖化による災害も大きな問題となっている。この土地でこういった災害があったことを世界に発信していただくことは重要な意味があると思う」。

 13(平成25)年から始まった講話は昨年11月で65回を数えた。現在78歳の久保さんは「一人でも多くの犠牲者を出さないためにもあと10年を自分の最終章としてぼけずに、けがや病気なく100回目の講話を目指します」と笑顔で語った。

(2021年2月3日付紙面より)

久保榮子さんの紙芝居と動画が英訳された=1日、那智勝浦町の和歌山県土砂災害啓発センター
英訳された紙芝居や動画が公開されている
2021年02月03日
57 紀伊半島大水害7.71㍍まで浸水
 津波想定して避難場所も確認  (津本自主防 )

 今年は紀伊半島大水害と東日本大震災から10年の節目を迎える。「あれから10年」。今後は、当時の記憶や災害から得た教訓を後世に伝え、風化させないための取り組みが重要だ。

 紀宝町では紀伊半島大水害で1人が亡くなり、1人が行方不明となった。床上・床下浸水は2845棟に上るなど、甚大な被害があった。

 2011(平成23)年に発生した二つの大災害を教訓にしようと、紀宝町大里の津本地区自主防災会(谷口昌宏会長)は1月31日、大水害の記録を改めて確認し、津波に備える防災訓練を行った。

 同地区の深田運動場近くには、これまでの水害の最高(痕跡)水位を色分けして記録ポールに記している。ただ、数値が記入されていないことから、訓練の一つとして水没した高さを測った。

 保育園児から高齢者まで50人近くが参加。竹ざおで大水害時の水位を計測した結果、道路から7・71㍍まで浸水したことが分かった。台風や豪雨などで浸水被害が発生しそうな際は、その高さ以上に避難することを一つの目標にした。

 また、児童生徒の登下校時に地震が発生したと想定し、津波から逃げる避難場所を確認した。参加者は町防災マップ(津波編)を手に地区内を歩き、海抜20㍍以上で避難できそうな場所には目印として赤い旗を掲げた。

 防災マップによると、海抜6・8㍍の同運動場付近も津波の浸水が予測されている。

 谷口会長は「過去の事例から南海トラフを震源とする巨大地震は、いつか必ず発生する。地震が発生したら、子どもたちもいち早く逃げられるよう、安全な高台を見つけた。自分の命を守るために、自分の目で地区内を確かめてもらった」と話していた。

(2021年2月3日付紙面より)

竹ざおで大水害時の水位を計測=1月31日、紀宝町大里
2011年9月5日午前6時40分ごろに撮影した深田運動場付近
海抜20㍍以上の避難場所を見つけるための町歩き
2021年02月03日
58 折り紙の豆で鬼追い払う
 集会開いて節分に親しむ  (くしもとこども園 )

 豆まきなどをして邪気を払う慣習が根強く親しまれている立春前の節分。今年は2日がその期日に当たり、串本町や古座川町の多くのこども園や保育所で「鬼は外、福は内」の元気な声が響き渡った。

 近年は2月3日で続いてきた節分だが、今年は暦の加減で立春が1日早まったため、連動して節分も2日にずれ込んだ。国立天文台の発表によると、3日でなくなったのは1984(昭和59)年以来37年ぶりで前倒しになったのは1897(明治30)年以来124年ぶりという。

 串本町立くしもとこども園(美代取初美園長)は0~2歳児は各教室で、3~5歳児はさくら園舎のホールで節分の集会を実施。手作りした鬼の面をかぶって集まった3~5歳児は先生から節分のお話を聞き、鬼が嫌いな物としてヒイラギ・イワシの頭・豆があることや豆は年齢に1を足した数を食べること、恵方巻きは節分の神様がいる方を向いて食べることなどを教わった。

 その後は裃(かみしも)を羽織った美代取園長による豆まきを「鬼は外、福は内」の掛け声で応援。折り紙で作った豆を投げて鬼の人形を倒すミニゲームで気持ちを高めている時に鬼が乱入し、102人一丸で捕まらないよう逃げ回りつつ折り紙の豆を投げつけて追い払った。鬼がいなくなったところへ福娘が登場し、鬼退治を頑張った3~5歳児にお菓子を分けてたたえた。

 美代取園長は「今日はみんなの心の中の鬼も払って福ももらった。明日からも元気にこども園に来てね」とすがすがしい気持ちを後押しして締めくくった。

(2021年2月3日付紙面より)

乱入した鬼を折り紙の豆を投げて追い払う園児=2日、串本町立くしもとこども園
2021年02月03日
59 車いすの大変さ学ぶ
 神倉小で福祉体験講座  (新宮市 )

 新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で1日、同市社会福祉協議会による「福祉体験講座」があった。6年生83人が市民ボランティアの宮本実さん(65)から車いすの使用方法などの説明を受けたほか、乗車体験を通して福祉を考える一助とした。

 車いす利用者の気持ちを理解し「自分たちにできることは何か」といった思考を醸成するとともに、体験を通して普段の生活における気付きや福祉に対する意識付けを目的に市内の小・中・高等学校を中心に講座を開いている。

 宮本さんは児童らに「車いすは足の不自由な人のほか、体全体に障害のある人、体幹障害のある人、そしてお年寄りの方も使用します」と話し、車いすの開き方や閉じ方をはじめとした使い方を紹介。段差の降り方や溝の越え方、方向転換の方法やスロープの降り方などを細かく説明した。

 3人組になった児童らは、「押す人」「乗る人」を交代しながら車いす体験。宮本さんの指導を受けながら体育館内に設置されたポールや段差に挑み「怖い」「(車いすが)重たい」などと感想を口にしながらその困難さを実感した。

 1組の小笠原煌貴(こうき)君(12)は「最初は不安で怖かったけど、最後は押してくれる人に対して信頼感が出てきた。車いすに乗る人も押す人も大変だと改めて感じました」。

 講座を終え、宮本さんは「困難を抱えている人に会ったときは声を掛けてあげてほしい。本当に大変だということを知ってもらえたら」と話していた。

(2021年2月3日付紙面より)

3人一組で車いすを体験した=1日、新宮市立神倉小学校
宮本実さん(左)が使い方などを説明した
2021年02月03日
60 元気よく「鬼は外、福は内」  町内保育所などで豆まき  (紀宝町 )
2021年02月03日
61 知識身に付け正しい対応を  社協がノロウイルス研修会  (太地町 )
2021年02月03日
62 さまざまな仕事を体験  新翔高1年生がインターンシップ  
2021年02月03日
63 幸せな恋愛って何だろう?  宇久井中で思春期講座  (那智勝浦町 )
2021年02月03日
64 遊覧船で食べ歩き  まぐろ・くじら満喫体験フェスタ  (那智勝浦町・太地町 )
2021年02月03日
65 フォトコン作品展示始まる  潮岬のセンターで1年間  (南紀熊野ジオパーク )