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2021年01月28日
1 「本当にお疲れさま」
 嘱託警察犬に感謝状  (和歌山県警察 )

 和歌山県警察はこのほど、嘱託警察犬パンドラ号(パンドラ・フォン・クランツ・K.Y.)とダンス号(ダンス・オブ・ウエスト・アシダ)の長年の功績をたたえ、指導者である新宮市の榎本義清さん(58)=NPO法人和歌山災害救助犬協会理事長=と太地町の瀧本美鈴さん(57)=同協会副理事長=に感謝状を贈った。

 感謝状は、生前の活動実績や功績をたたえるもの。パンドラ号(シェパード・雌)は昨年11月にその生涯を終えるまでの11年間、そして今年1月2日に急死したダンス号(シェパード・雄)は9年間、県警察嘱託警察犬として捜索救助や足跡追跡、爆発物捜索などの職務に従事してきた。

 また、2頭とも榎本さん、瀧本さんと共に、紀伊半島大水害や熊本地震、西日本豪雨の被災現場で捜索活動にも参加している。

 勇敢な性格だったというパンドラ号は2019(平成31)年4月、新宮市内で行方不明となっていた女性を生存発見したとして新宮警察署から感謝状を受けた経歴も。一方、ダンス号は人にも犬にも優しく温厚。「指導の際も反抗することなく覚えも良かった。素直な性格だった」(瀧本さん談)という。

 感謝状を受け、榎本さんは「人間のために厳しい訓練にも頑張ってくれた。(パンドラ号には)使役犬として接してきた。相棒がいなくなったという気持ちが大きい」。

 瀧本さんはダンス号に対し「急に調子が悪くなり、心の準備ができていなかったが、苦しまずに最期を迎えたので良かった。最後まで現役でいてくれた」と述べ、「『本当に今までお疲れさま』と伝えたい」と声をそろえた。

 県内では現在、14人の指導員と28頭の警察犬が嘱託されている。

(2021年1月28日付紙面より)

感謝状を手に(左から)榎本義清さんと瀧本美鈴さん=21日、新宮市新宮
在りし日のパンドラ号=2019年4月当時
温厚だったダンス号=2019年12月当時(瀧本美鈴さん提供)
2021年01月28日
2 トルコへの義援金目録託す
 知事と町長から駐日大使へ  (和歌山県と串本町 )

 2020トルコ西部イズミル県地震災害義援金を呼び掛けた仁坂吉伸知事と串本町の田嶋勝正町長が26日、駐日トルコ共和国大使館のハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使の県庁訪問に合わせて同義援金の目録を贈った。

 この地震は昨年10月30日にエーゲ海を震源として発生し、至近のイズミル県を中心とする発災につながった。その状況を知った呼び掛け2人はすみやかに県トルコ震災を支援する会を立ち上げ、県内30市町村に協力を求めつつ昨年11月5日付で同義援金の窓口を開設した。

 同会は口座振り込み、各市町村は義援金箱を設置して県民からの善意を受け付け。同大使館経由で被災者に届ける流れとなっている。コロナ禍の情勢により面会の機会を得られずにいたが、メルジャン大使が公務の延長で県庁を訪問することになり、呼び掛け2人がそろって目録を託すに至った。

 田嶋町長によると、メルジャン大使は間もなくアメリカ合衆国へ転任となるそうで、今回はあいさつ回りで県庁へ訪問。任期中最終となる同町からの交流記念品としてトルコ軍艦遭難慰霊碑のレリーフと大使の実名を入れたポロシャツと大島小への民族衣装の贈呈や串本町トルコ文化協会のトルコ文化センター設置への協力など交流の数々を記録した写真アルバム、併せて同協会から預かった交流記念品を贈って感謝したという。

 同義援金の受付期間は今月末までで、締め切り後に一括して同大使館へ託す。田嶋町長は「メルジャン大使は涙ながらに感謝し、県や同町に同様の災害があったときはトルコ人が助けに行くと言ってくれた。呼び掛け人として多くの町民や県民の皆さまから多額の義援金を頂けてうれしかったし、これからも共に友好を続けていくことにつながれば」と今後を願いながら、寄せられた善意に感謝した。

(2021年1月28日付紙面より)

ハサン・ムラット・メルジャン大使(左)に義援金を託す仁坂吉伸知事(右手前)と田嶋勝正町長=26日、和歌山県庁(串本町提供)
2021年01月28日
3 伝統の和紙作りを体験
 井田小学校の4、6年生が  (紀宝町 )

 紀宝町立井田小学校(石谷正秀校長、児童115人)の4年生24人と6年生21人が26日、和紙作りの紙すき作業を体験した。今後、6年生と16日にすでに体験した5年生は和紙でランプシェードを作る。4年生は詩と絵を描くという。

 4年生は国語の授業で「和紙」について学び、実際に作ってみようと町立ふるさと資料館の栗須高洋館長の協力を得て体験した。

 体験を前に講義した栗須館長は「皆さんが今使っているノートは洋紙で、100年ももたないが、和紙は虫が嫌いな養分が入っているので1000年以上長持ちする。約1300年前の和紙に書かれた文書も残っている」と説明した。

 和紙の原料となる天然の雁皮(ガンピ)はとても貴重で、材料をそろえるだけでも苦労すると伝え、ガンピの皮をはぎ、2週間水に漬けた後、2日間釜で煮て紙料にすると紹介した。

 児童たちは行程などを学んだ後、紙すきを体験。水に溶けた雁皮をはがきサイズのすき枠で一枚一枚すくい、1人3枚の和紙を作った。

 完成後、児童たちは「失敗もしたけど、成功したときはうれしかった」「初めて作業して楽しかった」と話していた。

(2021年1月28日付紙面より)

和紙作りに挑戦する4年生=26日、紀宝町立井田小学校
栗須高洋館長の説明を聞く4年生
2021年01月28日
4 シンボルマークなど決定
 新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」  

 今夏の完成に向け、新宮市下本町で建設工事が進む市文化複合施設「丹鶴ホール」のシンボルマークおよびロゴデザインが決定した。今後、施設のPRを含めた活用を展開していく。

 デザイン制作者は山下・金嶋共同企業体。制作者によると、施設を上から見た形状をモチーフにしつつ、中央のホール部分を示す矩形(くけい)と併せて、愛称である丹鶴ホールの「丹」の字を表現した。

 新宮の歴史・風景との呼応から生まれた変化のある施設形状と、「丹鶴」という言葉との重ね合わせにより、ここから新たな活動が生まれ、動き出す躍動感を表したという。

 テーマカラーには、「丹(に)」をイメージさせる赤色が採用されている。

(2021年1月28日付紙面より)

「丹」をイメージさせる赤色のシンボルマークは、施設を上から見た形状がモチーフになっている
2021年01月28日
5 人権尊重目指して協働  町社協が県と協定締結  (古座川町 )
2021年01月28日
6 正午前後の虹注目集める  潮岬一帯で断続的に出現  (串本町 )
2021年01月28日
7 サスティナビリティ部門で受賞 ロンリープラネット2021 (和歌山県)
2021年01月28日
8 声援を背に校区を駆ける  太田小学校で持久走大会  (那智勝浦町 )
2021年01月28日
9 「大雨のときの約束」  太地こども園で防災学習  
2021年01月28日
10 神倉小運営協議会が文部科学大臣表彰  新宮市  
2021年01月28日
11 感染予防・拡大防止のために  西田町長が文章でメッセージ  (紀宝町 )
2021年01月28日
12 巨大地震の揺れに備え  鮒田水門で耐震補強工事  (紀宝町 )
2021年01月27日
13 防火意識持ち文化財守る
 那智大社、青岸渡寺で訓練  (那智勝浦町 )

 「第67回文化財防火デー」の26日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)と那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)で消防訓練が行われた。職員や那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)が参加し、防火の重要性を再認識するとともに国の宝を守る意識を高めた。

 文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に奈良県の法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年から、この日を中心に消防と地域が連携し、全国的に防火活動が展開されている。

 熊野那智大社では宝物殿裏の山林からの出火を想定。自衛消防隊が火災の報知後、宝物などを運び出し、消火ホースで放水した。続いて、消防職員が神職らに消火器の取り扱い方法を指導し、実際に使用した。

 男成宮司は「ご本殿は重要な建造物、火を出してはいけない。訓練を通じて防火意識を高め、火気の管理を徹底し、万が一の際に行動が取れるように心掛けてほしい」と話した。

 那智山青岸渡寺では訓練前に職員が集合し、髙木亮英副住職が同寺は西国三十三所の第一番札所であり、観音信仰の布教にとっても重要な建造物であると説明。訓練について「重要なお寺を後世に伝え残していくことが大きな使命。火を出さないことを再認識して訓練に取り組んでほしい」とあいさつした。

 同寺では本堂床下から出火した想定で訓練を実施。髙木副住職の指示の下、初期消火や避難誘導、宝物運搬、消火器による消火訓練などに取り組んだ。

 湯川消防長は両社寺に対して課題の検証や訓練の積み重ねを継続してほしいとし、「火災の報知や的確な放水が行われており不備はなかった。世界遺産を守るために消防も一致協力していきたい」と講評した。

(2021年1月27日付紙面より)

文化財を守るため訓練に取り組んだ=26日、那智勝浦町の熊野那智大社
放水銃で消火訓練=同日、那智山青岸渡寺
2021年01月27日
14 コミュバスの原画を制作
 田原小と絵本作家協力し  (串本町 )

 串本町立田原小学校(野端則久校長、児童14人)が25日、同町コミュニティバスにラッピングする絵の着色に取り組んだ。絵本作家・やのともこさんとの共同作業の一環で、やのさんは14人の絵を組み合わせて必要な原画を仕上げるという。

 同町は同バス4路線のうち、潮岬線と佐部・上田原線の車両について新旧入れ替えを目指している。新車は初導入となる29人乗りのノンステップ仕様。当初は潮岬線で先行導入し高齢化が進む町域になじむかを確かめるとしていたが、後に町民から受けた寄付を生かすため関係する佐部・上田原線も先行導入の対象に加えた。

 同バスは路線にちなんだラッピングが特色で、佐部・上田原線の新車にはロケット関係の原画採用を想定。写真がまだ存在しないためイラストを採用する方向で検討し、町民寄付の思いに子どもの夢を上乗せする方向性を持った。他方でプロの手も借りたいという思いから、くしもと町立病院にホスピタルアートを飾る縁をたどりやのさんに相談。最地元の田原小児童との共同制作を前提にして具体化するに至った。

 必要な原画は新車の側面と後面に用いる3枚。この日はやのさんが来校し、ロケットと灯台や橋杭岩、キャラクターなどを描いた下絵と塗り方の雰囲気を伝えるため着色済みの見本を児童に配り、着色を求めた。画材は色鉛筆とソフトパステルで、後者は温かいタッチにするため指に付けて塗るよう指示し後は自由とした。

 今後は14人全員の絵を部分的に切り出し、やのさんが良い感じに組み合わさるよう手を加えて原画を仕上げるという。

 児童の荒木野乃子さん(6年)は「全体的にふんわりとしたイメージになるよう、細かなところもできるだけ色鉛筆を使わないようにした。これから(中学校への通学で)コミュニティバスに乗る機会が増えるので、その時が今から楽しみです」とコメント。やのさんは「指で色を塗ることで思い通りのものができるという新感覚を感じてもらえたらうれしい。このロケットの絵がバスのラッピングになるということで、今日は私も含めみんなで貴重な経験ができたと思う」とこの機会を喜んだ。

  □     □

4月中に新旧入れ替え予定



 役場企画課によると、新車は2月末に納車予定。現行のマイクロバスと車両感覚が異なるため、運転手の馴致期間を若干取り4月中にの入れ替えを目指している。潮岬線は従来通り路線にちなんだ写真をラッピングするという。

(2021年1月27日付紙面より)

やのともこさん(右)が描いた下絵に着色する児童=25日、串本町立田原小学校
コミュニティバス後面の絵を仕上げた児童
2021年01月27日
15 教育振興や発展に尽力
 橘、丹羽教諭が表彰受ける  (新宮高校 )

 県立新宮高校(前田成穂校長)の橘恭子・国語科教諭(46)がこのほど、和歌山県教育委員会の「きのくに教育の匠(たくみ)」を受賞した。

 県の教育振興や発展に功績があった個人、団体をたたえる「和歌山県教育表彰式」で表彰された。橘教諭は1996(平成8)年に教員生活をスタートさせて以来、25年にわたり同校に勤務。18(平成30)年度には、優れた教育実践が評価され「きのくに教育賞」を受賞した。

 その後も継続的な実践で成果を上げつつ、他の教員の指導力向上に寄与したとして「きのくに教育の匠」に選ばれた。令和2年度文部科学大臣優秀教職員の表彰も受けた。

 橘教諭は「恐縮しているが、大変ありがたい。生徒たち自身が物事を感じ、活動する中で意見や考えを交換して学びを深めるサポートになればとの思いを意識している。賞を頂いたことを励みに今後も授業はもちろん、さまざまな学びの場で指導に生かしていきたい」と述べた。

 また、同校保健体育科の丹羽泰一郎教諭(40)が、県学校体育研究協議会から「和歌山県学校体育授業優秀教員」の表彰を受けた。

 この表彰は県を代表する研究実践を行った教員が対象で、丹羽さんは「主体的に取り組み、生涯にわたって運動に親しめる健康で安全な体育授業」をテーマに授業を実践し、研究発表に取り組んできたことが評価された。

 丹羽教諭は「受賞することができて大変うれしいとともに、自分自身の勉強にもつながったと思っています。時代に合った教育を目指して多くの先生方と情報共有しながら、さらに向上させていければ」と話していた。

(2021年1月27日付紙面より)

「きのくに教育の匠」を受賞した橘恭子教諭(左)と「和歌山県学校体育授業優秀教員」に選ばれた丹羽泰一郎教諭=25日、新宮市神倉の県立新宮高校
2021年01月27日
16 愛称に62点の応募
 図書館・子育て支援セ複合施設  (紀宝町 )

 紀宝町立図書館の開館に向け、同町神内の旧保健センターで改修工事が進んでいる。今春の開設を前に外観が完成し、看板も設置された。

 3月下旬には新図書館と子育て支援センター複合施設の竣工(しゅんこう)式を実施する予定。新型コロナウイルスの状況を確認しつつ、プレオープニングイベントを計画している。イベントはワークショップで紋切り作品を作ってもらい、地区住民や施設利用者に飾り付けを呼び掛ける。

 町では、まちづくり構想の基本理念「海・山・川の恵みに抱かれ、ともに輝き創造するまち」の拠点として、より多くの人に親しみを持ってもらえるよう、新たな「図書館・子育て支援センター複合施設」の愛称を募集したところ、町内から62点の応募があった。

 今後、教育委員や神内地区区長、子育て支援センター・子育てサークル代表、鵜殿図書館・絵本よみきかせボランティアなどで組織する「愛称選定委員会」で審査し、最終候補案の中から町長が愛称を決定する。

 昨年12月に閉館した町立鵜殿図書館では、蔵書整理を行っており、役目を終えた本や雑誌は2月から移動図書館でも配布する。3月中旬から新図書館開館準備として利用者カードの修正作業に取り掛かる。

(2021年1月27日付紙面より)

新図書館開館に向け外観がお目見え=紀宝町神内
新たな施設の看板も設置
2021年01月27日
17 もみじ会1月ゴルフコンペ
  
2021年01月27日
18 1月度月例杯の結果
 那智勝浦ゴルフ倶楽部  
2021年01月27日
19 西垣戸農園が優勝 第162回職場対抗ボウリング大会 
2021年01月27日
20 林床などでひっそり咲く  カンアオイ属花の時季に  (古座川町 )
2021年01月27日
21 区民限定で信心をつなぐ  添野川いくさ地蔵尊例祭  (古座川町 )
2021年01月27日
22 「和歌山県の祭りと民俗」  きのくに民俗文化財ガイドブックが発売  
2021年01月27日
23 ベートーベンの協奏曲を収録  森岡薫さん、アルバムを発売  (新宮市出身のピアニスト )
2021年01月27日
24 ゆかし潟の良さを知って  小松さんが「呼ばずの鼻」整備  (那智勝浦町 )
2021年01月27日
25 地域活性化の一端に  よみがえりの地で永代供養  (新宮市熊野川町 )
2021年01月27日
26 声掛けで詐欺被害を防ぐ  鈴木愛さんと石倉あいさんに署長感謝状  (熊野警察署 )
2021年01月27日
27 参拝者が静かに手を合わす  横手延命地蔵尊で例祭  (紀宝町井田 )
2021年01月27日
28 地域の自慢、ぶつぶつ川 辻悠斗君の作品が最優秀賞に (那智勝浦町)
2021年01月27日
29 お悔やみ情報
  
2021年01月15日
30 ゲームで新たな防災学習 市野々小で県内初の実施 (和歌山県)

 和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)は13日、那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で「防災RPG(ロールプレイングゲーム)土砂災害が発生したとき」を用いた県内初の防災学習を実施した。オンラインで参加した開発者である和歌山工業高等専門学校専攻科エコシステム工学専攻(辻原研究室)1年の西萩一喜さん(21)=串本町出身=のアドバイスの下、5・6年生9人はゲームという新たな形で防災への学びを深めた。

 同センターによると、地震の避難に関する防災RPGを制作・研究していた辻原研究室の辻原治教授に同センターが土砂災害用ゲームについて提案したところ、防災に興味を持っていた西萩さんの紹介を受けたという。

 西萩さんはゲーム開発のためにオンラインでの会議を実施し、同センターを数度訪れるなどして内容を精査。同センターも土砂災害に関する資料や情報を提供し、昨年12月に完成した。

 ゲームは大雨警報や避難勧告が発令された中、主人公が自宅から避難所までたどり着けばゴール。さまざまな場面で災害に関する知識や正しい行動についての選択が問われる内容となっている。正解に応じて点数が獲得でき、実際の土砂災害の動画なども映し出される。

 児童は2人一組でパソコンに向かい、相談しながらゲームを進めた。参加した中村幸幹くん(6年)は「いつもやっているゲームは学ぶことが少ない。このゲームは分かりやすくて楽しく学ぶことができた」。

 中西校長は「受け身の教育ではなく、ゲームを通して主体的に学ぶことができたため、新たな可能性が広がっていくと感じた」と話した。

 西萩さんは「今後はゲームをきっかけに家族と土砂災害について話し合い、知識を共有してほしい」と述べ、坂口所長は「楽しく学んでくれて良かった。児童や先生にもアンケートを行い、課題解決につなげていく。今後は県内各地でゲームを活用していきたい」と今後の展望を語った。

 なお、ゲームは同センターでもプレーすることができる。問い合わせは和歌山県土砂災害啓発センター(電話0735・29・7531)まで。

(2021年1月15日付紙面より)

ゲームで防災を学ぶ児童=13日、那智勝浦町立市野々小学校
開発された防災RPG
2021年01月15日
31 守られ平等であるべき
 人権擁護委員委嘱状伝達式  (和歌山地方法務局 )

 新宮市緑ヶ丘の和歌山地方法務局新宮支局(山田勝久支局長)で13日、人権擁護委員の委嘱状伝達式が行われ、山田支局長が村田美織さん(64)=那智勝浦町下里=に委嘱状を手渡した。任期は今月1日から3年間となる。

 人権擁護委員は、地域住民の中から人権問題に理解や熱意のある人が市町村長の推薦を受けて法務大臣から委嘱される。さまざまな分野の人が地域の中で人権思想を広め、住民の人権が侵害されないよう配慮する活動を続けている。1日現在で同市では9人、那智勝浦町は6人、全国で約1万4000人が委嘱されている。

 委嘱状を受け取った村田さんは「人権は、全ての人が守られ、平等であるべきもの。コロナの収束を迎えれば保育士として勤めていた経験を生かし、絵本などを通じて子どもたちに人権の大切さを少しでも伝えていければとも思っています。初めての活動で分からないことも多いですが、先輩委員の方々から学び任期を全うしていきたい」と決意を述べていた。

 全国人権擁護委員連合会では昨年、新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大し緊急事態宣言が発令される中、5月に「差別をなくして新型コロナウイルス感染症のまん延を乗り越えよう」と緊急宣言。「このような時期だからこそ、個々の自覚した行動が求められている。一人一人は弱い人間でもみんなで助け合って支え合えば、この危機を乗り越えることができるのでは」と提唱した。

(2021年1月15日付紙面より)

山田勝久支局長(左)から委嘱状を受け取る村田美織さん=13日、新宮市緑ヶ丘の和歌山地方法務局新宮支局
2021年01月15日
32 交流の印象伝え締めくくる
 飯田高校と最終の遠隔授業  (串本古座高校 )

 県立串本古座高校普通科グローカルコース3年生が13日、石川県立飯田高校総合学科3年生と最終の遠隔交流授業に取り組んだ。

 飯田高校は石川県の能登半島の先端に位置する学校。他地域に関わることで取り組む地域学への刺激が得たいという思いで紀伊半島の先端にある串本古座高校に交流を申し入れ、同校も生徒の取り組みに対する客観評価を得て学びを深められると意義を見いだして承諾し、実交流としてウェブ会議システムを使ったこの授業に取り組み始めた。

 昨年6月に初実施し、以降も回を重ねて互いが取り組んでいる地域学の内容を伝え合い、時には相手の地域学を深めることに協力し合うなどしてきた。最終となったこの日は前後半の2部構成で実施。前半は同席した外部講師のために互いの地域の特色と地域学の経緯や学んだ事柄などを発表し、後半は飯田高校側の外部講師・圓山晃歩(えんやま・あきほ)さんと串本古座高校側の外部講師・宇井晋介さんが最終講義をしこの交流を締めくくる生徒に期待する事柄を託すなどした。

 圓山さんは副業として半島同盟を運営するメンバーの一人。その活動内容や取り組む意味を紹介し、両校生徒がこの授業で追い求めたように半島同盟も他地域との違いを知って自分の価値を知り、それが今後の可能性につながるから取り組んでいるとして両校生徒の取り組みに共感した。

 宇井さんは元・串本海中公園センター水族館館長で現・南紀串本観光協会事務局長。串本の海の特色と生物多様性を生かす観光業の成り立ちを体験型観光の主流化という時代変遷も踏まえながら説明し、その領域の一先駆者として▽「何もないところ」はない▽物事をいろんな方向から見てみる▽考えるだけでは考えていないのと同じで例え小さくても形にすることが大事▽継続が最も大切―などの発想を生徒に託した。

 最後に両校代表を1人立ててこの交流の印象を発表。飯田高校側は「自分から進んで調べようとしなかったことをこの交流で知ることができ、それによって自分たちの地域をより深く知ることができて良かった」、串本古座高校側は「(交流を通じて)串本ではしていないまちづくりなどを勉強でき、今後自分たちの地元を盛り上げていくために活用できたらいいなと思った」と伝え合って交流を締めくくった。

(2021年1月15日付紙面より)

両校生徒の発表を経て最終講義に臨む=13日、県立串本古座高校
2021年01月15日
33 終息や商売繁盛など祈願
 大泰寺で大般若祈祷会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町下和田の古刹(こさつ)、定光山大泰寺(西山十海住職)で13日、西山住職ほか、同町や太地町の9人の住職が出仕して「大般若祈祷会」を営んだ。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から恒例の餅まきは中止となったが、境内や本堂には約130人が訪れ参拝した。

 法要ではマスク着用やアルコール消毒、換気など新型コロナウイルス対策を徹底し、住職の出仕も2町にとどめた。

 住職らは全600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読を行い、厄払いや家内安全、商売繁盛などを祈願した。

 西山住職は「早期のコロナ終息と多くの方々が元通りの生活に戻れるように心に念じながらご祈とうさせていただいた。今年は皆さまが幸せをかみしめることのできる一年になることを願っています」と語った。

 なお、昨年末から無料で授与されていた疫病封じの床浦大明神のお札を持ち帰る参拝者の姿も多く見られた。

 同寺は伝教大師により1200年前の平安初期に創建された桓武天皇勅願道場と伝わる。薬師堂は関南薬師の第一霊場として昔から近隣の人々の信仰を集めてきた。

 この日もご開帳された本尊の薬師如来像(国重要文化財)は1156(保元元)年の作。その優美な姿に引かれ、例年のご開帳の際は大阪や東京などからも参拝者が訪れている。

(2021年1月15日付紙面より)

大般若経典を転読し商売繁盛などを祈願した=13日、那智勝浦町の定光山大泰寺
2021年01月15日
34 串本JFCが県大会へ
 チビリンピック東牟婁予選  
2021年01月15日
35 大規模災害に備えるため  災害備蓄保存用パンを販売  
2021年01月15日
36 山頂からの絶景を堪能  山歩き部会で「鮒田富士」へ  (紀宝町 )
2021年01月15日
37 野外焼却行為などに注意  消防本部が呼び掛け  (那智勝浦町 )
2021年01月15日
38 報告数、昨年の千分の1以下  インフルエンザ発生状況  (厚生労働省 )
2021年01月15日
39 入会者にオリジナルマスク配布  日本ヤタガラス協会  
2021年01月15日
40 紀州まぐろ節で町を元気に  歌手の南順子さんが披露  (那智勝浦町 )
2021年01月15日
41 税の使い道はどう決める?  勝浦小学校で租税教室  (那智勝浦町 )
2021年01月15日
42 グラウンドゴルフ愛好者170人競い合う 潮岬で新年初打ち大会 (串本町)
2021年01月15日
43 お悔やみ情報
  
2021年01月14日
44 授業開始に向け教職員研修
 GIGAスクール構想  (新宮・東牟婁 )

 黒板と教科書、ノート、鉛筆。そんな子どもたちの学習風景が大きく変ろうとしている。新型コロナウイルス感染拡大が追い風となる形で政府が推進する「GIGAスクール構想」では、義務教育段階の児童生徒に1人1台の学習用パソコン(PC)端末と高速大容量ネットワーク環境(校内LAN)を整備し、個人に最適化された教育環境の実現を目指す。

 新宮・東牟婁地方の各自治体や教育現場でも本年度、タブレットPC導入や校内LAN整備工事、教職員研修、オンライン授業研究などが進んでいる。早ければ年度内にも、児童生徒が学習用端末に触れる授業が開始される。

 太地町立太地中学校では12日、「1人1台パソコンの導入に係る操作研修」が行われた。町内小中学校の教職員25人が参加し、実際にタブレットPCを使いながら操作方法を学んだ。

 講師の赤井俊哉さんは、共有ドライブに保存した作文の添削やコメント、協働編集によるスライド作りの手順などを教えた。教職員からは「使いこなすにはもっと実践が必要だが、端末の立ち上がりも早く、授業で使えそうな便利な機能もたくさんあった。特にグループでのスライド作りは操作も簡単で、資料作りと発表が一つの端末でできる」との声があった。

 新型コロナ第3波により首都圏1都3県に緊急事態宣言が発出され、関西や東海など7府県の追加も見込まれる中、遠隔授業の環境整備を含む情報通信技術(ICT)活用は喫緊の課題だ。それに加え、山間部のへき地学校や複式学級を多く抱える当地方では、ICTが子どもたちの学習を支え、人々との交流の輪を広げる手段となる可能性を秘めている。今後の各自治体の取り組みに注視が必要だ。

(2021年1月14日付紙面より)

学習用端末の使用方法を学ぶ教職員=12日、太地町立太地中学校
2021年01月14日
45 新年の事業に意欲
 三役が市長ら表敬  (新宮青年会議所 )

 一般社団法人新宮青年会議所(新宮JC)の梅村英義理事長、和田祐幸副理事長、竹内知恵利専務理事の三役は12日、新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長と速水盛康教育長を表敬訪問した。新年のスタートに当たっての意欲を伝えるとともに事業への協力などを呼び掛け、新年のあいさつとした。

 「温故知新~変化のとき~」をテーマに掲げる今年の新宮JC。梅村理事長は「去年は新型コロナウイルスの影響でほとんど事業ができなかった。今年は『コロナだからできない』のではなく『コロナでもできる』ように事業を模索していきたい」と、会員拡大に向けた取り組みや青少年育成事業、新宮JC杯中学新人サッカー大会の開催などへの意欲を示した。行政や学校ができない役割を担っていきたいと抱負を語り「自分たちだけでできないことも多いと思う。そのときは行政とタッグを組ませていただければ」と協力を求めた。

 新宮JC第32代理事長を務めた経緯のある田岡市長は「地域と学校の関係が希薄となる中、JC会員が小中学校を訪問し自分の仕事について講話した事業は楽しかった」などと当時を振り返り会員らにアドバイス。

 また、新宮JCで7年間取り組んだこと、理事長を務めた経験は自身の人生のターニングポイントだったと語り「一生懸命頑張るということは多くを学べるということ。仕事と活動の両立は大変だと思うが頑張りは自分の成長につながる。(JCの活動は)短い期間だが一生のうちでも貴重な時間になると思う」と激励した。

(2021年1月14日付紙面より)

新宮JCの竹内知恵利専務理事(左)、梅村英義理事長(右から2人目)、和田祐幸副理事長(右)が田岡実千年市長を表敬訪問=12日、新宮市役所
2021年01月14日
46 来年こそ活気ある祭りに
 塩竃神社で「脊美祭り」神事斎行  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浦神の塩竃(しおがま)神社(井谷正守宮司)で10日、伝統の「脊美(せみ)祭り」が営まれた。祭り関係者約10人が参列し、商売繁盛や船の安全などを願った。

 脊美まつり保存会(会長=並川廣・浦神西区長)が祭りや歴史を継承しており、古来捕鯨の歴史を持つ同区でセミクジラを模したわら製の「脊美」を縁起物として用いる祭り。過去には成人の儀式として行われていたとされている。長年、捕鯨文化を継承していることから2016(平成28)年に日本遺産「鯨とともに生きる」に認定された。

 例年は井谷宮司が「鬼」と書かれた的を矢で射抜くと同時に、3人の脊美子が取り付けられた脊美を一斉につかみ取って西区区民会館まで全力で駆け抜ける儀式や東区の勇義社(鈴木伸社長)による勇壮な獅子舞奉納、脊美音頭などが披露され、にぎわいを見せているが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から大幅に規模を縮小し神事のみの斎行となった。

 厳かな雰囲気の中、井谷宮司が神事を執り行い、祝詞を奏上。参列者が順番に玉串をささげていき、一日も早いコロナウイルスの終息を祈念した。脊美祭り前には豊漁などを祈願する弁天祭りも行われた。

 並川区長は「昨年秋の例大祭に続き、獅子舞などができずつらくて寂しい。終息を願い、平常通りの行事ができることを祈っています」。神事を終えた井谷宮司は規模縮小について残念の一言と述べ「脊美祭りは地域の伝統ある特別の祭り。若い人たちも継承しようと頑張ってくれています。来年こそは活気ある通常の祭りができれば」と話していた。

(2021年1月14日付紙面より)

さまざまな思いを祈願し神事を執り行う井谷正守宮司=10日、那智勝浦町浦神の塩竃神社
祭り関係者が玉串をささげた
2021年01月14日
47 全患者対象に機器貸し出しも
 オンライン面会環境整う  (くしもと町立病院 )

 くしもと町立病院がこのほど全病室にWi―Fi(ワイファイ)環境を整え、今月4日から全患者を対象にオンライン面会のための通信機器貸し出しも始めた。

 入院患者にとって面会に訪れる家族の存在は加療の励みとなるところ。他方、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う面会制限は少なからずその機会を奪っている。この状況下でどうすれば入院患者が相応の励みを得られるかを考えた竹村司病院事業管理者は、オンライン面会の手法を導入できないかを昨夏に着想。以降同病院を挙げて実現を目指してきた。

 院内は旧来、1階待合室と3、4階のデイルーム限定でWi―Fi環境があり、持ち込みの通信機器で独自にオンライン面会をする患者もいた。しかし病室から動けない患者や通信機器の操作が苦手な患者、通信機器を持っていない患者にとっては縁遠い利便。そこで通信機器が患者に与える影響を確かめた上で▽Wi―Fi環境を全病室へ拡大▽貸し出し用通信機器(タブレット)を確保▽医療スタッフによる通信支援―の3項目を県の新型コロナウイルス関係補助金を活用して整え、全患者が家族とオンライン面会できる状況を形にした。

 同病院が貸し出す通信機器の利用対象は患者の家族で、オンライン面会できるのは祝日を除く月~金曜日の午後2時~4時。▽面会時間は最大5分▽1週間につき1回まで―といった条件をつけ、数に限りがある通信機器を多くの患者で活用できる状況を目指している。

 LINE(ライン)通話を使った面会となるため、家族側の通信機器にも相応の設定が必要。患者側の通話にはスタッフが対応する(病院側から家族側へ通話を発信する)ため利用は事前予約制とし、前述した曜日時間帯中に同病院(初回のみ電話0735・62・7111、2回目以降はLINEトークを使用)へ希望する日時の前日までに家族側から申し出てほしいという。以降は担当するスタッフとの調整となる。

 同病院は今月7日に新宮保健所管内で陽性患者が出たという発表を受け、翌8日から患者の付き添い人と病院が来院を求めた人以外は面会禁止とする対応を取っている。名田倍也事務長は「今は患者と直接面会できないが、代わりにオンライン面会で入院する家族を支えてほしい」とし、それが可能となったことの周知と活用の促進に努めている。問い合わせは同病院まで。

(2021年1月14日付紙面より)

入院患者にオンライン面会可能となったことを伝えるスタッフ=12日、くしもと町立病院
2021年01月14日
48 スポーツウエルネス吹矢大会
 那智勝浦町体育協会  
2021年01月14日
49 礼儀礼節の大切さ知って
 軟式野球体験練習会  (新宮黒潮ベースボールクラブ )
2021年01月14日
50 チーム一体で力を合わす
 ジュニア駅伝チームが本番に向け練習  (那智勝浦町 )
2021年01月14日
51 販売終了まで1カ月切る  新宮市プレミアム付共通商品券  
2021年01月14日
52 地域の防災活動に尽力  消防関係者表彰  (新宮市消防本部 )
2021年01月14日
53 区民の安全と健康願い  青彦神社で春の例大祭  (那智勝浦町 )
2021年01月14日
54 規模縮小し神事のみ斎行  市野々王子神社例大祭  (那智勝浦町 )
2021年01月14日
55 小雨降る中参拝集める  峯の薬師堂で厨子開帳  (古座川町 )
2021年01月14日
56 初動や連携の練度を高める  代替指揮所で災害警備訓練  (串本警察署 )
2021年01月14日
57 手作りたこを大空に  元気いっぱい走り回る  (鵜殿保育所 )
2021年01月14日
58 新年会で笑顔あふれる  ふれあいサロン牡丹  (紀宝町 )
2021年01月14日
59 初入賞目指して練習に励む  美し国三重市町対抗駅伝  (紀宝町チーム )
2021年01月14日
60 お悔やみ情報
  
2021年01月10日
61 老朽化に伴い工事進む
 熊野速玉大社の「熊野神宝館」  (新宮市 )

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)境内の「熊野神宝館」で、屋根のふき替えと下地の修繕工事が進んでいる。工事に伴い、同館は昨年10月から休館しており、3月末の工事完了を予定している(工事延期の可能性あり)。

 このたびの工事は老朽化に伴うもので、同大社は第1弾として屋根および下地、天井の修繕に着手した。

 同大社が発行する「国宝古神宝類」によると、1950(昭和25)年の文化財保護法施行以降、彩絵(さいえ)檜扇(ひおうぎ)5握をはじめとする多数の古神宝670(内容品、付属品を計上すると1204)点が55(昭和30)年に新国宝として指定を受けた。

 同館はそれを記念し57(昭和32)年に新築工事に着工したもので、敷地面積373平方㍍、鉄筋コンクリート造り彩色仕上げ、瓦ぶき屋根の建物は同年12月31日に竣工(しゅんこう)した。以来、60年以上にわたり国宝神宝類の一部、金銅装神輿(みこし)、朱塗り神幸船(しんこうせん)、糸巻太刀など、数々の重要文化財や県・市の指定文化財および古文書などを保存・展示してきた。

 同書によると、神宝(神の調度として皇室から献納された宝物)の全国的に現存する遺品は極めて数が少なく、わずかに熱田神宮、春日大社、嚴島神社、鶴岡八幡宮と同大社(阿須賀神社含む)とに限られており、また、同大社古神宝の調進年代など、各社殿別に品目を記した「熊野新宮御神宝目録」の写しが佐藤春夫の父・豊太郎によって21(大正10)年に奉納されている。

(2021年1月10日付紙面より)

今年3月末の完了目指して工事が進む「熊野神宝館」=6日、熊野速玉大社
2021年01月10日
62 「幸多き一年に」
 天御中主神社で例大祭など  (新宮市 )

 新宮市佐野の天御中主(あめのみなかぬし)神社(髙橋正樹宮司)で9日、例大祭と厄除(よ)け祈願祭、寿祭が営まれた。今年厄年に当たる人などが参列し、今年一年の無事や新型コロナウイルスの終息を祈った。

 例大祭では、髙橋宮司の祝詞奏上に続き、同神社氏子会の石垣倍生総代長、当家(とうや)当主の北道篤志さん、前田道春佐野区長らが玉串を供えた。新型コロナ感染防止の観点から、毎年大勢の地域住民でにぎわう餅まきは中止となった。

 同神社の例大祭は佐野区の上地、中地、下地、永田の4地区の持ち回りでしめ縄付け、餅作りなどの準備をする当家を務めている。今年は中地地区が当家を務めた。

 神事後、北道さんは「当主を務めることができて光栄。今年は新型コロナが収まり、皆さまにとって幸多い年となるようお祈りします」とあいさつ。

 石垣総代長は「皆さまのご健勝やご活躍、郷土繁栄、新型コロナの終息などを祈願しました」と話していた。

(2021年1月10日付紙面より)

一年の無事などを祈り玉串を供えた=9日、新宮市佐野の天御中主神社
2021年01月10日
63 今年一年の平穏など祈願
 初薬師の法要営む  (紀宝町 )

 新年最初の薬師の縁日に当たる8日、薬師如来をまつる各寺院で初薬師の法要が営まれた。紀宝町では鵜殿の醫王山(いおうざん)東正寺や、平尾井の平尾井薬師堂でも祭典が執り行われた。

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■東正寺



 紀宝町鵜殿の醫王山東正寺(片野晴友住職)では、本尊の薬師瑠璃光如来を開帳し、初薬師大般若会(だいはんにゃえ)を営んだ。寺の役員らが訪れ、家内安全、心願成就、疫病退散、新型コロナウイルス感染症の早期終息などを祈願した。

 普同三拝、心経読誦(どくじゅ)に続き、600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読が行われ、参拝者らが順に焼香した。

 片野住職による法話では「続けることは根気がいるが、やるべきことを真面目に行えば、人は輝いてくる。まねを続ければ、やがてそれが本物になる」と話し、「普通の生活を送れることに感謝し、一日一日を大切にしてほしい。今日やるべきことはやって、明日目覚めなくても悔いが残らないよう努めて」と語りかけていた。

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■平尾井薬師堂



 平尾井薬師堂では毎年1月8日に営まれている「冬の大祭」が執り行われた。円通寺の山田耕治住職が読経し、一年の平穏、五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全などを祈願した。

 今年は新型コロナウイルス対策として、密にならないよう参列者を制限した。また、「薬師の庭」と呼ばれる境内で行っている餅ほりも中止とし、餅俵のみを供えた。

 参拝者は石段を登った先にあるお堂で鐘を突き、薬師堂に手を合わせた。参列した老人クラブ「平和クラブ」の林杜谷会長)は「新型コロナウイルスの終息と今年一年の平穏を願いました」と話していた。

 白河法皇が熊野三山に御幸した際、逢野細谷(相野谷)の地に薬師堂の建立を勅願し許されたのが熊野三仏平尾井薬師だという。

 薬師堂上の巨岩には、仏足跡と呼ばれる足跡の形が彫られ、高貴な方の参詣の証しとして刻まれたものといわれている。

(2021年1月10日付紙面より)

大般若経典を転読=8日、紀宝町の東正寺
平穏、豊作など願い冬の大祭を営む=同日、紀宝町の平尾井薬師堂
2021年01月10日
64 絵本で新年初笑い
 井関保育所に「よむよむ」  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立井関保育所(桝本千惠美所長)で6日、絵本の会「よむよむ」による読み聞かせがあった。全園児15人が正月にちなんだ絵本に笑顔を見せ、楽しい時間を過ごした。

 町立図書館や保育所などで20年以上活動を続ける同会には町内在住の6人が所属しており、この日は中村起代子さんと伊藤松枝さんが来所した。

 園児は2グループに分かれて読み聞かせに耳を傾けた。大型絵本「おめんです」では、面の下に誰がいるのか予想し、面白おかしい回答に初笑い。おせち料理や年賀状、たこ揚げ、福笑いなどの正月の過ごし方を描いた「あけましておめでとう」や餅が大好きなお殿様が登場する「おもちぶとん」の世界に引き込まれていた。

 読み聞かせの後は、「たこのうた」と「カレンダーマーチ」を歌ってお礼をした。1月中は、保育所で羽子板やたこ揚げ、かるた、こま回しなどの正月遊びをする予定だという。

(2021年1月10日付紙面より)

「これはまる」を読み聞かせ=6日、那智勝浦町立井関保育所
2021年01月10日
65 市民の皆さまへお願い  田岡市長がメッセージ  (新宮市 )
2021年01月10日
66 ダウンロード数2300万件突破  接触確認アプリ「COCOA」  (厚生労働省 )
2021年01月10日
67 誰もがなる可能性のある病  那智中学校で認知症講座  (那智勝浦町 )
2021年01月10日
68 「浮島の森」の池も凍る  新宮市  
2021年01月10日
69 歯科口腔外科の診療を変更  職員不足で通常体制困難に  (紀南病院 )
2021年01月10日
70 自身と大切な人の命守るため  西田町長がメッセージ  (紀宝町 )
2021年01月10日
71 これで君も指文字マスター  やさしい初級手話教室  (紀宝町 )
2021年01月10日
72 お悔やみ情報