「学校給食週間」に熊野なまず登場 (新宮市 )
文部科学省が定める「全国学校給食週間」(1月24~30日)に伴い、新宮市立の各小中学校では、地元産の野菜や魚などを使用した献立で給食を通した地元産業や食材・文化への理解を深める取り組みが行われている。
日本の給食の歴史は1889(明治22)年にさかのぼる。戦争の影響などによって中断されたが、戦後の食糧難による児童の栄養状態の悪化を背景に、学校給食の再開を求める声が高まった。
そんな中、1946(昭和21)年に米国のアジア救援公認団体(LARA=ララ)から給食用物資の寄贈を受け、翌年1月から学校給食が再開。同年12月24日に東京都内の小学校でLARAからの給食用物資の贈呈式が行われ、以来この日が「学校給食感謝の日」に。
50(昭和25)年度から、学校給食による教育効果を促進する観点から、冬休みと重ならない1月24日から30日までが学校給食週間と定められ、全国では学校給食の意義や役割について考える機会にとさまざまな活動が行われている。
新宮市では、好ましい人間関係を育み、良いマナーで気持ちよく食事をし、協力し合うことの大切さを指導しており、給食という生きた食材を通して正しい食事の在り方を指導している。
王子ヶ浜小学校(山本眞也校長)では週間中の28日、市の第三セクターである新宮港埠頭株式会社(小池㬎二(けんじ)社長)が同市木ノ川の養殖場で完全養殖を手掛ける「熊野なまず」のフライが献立に初登場。
「熊野なまずは熊野の山から流れるきれいな水を使って、卵から大人になるまで新宮市の池で育てたなまずです」などと説明を受けた児童らは「おいしい」と感想を口にしながら地元産食材への関心を深めた。
市内の学校では、熊野なまずの他にも地元産の小松菜や鯨(和歌山県提供)などを使用したメニューが登場している。
(2021年1月30日付紙面より)
古座小6年、租税教室参加 (串本町 )
串本町立古座小学校(貴志純子校長)の6年生13人が28日、租税教室に参加し税制度を意識するきっかけを得るなどした。
この教室は、新宮・東牟婁租税教育推進協議会が新宮税務署管内の教育委員会や学校に呼び掛けて実施。税務署や市町村税務課の職員、税理士や納税協会職員といった税制度に関わっている人材を外部講師として派遣し、児童や生徒が税制度を考える機会を学校の希望に応える形で届けている。
串本町は町立小中学校計13校が例年受講し積極的な姿勢で感謝を受けた経緯がある自治体だが、本年度に限ってはコロナ禍の情勢に伴い実施は学校によってまちまち。そのような状況の中、古座小は6年生を対象にして開くことを同協議会に希望し、同署の宮澤拓哉・国税調査官を迎えて参加するに至った。
宮澤さんは児童に身近な消費税を振り返って税金への関心を引きつつ、映像教材(国税庁作品「マリンとヤマト 不思議な日曜日」)を上映。その内容の振り返り発表や、平均的な学校を一つ建てるのに必要な予算(約13億円)、小学校入学から高校卒業までの間に使われる1人当たりの税金の額(1125万円)を紹介するなどして税の大切さの実感を託した。
坂井陽向君(12)は「税金のある世界は平和で楽しく過ごせそう」と税の印象を話し、ない世界でしなければいけないことを振り返りながら「税は必要だと思った」と考えを深めた。
(2021年1月30日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社と本宮町商工会、熊野本宮観光協会で組織する「熊野本宮よみがえり委員会」(会長・名渕敬熊野本宮観光協会会長)は28日、同町の「世界遺産熊野本宮館」で第5回委員会を開き、新型コロナウイルス感染症対策として講じた今年の分散初詣について総括を行った。
同委員会は、参拝者に対し「新しい生活様式の実践例」に基づいた神事の斎行などを提案するため昨年7月30日に設立。
新型コロナ禍中における分散型の参拝や観光の在り方などについて協議を行っており、132年ぶりに旧社地「大斎原(おおゆのはら)」での祈祷(きとう)を行うなど、初詣に向けた取り組みを実施してきた。
委員会開催に当たり、名渕会長はあいさつを述べ「関係機関の方々の協力で初詣期間を無事終えることができた」と感謝。
顧問の九鬼家隆・熊野本宮大社宮司は「県外の方は戸惑うこともあったと思うが、事故もトラブルもなく正月期間を終えることができた」と参拝者や関係者の協力に感謝し「本殿と大斎原が一体であると、改めて多くの人に知っていただけたと思い意義のある取り組みだった」と述べた。
総括では、名渕会長が観光協会の立場から、昨年度約3800件だった宿泊予約が約6割の2100件であったことなどを報告。
副会長の渕上太志・本宮町商工会長は分散参拝に伴う「初詣特別版熊野本宮まちめぐりマップ」の制作に関して「全体的にはいいものができたと思っている。今後もマップを活用し、まちなかを歩いてもらえるように提供できれば」と述べ、町内に設置した絵馬掛けについて「今後もまちを巡るポイントとしてそのまま維持できれば」と希望した。
委員やオブザーバーからは「車の流れも少なく分散参拝という意味では結果的に良かったのでは」「分散の取り組みにおいて一定の成果が得られた」などの意見があった。
昨年の三が日、同大社には約47万人が訪れたが、今年の初詣客は約8万人だったという。九鬼宮司は「同大社ではこれから春の大祭(本宮祭)も控えている。祭りだけではなく、観光協会、商工会の行事の際にも一致団結して本宮町を盛り上げていけたら」と呼び掛けた。
(2021年1月30日付紙面より)
宇久井中学校が地域清掃 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長)は28日、地域の清掃活動を実施した。美化部を中心に全校生徒63人が手分けし、宇久井ニュータウンや里地区、湊地区、宇久井海岸のごみを拾った。
夏季休業前後に生徒有志で実施していた学校周辺の清掃活動から始まり、2015年からは全校生徒で取り組んでいる。
開始に当たり坊校長は「今日の清掃活動は、自分たちの手で地域をきれいにするだけでなく、普段から学習や体験でお世話になっている地域の方々に恩返しをする目的もある。元気にあいさつし、頑張っている姿を見せてほしい」と話した。
生徒たちは縦割りの6班に分かれて町を歩き、道端に落ちている菓子袋や食品トレー、空き缶、海岸に漂着したプラスチックごみを拾った。
多かったごみは空のペットボトルで、町指定のごみ袋で可燃ごみが7袋、缶が2袋、瓶が1袋集まった。参加した教職員からは「去年よりも量が増えた」という声が聞かれ、今後の取り組みへの課題としていた。
(2021年1月30日付紙面より)
【第29回】毎日手作りじゃなくていい
毎日のご飯作り。はっきり言って、面倒ですよね。家にいるときはほとんどキッチンにいるという方も多いと思います。でも、そのご飯、本当に毎日頑張って作らなくちゃいけませんか? ほとんどのお母さんは、食事作りを子どものために頑張っていますよね。「手作りのものを食べさせてあげたい」「栄養を考えた献立にしてあげたい」など子どもたちを健やかに育てるための義務だと思って頑張っている方がほとんどだと思うのです。
でも、この義務感がかえって食育上、問題を起こす可能性があるんです! 母親と父親の調理態度が、子どもの食態度にどう影響するかを調べた研究があります。その研究にこんな結果が書かれています。「『母親の調理頻度』のβ値は、男女ともにマイナス方向に有意であり、特に男子で大きい。すなわち、『母親の調理頻度』が高いほど、子どもは『共食の雰囲気』を楽しいと感じられなくなり、その傾向は男子で強い」(日本家政学会誌「母親と父親の調理態度が、家族の共食と中学生の調理態度に与える影響」、2007年)。
驚きませんか? 料理を作れば作るほど、子どもたちにとって食事が楽しくないものになる!ってことですよ?「何のために頑張ってきたんだ」ってなりますよね。これはなぜなのか、それは、母親が調理をすればするほど義務感や負担感を強めてしまい、それを子どもが感じ取って「共食の雰囲気」の良さを阻害するからだそうです。毎日の料理に疲れて嫌々ご飯を作ってたこと、子どもにバレていたんですね。そのせいで、食卓が楽しくないものになっているんです。確かに、お母さんがいくら自分のためにお料理してくれても、お母さんが疲れていて機嫌が悪いと、おいしいとは思えなくなってしまいますよね。子どもたちはそんなお母さんの雰囲気を敏感に感じ取っているんです。
要するに、私たち母親も、気分良く作れるときだけ作ればいいんです。いやだな~めんどくさいな~と思うときはやめた方が子どものためなんです! 外食をすることや、お総菜を買うこと、デリバリーに頼ることに、罪悪感は一切必要ありません。むしろ、その方が笑顔でいられるなら、子どものためになるわけです。子どもは、笑顔のお母さんが大好きです。疲れたとき、イライラしているとき、そんなときは思い切って、誰かが作ったものを「おいしいね~!」と笑顔でいただきましょう!
そうすることで、子どもは安心するのかもしれません。
お料理に疲れたら、作らないのが子どものため! これを合言葉に、笑顔で過ごせる毎日をお送りください。
(2021年1月30日付紙面より)