全町民に現金1万円給付 (太地町 )
太地町は新型コロナウイルス感染症対策の一環として9日、全町民に対して現金1万円の給付を行った。町や町社会福祉協議会の管理職、総務課の職員らが協力し、町民宅を訪問し届けた。
同町では今年4月にコロナ対策本部を設置。これまでに全町民に対してマスク110枚や米5㌔の支給、現金5000円の給付を行っている。
三軒一高町長は以前から「町民の皆さまが安心して生活できるように、スピードや緊張感を持って対策を進めていきたい」と話しており、施策への理解を示す町議会や、配布に汗を流す町や社協の職員に感謝を述べている。
この日は32人が参加し、役場庁舎内で作業の流れや不在の際の対応などの説明を聞いた。
森尾伸総務課長は「現金の給付はあくまで目的の一つ。町民の皆さまの生活環境や健康状態などの確認が最重要。熱中症の予防も呼び掛けてください」とあいさつした。
参加者らは連携し、本部含む10班体制で作業に取り組み、9地区の1582世帯3020人に現金を届けた。
岡本研会長らの班から現金を受け取った同町太地の森勝真さん(44)は「各家庭に行き届くきめの細かい対策に感謝しています。こちらの町でなら高齢になっても安心です」と語った。
(2020年8月13日付紙面より)
フォトコンテスト審査 (那智勝浦町 )
那智勝浦観光機構(NACKT)は11日、那智勝浦町役場会議室で来年のカレンダー用に募集していたフォトコンテスト作品の審査会を実施した。70人の98点にも及ぶ力作の中から2カ月に1枚ずつ、年間6枚と表紙用1枚の計7枚を選んだ。
フォトコンテストは先日解散した町観光協会が2016年に開始した、一般公募の写真でカレンダーを作成する事業。今回から同機構が引き継いだ。今年は兵庫県や大阪府、三重県など県内外の30代から80代までの男女による作品が集まった。
テーマは▽自由▽那智山の桜、春らしい名所の風景▽大門坂、熊野古道▽扇祭り▽あげいん熊野詣―などで、町の魅力が伝わる作品を募集した。
同機構理事長の堀順一郎町長、副理事長の矢熊義人副町長、理事代理の堀田伸子南紀勝浦温泉旅館組合事務長、向井正樹南紀くろしお商工会事務局長らが出席し、一点一点を丁寧に審査した。
元町観光協会長で今回2度目の審査を行う矢熊副町長は「昨年と違った雰囲気の力作がそろった。私自身は冬の作品の那智の滝のライトアップが印象深い」と話した。
カレンダーは今年11月末に完成予定。同町観光案内所で販売されるという。
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採用作品は次の通り。敬称略。
▽表紙
「伝統を引き継いで勇壮に」濵口恵美(串本町)
▽1・2月
「マグロ初市」鈴木里司(串本町)
▽3・4月
「霊山の春爛漫」楠本憲平(那智勝浦町)
▽5・6月
「雨上がりの熊野古道」坪井洋一(新宮市)
▽7・8月
「那智の扇祭り」鈴木文代(串本町)
▽9・10月
「祈りへの道」西村康生(新宮市)
▽11・12月
「天まで届きますよう」庄司和代(那智勝浦町)
(2020年8月13日付紙面より)
町長自ら呼び掛けも (串本町 )
8月の3連休を起点として、本州最南端のまち串本町が観光、行楽、帰省の重なる盆の繁忙期を迎えている。町内外が入り混ざる人流の活発化を受けて11日、田嶋勝正町長自ら防災行政無線を使って新型コロナウイルス感染予防対策を呼び掛け。引き続き町内から感染者を出さない気持ちを引き締めつつ、時期的な繁忙を無事乗り切ることを期している。
道路交通の玄関口となる道の駅くしもと橋杭岩は臨時駐車場を設け、場内整理をしながら来訪者を受け入れ。既設駐車場がほぼ満車となる日が続いている。最寄りにある橋杭海水浴場は感染予防のガイドラインに基づいて遊泳期間を迎えているが、こちらも3連休を起点に連日、既設駐車場がほぼ満車になる利用を集めている。対して田原海水浴場はゆとりがある利用状況。南紀串本観光協会によると、レンタルカヌー事業も盛況で9日から15日(土)までの予約がいっぱいとなっているという。
望楼の芝キャンプ場は盆時期の繁忙を見越して8日から有料期間に入り、同日は143泊分、以降は9日に88泊分、10日に80泊分、11日に67泊分と利用申し込みを得ている。天候には恵まれているが、利用は初日を除いて例年の半分程度の勢い。申し込み時の検温やテント設営時の間隔保持、キャンプごみの持ち帰りなど本年度は感染予防対策を求めながら運営しているが、期間中に常駐する潮岬望楼の芝管理運営委員会スタッフによると現状でテントが密に並ぶ状況は避けられているという。
往来する車両を見れば県外ナンバーも多い状況。田嶋町長は午前11時と午後6時10分の2回、「今まで以上に3密を避け、手洗いやマスク着用を心掛けてほしい。自分を守り家族を守りましょう」とアナウンス。異例の放送のインパクトで町民らの気持ちを引き締めた。
(2020年8月13日付紙面より)
平野薫禮さんが絵本を制作 (熊野速玉大社 )
新宮市熊野川町の芸術家・平野薫禮(ぐれ)さんがこのほど、熊野速玉大社の上野顯宮司監修の下、絵本「願いが叶う神さまポイント」を完成させた。12日には同大社で完成奉告祭が営まれた。絵本はA5版24㌻。同大社社務所にて400円で授与している。
「神さまポイント」は名の通り、神様からもらえるポイント。「徳」を重ねることを、イラストなどでポイントを集めることのワクワク感になぞらえて表現しており、「ポイントをたくさんためて願いをかなえましょう」と呼び掛ける内容となっている。
平野さんは、上野宮司との会話で神道の世界観の素晴らしさに触れたことが絵本制作のきっかけとし、「自然体で善行を積む」といった宗教観から着想を得たという。
上野宮司は平野さんの「神さまポイント」の考え方に賛同。神様について多くの人に分かりやすく伝えられるのでは、と全面的に制作をバックアップした。
絵本では「気持ちのよいあいさつ」「人、生き物、植物に優しく」など、ポイント(徳)を集める方法を紹介。子どもから大人まで神様の教えが学べる本となっている。
平野さんは「正義感が強い故の怒りでも度が過ぎると周りの人が疲れてしまう。相手を思いやることが大切」と述べ、「絵本の制作自体が私にとってはボーナスポイント」と笑顔。
上野宮司は新型コロナウイルスがもたらす現状を憂い「誰だって感染したくない中、気を付けていてもかかってしまうことがある。そんな中、人が人を思いやる優しさが大事。ほんわかした雰囲気の絵本から、人の営みの素晴らしさを感じていただければ」と話していた。
絵本に関する問い合わせは同大社(電話0735・22・2533)まで。送料別で郵送も可能。
(2020年8月13日付紙面より)
警戒本部現地警戒所の開所式 (太地町 )
9月から始まる小型鯨類の追い込み漁を前に和歌山県警は5日、太地町多目的センター敷地内に新設された「和歌山県警察太地町特別警戒本部現地警戒所」で対策の警戒強化を行うための警戒所開所式を行った。反捕鯨団体への対策として2011年から毎年設置されており、今年で10回目。同警戒所では初の開所となり、来年3月まで設置する。
反捕鯨団体は過去にいけすの網の切断をはじめとし、12年に同町森浦にあるモニュメントの破壊、13、14年は執拗(しつよう)な追跡や写真撮影などの迷惑行為を行った経緯がある。昨年の漁期間中は国内外含む約70人の活動家が来町したが、大きなトラブルはなかったという。
漁期間中、警戒所では安全パトロール班7人が交代しながら1班2人で24時間を勤務。また、活動家には女性が多いことから、例年に引き続き安全パトロール班に女性警察官を1人配置している。
同本部では現在、団体の確認はないとしながらも、商業捕鯨が再開2年目となることや森浦湾の鯨類が観察できる海上遊歩道の供用が今年7月に開始されたことを受け、さらなる注意や警戒の必要性を示した。
開所式では太地町特別警戒本部の谷本克也本部長(和歌山県警察本部警備部長)、小畑博昭副本部長(新宮警察署長)らが出席。
谷本本部長は反対運動は新型コロナウイルスの感染拡大による影響で不透明な部分があるとしながらも、イルカ漁に対する抗議活動は継続されていると示した。
重点として「違法行為の未然防止」と「関係機関との連携強化」を挙げ、「捕鯨などの関係者のみならず、太地町の住民が安心して仕事や生活ができるよう、対策に当たる全員が一丸となり最善を尽くしたいと考えている」と訓示した。
その後、部隊員である警察官らはパトカーに乗り込み、町内の巡回に出発した。
(2020年8月7日付紙面より)
新型コロナ対策会議 (新宮市議会 )
新宮市議会(久保智敬議長、15人)は5日、新宮市役所で第1回「新宮市議会新型コロナウイルス感染症対策会議」を開いた。議員が新型コロナに係る市の対応や今後の支援策、方針などについて質問した。
同対策会議は、災害時における議員の役割や行動に関する「新宮市議会災害発生時対応要領」を基に、新型コロナのような大規模感染症の発生時にも対応できるよう要領の一部改正を行ったもので、6月定例会本会議において設置された。
開会に当たり、久保議長が「全国的に感染者が増え、近隣市町村でも感染者が確認されている。今週からは学校が夏休みに入り、来週にはお盆の帰省シーズンを迎える中、市民はこれまで以上に大きな不安を抱えている」とあいさつ。
当局が新型コロナに係る給付金や支援金の受け付け・給付状況について説明。また、今後の支援策について▽プレミアム付共通商品券の発行▽介護サービス事業者等支援補助金▽子育て世帯応援商品券配布事業▽新生児臨時特別定額給付金(仮称)―などを計画していると報告した。
プレミアム付共通商品券の発行は、新型コロナの影響で落ち込んだ地域経済と市民生活の支援を行う目的で、全市民1人当たりプレミアム率40%の1万円(1万4000円分)の商品券を販売するもの。市が全世帯に送る引換券をもってしての購入となる見通し。
子育て世帯応援商品券配布事業は、「子育て世帯への臨時給付金」の支援対象外となっている平成14年4月2日~平成16年4月1日生まれの子どもがいる保護者などを対象として1人につき市共通商品券1万円分を支給。
新生児臨時特別定額給付金(仮称)は、国の特別定額給付金の基準日を過ぎて、令和3年4月1日までに生まれた子ども1人に対し5万円を給付するもの。いずれも9月定例会で補正予算として上程する予定。
議員からは盆の帰省シーズンにおける感染拡大を危惧する声が多く、田岡実千年市長自らが防災行政無線で感染対策の徹底や、人権への配慮を呼び掛けるメッセージを発信すべきとの意見が上がった。
医療従事者が安心して職務を果たすための環境づくりや、感染予防対策を示した市独自のガイドラインの提示、面接制限が行われている介護現場における入居者や家族へのサポートなどを求める声もあった。
田岡市長は「新宮保健所管内では感染者はゼロだが、感染リスクはゼロではない。引き続き3密を避けることや手洗い・マスクの徹底を」と呼び掛けるとともに「誰が感染するか分からない中、感染者や感染が疑われる者が非難されるといった風潮が広がってしまうと、当人は医療機関の受診をちゅうちょしたり行動履歴を隠したりするようになり感染拡大につながる可能性がある。感染した人に対して励まし見守っていくことが終息につながっていくのでは」と思いを語った。
(2020年8月7日付紙面より)
管内、県内の交通情勢を報告 (南郡交対協 )
南牟婁郡交通安全対策協議会(会長・大畑覚御浜町長)の本年度総会が5日、御浜町役場であり、顧問の濱口裕史・紀宝警察署長が管内、県内の交通情勢(4日現在)と対策を報告した。
重大事故に直結する速度超過や信号無視、横断歩行者妨害など悪質危険な交通違反、あおり運転の取り締まりを強化し、歩行者保護に重点を置いた取り組み、反射材の配布活動も継続するとした。
管内では164件(前年同期比39件減)の交通事故が発生。交通量の多い日中の国道42号で多発し、前方不注視や安全不確認による追突、出合い頭事故が多い。死亡事故は発生していないが、転落や車と自転車の衝突、ブレーキとアクセルの踏み間違いなどの事故があり、予断を許さない状況にあるという。
横断歩道で止まってくれた車に対して児童が感謝の意を表する「止まってくれてありがとう運動」を実施しており、濱口署長は「横断歩道で止まらない車や住宅街の狭い道路でスピードを出す車を見掛ける。歩行者と車の事故は死亡事故に直結する危険性が高く、引き続き、住宅街での移動オービスを運用していく」と述べた。
県内では2万8020件の交通事故が発生。前年同期より5611件減少し、新型コロナウイルス感染拡大防止対策としての外出自粛が要因とみている。
死亡事故は昨年、統計を取り始めた昭和29年以来最小の75人だったが、今年は45件46人で前年同期より6人増加した。このうち25人が高齢者で、17人が歩行中の事故で大半が夜間に発生し、反射材を着用していなかった。今後、高齢者の交通安全意識高揚を図り、死亡事故を減らすことが課題とした。
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副会長の西田健・紀宝町長、紀宝、御浜両町の議会議長ら20人が出席し、本年度の事業計画、予算を決めた。
同協議会は紀宝警察署管内の議会、老人クラブ連合会、小中学校、高校、県などで組織。昨年度は年4回の交通安全運動期間中、広報啓発活動、交通安全教室などに取り組んできた。
冒頭、大畑会長が「先月28日に御浜町で2人の陽性患者が出たが、その後の検査で濃厚接触者が陰性との結果が出た」と報告。「お盆を控えて交通事故の多発が懸念されるが、コロナ対策を講じながら新しい生活様式を踏まえて啓発活動を工夫したい。それぞれの立場でご協力を」と述べた。
本年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、7月の「夏の交通安全県民運動」を中止したが、秋の全国交通安全運動(9月21~30日)、年末の交通安全県民運動(12月1~10日)は実施する計画だという。年間を通して、毎月11日に早朝街頭指導、子どもを対象にした交通安全教育などを行う。
(2020年8月7日付紙面より)
10月再開目標にし図書館 (串本町 )
串本町図書館が1日から、仮移転作業のため休館期間へ入った。仮移転先は地域保健福祉センター(町立体育館の隣)。公には10月ごろ移転先で開館としているが、内部的には10月1日(木)付の再開を目標にして作業を進めている。
この仮移転は、図書館がある施設(旧園舎)の敷地を年末までに地権者に返還するために実施。同館は津波が届かず町民の利便性を損なわない場所への移転を模索し続けているが、現時点で筋道はついておらず将来に本移転ありとして今回は仮と位置付けている。
同町教育委員会教育課社会教育グループによると、同センター1階の空き部屋(旧食堂)とロビーを仮移転先とし今月5日現在で整備工事はほぼ完了に達しているという。
他方、仮移転では下旬の搬出に向け計画的に蔵書の箱詰め作業を始めている。同館職員によると、元と先ではフロアの形状が異なるため改めて利便性の高い書棚の配置を決め、それに合わせて蔵書を並べる必要があるそう。相応にシステム面での準備も要するなどで、5万冊規模の蔵書や再活用する書棚の搬出よりもそれらの搬入の方が大仕事になるが目標にかなうよう進めたいと話していた。
移転元の施設は8月末までに空にし、9月以降に解体撤去して敷地を返還するという。
(2020年8月7日付紙面より)