河内神社例祭「河内祭」 (串本町 )
古座川河口域の祭礼「河内祭(こうちまつり)」が26日に本祭を迎えた。今年は新型コロナウイルスに伴う規模縮小で神事のみ営む形となり、関係5区は天候不順のため古座神社で大前の儀に臨み神霊「河内様(こおったま)」への礼を尽くした。
河内祭は古座川河口から約3㌔上流にある川中の島・清暑島を神体とする河内神社の例祭。現在は串本町の古座区と古田区、古座川町の下部区と宇津木区と月野瀬区が奉仕し、7月第4日曜日を本祭日として営んでいる。
例年は獅子舞や祭船の奉仕や奉納もあってにぎわうが、今年は密の状況を避けがたい稽古などを見合わせ併せて拝観の規模を抑えるため中止。礼だけは絶やさないため神事のみ営むことを5月下旬に関係5区で申し合わせて準備してきた。
規模縮小は戦後には一度としてなかった異例の形。大前の儀も奉幣神事を省いて営む形となり、古座神社の石田保宮司が「河内大明神」と刻まれた神額に神霊を遷(うつ)して祝詞を奏上し区長5人、次いで関係諸団体代表者7人が順次玉串をささげて神霊への礼を尽くした。
古座区は25日夜半に宵宮祭も営んだ。南藤房男区長(72)は御船や獅子舞、櫂伝馬(かいでんま)に奉仕する者にとってかわいそうな結果になってしまったと悔やみつつ「来年にはコロナが落ち着き、ちゃんとした形で河内祭を営む。その一点で願った」と思いを語った。
(2020年7月28日付紙面より)
那智勝浦町防災会議
行政や民間などの各種団体で構成される那智勝浦町防災会議(会長=堀順一郎・那智勝浦町長、委員24人)の第12回会議が22日、同町体育文化会館で開かれた。21人が出席し、事務局から町の防災の現行計画修正についての説明があり、全会一致で承認された。
防災会議は1982(昭和57)年に第1回を開催し、その時代に合った防災対策を検討している。堀会長は「南海トラフの臨時情報の運用が昨年5月に改訂されたため、町の地域防災計画を大きく修正することになった。この防災計画を基に、少しでも防災・減災につなげていきたい。皆さまから多くのご意見をいただければ」とあいさつした。
事務局は修正内容について「津波対策への追記」「平成29年度の山地災害危険地区調査要領改正に伴う危険地区の見直し」「和歌山県の水防配備体制発令基準との整合を図る」「団体名称変更に伴う修正」「南海トラフ地震臨時情報が発表された際の防災対応の追記」などを挙げ、町にとって必要でない箇所を削除することも説明した。
前述の南海トラフ地震臨時情報とは、南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合、警戒や注意が必要な際に気象庁から発表される情報のことで、今回の修正は同情報の改訂によるものが主だったという。
修正案承認後には、関西電力から「停電情報アプリ」の紹介があった。同アプリは▽停電情報をプッシュ通知で知らせてくれる▽関西エリア全域の停電情報を確認できる▽復旧作業の進捗(しんちょく)状況や復旧見込み時間が確認できる―などの特徴を持つ。
同社からは「停電時にお役に立つことができるようにアプリを作成した。10地域ほどの登録ができ、各地域ごとに情報をお届けできる。ぜひご利用いただければ」と説明した。
(2020年7月28日付紙面より)
新高田会館で親子学習 (新宮市 )
新宮市高田の新高田会館で19日、高田小・中学校育友会(溝口亮会長)主催の親子学習が開かれた。同校に通う児童・生徒や保護者、教職員約40人が参加し、4チームに分かれての対抗ミニ運動会で互いの絆を深め合った。
毎年恒例のイベント。例年は高田川でカヌーやバーベキューをするが、今年は長雨による増水や水温が低いことから室内でのレクリエーションに切り替えた。換気や全員のマスク着用、身体距離を保つなどの感染対策を取った。
開会に先立ち川でのレスキュー法講習があり、高田中の成見雅貴教頭が「溺れている人を見つけたら、まず大人に知らせ、ペットボトルや浮き輪を近くに投げてあげて。一緒に溺れてしまわないよう、泳いで助けには行かないで」と呼び掛けた。
ミニ運動会では「ひこうき飛ばし」や「うしろむき玉入れ」、新聞紙に乗ってすり足で走る「新聞リレー」などオリジナルのゲームで白熱した試合を繰り広げ、楽しい時間を過ごした。
溝口会長は「梅雨が明けても、みんな健康には気を付けて暑い夏を乗り切りましょう」とあいさつ。最後は大会の準備や進行役を務めた育友会、児童会、生徒会の役員たちに感謝の気持ちを込め、大きな拍手を送った。
(2020年7月28日付紙面より)
脊古輝人組合長を表彰 (太地町 )
田辺海上保安部(上野春一郎部長・田辺港長)は27日、太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)を訪れ、和歌山県水難救済会理事会の永年勤続表彰授与式を開いた。上野部長は水難救済思想の普及などに長年貢献した同会理事の脊古組合長に感謝状を手渡した。
表彰は同会の育成や啓発などに尽力した理事に感謝状を贈るもので、脊古組合長は7年前から理事を務めていた。
保安部によると、近年は熊野地域では漁船からの転落やレジャーに伴う事故はあるものの、大きな海難事故は発生していないという。また、保安部では今月31日まで事故発生を防ぐための事故ゼロキャンペーンに取り組んでいると話した。
上野部長は「皆さまのご協力はありがたく感謝しています。今後も継続していただき、本部長表彰につなげていただきたい。保安部としてはレジャーに伴う事故を防ぐためにもライフジャケットの着用など指導啓発に努めていきたい」と話した。
昨年9月に那智勝浦町内で、サーフィンをしていた他府県在住の男性が波に流される事案が発生。その際に同漁協も捜索活動に尽力したという。
脊古組合長はサーファーの増加に伴う海難事故について懸念していると言及。これまでに2度、那智湾でサーファーたちに「潮の流れに注意し、安全に楽しんでほしい」と啓発を行ったという。
表彰については「これからも一生懸命、ライフジャケットの着用啓発や救難救助に励みたいと思う。海保の皆さまと互いに連携して進めていきたい」と語った。
なお、保安部では海上における事件・事故の際は緊急通報(電話118)の利用を呼び掛けている。
(2020年7月28日付紙面より)
令和元年誕生の子クジラ (太地町 )
太地町立くじらの博物館(林克紀館長)で20日、令和元年度にハナゴンドウとオキゴンドウの間に誕生したメスの子クジラ「ひよか(日与花)」(体長2・5㍍、推定体重177㌔)を一般公開した。先月に1歳を迎えたひよかの愛くるしい姿を一目見ようと来場者が訪れた。また、同館では職員や来場者へのマスク着用呼び掛けや消毒、検温の徹底など、新型コロナウイルス感染予防対策を入念に行っている。
同館によると、ひよかは母親がハナゴンドウの「コスモ」(推定15歳、体長3・06㍍、推定体重311㌔)と父親がオキゴンドウの「キース」(推定16歳、体長4・26㍍、推定体重626㌔)の交雑個体だという。オキゴンドウは歯が40本あるが、ハナゴンドウは上顎に歯がない。ひよかは上下に26本の歯があり、傷痕が白く残る特徴はハナゴンドウに似るなど、両種の特徴を併せ持っていると話す。
来場者はひよかの姿を写真に収めたり、水面から顔を出すしぐさに笑顔を浮かべていた。
同館の稲森大樹副館長は「訓練を通して個体の体調管理を行っているが、ひよかは覚えが早い」。
「オキゴンドウとハナゴンドウの混雑は珍しいケース。ひよかを通して貴重なデータを蓄積していきたい。私たちも成長が楽しみだが、お客さまにもその姿を見守っていただけたら」と話した。
なお、入館者がこれまでの6割程度に戻りつつあるという同館では、感染拡大予防の観点から中止となっていた「イルカにタッチ」「カヤックアドベンチャー」などのイベントや、館内の触れる展示についても感染予防対策を講じた上でこの日より一部、再開した。
問い合わせは同館(電話0735・59・2400)まで。
(2020年7月21日付紙面より)
文化複合施設愛称選定委員会 (新宮市 )
新宮市は19日、市役所別館で「新宮市文化複合施設愛称選定委員会」を開いた。田岡実千年市長をはじめ、文化複合施設関係者、文化活動関係団体、学校関係者、中高生ら22人が参加し、市文化複合施設の愛称の選定をした。
市では、現在丹鶴小学校跡地で建設工事が進む市文化複合施設について「幅広い世代の市民に、施設に親しみを持ってもらえるように」と愛称を募集。「施設のイメージを表現した、誰もが分かりやすく親しみやすいもの」などを条件に、2月1~29日にかけて広く候補を募っており、市内外から1010件が集まった。
1月に市民ら28人で組織する選定委員会を立ち上げており、3月に選定を行う予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期となっていた。
応募総数1010件の内訳は、市内592件、市外412件(未記載など6件)。和歌山県内716件、県外288件だった。60代からの応募が182件と最も多く、10代までが156件、50代が150件と続いた。
愛称選定に先立ち、田岡市長があいさつ。「多くの作品が集まり、関心の高さが表れていると思い驚いた。今日は、年齢や立場にかかわらず活発な意見を」と呼び掛けた。
委員らは4グループに分かれて作品を審査。卓上ごとに意見交換や議論が交わされた。
選考作品は今後、名称権利関係の調査を行った上で、8月中に最優秀賞などを発表。表彰式を行うほか、広報新宮や市ホームページ上で公表する。
(2020年7月21日付紙面より)
西向小でフォトアート制作 (串本町 )
串本町立西向小学校(山本隆介校長、児童46人)で17日にフォトモザイクアート制作があり、560枚の写真を貼り合わせて校章が浮かび上がる作品を仕上げた。
同校と同校育友会(木下俊郎会長)が校区内の住民にも協力を呼び掛けて実現した合同活動。新型コロナウイルスに伴う外出自粛が続いていたころ、地域全体で元気になるためにできることはないかと考えた育友会が着想し、同校へ実現できないかを提案した。
木下会長によると、外出自粛は児童だけでなく大人も含めた地域全体が直面していることや西向小はコミュニティースクール活動で地域と近しい間柄にあることを考慮して話し合った末、写真なら自粛中でも準備できるのではと思い付きこの制作の構想が固まった。校区内各区にも協力を求めて5月中ごろから写真の提供を呼び掛け。6年生8人も手作りのポスターを貼り出してお願いした結果、目標の800枚には届かなかったものの約560枚の写真が集まり、同校が枚数相応の木組みキャンバスを作るなど準備を進めて制作までこぎつけたという。
キャンバスの大きさは縦約180㌢、横約360㌢。過度な密集を避けるため1~3年生は5時間目、4~6年生は6時間目に手分けして集めた写真を貼り付け、保護者ら住民有志も6分の1程度の面積を担当しみんなで作品を完成させた。
アートのテーマは最後まで秘密とし、制作中の児童らは写真に写る人物に興味津々。仕上がりを確かめるため10㍍ほど離れて見ると校章が浮かび上がり、驚きと感心の声が上がった。
完成前に下校した1~3年生は、20日の全校集会時に仕上がりを確かめた。今後は退色を防ぐ処理をしてビニールをかけ、木枠を追加して校内に掲示する予定。木下会長は「子どもたちは今も運動会や修学旅行があるかどうか分からない状況。そんな時でも楽しいことがあったねとみんなで振り返れる経験を託したいというのが、私たち親の思い。『コロナの時の方が楽しかったよ』と思ってもらえるぐらい、これだけに終わらず今後も楽しい経験を提案していきたい」と語った。
(2020年7月21日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で20日、「八咫烏(やたがらす)風鈴」の取り付け作業があった。神職や本宮町商工会の渕上太志会長をはじめとした有志らが協力し、同大社参道などに約200個の風鈴をつるした。風鈴は8月15日ごろまで設置予定。
風鈴はもともと邪気払いとして使われており、同社では参拝者らに涼を感じるとともに、邪気を払い疫病退散や開運厄よけにつなげてもらおうと、2006年から設置している。南部鉄製の風鈴には、熊野地方の伝説「三体月」の模様が入っていて、八咫烏の絵が入った赤、青、黄、ピンク、白の5色の短冊を下げている。
この日は、神門付近に88個の風鈴が回る「八咫烏風鈴台」(高さ約3㍍)も設置。頂部には八咫烏の模型があしらわれており、風がそよぐたびに涼しげな音を響かせている。近日中には、地元商店の店頭などに約80個の風鈴を飾る予定。
風鈴設置に当たり、九鬼宮司は「新型コロナウイルス感染症の影響が厳しく、状況も日々刻々と変わっている。そんな中、当大社にお越しいただいた方々の心が少しでも安らかに、そして夏を元気に乗り越えてほしいと願いを込めました」と話していた。
(2020年7月21日付紙面より)
先制するも九回に逆転許す (高校野球和歌山大会 )
グラウンドゴルフ「夏大会」 (ニュータウン熟年クラブ )
第38回学童軟式野球大会 (マクドナルドカップ )
「那智の扇祭り」前日に (熊野那智大社 )
熊野那智大社(男成洋三宮司)は13日、9日から延期となっていた世界遺産・那智の滝上の大しめ縄の設置を行った。14日に斎行される国指定重要無形民俗文化財「那智の扇祭り(火祭)」を前にした恒例行事。連日の大雨で水量が多くなっていたため、安全を考慮して例年より上流にしめ縄を張った。後日、落ち口で張り替えを行うという。
午前9時から本社拝殿で報告祭が営まれ、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職らが真新しいしめ縄を担いで入山した。しめ縄は長さ約26㍍、重さ4㌔。神職らは神域である滝の落ち口から約50㍍ほど上流で、命綱を着け、水につかりながら取り組んだ。高さ133㍍での作業となるため、水量が増した水に足を取られないように注意した。張り替え作業は例大祭前と年末の2回行われている。
延期のため、祭り前日のしめ縄設置となったこの日は、夕方から神職のみで宵宮祭が営まれた。
先日行った取材の際に男成宮司は「拝観者や奉仕者の皆さまの安全を考えると、縮小や一部中止はやむを得ないと思います。神様や皆さま方に元気になってもらうのが本来のお祭りの姿。来年はそんなお祭りができるようにご奉仕をしていきたい」と話していた。
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新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点から、14日の例大祭は規模縮小と一部中止を決定。扇みこしや大たいまつ、那智の田楽などを取りやめるなど、祭典内容を変更して神職や役員、祭り関係者のみで斎行される。
同社によると、本殿での参拝は通常通り行えるが、別宮の飛瀧(ひろう)神社においては午前10時から正午まで参拝を中止するという。
(2020年7月14日付紙面より)
マナーアップ推進リーダーが啓発活動 (新翔高 )
新宮市佐野の県立新翔高校(東啓史校長)で13日、自転車マナーアップ推進リーダーによる啓発活動があった。バスケットボール部と吹奏楽部の部員約15人が校門前で啓発物資を配布し、自転車の安全な利用を呼び掛けた。
同推進リーダーは道路交通法の改正による自転車運転者講習制度の施行を受け、2015(平成27)年に県内で初めて実施された。今年は同校バスケットボールと吹奏楽の両部員ら39人が委嘱され、校内での自転車の交通マナー向上や自転車安全利用五則の周知、若者の交通安全活動への参画などを主導し、事故防止を図っていく。
両部は今後、数回に分けて活動を実施し啓発を行う予定にしている。初日のこの日は新宮警察署交通課の職員4人が来校した。部員たちは反射材と、「とびだしはしません」との文字が書かれたストラップを配布。「自転車のマナーを守ってください」「しっかり鍵を掛けましょう」と登校する生徒に呼び掛けた。
片山波也斗君(2年)は「初めて活動に参加し、少し緊張したけど自然に声を掛けることができました。鍵をつけ、マナーや交通事故などに気を付けて運転してほしい」。
同署交通課の小畑良平警部補は生徒たちの自発的な活動に感謝し「最初は恥ずかしそうにしていましたが、少しずつ積極的に呼び掛ける姿が見られました。啓発活動を通して校内をはじめ、各家庭などでも話をしてもらって広く周知していってもらえれば」と話していた。
(2020年7月14日付紙面より)
橋杭・田原の両海水浴場 (串本町 )
串本町くじ野川にある橋杭海水浴場で13日、南紀串本観光協会(島野利之会長)の呼び掛けによる遊泳期間の準備があった。今年は18日(土)に海開きをし、新型コロナウイルス感染予防策を講じつつ水浴の機会を提供するとしている。
この浴場は環境省選定「快水浴場百選」の一つに数えられ、橋杭岩や紀伊大島を眺望する開放的なロケーションときめ細やかな砂浜で地元内外から海水浴客を集めている。
運営する同協会は近隣の動向を見つつ、例年より時期がずれ込んだが十分な感染対策を講じて海開きをすることを決断。先だってあった株式会社人見建設の清掃奉仕によりすでに砂浜が整っていたため、この日は呼び掛けに応えた関係者約20人が遊泳区域を示すブイの洋上設置や有料駐車場看板の準備、ソーシャルディスタンスの目安とする幅杭の打ち込みなど準備に集中して取り組んだ。
同協会は橋杭と田原の2海水浴場を運営していて、いずれも遊泳期間は18日~8月31日(月)。橋杭の洋上遊具(滑り台付きの浮島)は感染予防の一環で今回は設置しないという。
島野会長は「串本の夏といえばやはり海。海水浴場はそれだけでなくまち全体を夏の雰囲気にするので、こうして海開きができるのはまちを盛り上げるという点でとてもうれしいことだ。感染予防対策をしっかりとして運営していくので、多くの皆さんに密にならないなど協力いただきながら海水浴を楽しんでいただきたい」と今期の海開きに向けた思いを語った。
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串本町の橋杭海水浴場と田原海水浴場の清掃を目的とした四輪駆動バギーが13日に納車された。
ビーチクリーナーをけん引して砂浜を良好に保つ目的で導入。車両は国産で排気量は420㏄、一式の導入に要した額は約200万円という。運用者は南紀串本観光協会で、遊泳期間中に使用する。
(2020年7月14日付紙面より)
町選管が当選証書付与 (太地町 )
太地町選挙管理委員会(山路直廣委員長)は13日、同町公民館で当選証書付与式を開いた。山路委員長が町長選挙当選の三軒一高さんと、町議会議員補欠選挙に当選した宮川茂さんに当選証書を手渡した。
任期満了(8月7日)に伴う町長選は7月7日に告示され、現職の三軒さんが無投票で5回目の当選を決めた。また、議員の死去に伴う町議補選(欠員1)には新人の宮川さんが立候補。同じく無投票で初当選を果たした。
山路委員長は三軒さんに対し「卓越した洞察力と英知を発揮し、町の発展を図ってくれると思っている」。宮川さんに「町民の声を町政に反映し、町の発展を図ってください」と激励。「お体にご留意の上、より一層のご活躍を」とあいさつした。
当選証書を受け取った三軒さんは「30年計画も中期に入った。一層力を入れて慎重にやっていきたい」と意欲を示し、「町のために力を尽くしたい」。宮川さんは「1年の任期の内にできるだけ町民と話をし、いろいろな意見を聞いて自分の基盤を築いていきたい」とそれぞれ意気込みを語った。
付与式後には、宮川さんに民生委員として長年社会福祉の増進に貢献したとして、三軒町長から加藤勝信・厚生労働大臣の感謝状が贈られた。宮川さんは平成22年12月から令和2年6月12日まで、9年半にわたり民生委員として活躍。このたびの町議補選立候補に当たり、解嘱を申し出ていた。
(2020年7月14日付紙面より)
第13回学童軟式野球大会
県高校野球夏季大会
東牟婁支部大会決勝 (県軟式野球連盟東牟婁支部学童部 )
扇立祭は時間短縮し斎行 (熊野速玉大社 )
熊野地方の夏の風物詩として1000年以上の伝統を持つ「扇立祭(おうぎたてまつり)」が14日(火)に開かれるのを前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で6日、祭り当日に各殿で開帳する檜扇(ひおうぎ)7握を虫干しのため蔵から出した。なお、今年の扇立祭は新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点からミス浴衣コンテストなどの奉賛諸行事や露店商組合の出店は中止。午後3時に本殿・各殿に檜扇を開帳し、午後5時に閉門となる。
扇立祭は、神前に立てられた檜扇に神が降臨し、氏子が病気にかからないよう、また五穀につく虫を追い払って豊作を願い始まった。
室町時代の作品と伝わる檜扇は大社を代表する宝物で、現在、日本に18握ある国宝のうち11握が大社に伝わっている。ヒノキの薄い板の木目の美しさを生かしながら彩色、金箔(きんぱく)、銀箔(ぎんぱく)が施されていて「熊野檜扇」と呼ばれている。
祭りで使用されている檜扇7握は、1964(昭和39)年に模写されたもので、本殿用(高さ1・5㍍、幅1・65㍍)は大社先々代の故・上野殖宮司、残り6握の各殿用(高さ0・8㍍、幅1・3㍍)は故・杉本義夫さんが模写し、故・鮒田和往さんが奉製したものとなっている。
(2020年7月7日付紙面より)
町と自主防が開設・運営訓練 (紀宝町 )
大里地区の四つの自主防災会と紀宝町は5日、同町の大里多目的集会施設で新型コロナウイルスに対応した避難所開設・運営訓練を実施した。各自主防災会、町、町消防団第3分団大里班などから参加した約50人が施設内で避難者同士が密にならないようパーティションを設置し、避難者の受け入れ方法を考えた。
今後、出水期に避難する機会が増えることが予想され、避難所での3密を避けるなど新型コロナ対策を講じた「新しい生活様式」による避難所運営がスムーズに行えるよう地区、町が連携した。密集回避のため参加者を限定し、検温、マスク着用、手指消毒をした上で行った。
訓練を前に、町防災行政総合アドバイザーで東京大学の松尾一郎・客員教授が「新型コロナによって人との接し方が変わった。ワクチンができない限り終息は難しいため、感染対策を講じた避難所運営を行政と一緒に取り組んでほしい」と呼び掛けた。
訓練は設営から開始し、パイプとビニールシートのパーティション、テント、簡易ベッドを組み立てた。間仕切りした避難所の完成後、受け入れ訓練に移り、受付に消毒関係備品を配置。防護服、フェースシールドを着用して避難者の問診や検温をし、発熱者は津本防災センターに専用車両で搬送した。分散避難できるよう、車中避難者の駐車スペースも設けた。
訓練を見守った西田健町長は「新型コロナと水防をしっかりと見据えた上での訓練が問われている。今回はその先駆的な訓練で、今後も身の安全を守る体制をつくっていきたい」と話した。
終了後、参加者からは「先着順か高齢者を優先するのか」「受け付けが混雑した。問診を簡潔にすれば」などの意見があった。今回の訓練で得た改善点などは大里地区タイムラインに反映するという。
(2020年7月7日付紙面より)
町民有志が署名求める (那智勝浦町 )
那智勝浦町の「体験型観光」の代表として知られる紀の松島観光船は現在、新型コロナウイルスの影響などを受け、事業運営が厳しくなっているという。その現状を鑑みて、町民有志らで組織される「紀の松島観光船存続を求める会」(小阪三喜子代表)が存続を願って署名活動を展開している。
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熊野学研究委員会の委員である中瀬古友夫さんによると、紀の松島観光船は戦前から70年以上の歴史があるという。中瀬古さんは1940年当時に南紀を訪れた旅行者のアルバムや過去の松島めぐりに関する資料などから、さまざまな業者が代わりながらこの観光船業を経営してきたことを説明。
「勝浦温泉は海が玄関口。那智勝浦町にとって伝統を受け継ぐ島めぐりの船がなくなっては非常に残念。熊野という観光地は各地のさまざまな要素が協力し合って発展したもの。そのうちの一つをなくしてしまってはいけないと思う」と語った。
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紀の松島観光船について、「町の観光の目玉」と掲げる小阪代表は現存する観光資源を大切にすべきだと主張している。
「この町の観光にとって観光船は必要なもの。なくしてから後悔しては遅い」と危惧。運営会社である紀の松島観光株式会社には「引き続き、企業努力してほしい」と要望するとともに、観光船の存続を願う署名活動に6月中旬から取り組んでいる。署名は2週間経過時点ですでに約1000人に達しており、集まり次第、堀順一郎町長宛てに提出する。
小阪代表は「一度廃止にすると、再開には多くの時間やお金が必要になってしまう。実際にファンは多い。磨いていって勝浦の魅力発信につなげてほしい。町が入って存続してもらえたらありがたい」と語った。
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紀の松島観光株式会社の支配人である畑下誠紀さんによると、同観光船事業は2003年から同社が経営。事業に関しては国や県からの補助金なしに運営しているという。
近年の乗船人数は15年が3万3988人、16年が2万8327人、17年が2万6171人、18年が1万9839人、19年が1万4859人と減少傾向となっている。しかし、那智勝浦町史によると「1973年には年間51万4741人が利用」と記されているほど観光資源としての人気があったとされている。
観光船は主に他府県からの修学旅行や、国土交通省勝浦海事事務所が行う「海の日」記念行事では地元小学生の乗船体験などの利用もある。また、太地町のくじら浜公園に寄港することから、町立くじらの博物館へ足を運ぶ観光客も多いという。
畑下さんは「コロナの影響で今年2月から運航休止となっていたため、それ以降の売上はない」とし、これまでは国の雇用調整助成金などを活用し、しのいできたと説明。10月以降は国の支援継続の有無や町内宿泊施設の状況を注視しながら、事業継続を判断していくと話した。
「署名活動をしていただき感謝している。企業努力は今後も続けていく。急には難しいが、将来的には町に経営していただけたらと考えている」と語った。
太地町在住の50代男性は「博物館の利用促進にもつながっている。自分的には勝浦の観光を担う存在だと思う」と話していた。
(2020年7月7日付紙面より)
伝統文化親子教室がスタート (新宮市 )
「和の心『珠蒼(しゅそう)の会』」の苅屋企世子代表が指導する「いけばな きもの着装・マナーこども教室」が5日、新宮市の蜂伏会館で始まった。文化庁の令和2年度伝統文化親子教室事業の一環。11月まで10回の教室を予定しており、初回は市内外の小学生やその母親ら10人が参加した。
子どもたちがいけばなやきもの着装、マナーなど伝統文化に触れることで、大人になるために必要なマナーや命の大切さを学び、文化を継承することを目的に毎年実施している。苅屋講師は華道家であり、きもの学院と池坊いけばな教室を主宰。礼法も指導する。今年は手や机などの消毒、換気、マスク着用など、新型コロナウイルス感染症予防対策を講じた上での実施となった。
苅屋講師は「今は新型コロナの影響で大変な思いをしていると思いますが、みんなで頑張りましょう」とあいさつ。この日は、半幅帯の結び方に始まり、立礼や立ち方、座り方、お辞儀の仕方などの作法を学んだ。
休憩を挟んでのいけばなでは、苅屋講師が「花にも命があることを忘れずに、優しく丁寧に扱ってあげてください」などと心構えを説明。いけばなの根源・池坊の歴史も紹介した。参加者らは苅屋講師の指導の下、ルリタマアザミやスプレーカーネーション、ベニバナ、ケイトウ、ユーカリなどの植物を使い、型にとらわれない自由花に取り組んだ。
毎年、12月に集大成として発表会を開催しているが、今年は新型コロナ予防の観点から発表会を11月1日(日)に前倒し。今後の状況を鑑みた上で密を避ける形での開催を模索していくという。
(2020年7月7日付紙面より)