海水浴場、自然プールにぎわう (熊野地方 )
近畿地方が梅雨明けした翌日の25日、熊野地方では30度を超える真夏日となった。夏休み中の児童、生徒にとってようやく〝夏本番〟を迎えた。
新宮市の高田自然プール、三輪崎海水浴場、那智勝浦町のブルービーチ那智、玉の浦海水浴場、湯川海水浴場、宇久井海水浴場、串本町の橋杭海水浴場、太地町のくじらに出会える海水浴場、熊野市の新鹿海水浴場、大泊海水浴場がオープンしている。
今年の梅雨明けは昨年より15日遅かったため、夏休みが始まった19日以降も好天に恵まれる日は少なかった。27日は台風の影響で、夕方まで雨が降り、雷を伴い激しく降る所もある。その後は高気圧に覆われて晴れる見込み。最高気温、最低気温ともに、おおむね平年並だという。
夏空が広がった25日、熊野川支流の高田川に設けた新宮市の高田第一自然プールと第二自然プールは、多くの子どもたちでにぎわいを見せた。
紀宝町から母、祖母と訪れた藤田綾真(りょうま)君(7)と妹の結愛(ゆあ)ちゃん(6)は、「冷たいけど楽しい」「気持ち良い」と笑顔。自然の地形を利用した天然プールを満喫していた。
太地町のくじらに出会える海水浴場は、くじら浜海水浴場で開かれる人気のイベント。2008年から始まり、今シーズンは8月19日(月)までクジラと一緒に泳ぐことができる。時間は午前11時からと午後1時からの1日2回、それぞれ15分程度。
今年は6回目で雌のサツキ(体長291㌢、推定体重309㌔、推定10歳)と、デビューを迎える雄のネモ(262㌢、推定体重208㌔、推定4歳)のハナゴンドウ2頭が海水浴客をもてなす。
25日はサツキが海水浴客と一緒に泳いだ。近距離でスマホ撮影したり、「かわいい」などと声を上げながらクジラとの触れ合いを楽しんだ。
奈良県から家族5人で訪れた辻窪煌雅(おうが)君(9)と夢雅(ゆうが)君(7)兄弟は「近くで見たクジラは大きかった。めちゃくちゃ楽しかった」。母親のカナさんは「インターネットでこの海水浴場を知り、宿泊先の白浜町から車で2時間かけて来ました。良い思い出になったと思う」と話していた。
(2019年7月27日付紙面より)
オープンキャンパスに80人 (なぎ看護学校 )
新宮市蜂伏の県立なぎ看護学校(塩路喜英校長、生徒113人)で26日、オープンキャンパスがあった。市内や近隣市町村の高校生と社会人80人が参加し、学生との交流などを通して看護学校への理解を深め、進路決定の参考にした。
オープンキャンパスは毎年同校2年生が中心に企画し、進行している。オリエンテーションで自治会長の笠置海斗さん(2年)は「この機会を通して本校の授業内容や学校生活などについてより良く知ってもらいたい。皆さんの進路選択に役立ててもらえればと思います」とあいさつ。峯本久美・教務主任は同校の理念や特色、看護師に求められていることなどを語り、「1995年に開校し今年で25年目を迎え、地域の方々に育ててもらっていることを感じている。看護を学ぶにあたり、頑張っておくこと、大変なことは何か、学校生活や学習の楽しさなどをしっかり聞いていってください」と呼び掛けた。
看護学生たちは、写真や動画を使い学校名の由来、年間行事などを紹介。参加者は班に分かれ、体育館や図書館などの施設を見学し、手指消毒や脳疾患の授業、車いす、血圧測定、乳児のモデル人形を使った体験などに取り組んだ。
将来、看護師を目指している新翔高校1年の田端詩月さんは「限りなく現場に近い雰囲気などを実感したい。実習全般が楽しみで、将来の進路に役立てたいです」と話していた。
(2019年7月27日付紙面より)
柳本利文さんが栄誉金章受章 (新宮警察署 )
新宮警察署少年補導員連絡会の柳本利文会長(69)は6月13日、東京都千代田区で開催された「令和元年度公益社団法人全国少年警察ボランティア協会少年補導功労者及び少年補導功労団体表彰式」で少年補導功労者栄誉金章を受章した。新宮警察署(髙砂(たかす)浩之署長)で26日、受章報告会があり、髙砂署長は「長年精力的に活動を続けてこられたたまもの。誇りに思います」と功労をたたえた。
柳本会長は2002(平成14)年4月から同署少年補導員連絡会員として活動。04(平成16)年に少年指導委員として委嘱を受け、12(平成24)年からは同連絡会長として少年の健全育成や非行防止など啓発活動に取り組んでいる。
徒歩や自転車で地域を見守る自主防犯団体「リンリンパトロール」や、青色回転灯を装備した青色パトカーで地域をパトロールする「自主防犯パトロール隊」を発足させるなど、活動は多岐にわたる。15(平成27)年には少年補導功労者栄誉銀章を受章しており、長年の実績を認められての受章となった。金章受章は全国で47人で県内では1人。
柳本会長は「なぜ自分が、という思い。先輩諸氏がやってきたことを実行してきただけのこと。最高章とのことですが、最高の行いをしたという気持ちはない」と謙遜しながらも「これを機に原点に返り、精力的に青少年の健全育成、非行防止に努めていきたい」。
昔に比べて素直な生徒が増えてきたと話し「見せる活動を心掛けたい。自転車盗や万引が増えていると聞くが、事務局と相談しながら対応していけたら。今後も全力を挙げて啓発活動をしていきます」と抱負を語った。
髙砂署長は「素直な生徒が増えているというのは柳本会長をはじめとする会員の方々の活動が浸透している証拠では。警察だけでは限界があり、ボランティアの活動が必要不可欠。今後とも連携しながら青少年の非行防止に努めていけたら」と感謝を述べた。
(2019年7月27日付紙面より)
有田市の専門店が販売へ (串本町 )
有田市に拠点を置く株式会社トータル・プランニング(富山晃至代表取締役)が展開するバウムクーヘン専門店「MAHALO(マハロ)」がこのほど、串本町特産のサツマイモ「なんたん蜜姫」を素材として取り入れた新商品「串本なんたんジオバウム」のレシピを開発した。近日中に串本町内にも販路を開いて、販売を始める予定。同社は先だって25日、田嶋勝正町長に試食を交えて報告をするなどした。
この開発は、同町が串本らしい商品の登場を期待していることを職員経由で知ったことがきっかけ。27日に南紀熊野ジオパークセンターがオープンするなど地質への注目が高い地域性に着目し、層つながりで自社のバウムクーヘンに潮岬発祥のJA紀南ブランド品でもある「なんたん蜜姫」のペーストを取り入れることを思い付いた。
同センターオープンまであと1カ月というタイミングで、「完成を間に合わせる」という意気込みを持ってレシピの開発に着手。同店がこだわるふわふわ感から若干しっとり感が増したが、甘くクリーミーで豊かな風味が感じられるレシピを完成させ「串本なんたんジオバウム」と命名した。
田嶋町長への報告時には、専用の化粧箱と商品として想定する約350㌘の重さで切り分けた実物を持参。富山代表取締役(42)は開発の経緯などを伝えて試食を勧め、田嶋町長は「しっとりもっちりしていて甘さは控えめ。ご年配にも親しんでもらえそうなおいしさ」と応え、バウムクーヘン独特の層と地層をかけたコンセプトのユニークさも含めて商品化を喜んだ。
このバウムクーヘンは、同センターのオープニングセレモニー出席者に配ることにもなっている。田嶋町長は話題に付随して経済につながる商品の第1弾として興味深いと注目し「今後も第2、第3の商品が登場して地元を味わうように親しんでもらえたら」と今後を期待。富山代表取締役はこれからもジオと特産品を絡めた開発をやっていきたいと意気込みを掲げた。
報告時の形がほぼそのまま商品になるそうで、冷凍で90日保存できる形で土産物として販売する方向で町内事業者との交渉を進めているという。
(2019年7月27日付紙面より)