新宮LCが案内板寄贈 (新宮市 )
新宮ライオンズクラブ(新宮LC、山本俊英会長)はこのほど、新宮市橋本の水野家墓所に総合案内板1基と墓標案内標柱16基を寄贈した。28日に同所で寄贈式があり、新宮LC会員、前田賢一議長をはじめとする市議会議員、元新宮領主水野家顕彰会の松本吉殖会長らが参加する中、山本会長が田岡実千年市長に目録を手渡した。田岡市長は「国の史跡である水野家墓所の歴史的景観に調和したデザイン。墓所の価値をより理解できるものであると心から感謝します」と謝辞を述べた。
今年は元新宮領主の水野家が同市に入部して400年の節目に当たる。これを記念して、国指定史跡である水野家墓所に案内板と墓標標柱を整備し、将来にわたって市の歴史と文化の継承、発展を図ることを目的に、市が新宮LCに協力を求めていた。
水野家は1619(元和5)年、徳川家康の母方のいとこに当たる初代城主・水野重仲が、徳川頼宣が紀州に入国するのに従って付家老として新宮領を与えられ、徳川家の紀州支配を補佐。幕末まで10代にわたり当地方の林産物を中心とした経済基盤をもとに領内を支配した。
寄贈式では、山本会長が「ご縁があって寄贈できたことはありがたいこと。会員一同喜んでいます」とあいさつ。「献血奉仕活動の際には多くの市民、市職員の方々に協力をいただいている。これからもいろいろな面で協力をさせていただければ」。
田岡市長は「先人から受け取った400年というバトンの重さを感じつつ、歴史・文化に彩られた新宮の魅力を広く発信し、将来のまちの発展につなげていきたい」と決意を新たにした。
同所には重仲が死去した1621(元和7)年に、この地を墓所と定め分骨を納めたと記録がある。その後、1928(昭和3)年まで順次墓標が立てられた。2002(平成14)年に水野家から市に寄贈され、「水野家累世之霊塔」部分を除いて国史跡として指定を受け、文化財として管理している。
(2019年6月29日付紙面より)
新宮市健人大学に120人
新宮市健人大学(市教育委員会など主催)の6月講座が27日、市役所別館であった。山口整形外科の山口道夫院長が「年齢に負けない動ける体づくり入門」をテーマに講話。約120人が聴講し、筋力を上げる簡単な運動を実践した。
山口院長は、運動器の障害のために移動機能の低下を来たした状態である「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」について説明。進行すると日常生活に支障を来たし、寝たきりになるリスクが高まると述べた。
ロコモの三大原因として変形性膝関節症、腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症、骨粗しょう症を挙げ、加齢に加えて重労働・スポーツ・けが、運動不足・生活習慣や食生活の乱れなどが原因の肥満が関節や脊椎、骨に負荷をかけることによってロコモが進行するとメカニズムを解説した。
運動や日常動作がさらに減ることによって、ロコモが進行し悪循環を招くとし、▽片脚立ちで靴下が履けない▽家の中でつまずいたり滑ったりする▽階段を上がるのに手すりが必要▽家のやや重い仕事が困難▽2㌔程度の買い物をして持ち帰るのが困難▽15分くらい続けて歩くことができない▽横断歩道を青信号で渡りきれない―の一つでも当てはまるとロコモの心配があると話した。
骨粗しょう症について「加齢によって腸管からのカルシウムを吸収する力が衰えること、骨の新陳代謝のバランスが崩れること」と原因を解説。背中や腰が痛くなる、背中が丸くなる、身長が縮む、骨折しやすいなどの症状を挙げ、カルシウムと吸収を助けるビタミンDが不足しないよう、バランスの良い食事を心掛けるよう求めた。
理学療法士の田中雅也さんが筋肉伸ばしやもも上げ、スクワットなど、ロコモを予防するストレッチ・柔軟体操などを紹介。参加者らは指導の下、日常生活でできる簡単な運動を実践した。山口院長は「年齢に負けない体づくりで特に大事なのは歩けること。自分のペースで合計30分を週に2、3回から始めてみて」と呼び掛けた。
同大学は市内在住の60歳以上を対象に、生涯を通じて学び続けられる場を設け見識を深めてもらう目的で、年間10回程度の講座を実施している。本年度は現在331人が参加しており、随時参加者の受け付けも行っている。
(2019年6月29日付紙面より)
H&R串本で本年度総会 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)が28日、串本町サンゴ台にあるホテル&リゾーツ和歌山串本で本年度総会を開いた。役員改選があり、全員留任とする役員会案を承認。手ぶらで釣り体験の導入やガイド部会の活動増強、古民家活用協議会との共同によるマップ制作など、時代に即した新規の取り組みも意識しながら本年度の方向性を決めた。
同協会は、旧串本町観光協会や旧古座観光協会など4団体を統合した一般社団法人として昨年3月に設立。4月にJR串本駅と同古座駅の2カ所に事務所を開き、橋杭海水浴場の3シーズン活用など旧団体各種事業の継承展開に努めている。
同日現在の会員規模は234個人団体。総会は出席40人、委任121人で成立し、都合欠席の島野会長に代わり室宣行副会長は最近の目覚ましい町勢をさらに加速する頑張りを誓って協力を求めつつあいさつした。
来賓の田嶋勝正町長は宿泊客数の増加傾向や新たなホテル進出の展望、ロケット発射場の進ちょくなど最新の話題を伝え「フォローの風をいかに上昇気流に押し上げるかが課題。いろいろなものが動き出すこの気流に協会も町も乗り遅れないよう頑張りたいので一層の尽力を願いたい」と祝辞。町議会の結城力議長や県議会の佐藤武治議員も祝辞を寄せ、役場産業課の南和夫課長も列席して総会の実施を祝った。
続く議事では前年度と本年度の事業関連諸議案を審議し原案通り承認。事業報告で継承後の各種事業の状況を確かめ、事業計画では前述の新規取り組みを含めた内容を確かめた。役員改選は任期2年だが、役員会は初年度が1カ月弱しかなかった点を踏まえて全員留任とする案を提出した。
(2019年6月29日付紙面より)
讃寿会の会員15人が訪問 (鵜殿小 )
紀宝町の鵜殿老人クラブ「讃寿(さんじゅ)会」(牧戸光彦会長)の会員15人が27日、鵜殿小学校(前田幸利校長)を訪れ、3年生38人に昔の暮らしを紹介した。
社会科授業の一環で、地域のお年寄りとの交流の中で昔の暮らしを知り、地域を愛する心を育てることが目的。男性会員5人が昔の生活ぶりを伝え、女性会員9人は洗濯板の使い方を教えた。
男性会員は食べ物や生活、学校などの質問に対し「昔は米が少なかったので、イモなどで量を増やしていた」「電話は鵜殿で4~5軒しかなかった。持っていない人は借りて使っていた」「リヤカーはあったけど、自動車は鵜殿の医者だけが持っていた」などと答え、小学校当時の60~70年前の生活ぶりを話した。
女性会員は慣れた手つきで洗濯板の使い方を教え、児童たちは靴下やタオルなどを手洗いした。
当時の男の子はおけを担いで水をくみ、女の子は洗濯が日課だったという。参加した女性会員は「60年ほど前は友達や家族と毎日、川で洗濯することが当たり前だった」と話していた。
(2019年6月29日付紙面より)
農地転用における課題など (新宮市 )
高齢化や若者の都市部への流出などで全国的に放置され荒れた農地の管理が問題となっている。高齢人口比率35・5%(2018年1月1日現在)となっている新宮市においても空き家問題同様、所有者が高齢で管理が困難であったり、相続した農地を持て余したりするなど、農地の利活用が課題となっている。
農地を農業以外の目的に利用することを「農地転用」という。農地転用の際には、権利の移転などを行う場合、原則として国や都道府県知事の許可が必要となる。農地転用許可制度を適正に運用し、優良農地を確保する目標を立てるなどの要件を満たしている一部自治体は、指定市町村として都道府県と同様の権限を有するが、それ以外の自治体では「農地法」が定めた規定により手続きが必要となる。
市町村の農業振興地域整備計画により農業を推進することが必要と認められた「農業振興地域内農用地区域」においては、農地以外での土地利用が厳しく制限されている。また、一般人が畑などを所有し耕作する場合は1000平方㍍以上(新宮市の場合・自治体によって異なる)持つことが必要とされており、市民からは「農道の整備拡幅や舗装なども大事。農道沿いに住宅が建っている所もたくさんある」「高齢になり耕作ができず近所迷惑になってしまい心苦しい」などと規制緩和を望む声も聞こえてくる。
農地などの利用関係の調整、農地の交換分合その他農地に関する事務を執行する「農業委員会等に関する法律」の改正により、市では17年12月1日、農地利用の最適化を推進するため農地利用最適化推進委員を設置。担当区域の農地の無断転用や耕作放棄地の防止・解消などを図るための利用状況調査、農業者からの相談対応や助言指導を行うなど、人と農地とのマッチング、農地利用の最適化を図る業務を担っているが、その役割としては「農地の有効利用の意義・重要性を地域に伝えること」であり、農地転用についての業務は農地法に基づいた審査にとどまっている。
農業委員会の担当者は「農業を振興する立場として、守るべき農地を明確化していく必要がある」と話している。
(2019年6月21日付紙面より)
ゆうゆうクラブ女性部が音楽体操 (新宮市 )
新宮市ゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会)女性部(石原千里部長)は19日、市福祉センターで令和元年度「健康づくり教室」を開いた。会員約100人が参加し、音楽に合わせて体を動かした。
音楽を通じて脳の活性化と健康づくりを推進しようと、「楽しい音楽体操」をテーマにピアノや健康体操の指導などを行う宇都宮惠美さんから教わった。
石原部長は「女性部も1000人を超え、おおいに活動を」とあいさつ。宇都宮さんは「すてきな曲に合わせて体を動かせばあっという間」「痛いとストレスになるので、気持ちいいと感じる程度に」など解説しながら指導した。
会員は背筋を真っすぐするための「手振り体操」をはじめ、隣の人と触れ合う動きや脳トレの動作を取り入れた手遊び、ボールやひもなどの道具を使った体操などにもなじみの歌に合わせて取り組んだ。会場には歌声と笑い声が絶えず響いていた。
宇都宮さんは「これを機に継続して実施したい。人の輪に入り、笑いながら過ごすのはいいこと。たくさんの人が来てくれてよかった」。
松﨑和代さん(84)=船町=は「散歩以外は座り込んでばかりで、体を思うと体操をしたいと考えていました。誘っていただき、参加できた。ありがたいこと」と笑顔。閉会に当たり河原良子副部長は「皆さんの心が大きな一つの輪になって楽しいひとときを過ごし、認知症も遠ざかったのでは」と締めくくった。
(2019年6月21日付紙面より)
メ市派遣の中学生7人ら (串本町教育委員会 )
串本町教育委員会(潮﨑伸彦教育長)が19日、同町文化センターで本年度姉妹都市青少年交流事業〈派遣事業〉に参加する町内在住の中学生7人とその家族を対象にした事前説明会を開き、事業の概要などを伝えて質問に答えるなどした。
この事業は1994(平成6)年度に旧串本町で始まり、現串本町は教育委員会事業に位置付けて継承実施している。後者は西暦奇数年に国際姉妹都市・トルコ共和国メルシン市(以下メ市とする)などへ青少年を派遣し同偶数年にメ市などから青少年を受け入れる形で相互交流を重ねる流れにあるが、派遣については同国の治安悪化に伴い直前中止した2013(平成25)年度以降2回見送ったため8年ぶりの実施となる。
本年度の派遣先は今も相互交流が続いているメ市で、7月21日(日)午前11時に出発し29日(月)午後6時ごろ帰町する8泊9日の行程で赴く。メ市滞在は現地時間で22日(月)から27日(土)までの6日間で、その前後は移動日。交流プログラムは調整中で、近日中にメ市から同町教委に連絡が入る見込み。
中学生7人の内訳は男子2人と女子5人で、学年で見ると1~3年生がそろっている状況。町内の中学校経由で、古座中や近大附属新宮中に通う中学生には個別でそれぞれ案内を出して参加を呼び掛けた。同町総務課付けで国際交流員を務めるトルコ人女性ドゥルナ・オズカヤさんら引率者3人を加えた10人で青少年団を結成し、ホームステイをしながら同プログラムに臨むという。
同説明会は中学生7人と引率者3人がそろって初顔合わせするタイミングとなり、同町教委教育課の平田秀次長は同事業の経緯を伝え「皆さんの作文を読んでしっかりとした目的意識を持っていることに感心した」と述べつつあいさつ。同団を結成する10人が自己紹介をし合った後、同町教委が派遣事業の行程の説明と早急のパスポート取得や海外旅行保険加入推奨などの事務連絡をし、オズカヤさんが同国やメ市の紹介と事前に求めた質問事項への回答をするなどして来る派遣に向けた準備の初動を固めた。
(2019年6月21日付紙面より)
串本、宇久井がそろって関西大会へ (オークワカップWTV小学生サッカー )
全国小学生ABCバド県予選で優勝
6月定例会が開会 (新宮市議会 )
新宮市議会(前田賢一議長、15人)の6月定例会が11日、開会した。会期は27日(木)までの17日間。改選後初となる定例会で、一般会計補正予算など6議案を審議する。一般質問は18日(火)から21日(金)までの4日間を予定している。
一般会計補正予算は、「個別予防接種事業」に520万円を追加。地方譲与税の一つである森林環境譲与税を財源とし、長期森林管理方針の作成および森林所有者への意向調査のために1004万2000円を補正。併せて「森林環境譲与税基金」を設置し、1608万4000円の積み立てを行う。補正後の予算総額は178億6589万8000円となる。
市森林環境譲与税基金条例の制定や、市重度心身障害児者医療費の支給に関する条例、高田保育所の新高田会館への移転に伴う保育所条例、市火災予防条例の一部改正なども審議する。
冒頭で田岡実千年市長が「今年は当市にとって節目となる年。先日の新宮港開港40周年記念式典も盛大に執り行うことができた。多くの議員にも参加いただき、素晴らしい催しとなった」と感謝を示した。11月に予定している水野家入部400年を祝う式典では、ドイツから水野家直系の子孫であるモニカ・水野・ベロイターさんを招く予定であることなどを伝えた。
当局から、新宮港埠頭株式会社や公益財団法人佐藤春夫記念会などの業務報告があり、徐福公園の運営状況について「昨年度の来園者数は2万7667人で前年比1313人の減少。売店売り上げにおいても前年度と比べると減少し、収益的にも厳しい状況が続いている」と報告。竹内弥生議員は「観光客は増えているのに徐福公園の来園者だけが減っている」と指摘した。当局は台湾観光客の減少が来園者数に反映されていると説明し「売店に関しては新規の商品の開発も検討している。今後具体的なアイデアを出していきたい」と回答した。
一般財団法人熊野川町ふれあい公社の業務報告では、上田勝之議員が「川舟の船頭の確保、育成は急務」と述べ、屋敷満雄議員は「渇水によるキャンセル客を減らすため電源開発と協議をするべき」などと提言した。
(2019年6月12日付紙面より)
紀南フィルムがまち歩き撮影会 (那智勝浦町 )
南紀地方とカメラが好きな人たちで構成される「紀南フィルム」のメンバーら11人は9日、那智勝浦町で「Have a nice PHOTO! まち歩き撮影会」を実施した。同町朝日の「ハナイ」に集合したメンバーらは写真家の鈴木さや香さんの講習を受けた後、勝浦漁港などを巡り、思い思いの写真を撮った。
「紀南フィルム」は、昨年度に熊野灘捕鯨文化継承協議会が、日本遺産「鯨とともに生きる」の対象エリア情報発信のため実施したフォトライター養成事業を契機に結成。撮影会は無料写真雑誌「Have a nice PHOTO!」を発行する株式会社シー・エム・エスと、大手機器メーカー「キヤノン」とのコラボ企画として開催した。
鈴木さんは「自分の気持ちを知るためにも、好きという感覚を探ることが大切。同じ被写体でも寄ったり引いたりすると違って見える」などと撮影のポイントを説明。「良い天気でも雨でも曇りでも、その時の条件を受け入れて心動く部分を探して。もっとこうであったら、ではなく今の景色を丁寧に見てみましょう」などと呼び掛けた。作品のタイトルにも言及し、「自分の気持ちを具体的に正直に表すことが大事」などとアドバイスをした。
講習後、メンバーらは「町の表情」をテーマに町内を撮影してまわった。港町の風景や漁業に関わる仕事、人にスポットを当て、写真を通して地域の魅力を発見した。
(2019年6月12日付紙面より)
古民家「稲村亭」「園部邸」 (串本町 )
串本町串本にある古民家「稲村亭」「園部邸」が7月1日(月)、古民家コンセプトホテル「NIPPONIA HOTEL 串本 熊野海道」として開業する。建物を管理する株式会社一樹の蔭(博多敏希代表取締役)にとっては初の再生活用事例。建物を運用する株式会社subLime(花光雅丸代表取締役)と両輪でともす明かりが今後いっそうの増棟の弾みになれば、と期待しながら創業に備えている。
所有者から古民家の譲渡を受けた同町は活用を模索する中で紀陽銀行が推奨する篠山市の手法に注目し、その仕掛け人の一般社団法人ノオトを含めた3者で街並みの保存継承と観光振興を目的とした地域活性化包括連携協定を締結。株式会社NOTE(藤原岳史代表取締役)と同町地域おこし協力隊の博多敏希さんが共同出資して一樹の蔭を設立し、同町から両古民家の土地の有償貸与と建物の無償譲渡を受けた。
以降は民力で運用する事業者を探してsubLimeと出会い、同ホテルの具体化を目指すことになった。2018年春に「稲村亭」、秋に「園部邸」と順次古民家再生が始まり、当初予定の2月末ごろから4カ月ずれこむ形となったが両古民家そろってオープンするめどが付いた。
先だって今月10日、subLimeのセッティングで経緯に関係する諸氏が稲村亭に集まり両古民家の再生後を内覧。田嶋勝正町長、紀陽銀行の日野和彦常務執行役員、南紀串本観光協会の島野利之会長、稲村亭の元所有者・神田家を代表して神田直樹さん、藤原代表取締役、subLimeの松岡庸一郎執行役員らがそれぞれ思いを掲げた。
それらを受け今後の事業展開に臨む博多代表取締役(35)は、具体化に至るまでの歩みと多くの支えを振り返り「6月に地域おこし協力隊(の任期)が終わるが、最後にこうして事業が出来上がったのをうれしく思う。一樹の蔭は一本の木陰に雨宿りする人の出会いも運命という意味で、神田さんも言われたが1本の流木から150年の時を経てたくさんの人が集まる場所に生まれ変わるのは素晴らしいことだ。これはまだ第1期。これからもまだまだ人の出会いを生んでいく事業にしていこうと思う」と応えた。
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再生後の「稲村亭」は客室1室と地産地消レストラン「紀州原始焼みなも―minamo―」があり、飢饉(ききん)救済の返礼で仕立てたという由緒がある奥座敷二間はほぼそのままの形でレストスペースになっている。「園部邸」は客室2室と古民家カフェ「こより―coyori―」を内包。オープン時点でレストランはディナーで、カフェは午後1時~4時に宿泊客以外も利用でき、古民家を受け皿にした人々の交流の場として振興を目指すとしている。
このオープンを足掛かりにして一樹の蔭とsubLimeは増棟の挑戦をさらに進め、喫緊では2020年までに客室10棟15室の実現を目指すとしている。
同ホテルのコンセプトなど詳細は公式ホームページ(https://nipponia-kushimoto.jp)を参照。
(2019年6月12日付紙面より)
「警戒レベル」運用始まる (和歌山県 )
水害や土砂災害の防災情報を5段階に分け、避難情報を分かりやすく伝える「警戒レベル」の運用が10日から和歌山県内で始まった。
「警戒レベル」は今年3月の国の「避難勧告等に関するガイドライン」改定に伴い導入された。レベル3を「高齢者等避難」、4で「全員避難」とするなど避難のタイミングを明確化。5は「災害発生情報」として命を守る最善の行動を促す。
昨年7月の西日本豪雨ではさまざまな災害情報が発信されていたものの、多様かつ難解で住民が活用できないでいた。このことを踏まえ、情報の意味を直感的に理解できるようにし、住民などの避難行動を支援する目的がある。
洪水、土砂災害、高潮、内水氾濫などに用いる。津波はレベル区分になじまないため対象外とする。
避難勧告の発令権は各市町村にある。基準は従来と変わらず、伝達を行う際にレベルを示し、防災無線やメールなどで住民らに知らせる。自治体によってはシステムの改修が必要なこともあり、改修を終えてから導入する所もあるという。
(2019年6月12日付紙面より)
バドミントン講習会
C級学童軟式野球東牟婁支部大会
女子団体戦でインハイ出場決める (県高校総体弓道競技の部 )
第21回ツール・ド・熊野が開幕
熊野地方を舞台とする国際自転車競技連合(UCI)公認で国内屈指の自転車ロードレース「第21回TOUR de 熊野(ツール・ド・くまの)」が5月30日、新宮市で開幕した。NPO法人SPORTS PRODUCE熊野主催、熊野新聞社など後援。
同レースには、現在UCIアジアランキング2位で新宮市を拠点とする「キナンサイクリングチーム」など国内から11チーム、海外からは現在同ランキング1位のトレンガヌ・INC・TSG・サイクリングチーム、同ランキング3位のHKSIプロサイクリングチームなど6チームが出場。17チーム101選手が熱戦を繰り広げる。
プロローグ(タイムトライアル)終了後、市内のキナン研修センターでオープニングセレモニーが開かれ、角口賀敏(よしとし)理事長が「今年は第21回と新たな歴史を刻み始め、今年からUCIの国際大会一本に絞り、国内選手のレースを無くしましたが、一層充実し中身のある大会にして地域の皆さんに楽しんでいただけ、参加いただいている選手の皆さんにベストを尽くして走れる大会にしたいと考えています。改めまして参加いただきました選手、スタッフ、役員、ここにいる全ての皆さまに感謝申し上げます」とあいさつ。
役員、来賓の祝辞などの後、参加選手を代表してキナンサイクリングチームの山本大喜(まさき)選手が「日頃の練習の成果を十分に発揮し、ツール・ド・熊野を支えてくださる方々への感謝の気持ちを忘れず、正々堂々と全力で最後まで走ることを誓います」と宣誓した。
大会2日目の31日は、同市熊野川町が舞台の赤木川清流コース(100・4㌔)。レース前には、新宮市役所からのパレード走行も実施された。
同3日目の6月1日(土)は熊野市や御浜町などが舞台で、大会の山場となる「熊野山岳コース」(109・3㌔)。2日(日)の最終第3ステージは、捕鯨の歴史が色濃く残る太地町が舞台の「太地半島周回コース」(104・3㌔)となっている。
(2019年6月1日付紙面より)
隣接町有地崩落の恐れは (那智勝浦町 )
那智勝浦町勝浦の町立勝浦小学校正門側から校舎に向かう坂道(通称・登校坂)左側にある町所有の山の一部について、「崩落の危険性はないか」と住民から不安の声があった。同町総務課と建設課にその対策や見解を聞いた。
同校は高台に位置し、多くの住民の命を守る避難場所として防災倉庫も建設されている。災害時に役場が使用できない場合は対策本部として活用される。登校坂は児童の登下校はもちろん、近隣住民が避難の際にも利用する。
住民によると、山に詳しい林業従事者が同所を確認したところ「木の重みで地盤が弱っていて危険。落石や山崩れの可能性があるのでは」との指摘があった。登校坂下付近には児童らが世話をする芋畑もある。過去にはその付近で落石などもあったことから、吹付け工事などを行い、落石防護柵を整備した。登校坂の左右にも同様の防護柵が設置されているが、住民が指摘する箇所には現在、落石を防止する網などは設置されていない。
住民は「子どもたちや災害時に避難してくる住民たちの命の危険を少しでも減らしてほしい。台風なども地盤を緩め、崩れる確率を高めるはず。避難する場所が崩れては高台にたどり着けないのでは」と話す。
総務課、建設課によると、すでに危険とされる木々を伐採し、現場の調査を終えている。今夏をめどに本年度予算で落石防止網を設置する予定。防止網は山の結合力を失った岩石を山自体の摩擦力や金網の張力で防ぐもので、高さは約5㍍ある。登校坂から倉庫手前までの延長約12㍍を覆う計画で県の補助事業となる。
両課は「現場を確認しているが大規模な落石の危険はないと判断している。少しでも危険性を取り除くために、子どもたちや町民の安全を考慮して今回の防止網の設置に至った。設置工事は県と調整がつき次第、夏休み期間中に取り掛かりたい」と説明した上で、「未定だが、山の土を取りプール側の低い土地を盛土して高台利用も検討している」と見解を示した。
(2019年6月1日付紙面より)
観光協会本年度通常総会 (古座川町 )
古座川町観光協会(須川陽介会長)が5月30日、同町月野瀬にある南紀月の瀬温泉ぼたん荘いろり館で本年度通常総会を開いた。前年度の積み重ねに加えて新たに事務所の開設やサイクリング事業展開のための環境整備、そして「本気の挑戦」を意識しながら事業関係の諸議案を審議し承認した。
同協会は、設立発起人会による準備を経て昨年9月27日に発足。期間半年の前年度は本稼働に向けた準備期間と位置付けつつ、初動として公式ホームページの立ち上げと初の誘客対策事業「古座川桜フェア」を形にするなどの実績を上げた。他方、次の時代の担い手にかじ取りを委ねるという同協会独特の布陣を受け、30~40代ぞろいの会長、副会長、事務局職員が町内のイベントに事細かに立ち会い把握と交流に努める姿勢も町民に知られるところとなっている。
この日の総会は開会時点で30人が出席し、35人が委任状を提出して成立した。須川会長は隣町のロケット発射場建設や初の誘客対策事業などの効果を話題にし「来ていただいたお客さまに楽しんでいただくだけでなくお金が落ちる仕組みもつくるとともに、今まで受け継いできた自然や文化を残しながら発信する仕組みも今年一年間を通してつくっていきたい」とあいさつ。来賓の西前啓市町長、同町議会の大屋一成議長、東牟婁振興局地域振興部の田堀国浩部長が祝辞を述べ、大屋議長は「本気の挑戦を見せてほしい」と力を込めて若手の挑戦を後押しした。
議事では前年度と本年度の事業関係諸議案を審議し承認。本年度は丸1年の挑戦となる本稼働初年度で、相応に約771万円規模の予算を認めた。事業計画は森武志副会長が説明し、▽設立時の観光ビジョンに基づく展開を目指すことや▽事務所移転は7月中に式典を交えて行う予定だが準備室として役場地域振興課内にある事務局機能を6月3日(月)付で先行移転する▽サイクリング事業は誘客対策事業の一環で展開するが同日現在で詳細は未定で一年をかけて調査研究と資材整備に取り組み環境の確立を目指す―などの内容を決めた。
会員を個人と団体に分けるなど円滑な運営のための規約改正案も承認。議事を終え、深海政也副会長は設立発起人会から数えれば1年余りとなる歩みを振り返り「集まった皆さんが一つになればきっと事は動く」という初心を思い出して取り組むと誓い、地方から新しいことをするつもりで本気の取り組みをしそれが周りに伝搬して皆が本気になる展開を今後に思い描いて締めくくった。
事務所や準備室の設置場所は道の駅虫喰岩内で、3日以降の問い合わせ先は電話0735・70・1275、FAX0735・70・1327となる。
(2019年6月1日付紙面より)
歯と口の健康週間に合わせ (太地町立くじらの博物館 )
太地町立くじらの博物館は5月31日、飼育するクジラの歯磨きを一般公開した。「歯と口の健康週間」(4~10日)にちなんだイベントで、9日(日)まで。
2008年から実施しており、この日は太地町立認定こども園(森尾扶佐子園長)に通うくじら組の13人(5歳)といるか組の17人(4歳)を招いてくじらショーと歯磨きを披露した。
歯磨きに参加したのはオキゴンドウのキース、ハナゴンドウのマロンとニールの3頭。クジラは食性によって歯の数や形が違い、魚を主食にするオキゴンドウは上下のあごに約40本、イカを主食にするハナゴンドウは下あごにのみ約10本の小さな歯がある。クジラは餌を丸飲みして食べるため、臼歯がなく、虫歯になりにくい。
園児6人も歯磨きを体験し、「歯が小さくて丸かった」「ちょっとこわかった」と感想を述べていた。ショーの後、園児たちには歯ブラシがプレゼントされた。
歯磨きはクジラショーの後、1日3回、10分程度実施。問い合わせは同博物館(電話0735・59・2400)まで。
(2019年6月1日付紙面より)
春季近畿地区高校軟式野球大会県予選
久司君が6㍍超えジャンプで1位に
県高校総体サッカー競技
沢田選手がプロローグを制す (第21回ツール・ド・熊野 )