新人は3人が当選 (那智勝浦町議選 )
任期満了に伴う那智勝浦町議会議員選挙が23日に投開票され、現職9、新人3の計12人の新議員が決まった。観光振興や地域活性化、少子高齢化、防災、医療・福祉を争点に15人の立候補者が激しい選挙戦を展開。現職の中岩和子さん(71)=公明党=が1000票を獲得しトップ当選を果たした。新人は城本和男さん(62)=無所属、加藤康高さん(49)=同、藤社和美さん(57)=同=の3人が当選した。
令和初の同町議選は現職9、新人6の計15人が立候補した。不出馬を表明した現職3人の票の行方も注目された。18日の告示後は5日間の短期決戦に突入。立候補者は選挙運動最終日まで、各地域で取り組むべき町の課題や自身の施策を訴え、票の上積みをすべく支持を呼び掛けてきた。
午後8時から体育文化会館で当落を決定する開票作業が行われ、各候補の支持者らがその様子を見守った。午後9時25分に結果が確定し、当選した各陣営では候補者と支持者が喜びの声を上げた。
期日前投票は4日間で4038票あり、前回(2015年)より533票増えた。当日有権者数は1万3024人(男5995、女7029)で投票者数は9004人。投票率は69・13%で、前回の72・32%から3・19㌽下がり、過去最低を更新した。新人の出馬などで投票率増が見込まれていた今回の選挙だが、有権者の政治に対する関心も低調な結果となった。
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15年から同町議会議長を務め、6期目の当選を果たした中岩さんは「これまでと違い、戦況が見えない大変な選挙戦でした」と振り返り、「当選は支援してくれた皆さまのおかげです。6期目は高齢者のための町内循環バスの充実や子育て支援、観光客の誘客に務め、町の活性化に全力で取り組みたい」と抱負を語った。
峰武久後援会長は「5期20年間の実績が高く評価された。献身的な支援の結果と感謝しています。山積する町の課題に真摯(しんし)に取り組んでいただけると期待しています」と述べ、選挙事務所はお祝いムード一色に包まれた。
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同町役場で税務課長や総務課長を歴任し、今回952票を獲得した城本さんは「ここまで支援していただけるとは思わなかった。今回の結果は皆さまのおかげ。お一人お一人に感謝を申し上げたい」。取り組むべき課題については「安心安全の町づくりや町の活性化に取り組みたい。地域が元気にならないと町の発展は難しい」と語った。孫の池田結ちゃん(2)と紬さん(9)から花束を受け取った城本さんは、集まった支持者らと当選の喜びをかみしめていた。
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■開票結果
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
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当 | 1,000 | 中岩 和子 | 71 | 公 | 現 |
当 | 953 | 亀井二三男 | 70 | 無 | 現 |
当 | 952 | 城本 和男 | 62 | 無 | 新 |
当 | 752 | 曽根 和仁 | 56 | 無 | 現 |
当 | 738 | 金嶋 弘幸 | 51 | 無 | 現 |
当 | 677 | 加藤 康高 | 49 | 無 | 新 |
当 | 630 | 藤社 和美 | 57 | 無 | 新 |
当 | 597 | 東 信介 | 60 | 無 | 現 |
当 | 592 | 荒尾 典男 | 65 | 無 | 現 |
当 | 500 | 左近 誠 | 78 | 無 | 現 |
当 | 492 | 引地 稔治 | 60 | 無 | 現 |
当 | 489 | 森本 隆夫 | 80 | 無 | 現 |
378 | 松本 和彦 | 49 | 無 | 新 | |
140 | 山本 勉 | 72 | 無 | 新 | |
33 | 清水 俊幸 | 59 | 無 | 新 |
当日有権者数 13,024人
投票者数 9,004人
無効投票数 82票
投票率 69.13%
(2019年6月25日付紙面より)
非戦、平和願い遠松忌 (新宮市 )
新宮市大橋通の淨泉寺(山口範之住職)で22日、真宗大谷派主催の「遠松忌法要」が営まれた。大勢の市民や関係者らが参列し、非戦・平和を唱え、差別と闘った同寺12代住職、高木顕明師(1864~1914年)の遺徳をしのんだ。
「前(さき)を訪(とぶら)う 今、この時代に聞く非戦・平等の願い」をテーマに毎年営まれている法要。1998(平成10)年に滋賀県大津市の本證寺で有志らが第1回を営み、翌年から新宮市で開かれている。今年22回目で、2000(平成12)年から同派が主催している。
関係者らは、市内の南谷墓地にある顕明師顕彰碑での勤行後、淨泉寺本堂で営まれた法要に参列。ノンフィクション作家の田中伸尚さんの法話「熊野『大逆事件』過去から未来へ」や交流会もあった。
顕明師は新宮出身の医師・大石誠之助(1867~1911年)らと共に非戦、平和を唱えて活動していたが、明治天皇暗殺を企てたとして「大逆事件」1910(明治43)年に連座し無期懲役となり、無念の中、14(大正3)年6月24日に秋田監獄で自ら命を絶った。事件を受け、顕明師は同派から追放されたが、96(平成8)年に処分取り消しとなり、名誉が回復されている。
山口住職は「遠方は北海道から、多くの人がこの日のために駆け付けてくれたのはありがたいこと。盛況のうちに法要を営むことができた」と感謝を示し、「顕明師の『余が社会主義』の内容を指針とし、もう一度自己を見直すきっかけとしたい」と話していた。
(2019年6月25日付紙面より)
災害医療勉強会兼ね救護研修会 (紀宝町 )
紀南地域救急医療対策協議会主催「災害時医療救護研修会第2回救護班研修」が23日、紀宝町生涯学習センターまなびの郷で催された。第3回南紀災害医療勉強会と合同開催で、メインテーマは「南紀の災害医療とDMAT」。医療関係者や行政職員など約150人が参加し、大災害発生時の医療について事例発表や意見交換をした。
松阪市民病院救急部の谷口健太郎医師が災害急性期に活動できるDMAT(災害派遣医療チーム)について、1995年の阪神淡路大震災をきっかけに編成されたことや2016年の熊本地震、18年の西日本豪雨での体験などを語り、公開ディスカッションではコメンテーターを務めた。
ディスカッションのテーマは「紀伊半島の災害医療とDMATについて」。くしもと町立病院の寺島真由美副看護師長は「災害マニュアルに沿った訓練はどのように?」と問いかけ、那智勝浦町立温泉病院の山本康久院長は「当院にはヘリポートがなく、水、食料、電気の備蓄は3日分。補給計画はない」と実情を述べた。新宮市立医療センターの舟津稔博医師は介護施設との連携訓練の必要性を訴えた。
機体の大きい防災ヘリは病院のヘリポートに着陸できないことや、ドクターヘリの病院への運行回数は一日5回以下が限度と思われることが明らかになり、訓練に医師の参加が少ないなどの課題も出された。大災害では、DMATは大都市周辺に多く派遣されることが予想され、「この地方への派遣は大丈夫か?」との疑問の声も上がった。派遣は必ずされるが、規模は不明という。
午後には御浜町、紀宝町、熊野市消防署、那智勝浦町立温泉病院、新宮市立医療センター、JSCOPE実行委員会による発表会があり、防災・減災への勉強会、情報発信や収集、応急手当講習会などそれぞれの取り組みが発表された。
会場には医療職志望の高校生約10人も姿を見せ、近畿大学附属新宮高校2年の大井美空(みく)さんは「この地方は高齢者が多い。私達が動けることもあるのでは。将来は看護師になり、この地方で働きたい」などと話した。
(2019年6月25日付紙面より)
管内の3カ所で街頭啓発 (新宮保健所串本支所 )
新宮保健所串本支所管内3カ所で22日、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動街頭啓発があり、啓発員約30人が薬物乱用を防ぐ機運の醸成に努めた。
この運動は厚生労働省が主唱する全国規模の薬物乱用防止キャンペーン。その趣旨に賛同する和歌山県は、国内の薬物事犯検挙人数が年間1万3000人余りで推移し若年層も少なくない状況を鑑みつつ今年3月に「第四次紀の国薬物乱用防止五か年戦略」を策定。関係機関団体と連携して対策に力を入れることとし、その一環で同支所は県民の意識を高め国連総会決議に基づく「6・26国際麻薬乱用撲滅デー」の趣旨を周知し防止の機運を高めることを目的とした同啓発を実行した。
前述の3カ所は▽Aコープ紀南VASEO店前▽同こざ店前▽オークワ古座川店前―で、啓発員は県薬物乱用防止指導員、串本警察署、串本青少年センター、串本町と同町教育委員会、古座川町と同町教育委員会、同支所の各関係者。
Aコープこざ店前では11人が買い出しなどで往来する住民にポケットティッシュなどの啓発物資を手渡し、趣旨を説明するなどして薬物乱用防止を意識するきっかけを託した。
同支所の堀内達司さんは「世界を見るとカナダが昨年に大麻を合法化したが、日本はそうではなく今も危険であることに違いはない。その危険がインターネットの普及と巧みな誘い掛けで都会や地方関係なく身近になっているのが今の時代で、若年層の検挙者も多いからこそ、社会は十分に啓発をして『ダメ。ゼッタイ。』を伝えなければならない」とこの啓発に込めた思いを語り、その実践をする啓発員の活動を後押しした。
(2019年6月25日付紙面より)
準々決勝までの組み合わせが決定 (全国高校野球選手権和歌山大会 )
小学生バレーボール男女大会地方予選
新宮市観光協会(里中陽互会長)は12日、新宮商工会議所で総会を開き、本年度の事業計画案などを承認した。
里中会長は「寄せてくる観光の大波を、共に手を携えて乗り切り、『世界の熊野』、『世界の新宮』と胸を張って言える街にしていきたい」と協力を願い、「皆さまから貴重なご意見を賜り、より一層観光を新宮市の重要な産業として確立させたい」とあいさつした。
本年度事業は▽観光客誘致のための宣伝活動▽まちなか観光推進事業▽水野家入部400年記念事業への協力▽世界遺産登録15周年事業▽クルーズ客船受入事業の共催▽南紀熊野ジオパーク事業・日本遺産「鯨とともに生きる」への協力―など。事業費は1943万1000円(前年比256万3000円減)。
協会会員の隅地洋さんは「市にとって観光振興の具体的な目標、その方法は何なのか。曖昧にしたまま進めてしまうと、何をすべきか分からず、結果として活動が停滞し、目標と外れた方向へと向かってしまう」と指摘。
「行政や観光協会、さらには市民挙げての共通目標と、それを実現するために必要な方策を生かす重要な取り組みが必要」と訴え、市と連携して真剣に取り組み、議論し、具現化し、観光振興を支える体制の形成を提案。
それに対して森本祐司専務理事は「提案いただいているワーキンググループや特別委員会のような形で、協会内に組織をつくるなど前向きに検討して、皆さまに発表させていただきたい」と応えた。
議事前には、観光功労者として熊野交通株式会社志古船舶営業所の山合忍さん(45)を表彰。業務の都合により山合さんが欠席したため、塩崎陽統括部次長が代理で表彰を受けた。「今回の受賞を励みとして、新宮市また南紀地方の観光発展のため、微力ではございますが業務に一層精励したい」との謝辞を代読した。
(2019年6月14日付紙面より)
城南中と王子ヶ浜小が研修会 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長)と王子ヶ浜小学校(山本眞也校長)は12日、合同の研修会(二校研)を開いた。同小の教職員30人が城南中を訪れ、公開授業の見学、全体会、分科会を通じて教育活動の情報を交換した。
王子ヶ浜小に通う児童のほとんどが城南中に進学することから、両校の連携を深め、継続的な教育活動を展開することが目的。今回を含め年3回実施する。
公開授業では、本年度から中学校で「特別の教科」になった道徳の授業を見学。全体会では、中田校長のあいさつに続き、教職員紹介があった。参加者らで各学年の様子を共有した。分科会では「人権・防災安全部」「学力向上部」「生徒指導部」に分かれ、それぞれのテーマで話し合った。
中田校長は「生徒たちは懐かしい小学校の先生に会えるのを楽しみにしていた。小学校では1年早く道徳が教科化したので学べることが多いのでは」。山本校長は「落ち着いてしっかり授業を受けていた印象。小学校と中学校は同じ校区にあっても、対象年齢や学級担任制と教科担任制などさまざまな違いがある。しっかり情報交換していきたい」と話していた。
第2回二校研は、8月1日(木)に王子ヶ浜小学校で実施する予定。
(2019年6月14日付紙面より)
熊野川中2年生が職業講話 (新宮市熊野川町 )
新宮市立熊野川中学校(吉田元紀校長)で12日、職業講話があった。同校の2年生6人が、同町日足の池上石油・プロパンの池上順一さんから働くための心構えや知識などを学んだ。
働く人の話を聞き、仕事の楽しさや厳しさを学び職業に対する理解を深めようと、職場体験を前に毎年行われている。
池上さんは、江戸時代には職業が制限されていたため、代々父親の仕事を継いでいたと説明。自身の家系も先祖代々、日足で約400年暮らしており、曽祖父の代までは紺屋(染め物)をしていた。父親の代になると、終戦後にパン屋、菓子やジュースの卸し屋などを経て現在の会社を営んでいると紹介した。これまでの商売でうまくいかなかった要因として「商品には寿命がある。物自体でなく地域で商品としての寿命が尽きた」と語った。
池上さんは生徒に夢を尋ね「好きな職業に就くために、仕事内容や自分はどうすればいいのかなど、いろんな情報を集めることが大事。皆さんは自分の力で好きな仕事を探し選んでいくと思いますが、それに向けての努力や覚悟も必要であることを忘れないでください」と呼び掛けた。
(2019年6月14日付紙面より)
姫ひじき生産組合加工場で (串本町 )
串本町の姫ひじき生産組合(堀喜代子会長)が11日、同組合加工場で3~4月に収穫した姫産ヒジキの釜炊きを始めた。今年の収量は乾燥重量で2・6㌧と例年になく少なめ。当面は梅雨時期の晴れ間に合わせて作業を進め、特産品「姫ひじき」として出荷するという。
古くから良質のヒジキが育つことで漁が活発な同町東岸域。中でも姫の磯場は長く柔らかく味も良いヒジキが採れることで知られ、同組合が特産品「姫ひじき」を生産していることで地域内外に親しまれている。
長らくの食用により地元に根付いた伝統製法でおいしく炊き上げ、天日干しして乾燥保存できるようにしたのが特産品「姫ひじき」。その要の調理となるのが直径、深さとも約1㍍ある鉄釜で60㌔を4時間余りかけて炊き続ける釜炊で、11日は雨天だったが翌12日の好天を見越して今年のヒジキを初炊きした。12日は昨年のヒジキを早朝から1回炊き、釜の熱が抜け切る前に今年のヒジキを入れて4時間30分ほど炊いた。
今年産の釜炊きは1年余り寝かせた去年産とは炊き方が若干違うそうで、色味が淡くふっくらと仕上がるのが特色。釜から出した後はそのまま天日干しで乾燥させ、雑藻などの混ざりものを取り除く手間も掛けて袋詰めし「姫ひじき」として出荷する。
堀会長は「ここ最近は4㌧ほど採れていたが、今年はヒジキの育ちが鈍く厳しい不作。周りもそのような状況で、県水産試験場からは黒潮の接岸の遅れが影響したと聞いている。姫は場所にもよるが育ちが良く、釜炊きした後の柔らかさと味の良さはいつも通り」とコメント。一日でも早く待ってくれているファンに届けようと鋭意生産に励んでいる。
「天日干しする前の『姫ひじき』もおいしい。ごまのドレッシングがお薦め」―。地元では釜炊き後の「姫ひじき」をサラダパスタ風に味わう食べ方も親しまれているそうで、炊き上がる頃に同組合を訪ねれば天日干し前の「姫ひじき」も販売するという。同組合の加工場は旧養春小学校そばにある。
(2019年6月14日付紙面より)
「みなとフェスタ」で登録証授与式 (新宮港 )
国土交通省は2日、新宮市佐野の新宮港エリアを「みなとオアシス」として登録した。同日、同港で開催された「新宮港みなとフェスタ」記念式典で登録証授与式が行われ、国交省の菊地身智雄技監が田岡実千年市長に登録証を手渡した。登録により港湾の付加価値を高め、地域住民や観光客、クルーズ旅客などの交流と休憩、情報提供、災害時支援や商業機能などの役割を担っていく。
式典は三輪崎郷土芸能保存会の「三輪崎の鯨踊」で開幕した。新宮港40周年記念実行委員会委員長の垣内宏・新宮港振興会長が「登録に合わせて、次なるステップへとつながる機会を頂いた」と感謝を示した。新宮港港湾管理者の仁坂吉伸県知事が「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2018特別賞を頂いたのも、このたびのみなとオアシスの登録も、新宮市の皆さんの努力が評価されたから」と述べた。
来賓として招かれた自民党の二階俊博幹事長が「親切な気持ちでお客さんを迎えることが大事だと思います。新しい時代の幕開けのために、皆さんと協力し合うことを誓いたい」とあいさつ。続いて鶴保庸介参議院議員、菊地技監、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の平朝彦理事長がそれぞれ祝辞を述べた。
登録証を受け取った同実行委員会副委員長の田岡市長は「クルーズ船の見送りや港の清掃、管理をしてくださった皆さまのおかげ。登録を機に、さらに多くの方々にこの港に集っていただき、港が活性化し発展していくために官民一体となって頑張っていく所存」と決意を示した。
式典では、新宮港に多大な貢献をしたとして、JAMSTECの平理事長、和歌山県クルーズ振興協議会会長の浅見尚史・県県土整備部港湾空港局長、北越コーポレーション(株)の岸本晢夫・代表取締役社長、須川輝一さん、椋野玲史さんに、田岡市長から感謝状と記念品が贈られた。
(2019年6月4日付紙面より)
地元・キナンのガルシアが山岳賞 (第21回ツール・ド・熊野 )
熊野地方を舞台に5月30日から4日間の日程で開催された、国際自転車競技連合(UCI)公認の国際自転車ロードレース「第21回ツール・ド・熊野」が、2日に太地町で行われた第3ステージで全日程を終えた。
レースは逃げ切った5人でのゴール前スプリントを制したフェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア)が2時間38分28秒で優勝。2位に孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング)、3位に入部正太朗(シマノレーシング)が入った。
この日はスタートと同時に雨が降り始め、前日までとはうって変わって肌寒さを感じる中でのレースとなった。
序盤、マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)と入部がメイン集団と30秒差で先行するも、チーム右京勢の追走により5周目までに吸収された。
中盤6周目には入部、孫崎、中井唯晶(シマノレーシング)、鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)、フェデリコ・ズルロ、トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)、ロビー・ハッカー(チーム右京)の7人が先行し、メイン集団との差を2分以上に広げた。
最終10周目を前に中井と鈴木が遅れ、残る5人での優勝争いに。メイン集団との差が縮まりながらも逃げ切り、ゴール前でのスプリント決着となった。
第3ステージが終了し、自転車競技(ステージレース)最大の名誉とされる個人総合優勝は、第1ステージを制し、第2、第3ステージと安定した走りを見せたオールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)が7時間32分49秒で制し、併せてポイント総合賞も獲得した。
山岳総合賞はマルコス・ガルシア、U23個人総合は個人総合4位のコービン・ストロング(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム)、チーム総合はマトリックスパワータグが獲得した。
個人総合優勝のアウラールは「とてもうれしい。チームメートや応援してくれた皆さんに『ありがとう』と伝えたい」と喜びを語った。
大会終了後、角口賀敏(よしとし)実行委員長は「今年からUCIレース一本に絞り不安な部分もあったが、選手の頑張りのおかげで、中身が濃くレベルも高く、タイムも縮まるなど良い大会になったと思う。大会は、多くのボランティアの皆さんや地域の皆さんに支えてもらっている。交通規制で迷惑を掛けているが、ご理解いただいた上で応援もしていただいているので、われわれはそれを励みに、今後も続けていきたい」と話した。
また、キナンサイクリングチームについては「第1ステージがふがいない結果に終わってしまったが、選手は地元のチームとして『このまま終われない』と、第2、第3ステージはとても頑張ってくれた。来年に向けて個人総合を取れるように頑張っていきたい」と話した。
(2019年6月4日付紙面より)
二色地内で農事「虫送り」 (串本町 )
串本町二色地内で1日夜に農事「虫送り」があり、たいまつを掲げて各水田を巡りながら海を目指す一行が区民の注目を集めた。
「虫送り」は、乗っているウマが稲刈り後に残った株につまずいて倒れたところを敵に討たれた武将・斉藤実盛が稲虫になって稲を食い荒らす、という伝承にちなんだ慣習。夕暮れ時にたいまつの明かりで田畑の虫を引き寄せ、海まで引き連れていく形が定着している。
二色地内は、地元の水利組合(坂本渡組合長)が二色区(高岡勲区長)の協力を得て世話役を務める形で同行事を続けている。今年も水利組合の坂本組合長ら世話役がタケを長さ約1㍍で切り出し一方の端に灯油を染み込ませた芯を詰めたたいまつを準備して子どもの協力を呼び掛けた。子ども23人がたいまつを手にし、「実盛殿は万代の虫をお供に連れてお通りなされ」と唱えあたりかねを2回、ほら貝を1回「カン、カン、プー」と鳴らす流れを繰り返しながら二色川の上流から各水田を巡り、河口まで歩いた。
河口そばにある浜へ着くと、たいまつを砂浜に立てて終了。ほどなくしてたいまつを浜で焼き、子どもはお礼として菓子をもらい奉仕を締めくくった。坂本組合長は「今年はいつもより大勢参加してくれて、それだけ(害虫を引き連れる)たいまつが増えてありがたかった。子どもが頑張ってくれたのだから豊作をと願うし、そうなるよう自分も頑張らなければと励みをいただけた」と子どもの協力を喜んだ。
(2019年6月4日付紙面より)
新宮市佐野の夏の風物詩、「佐野柱松」。8月16日(金)の開催に向けて、実行委員会(瀬古尊夫会長)のメンバーが、2日、寄付回りを開始した。佐野区民の他、企業を訪問して運営資金の寄付を募る。
佐野柱松は五穀豊穣(ほうじょう)などを願う同区の伝統行事。戦時中に一時中断、1948年に再開したが、資金、人手不足で59年に再び中断。93年に同実行委員会が復活させ、27年目となる。明治時代には木本の花火と並ぶ催しという記述もあったという。
瀬古会長は「柱松は皆さんの寄付で成り立っている。頂いたご厚意を無駄なく楽しいイベントとしてお返しする。思いを伝えるために頑張っていきたい」。
「元号が変わり、令和初の柱松の新たなスタートと、会員一同取り組んでいます。今年は役員改選もあり、新体制で初の柱松でもあり、手探りな部分もありますが、30回、40回と続けられるように頑張りたいので協力をお願いしたい」と話していた。
(2019年6月4日付紙面より)