嘱託警察犬に感謝状 (新宮市 )
新宮警察署(髙砂=たかす=浩之署長)は10日、行方不明となっていた80代女性を生存発見、救助したとして、嘱託警察犬パンドラ号(パンドラ・フォン・クランツ・K.Y.)と嘱託指導手の榎本義清さん(57)に感謝状を贈った。榎本さんは「よくやったと声を掛けてあげたい」とパンドラ号をねぎらった。
パンドラ号(シェパード・雌)は2009(平成21)年から県警察嘱託警察犬として活躍する11歳のベテラン警察犬。捜索救助や足跡追及、爆発物捜索を得意とする。これまで、NPO法人和歌山災害救助犬協会の理事長を務める榎本さんと共に、東日本大震災や紀伊半島大水害、熊本地震、西日本豪雨の被災現場で捜索活動にも参加している。
同署によると、先月21日午前9時に市内の70代男性から「妻がいなくなった」旨の110番通報を受け、届け出を受理。捜索を実施するとともに警察犬の出動を要請した。同日午前11時ごろに榎本さんがパンドラ号を伴い捜索に加わったところ、約30分後に浮遊臭をたどったパンドラ号の先導により、自宅からほど近くの谷底にあおむけで倒れている女性を発見、人命救助に至った。女性は発見当時、あばら骨骨折、低体温、意識もうろう状態で市内の病院に搬送されたが命に別状はなく、現在は退院し自宅で療養している。
榎本さんは「発見場所近くでパンドラ号が反応し、20㍍ほど下の谷に降りていったのでついていったところ、倒れている行方不明者を発見した。声掛けにも反応しなかったが、背中がわずかに動いており、驚いたと同時に安心した」と発見当時の様子を振り返り、「救える命を救いたいという気持ちで訓練していた。普段から定期的に訓練したかいがあった。引き続き精進しながら訓練に努めたい」と決意を新たにしていた。
髙砂署長は「発見が遅れていたら命に関わることだった」とパンドラ号の活躍に感謝を述べた。 県内では現在、榎本さんとパンドラ号を含め、16人の指導員と29頭の警察犬が受嘱している。
(2019年4月12日付紙面より)
「坐・噺の会」迎え寄席 (田並劇場 )
串本町田並にある田並劇場で7日、紀美野町に拠点を置くグループ「坐(ざ)・噺(はなし)の会」の寄席があり、近隣住民ら約30人が生の落語や講談、大喜利などを楽しんだ。
このグループは、関西大学落語研究会OBが中心になって6年前に結成。「小さな村や町で小さな寄席を」をコンセプトにして県内各地に寄席の裾野を広げている。昨年10月には古座川町各地で寄席を実施。さらなる南進を模索する中で同劇場の存在を知り会場提供を申し出たそうで、同劇場保存会の林憲昭さんも「この劇場で寄席をしたらどうなる?」と興味を持ち依頼に応えたという。
出演は関大亭学乱(がくらん)さん、ひさご亭江香(こうか)さん、爪田家らいむさん、関大亭忍狂(にんきょう)さんの4人で、夢さやか社中が囃子(はやし)を響かせ生の舞台感を盛り上げた。江香さんは講談師、他3人は落語家。それぞれに1演目を披露し、大喜利も織り交ぜて約2時間のひとときを形作った。
田並劇場は林夫妻らによる4年来の修復により昨年7月、約半世紀を経て再興した。旧来の面影を色濃く残しつつ往時の映画作品の上映会を基軸にして再出発し、イベントも積極的に開くなど幅広く活用を重ねている。日常的に親しんでもらえるよう劇場カフェを開設し、毎週月・水・土曜日の午後1時~5時に場内開放。その一端で水曜午後3時30分~5時には子ども向けの同劇場造形教室も開いている。
イベント関係では、21日(日)に映画上映会(作品は『死刑台のエレベーター』)、30日(火・休)に「インドネシア・島々の民族音楽を求めて」と題して実践者の坪内あつしさん一家のトーク&ライブがあり、27日(土)には新たにフラ教室もスタートする。いずれも参加費が必要。詳細の問い合わせは同劇場(電話0735・70・1046)まで。
(2019年4月12日付紙面より)
いきいき百歳体操 (紀宝町 )
紀宝町内で介護予防を目的とした「いきいき百歳体操」が広がりを見せている。2017年度から阪松原地区を皮切りにスタートし、現在では自主活動を含めて6地区で取り組まれている。
02年に高知市の職員が、米国国立老化研究所が推奨する運動プログラムを参考に開発した筋力運動。椅子に腰を掛け、映像を見ながら準備体操、筋力運動、整理体操の三つの運動を行う。
厚生労働省のモデル事業として全国に広まった。同町では県からの紹介を受けて介護予防事業として実施した。
町内6地区のうち、津本地区の深田スポーツ交流センターでは男性限定の教室を開いている。介護予防教室に男性の参加者が少ないことから、モデル地区として「津本男子」を結成。昨年10月から始まった。
現在は10人が参加し、毎週水曜日に集まっている。10日の教室では約40分のDVDを見ながら、椅子に座った状態で準備体操から始めた。筋力運動では2・2㌔まで10段階に調節可能な重りを手首や足首に巻き、腕、ひざ、足の運動などに取り組んだ。
参加した産屋敷基久さん(62)は「70~90代の元気な人が多い。これまで半年間続けて、足腰が衰えない程度に健康を保てている」と話していた。
町では5月末から介護予防サポーターを養成し、町内各集会所で実施する計画だという。現在6地区で開いている教室への参加者も募集中で、問い合わせは、同町役場みらい健康課(電話0735・33・0355)まで。
(2019年4月12日付紙面より)
「まぐろのぼり」を町に寄贈 (南紀くろしお商工会 )
マグロのまち那智勝浦町のPRに貢献しようと、南紀くろしお商工会(森川起安会長)は8日、町に「まぐろのぼり」を寄贈した。堀順一郎町長は「色もきれいで見栄えがする。昨年はクロマグロの資源問題による漁獲規制があったが、資源に優しいはえ縄漁を打ち出すチャンスと捉え、PRに活用させていただく」と感謝した。
全長4㍍の青いのぼりと3㍍の赤いのぼりの一対が贈られた。町が効果的な設置場所を検討し、掲揚の日時を決める。
この日は役場町長室で贈呈式が開かれ、堀町長、森川会長、商工会まちづくり部会の土佐修平会長、同・加藤康高副会長らが出席した。
まぐろのぼりは国の提案公募型地域活性化事業の補助を受けて作られた。南紀熊野体験博(1999年)で会場に飾られ、現在も機運醸成のアイテムとして商工会が活用している。
(2019年4月12日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で10日、「天皇陛下御即位30年御成婚60年奉祝奉告祭」が執り行われた。皇室の安寧を願うとともに、天皇陛下の治世に感謝を示した。
天皇皇后両陛下は1959(昭和34)年の4月10日にご成婚。皇居から東宮仮御所までの馬車列によるパレードには、50万人以上が駆け付け祝福した。民報テレビもご成婚に合わせて相次ぎ開局。テレビの受信契約は200万台を突破した。両陛下は即位と結婚の節目が重なっており、今年は即位30年、結婚60年となる。
奉告祭では出張中の九鬼宮司に代わり長谷川圭治禰宜(ねぎ)が斎主を務めた。祝詞を読み上げ、玉串をささげた。同大社氏子総代会や敬神婦人会、氏子青年会ら15人が参列し、平成最後の節目を祝った。
長谷川禰宜は参列者らの日頃の尽力に感謝を伝え「陛下は平成の世で一番良かったことは戦争がなかったことだと話された。日本国民が戦争の悲惨さを考えて行動していただいたおかげだとおっしゃられた。陛下は昭和天皇から平和への思いを、見事平成の時代へ引き継がれた」などとあいさつ。13日(土)から始まる同大社例大祭への協力を呼び掛けた。
榎本隆文・氏子総代会長は「天皇皇后両陛下においては、長い間本当にありがとうございましたという感謝の気持ちでいっぱい。ゆっくり休んでいただいて、機会があればここ熊野の地にも訪れてほしい」。平成元年に総代会に入会し、自身も節目を迎える榎本さんは「禰宜も話していた通り、戦争のなかった平成の時代に引き続き、令和も平和な時代であることを願います」と話していた。
(2019年4月11日付紙面より)
漁獲量減少するも金額増 (勝浦地方卸売市場 )
国内有数のマグロはえ縄船の基地、那智勝浦町の勝浦地方卸売市場の2018(平成30)年度のマグロ類の取引高は、70億474万円(前年比5億1298万円増)となった。同市場を運営する和歌山県漁業協同組合連合会(JF県漁連)がまとめた。(数量は㌧未満、金額は万円未満切り捨て)
全体の取引高は76億2762万円と過去10年間で最も高く、水揚げ量は低い順から2番目。原因はサンマなどの小物類の不漁が続いていることに加え、同市場の主要魚であるビンナガマグロの漁獲減少が大きく影響した。
魚種別の年度末集計は、金額の多いものから順に▽ビンナガ6359㌧、36億4218万円(前年比665㌧減、1億6851万円増)▽キハダ1864㌧、19億1554万円(343㌧増、4億5241万円増)▽メバチ1004㌧、11億8050万円(6㌧増、2165万円増)▽カジキ類811㌧、5億2141万円(63㌧減、5318万円減)▽クロマグロ51㌧、2億6652万円(23㌧減、12億9600万円減)▽その他47㌧、1億146万円(7㌧減、2182万円減)―となっている。
昨年秋から年末までのビンナガの水揚げ量は前年比約700㌧の減。12月には漁価が急上昇した。メバチマグロの水揚げは大きな変動がなく安定しており、キハダマグロは水揚げ量、金額ともに順調な伸びを見せている。
クロマグロは水揚げ量が減ったものの、年度明け早々の7日、高知県の隆栄丸(たかえいまる)が取った282㌔の大物に1月以降の同市場最高額417万3600円の値が付いた。
同市場に揚がる生マグロは、全てはえ縄漁により漁獲したもので、この漁法は目当ての魚種、大きさなどが絞り込めるため水産資源に優しく、一本ずつ丁寧に釣り上げることから品質が良いといわれている。JF県漁連勝浦市場の太田直久参事役は「例年漁獲量の減少が懸念される中、水揚げの増加はありがたい。漁価の安定を図るため市場の衛生管理を徹底したい。入港船の誘致についても力を入れていく」と話していた。
(2019年4月11日付紙面より)
旧チャップマン邸改修設計の金嶋事務所 (新宮市 )
㈱金嶋一級建築設計事務所(金嶋正人代表取締役)は5日、新宮市に旧チャップマン邸のジオラマを寄贈した。100分の1スケールで19日(金)から供用を開始する同邸に展示される。同社は旧チャップマン邸改修の設計業務を受注した。
旧チャップマン邸は、市名誉市民で大正時代を代表する文化人の西村伊作が米国人宣教師E・N・チャップマンのために設計、1926(大正15)年に建設した洋風建築物。戦後から78(昭和53)年までは旅館として使われていた。2015(平成27)年に市に無償譲渡され、18(平成30)年5月から耐震補強改修工事を進めていた。
(2019年4月11日付紙面より)
道の駅「たいじ」朝市
太地町森浦にある道の駅「たいじ」(貝良文駅長)で7日、恒例の朝市が開かれた。今回で8回目となる朝市では、鮮魚などの地元海産物や菓子、土産物などの多くの品物が並び、ポテトやイワシの詰め放題などの催しも行われ、大勢の来場者でにぎわった。
午前9時から開始され、観光客や町内外の来場者が豊富な出店に足を止め、好みの品を買い求めていた。今回の目玉である南紀くろしお商工会が実施したポテト詰め放題では開始と同時に客が殺到し、ポテトの準備が間に合わないほどの人気ぶりだった。この日の朝に水揚げされたばかりのワラサ(ブリ)が1匹1000円で販売され、即完売となった。そのほか、菓子やアクセサリー、多肉植物、うにご飯、たこ焼き、「鯨クレープ」なども盛況で、多くの人が各店に列を作っていた。
貝駅長は「今回で8回目。回を重ねるごとにお客さまに浸透してきていると感じる。地元客だけでなく、観光客も焦点にするために、開始を午前9時にしたことが功を奏したのでは。にぎわってくれて本当にありがたい」と話した。
串本町大島から訪れた平見紀三子さん(70)は「ブリがこんなに安い値段で買えるとは思わなかった。お造りにしていただきます」と新鮮な魚に大喜び。「初めて来たが、にぎわっていて楽しい。ぜひ、次回も足を運びたい」と笑顔で語った。次回の朝市はゴールデンウイーク翌週の5月12日(日)を予定。
(2019年4月11日付紙面より)
もみじ会3月月例杯
JUNTOSが2連勝と好スタート
総合スポーツ大会グラウンドゴルフ (ゆうゆうクラブ )